ICTサポート福岡
マルチメディアDAISY図書の作成とPC指導で社会貢献ボランティア。

平成21年の著作権法改正で本のデータ化が自由に

パソコン教室

 平成21年、著作権法の改正により、視覚障害者以外の様々な原因で読書が困難な方に対し、著作者に無承認で本をデータとして作成し、本を提供(貸出し)できるようになりました。これによりテキストと画像に音声が加わり、読んでいる場所がハイライトされたり、文字の大きさが変えられたりするなど、その人にあった方法で読書できるマルチメディアDAISY図書が普及し始めました。
 これを機に、県域を中心に障害者のパソコン利用の支援活動を行っていたメンバーが集まり、「ICTサポート福岡」を発足させました。

障害児や図書館などに絵本100冊以上を寄贈

マルチメディアDAISY図書

 「ICTサポート福岡」では、平成22年から月4回のパソコン教室を開催。絵本を中心としたマルチメディアDAISY図書を作成し、より多くの障害児や障害者に本を提供する活動を始めました。また、平成24年からはマルチメディアDAISY図書に関するQ&A方式のケーススタディを中心に学習する月2回のマルチメディアDAISY定例研修会も開催しています。
 これまで障害のある児童生徒のために絵本を中心に100冊以上のマルチメディアDAISY図書を作成し、福岡教育大学、大牟田市図書館、柳河特別支援学校などに寄贈しています。また、障害者に対して、情報を得るためのパソコン操作の研修会を開催するなど、社会参加や自立促進を支援し、生活の質の向上を目指しています。

マルチメディアDAISY図書作成と障害者のPC指導

 現在は、毎月第2土曜、第4火曜に福岡市市民福祉プラザパソコンルームでマルチメディアDAISY 図書の作成と、障害者へのパソコン指導を行っています。
 「マルチメディアDAISY図書は、iPadなどのタブレットでの再生も可能です。ただ、パソコンとはスクリーンや操作が異なるため、タブレットに対応できるよう、実際に操作を行いながら問題点を解決し、編集の共通化や技術の向上を図っています。マルチメディアDAISY図書自体、まだあまりよく知られていないんです」と代表の根本實さん。ホームページで研修会のお知らせやメンバーの募集を行ってはいるものの、「ある程度のスキルが必要なボランティアなので、メンバーの確保が難しい」とのこと。
 「マルチメディアDAISY図書は、福岡市の点字図書館にも置かれていないくらいなので、まだまだ市民への周知と利用者の拡大が必要です。それと、障害者へのパソコン研修も必須。タブレット対応の基盤づくりもこれからの課題です」と、今後の活動への抱負を語る代表の根本さん。
 「ICTサポート福岡」には、各方面から更なる活動展開が期待されています。