雑賀地区認知症見守りの会「ほっとさいか」
地域ぐるみで取り組むテーマは、認知症になっても大丈夫なまちづくり。

松江市内の中でも特に高齢化が進む地域

ほっとさいか研修風景

 松江市内でも特に高齢化が進む雑賀地区で、認知症の人、またその家族の暮らしを地域ぐるみで考える取組が平成19年から始まりました。
 松江市社会福祉協議会が、ニッセイ財団助成によるモデル事業として、地域包括支援センターや市社協のソーシャルワーカーの支援の下、平成21年に雑賀地区で実施された認知症に関する連続講座の受講者を母体に、ボランティア約150名による認知症高齢者の身守りネットワーク「ほっとさいか」を発足させました。
 「認知症になっても大丈夫なまちづくり」をテーマとし、住民が主体となり、認知症についての研修会、未帰宅事案発生時の緊急連絡網づくりと模擬訓練の開催など、意欲的に取り組んでいます。

認知症の研修会には毎回100~120人が参加

徘徊模擬訓練

 毎年の総会に合わせて研修会を実施。年に4~5回、一般住民を対象にした認知症の初歩的内容の研修会と専門的に学ぶ研修会を開催しています。研修会には毎回100~120名が参加、雑賀地区の認知症への関心の高さを示しています。
 また、雑賀町内を6つの班に分け、各班での情報交換会を年1~2回行っています。その他、認知症に関わるケースに応じて「ほっとさいか」のメンバーを中心に民生児童委員、地域包括支援センター、ケアマネジャー、介護サービス事業所、医療機関などによる会議を随時行っています。

他人事ではなく、自分もなるかもしれない

 活動の企画は、「ほっとさいか」の班長会の話し合いで決定します。運営は雑賀公民館が支援するほか、松江市社会福祉協議会、地域包括支援センター、行政保健師などが関わっています。
 これまでは認知症を発症した方への対応について、研修会や話し合いを行ってきました。「ほっとさいか」のメンバーは60代~70代が中心で、「他人ごとではなく、いつか自分もそうなるかもしれない」という意識を持って活動しています。
 近年、メンバー自身が認知症を発症するケースも出てきたので、平成27年度からは「認知症を予防するためには」をテーマに、認知症予防・早期発見への意識啓発や共助の活動も予定しています。