令和4年度 社会参加活動事例

都道府県・指定都市・中核市及び高齢者関連団体から推薦のあったエイジレス・ライフを実践する82名、社会参加活動を行う52団体の中から、内閣府に置かれた選考委員会(委員長:有馬廣實 拓殖大学名誉教授)の案を踏まえ、内閣府において、今年度のエイジレス・ライフ実践事例(個人)55名社会参加活動事例(グループ等)40団体を決定しました。

決定されたエイジレス・ライフ実践者に対し「エイジレス章」、社会参加活動団体に対し「社会参加章」を章する書状を交付するとともに記念の楯を授与します。

令和4年度 エイジレス・ライフ実践事例及び社会参加活動事例選考委員会

委員長
 有馬 廣實拓殖大学名誉教授

委員
 片桐 実央銀座セカンドライフ株式会社代表取締役
 佐藤 博樹中央大学大学院戦略経営研究科教授
 澤岡 詩野公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団研究部
主任研究員 工学博士 専門社会調査士
 藤原 佳典東京都健康長寿医療センター研究所
社会参加と地域保健研究チーム研究部長
 川口 佐織愛知県福祉局介護推進監
 (敬称略)

社会参加章受章団体

通し番号 推薦団体名 (ふりがな)
グループ等の名称
活動内容
1 北海道札幌市 えぬてぃてぃろうそさっぽろたいしょくしゃのかいぼらんてぃあ「ゆーねっと」
NTT労組札幌退職者の会ボランティア「ユーネット」
 高齢退職者ができる活動、身近で無理なく行動できるものとして視覚障害者に対する日常外出時の手引き誘導のボランティア活動から始めた団体である。活動の幅が広がり、札幌市で開催する全国規模イベントに来られる視覚障害者の方々の外出時の誘導支援や、「はまなす全国車いすマラソン大会」での大会当日のバス移動支援、コースでの撤収支援、カレンダーリサイクル市、里親の会からの託児(子守り)ボランティアなどにも協力している。コロナ禍で全国的なイベントは減少しているが、リングプル収集(車いすを寄贈)、古切手収集、盲導犬協会の募金活動への参加など個人でもできる活動を中心に行っており、地域社会づくりに貢献している。
2 青森県むつ市 むつしせいかつかいごさぽーたーれんらくきょうぎかい「りんどうのかい」
むつ市生活介護サポーター連絡協議会
「りんどうの会」
 市主催の生活・介護支援サポーター養成講座を修了した有志で結成したボランティア団体が、高齢者の健康増進や生きがいづくりに取り組んでいる。「寝たきりに なるまい させまい まず運動」をキャッチフレーズに、介護予防運動教室を下北地域3か所で毎週定期的に実施している。住民の閉じこもり予防と地域のコミュニティづくりに貢献し、地域の元気を掘り起こしている。「地元の元気は地元の人間がつくる」という、超高齢化時代の理想の地域の在り方を目指す活動は10年目を迎え、コロナ禍にあっても継続的に活動している。
3 岩手県紫波郡紫波町 とくていひえいりかつどうほうじんふるだてまちづくりのかい
特定非営利活動法人古館まちづくりの会
 地域コミュニティの活性化を図るため令和元年6月に結成された。社会教育施設である地区公民館の機能を維持しつつ、地域課題解決の拠点として発展・活用している。
 地域の困りごとを解決するためのミニ相談窓口や人財バンク、団体サポート事業の実施や、地域防災に特化した防災ポータルサイトの運営及びサイト上での防災訓練の実施など活動は多岐にわたる。
 また、地域住民の居場所づくりにも力を入れており、放課後児童の学習サポート、異世代間交流となる「みんなの茶の間サロン」の運営を行う。
 令和元年には地区住民全員へアンケート調査を実施。結果の分析を行い、地域課題の整理・改善にも取り組んでいる。
4 山形県南陽市 こおりやまわかまつかい
郡山若松会
 昭和35年に結成してから62年間継続して活動しており、「うたごえ喫茶」の開催や花壇の花植え等の社会参加活動を行い、地域福祉に貢献している。
 新型コロナウイルス感染症により、活動回数や参加人数が減少したものの、オンラインを積極的に活用し、「うたごえ喫茶」を継続するとともに、新たに市内の老人福祉施設や県外老人クラブとのリモート交流、県内の大学と連携したオンライン講座を実施するなど、コロナ禍でも工夫しながら活動を行っている。
5 茨城県水戸市 よしだちくこうれいしゃくらぶれんごうかい
吉田地区高齢者クラブ連合会
 創立以来「健康・友愛・奉仕」の活動を基本とし、知識や経験を活かして生きがいと健康づくりのために多様な社会活動を行っており、「高齢者と子どものふれあい」活動は15年間継続し、昔遊びや農作物づくり、戦争体験を語ることで地域特有の技術や文化の伝授だけでなく、地域環境の良さや平和の尊さを伝え、未来に託す役割を担っている。
 また、地域とも連携しながらクラブ活動を積極的に行い、多世代地域貢献活動に取り組んでいる。
6 栃木県大田原市 じゃがいもなかまのかい
ジャガイモ仲間の会
 地域住民の自発的な集まりにより結成されたグループであり、野菜作りを中心に、高齢者の生きがいづくりや居場所づくり、社会参加の機会の提供などを行っているほか、地域の生活困窮農家が作る野菜の販売支援や、見守り活動、障害者の居場所づくりといった福祉活動にも積極的に取り組むなど、幅広い活動により、多様な地域課題解決に貢献している。
7 栃木県矢板市 そうねんだいがくぶらぶらくらぶ
創年大学ぶらぶらクラブ
 平成21年度矢板市ふるさと創年大学の修了生により、行政との協働によるまちづくりを実践することを目的として結成されたグループである。学校支援ボランティアや秋祭りなどの企画運営、地域子ども会等で昔遊びを通しての世代間交流イベントや、マラソン大会等のスポーツボランティア、河川や生涯学習館周辺の草刈り作業など、10年以上の活動実績を重ねており、特に小・中学校の授業の運営においては必要不可欠な存在であり、まちづくりや地域おこしに大いに貢献している。
8 群馬県前橋市 ひまわりがくだん
ひまわり楽団
 群馬県警察音楽隊OBにより結成されたバンドで、県内の高齢者施設や公民館、いきいきサロン、高齢者のイベント等において、主に高齢者、その家族向けの歌謡曲、童謡やメンバーが作曲した防犯ソング等を演奏する参加型コンサートを開催している。演奏の合間には「特殊詐欺被害防止」「ミニ交通安全講話」等を行い好評を得ている。コンサートを通じた「安全安心まちづくり、交通安全等のボランティア活動」を行い、平成13年以降211回のコンサートを実施している。
9 埼玉県さいたま市 おおみやれくりえーしょんしどうしゃきょうぎかい
大宮レクリエーション指導者協議会
 昭和56年に日本レクリエーション協会公認指導者資格を取得したメンバーを中心に大宮レクリエーション研究会を立ち上げ、昭和59年に大宮レクリエーション指導者協議会へ改称し、行政とともに市民の健康増進、余暇の有効活用の支援等で普及活動を継続している。「大宮親子のつどい」「スポーツフェスティバル」等の行政行事にも貢献している。
 近年では、運動の苦手な人でも楽しめる「健康スポレク広場」の普及に力を入れ、自主クラブが立ち上がるまで成長している。コロナ禍の影響により、事業の実施が難しい状況が続いたが、感染防止に努めながら、事業を継続的に実施している。
10 埼玉県白岡市 しらおかにやまぎょうせいくかい やまのこうえんきかくうんえいぶかい
白岡2山行政区会 山の公園企画運営部会
 山の公園企画運営部会は、空地となっている私有地を借り受け、地域の公園として活用することを目的とし、構成されたグループである。活動は約10年にわたり、雑木林を開墾した「山の憩いの森公園」と元梨畑を整地した「山の広場」を整備してきた。これらの公園には花壇や小農場などが設置された。自前で掘った井戸を設置したり、定期的に草刈りをしたり、当会活動は一時避難場所としての機能維持や地域交流の発展に貢献している。
11 千葉県船橋市 とくていひえいりかつどうほうじんこみゅにてぃさろん・あまやどり
特定非営利活動法人コミュニティサロン・あまやどり
 高齢者・障害者及び地域住民に対して、自立支援に関する活動・事業を行い、地域福祉の推進に寄与することを目的として、毎週月~金の10時~16時にサロンを開催している。この間、サロン内に準備してある無人の給茶機でお茶を飲みながら雑談ができるほか、同好のメンバーで日時を決め、歌声サロン、布草履教室、マクラメ教室、絵手紙サークル、パッチワークサークル、編み物サークル、詩吟サークル、スマホ教室、健康塾、PC教室、麻雀教室などを新型コロナウイルス感染症対策を行いながら開催している。気楽に立ち寄れるサロンを目指し、地域福祉の推進に貢献している。
12 千葉県木更津市 ぼうそうのちいきぶんかをまなぶかい
房総の地域文化を学ぶ会
 地域の公民館講座を修了した受講生が構成員となり、平成25年12月に「房総の地域文化を学ぶ会」を発足し、房総の歴史や伝統、自然などを学び、調査研究を行い地域社会の理解を深め、市民と共に房総の地域文化の発掘、発展に努めている。また、毎月1回歴史研究家などに講師を依頼し、講演会活動を行い郷土についての勉強会を開催するなど、地域の発展にも多大な貢献をしている。
13 東京都世田谷区 せたがやちいきでびゅーのかい
世田谷地域デビューの会
 区が実施した「地域デビュー体験講座」の卒業生により結成された団体で、定年後に地域活動を始めたいと考える高齢者向けに、なんでも相談や情報交換を積極的に行ってきた。近年では新たな交流の場やWeb上での情報交換ツールを提供するため、Zoomによる「シニアZoomサロン」を立ち上げるなど、活動の幅を広げ、「シニアの地域活動への第一歩」を踏み出す後押しに貢献している。
14 東京都稲城市 ごせんぽのかい
5000歩の会
 総世帯数845世帯の団地「若葉台ワルツの杜」に住む概ね65歳以上の高齢者が、地域内にある小・中学校の下校時間に合わせ約5,000歩の地域パトロールを行っている。
 この活動により、児童の通学中の防犯パトロールと声かけによる見守り、コミュニケーション創出、地域の安全、自身の体力の維持、円滑な人間関係の構築等が図られている。発足して17年目を迎えるが、これまでの延べ参加人数は令和4年3月で15,000人に達する。
15 神奈川県横浜市 とくていひえいりかつどうほうじんかながわこどもきょうしつ
特定非営利活動法人かながわ子ども教室
 シニア世代が知識と経験を生かして「理科好きの子どもを育てる」「子どもの健全な人格形成に寄与する」ことを目的として、小学生を対象に、科学:20教室、暮らし:4教室を開催している。当初コミュニティーセンター等を借りて開催していたが、その後小学校(正規授業・理科クラブ)、地区センター、児童相談所、放課後キッズクラブ、学童保育などに働きかけて活動範囲を拡げている。コロナ禍において、対面での教室開催がままならぬ状況の中、Zoomでのオンライン教室を実施している。また厚生労働省等が主催する「ねんりんピック」では地方の開催県まででかけたり、川崎市主催の「青少年フェスティバル」にも参加して活動している。
16 神奈川県横須賀市 おおつしーはいつ・さぽーとくらぶ
大津シーハイツ・サポートクラブ
 市内大津地域で最初に発足した住民有志の有償ボランティア団体で、高齢者・障害のある方・子育て中の方の暮らしの困りごとをサポートしている。活動エリアは、エレベーターがない団地で往来にお困りの方が多い地域である。階段の上り下りを助ける「階段助っ人隊」を発足しただけでなく、オリジナルのサポート器具を制作するなど、高齢者ならではの知見を活かした活動を行っている。大津地域だけでなく近隣の地域団体のモデルになっており、高齢者の社会参加の促進に寄与している。
17 石川県羽咋郡志賀町 さいかいかいせいかい
西海海晴会
 地元出身作家の文学碑の清掃や桜並木の手入れなどの環境美化活動や、小・中学生の登下校の見守り活動に取り組むほか、定期的に一人暮らし会員宅を訪問し安否確認するなど、安心して暮らせる地域づくりに貢献している。また、公民館と共同で地域の運動会・敬老会を企画・実施したり、地域の行事に参加したりするなど、高齢者の孤立を防ぎ、住民同士で助け合い、支え合う地域づくりに取り組んでいる。
18 福井県越前市 ゆかいなしみんげきだんうちのばっちゃまいちざ
愉快な市民劇団うちの婆っちゃま一座
 県内各地を巡り、子供から高齢者まで幅広い年代の方に、日本の伝統衣装を自ら身に装い、劇に参加することで楽しんでもらっている。喜劇を通じて笑い、楽しんでもらうことで、明るい地域づくりや地域福祉の向上に貢献している。また、劇団員自身も高齢者であるが、活動を通じて生きがいを感じ、充実したエイジレス・ライフを実践している。
19 長野県松本市 こどもみまもりたい
子ども見守り隊
 平成17年、当時の区長会へ波田小学校が要請し、「子ども見守り隊」が結成され、主に児童の見守り活動を実施していた。
 その後、平成24年度に結成された「波田学校応援団」に参加し、児童の登下校の見守りや電車通学児童の乗車指導のほか、中学生のあいさつ運動や小学校PTA作業に合わせたつつじの剪定作業時に協力している。特に地区内は、交通量の多い国道158号線が通学路となっており、小学1年生の初登校から1週間、下校時の付き添いによる見守り・交通安全指導活動は子供から信頼されるとともに、保護者から大変感謝されている。
 見守り隊は、学校応援団活動だけでなく、地域のまちづくり協議会を通してまちづくりに貢献しており、その姿は地域の模範となっている。
20 静岡県御殿場市 うんてんぼらんてぃあのかいたんぽぽ
運転ボランティアの会たんぽぽ
 御殿場市社会福祉協議会に車椅子用リフト付き軽自動車が寄贈されたことから、「運転ボランティア入門講座」が開催され、修了した方々の中からボランティアに志のある仲間で結成したグループである。介護を必要とする高齢者や、障害のある方の外出を支援することを目的に、福祉車両の貸し出しと、運転ボランティアの派遣を始めて19年になる。
 活動内容としては、利用者から電話で送迎の依頼を受け、協力者の都合を調整し、病院などの送迎に出向いている。遠い所では県外の病院へ送迎をしたこともある。
 また、毎月1回の定例会で問題などを討議し、より良い活動ができるように努めている。ボランティアは「仕事ではなく、義務でもなく、自分が望んでする事」という志を持って活動している。
21 愛知県名古屋市 おたっしゃこうぼう
お達者工房
 高齢者が主体となり、やりがいや生きがいを持って生活できないかと考えた結果始動した活動で、家電製品などを梱包する際に使用するビニールの緩衝材を仕分る内職を行っている。工房長を中心に3グループで構成されており、月に8~10日ほどの活動日で、準備から片付けまで各グループで協力して行っている。
 内職で得た収入は、地域の子供たち、特にひとり親世帯を支援対象として活動している団体に寄付している。
22 愛知県名古屋市 しあわせのおすそわけのうえん
幸せのおすそわけ農園
 地域の一員として生き生きと生活するために、軽費老人ホーム入居者によって構成されたグループで、地域の農家の方から指導を受けながら、施設の敷地内にある畑で野菜を育て、採れた野菜をおすそわけ会を開催し、地域の方に無料で提供している。
 畑の畝づくりから種まき、水やり、収穫までグループのメンバーで話し合って進めている。おすそわけ会は毎週日曜日に開催し、準備も全てグループのメンバーで行っている。
 おすそわけ会は地域の方との交流の場になっており、施設で生活している高齢者の社会参加にも繋がっている。
23 愛知県安城市 あんじょうどきづくりぼらんてぃあかい
安城土器づくりボランティア会
 当団体は設立から現在に至るまで安城市歴史博物館の来館者に対する土器作り教室のほか、市内各小学校への出張土器作り教室、他市公共施設での体験教室、各種行事等への参加体験教室、夏休み期間中の子供限定の土器づくり教室など積極的な社会参加活動を行いながら埋蔵文化財の普及活動を行っている。また、会員が自作した土器を市が主催する毎年行うイベントで展示するなど、「教える」以外の目標も持って、会員一人一人が精力的に活動している。
24 愛知県安城市 ほんしょうじはすのかい
本證寺ハスの会
 国史跡本證寺境内の内堀に咲くハスの生育環境を整えるため、生長を阻害する外来生物の捕獲や除草、間引き等といった環境整備活動や、捕獲した生き物の水槽展示を行うことで自然環境を守る大切さや生き物を飼育する責任を伝える環境教育活動を行っている。また新しい試みとして、ハスの一般販売を始めている。これによって、購入者のハスの鑑賞を通じた、ハスへの愛着やハスは本證寺を象徴する景観の一つであるという意識の醸成を図っている。また、今後も活動を継続するための自主財源を確保するという面も持ち合わせている。
25 愛知県蒲郡市 おいでんにしうら
おいでん西浦
 サロン活動、小物や洋服づくり、カラオケ、体操などの活動を、長年多数の協力者・参加者を得て、継続して実施している。加えて、週に3回の開催は、他の活動に比べ開催頻度も高く、充実した設備が整っているわけではない寺院での開催にも関わらず、多数の参加者を得ている。恵まれない環境下においても、地域の高齢者が真に楽しめる場を提供したいという運営者の志により、継続して実施できている姿は、大いに参考になるものと考えられる。
26 愛知県東海市 ふきしまふれあいこみゅにてぃささえあいだんたい
富木島ふれあいコミュニティ支えあい団体
 地域の核となる組織の町内会長・自治会長・シニアクラブ・民生委員を中心に結成された団体で、高齢者宅への個別訪問やサロン活動、日常生活支援等を実施している。開始当初は3町内会・自治会内だったが、徐々に活動が地域に根付いていき、賛同する町内会・自治会が増え、現在は6町内会・自治会内で活動している。コロナ禍の活動においても活動員でよく話し合い、どのような状況下でも可能な範囲での活動を工夫して続けている。そのため、常に自分たちの住む地域の問題を自覚し、何か異変があれば関係機関へ連絡するような体制ができており、現在では地域と行政とのパイプ役を担っている。
27 大阪府大阪市 こうだい「ろうどくをたのしむか」「しゅうりょうせいぐるーぷこうりゅうかい」
高大「朗読を楽しむ科」「修了生グループ交流会」
 認定NPO法人大阪府高齢者大学校「朗読を楽しむ科」修了生により結成されたグループの「交流の場」として、メンバーの総意で結成された。「朗読を楽しむ科」で学んだツールをいかし高齢者施設への慰問や子ども食堂、保育園等の支援活動等活発に行い、感謝されている。生涯学習の場を提供して、社会参加の場を支えることでメンバーのやる気をアップさせ「健康寿命の延伸」にも寄与している。
28 大阪府摂津市 せっつしいそうぼらんてぃあ「ぴんちひったー」
摂津市移送ボランティア「ピンチヒッター」
 外出時に車いすの利用が必要な方や、障害のある方の通院、機能訓練の通所、余暇のための送迎等の活動を行っている。送迎範囲は片道50キロ以内で、1回当たりの平均活動時間は3~5時間だが、府外の病院への通院や、遠方のデイサービスなど7時間以上にわたる活動もある。そのような活動にもメンバーは積極的に参加し、また、コロナ禍においても活動を中断することなく、絶えず利用者に寄り添い、献身的に活動を行っている。その他、摂津市ボランティア連絡協議会に参画し、市内のイベント手伝いや、街頭募金への参加など幅広いボランティアの啓発活動も行っている。
29 広島県広島市 やまもとがっくれんごうかいむつみかい みまもりたい
山本学区連合会睦会 見守り隊
 平成17年に起きた事件をきっかけに始めた活動で、児童の登校時間に合わせて見守り活動を行っている。この活動は子供たちを交通事故や犯罪から守るだけでなく、地域住民が毎朝同じ時間に顔を合わせることで互いに親近感を生み、関係が希薄化しつつある地域社会で交流の場を生んでいる。子供たちに地域に見守られているという安心感を与え、高齢者にとっては生きがいづくりとなっているこの活動は、安心・安全なまちづくりに貢献している。
30 広島県広島市 やまもとがっくれんごうかいむつみかい せんそうひばくたいけんけいしょうぐるーぷ
山本学区連合会睦会 戦争被爆体験継承グループ
 戦後75年以上が経過した現在では、戦争経験者が高齢化し、戦争体験を語り継ぐことが年々難しくなっている。しかし、こうした体験を後世に伝えていくことが平和教育につながると信じ、毎年小学6年生に対して戦争体験を伝える活動を、36年間続けている。こうした小学生との関わりは、子供たちの見守り活動にもつながると考えており、今後も積極的に活動を続ける予定である。
31 愛媛県宇和島市 ふるさときっちんくしま
ふるさとキッチン九島
 九島の住民により住民主体で互助による地域づくりを実践するために結成されたグループで、高齢者への配食や見守りを中心とした活動を続けている。高齢者自らが地域課題を解決するため、アンケートの企画立案・実施に参画し、配食サービスや見守り活動においては、ボランティアグループを立ち上げ、材料の手配、調理、配食まで構成員全員でお互い協力し合いながら精力的に実施しており、市内において先駆的かつ模範的な活動を展開し、地域福祉の推進に貢献している。
32 愛媛県西予市 せいよしおてだまのかい
西予市お手玉の会
 「お手玉遊びボランティア講座」受講生をはじめ、お手玉に興味をもつ人々により結成されたグループである。保育所、小・中学校、ふれあい・いきいきサロン等において日本の伝統的なお手玉遊びの継承を通して、多世代の交流、子供の健全育成、参加者の心身の健康保持、社会参加、介護予防の推進に貢献している。コロナ禍であっても対策を行いながら積極的に活動を続けており、時代や地域に合わせた活動の推進に貢献している。
33 高知県高知市 とくていひえいりかつどうほうじんとさかんこうぼらんてぃあきょうかい
特定非営利活動法人土佐観光ボランティア協会
 高知市の主要な観光地において、ボランティアでの観光ガイドを行っており、令和4年度で活動開始34年目を迎える。会員の多くは65歳以上で、それまでの社会経験で各々が培ってきた知識、経験、スキル等を活かした活動を行っている。また、利用者の満足度を高めるためのガイド研修やスマートフォン等電子機器の研修といった定期的なスキル向上の機会を設ける等、現状に満足することなく向上心を持って人材育成に取り組んでいるのが最大の特徴である。現在では、高知市の観光振興において欠かすことのできない団体となっている。
34 福岡県北九州市 げいのうぼらんてぃあぐるーぷ おーろら
芸能ボランティアグループ オーロラ
 「もっと地域の皆さんに喜んでもらいたい」という思いから、会員同士で日舞・安来節・皿回し・南京玉すだれ・マジック・バナナの叩き売りなど、古典から現代風の演芸まで様々な練習に励み、技術の向上に積極的に努めている。
 高齢者施設や障害者支援施設、市民センターなどから依頼があれば快く応じ、高齢者、障害のある方、子供たちとの交流を深めている。また、積極的に講座を行い、会員の養成にも関わっている。これまで地域や街の芸人として多くの人が巣立ち、各々が活動している。
 活動のモットーは「心が和むような交流」であり、前向きにチャレンジ精神を持ち、若々しい気持ちで活動する様子は、高齢化社会の手本になると考えられる。
35 佐賀県佐賀市 ゆめさがまじっくくらぶ
ゆめさがマジッククラブ
 佐賀市近郊を中心に高齢者施設や障害者施設を訪問したり、各地区の老人会などからの依頼を受けて、マジックショーを披露している。コロナ禍により訪問活動が困難となる中、オンライン訪問に挑戦し、どうすれば楽しく見やすく伝わるのか試行錯誤を繰り返しながら活動している。施設の利用者はもちろん、参加した家族の方、さらにはスタッフやお手伝いの方など多くの人たちに、笑顔で楽しいひとときを提供している。
36 佐賀県神埼市 いわまさはっぴーさろん
岩政ハッピーサロン
 地元高齢者有志による団体で、元々は介護予防のための「いきいき百歳体操」を実施していた。参加者の脊振こんにゃくをもう一度復活させたいという思いからスタートし、脊振こんにゃくや柚子胡椒、地元でつくられた野菜、花などを販売所にて販売、高齢者が集いお茶を飲みながら交流できる場となっている。販売収益から、出品者やボランティアにお小遣い程度の報酬も支払っており、生きがいづくりの場ともなっている。高齢者の介護予防と閉じこもり防止、生きがい活動、地域振興と多岐にわたる活動を行っており、メディアにも取り上げられている。
37 熊本県合志市 おとこのいどばたさろん
男の井戸端サロン
 合志市に住むシニア世代の男性が集うボランティア団体である。これまでの経験を活かし、健康づくりを兼ねて、楽しみながら地域に貢献する活動を行っている。平成19年に結成し会員が入れ替わりながら現在13名で活動している。
 社会福祉協議会隣地の農園を活用し、定期的に野菜を栽培・販売している。農園活動には会員だけでなく、社会福祉協議会が運営する保育園の園児や就園前親子、デイサービスの利用者も参加し、農作業や食事会を通じて交流を図っている。
 市内各地の防災や暮らしに役立つ情報を調査し「暮らしの情報マップ」を作成するほか、小学校下校時の見守りや男性の力が必要な力仕事等のボランティア、被災地支援など積極的に地域貢献活動を行っている。
38 宮崎県宮崎市 えぬぴーおー・みやざきけんこうたいそうしどうけんきゅうかい
NPO・みやざき健康体操指導研究会
 健康寿命延伸を目指す自立生活体操を学んだ代表が、教員時代の繋がりである退職先輩教員に呼びかけ、地域住民の健康づくりや指導者育成を目的として、平成22年4月に団体を設立。筋力トレーニングと有酸素運動を取り入れた介護予防等の健康体操指導法の研究と、実践及び指導を行う出前講座を行っている。これらの活動は、高齢者の健康寿命の延伸に加え高齢者の居場所づくりにも貢献している。
39 鹿児島県奄美市 はまさとちょうろうじんくらぶ「はまろうかい」
浜里町老人クラブ「はまろう会」
 埋立地の住宅地で、元々地域のつながりの薄かった地域の老人クラブとして発足した。
 高齢者だけでなく地域で暮らす住民が住みやすい地域づくりとして、登校時の子供への声かけや、身体障害者の方も安心して参加できる花見などの行事の開催に取り組んでいる。
 また、地域活動の拠点となる公園の美化活動や桜の植樹など地域の生活環境改善にも積極的に取り組んでいる。
 さらには、一人暮らしの高齢者が増加していることを受けて、声かけなどの見守り活動を実施しているほか、今後は、災害時の避難の声かけにも取り組む予定である。
40 沖縄県豊見城市 ねさぶはなともかい
根差部花友会
 平成20年に地域の花が好きな人々で結成し、種から育てたお花を地域、小中学校、介護施設などに植栽している。「好きな人が・好きな時に・好きな所で」を合言葉に少人数で活動する「ミニオーナー制」を作り、日々の美化活動を通して子供たちへのあいさつ運動・見守り活動になり、自分たちの健康づくり・生きがいにもつながっている。コロナ禍においても、草花の植栽と共にメンバーで色付けした200体のシーサーの置物の設置、手作り看板に季節ごとのメッセージを添えるなど通行者が楽しくなる工夫をしたり、地域の草むらを整地して「ふれあい農園」として高齢者や放課後児童デイサービスが利用する等活動の幅を広げてきた。今後も「花」という趣味を生かし、お互いが無理なく楽しく活動する事で新たな地域コミュニティーづくりの推進に貢献していく。

エイジレス・ライフ実践事例(エイジレス章受章者)