とやま語りの会
子供たちに故郷の民話や童話を語り聞かせ、豊かな心を育みたい。

次世代を担う子供たちに夢、希望、生きる勇気を

とやま語りの会

 富山市市民大学「児童文化を学ぶ」講座の受講修了者で、民話に興味・関心のある仲間が集まり設立した生涯学習ボランティアグループ「とやま語りの会」。
 「講座で学んだことを生かしてほしい」といった講師の松井昭徳氏の勧めもあり、次世代を担う子供たちに民話や童話の語りを通し、故郷の素晴らしさを伝え、夢や希望、生きる勇気を与え、優しさと思いやりを育み、豊かな心の成長を願うことを目的として平成11年2月に活動をスタートさせました。
 グループの代表には、とやま語り部連絡会(語り部バンク)の副会長を務める奥井悦子さんが就任。
 富山市内の保育園2か所、幼稚園2か所、児童センター1か所で、毎月1回の定期訪問をし、子供たちに民話、童話、絵本、紙芝居などの語り聞かせをしています。ただ単に読み聞かせるだけでなく、子供たちに興味を持ってもらえるように、会員が自分たちで民話を紙芝居にわかりやすく作り直しています。

児童会から高齢者団体まで訪問依頼が多く大人気

いろりを囲むおはなし

 立ち上げ当初は、会員の居住する地区の幼稚園、保育所を個別に訪問し、徐々に訪問場所を増やしながら活動を広げていきました。活動開始から1年ほどでボランティアサークル名簿や高齢指導者名簿を見たといったロコミで、自治会、児童会、長寿会、高齢者団体などから直接代表の奥井さんへ依頼が入ってくるようになりました。
 また、富山民俗資料館でも毎月1回「いろりを囲むおはなし」と題し、会員各自が郷土史、高齢者、お寺の住職などから聞き集めた富山の民話の語り聞かせをしています。
 三世代交流の場での語り聞かせ会や、高齢者サロンでの朗読ボランティアも毎月数か所を訪問しています。

約70の民話を集めて2冊の小冊子を発行

 さらに富山の民話を研究して書物にして後世に残す活動にも力を入れています。平成23年、25年には、会員が集めて研究した民話を「いろりを囲むおはなし」として約70話集めて小冊子2冊を発行しています。
 毎月1回の会合を行い、訪問予定(1か所に2名)を全員で確認します。民話、童謡、絵本、紙芝居の語りの内容は訪問先ごとの過去の記録と照らし合わせ、代表と訪問担当者が話し合って決め(保育園では1か所につき約30分~40分で2話、3話)、定期訪問する幼稚園や保育所は、担当者をなるべく変えずに幼稚園などの所在地に近い会員が行っています。
 「今後も現在の活動を継続していく予定です。高齢化が原因で一時的に活動できなくなる会員もいたり、富山市以外からの依頼も多くなっていたりと、活動依頼の全てに対応できない状況になっています。若い会員も若干いますが、今は70代後半から80代が中心に語り活動をしているので、後継者の育成を含め、60代前半の会員も増やしていきたい」と代表の奥井さんは話します。