信原田楽保存グループ
「信原田楽」で地域の人々を盛り上げ、伝統文化として後世に伝えたい。
昭和初期に途絶えていた「信原田楽」を45年ぶりに復活
昭和57年の下板木村信原地区の町民祭りで、昭和11年頃を最後に途絶えていた「信原田楽」を地元の人たちが協力し、45年ぶりに復活させました。
昭和61年からは「信原田楽保存グループ」が中心となって、3年毎に地域の圃場で「信原田楽」を開催。平成5年からは毎年「信原田楽大花田植」として盛大に開催しています。
「信原田楽大花田植」は、今や地域の伝統行事として定着し、地元の人のみならず、県内外から大勢の観光客が訪れるほどの一大イベントとなり、地域活性化に貢献しています。
「経験者がいるうちに復活させて若者に伝承しなければ」
「信原田楽」は、毎年6月末の田植え休みに地区の庄屋さんが人々に感謝の意を表わすために「花田植え」の後におもてなしを行ったというもの。「花田植え」では、数頭の和牛が田を歩いて土を柔らかくした後、20代から80代の早乙女20人が横一列に並んで、太鼓や笛の音に合わせて、丁寧に苗を一本一本植えていきます。
「『信原田楽』の経験者がいるうちに復活しないと消滅してしまう。なんとか若い人たちに伝承しなければ…という話が出たとき、賛同したのがきっかけでグループが発足しました」と、代表の古原伸史さん。
一大絵巻のような「信原田楽」の感動が人を動かす
「昭和61 年に『花田植え』を行った時は、近隣では初めてのことということもあって、大勢の見物客が圃場に集まり、地域のムードが一気に盛り上がりました。昔ながらの牛による代掻きにはじまり、着飾った早乙女、太鼓、囃子など一大絵巻のような行事に、地区の人たちが感動したことが、このグループの活動が活発化する大きな契機となりました」。
代表の古原さんは、復活当初から中心となって活動を続け、32年間、毎年企画・運営、太鼓の指導や後継者育成などに奮闘しています。「今後も『信原田楽』を継続して開催し、地域を盛り上げ、『信原田楽』を伝統文化として後世に残していきたい」と語っています。