令和5年度 社会参加活動事例

都道府県・指定都市・中核市及び高齢者関連団体から推薦のあったエイジレス・ライフを実践する89名、社会参加活動を行う66団体の中から、内閣府に置かれた選考委員会(委員長:有馬廣實 拓殖大学名誉教授)の案を踏まえ、内閣府において、今年度のエイジレス・ライフ実践事例60名社会参加活動事例42団体を決定しました。

決定されたエイジレス・ライフ実践者に対し「エイジレス章」、社会参加活動団体に対し「社会参加章」を章する書状及び記念の楯を授与します。

令和5年度 エイジレス・ライフ実践事例及び社会参加活動事例選考委員会

委員長
 有馬 廣實拓殖大学名誉教授

委員
 片桐 実央銀座セカンドライフ株式会社代表取締役
 澤岡 詩野公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団研究部
主任研究員 工学博士 専門社会調査士
 菅原 育子西武文理大学サービス経営学部
健康福祉マネジメント学科准教授
 藤原 佳典東京都健康長寿医療センター研究所副所長
 小池 達哉姫路市市民局生涯現役推進室室長
 (敬称略)

社会参加章受章団体

通し番号 活動地域 (ふりがな)
グループ等の名称
活動内容
1 青森県
むつ市
むつ・下北地区レクリエーション協会(むつ・しもきたちくれくりえーしょんきょうかい) 昭和55年に結成団体、青森県下北半島広域において、レクリエーション活動を継続している。むつ市社会福祉協議会の事業協力を長年継続している。障害者とボランティアの集い、ふれあいクリスマス会の運営を担当する。特定非営利活動法人むつ下北子育て支援ネットワークひろばと共催し年2回ニュースポーツ体験会を開催している(障害者や高齢者は毎回楽しみにしている)。運営には地元高校生ボランティアの協力を得ている。後継者の育成として福祉ボランティア・レクリエーション講座を開催し、地域福祉の継承に貢献している。
2 岩手県
一関市
千厩図書館友の会(せんまやとしょかんとものかい) 平成15年に「千厩図書館友の会」が設立され、読み終えた本や不要になった本を回収して希望する方々に提供している。図書の回収から分類・整理、再販売、図書館への寄付等の活動を続け、昨年で20年目となり、現在も継続して活動している。
 年2回の図書販売は広報誌により周知され、地域の人々に広く認識されるようになり、図書の回収・販売を軌道に乗せることができ、その活動が定着している。
 回収した図書の収益金及び余剰の図書は、毎年、一関市立千厩図書館に寄付・寄贈され、寄付金は20年間で約200万円となっている。寄付金は図書やブックトラック等の必要な物品の購入資金に充てられ、こどもたちにとって魅力ある図書を多数そろえることができ、図書館の充実に役立っており、地域の人たちにも感謝されている。
3 宮城県
気仙沼市
気仙沼市上地区社会福祉協議会 (けせんぬましかみちくしゃかいふくしきょうぎかい ) 「地域福祉の向上」のみならず、毎年、住民懇談会や関係団体情報交換会を通じて、地域の課題解決に向けて、フレイル予防や認知症予防などの健康づくりを積極的に地域全体で推進している。「地区社会福祉協議会」が主ではあるが、地域内の各関係団体(保健推進員)が協働し活動している。
 また、1地域内にあった唯一のスーパーが令和2年に閉店した際は、地域の有志が移動販売車を誘致し、地区社会福祉協議会が移動販売日に合わせた、「青空喫茶店」を月1回開始し、茶話会を通じた地域の見守り活動の取組や、2地域支援事業「生活支援体制整備事業」の第2層協議体としても位置づけられており、地域支え合い推進員(生活支援コーデイネーター)と協力しながら事業を実施している。
4 山形県
酒田市
みんなの居場所 古民家玉手箱 (みんなのいばしょこみんかたまてばこ) 山形県主催「支え合いの地域づくり担い手養成講座」の受講者が中心となり、元旅館である空き家を居場所として活用しようと、元同僚や同級生、ボランティア仲間と、平成30年10月に「古民家玉手箱」をオープン。誰でも好きな時間に自由に過ごせるオアシスとして、平日週2回のサロン活動のほか、季節イベントやこども食堂、クラフト作り、学習支援等の多彩な活動を展開。「古民家玉手箱」では、クラフトを常時楽しめるスペースや子や孫と一緒に楽しめるキッズルーム、畑等も備え、メンバーの特技や趣味を生かして和気あいあいと活動中。学び合い、支え合い、多世代交流を推進する先進的な団体として、同講座の現地研修の講師や近隣市町村の高齢者サロン活動団体との交流・視察受入れ等も行い、県内の地域福祉、担い手育成に貢献している。
5 福島県
郡山市
とみたミニディほっとスマイル (とみたみにでぃほっとすまいる ) 東日本大震災直後の平成23年10月に設立以降、現在まで10年以上継続し、毎月1回、公民館で地域の高齢者を対象に手作りの昼食付きで、簡単な体操、ゲーム、健康チェック、作品づくり等を行うデイサービス活動を実施している。新型コロナウイルスの影響で活動ができない時期は、弁当や「ほっとスマイルニュース」という自主広報誌を持参し、直接家庭を訪問するなど、コロナ禍の厳しい状況の中でも見守りを継続し、高齢者の孤立防止に尽力している。
6 茨城県
水戸市
まちイス「…掛けてください」 (まちいす「…かけてください」 ) 地域包括支援センター、民生委員、地域団体関係者、福祉事業所や社協等が集まる地域の話し合いの場において、買い物や散歩などで歩く高齢者が休む場所として、ベンチ等があると良いと話題になったことをきっかけに、地域参加に積極的でないシニア男性が活躍できる機会と捉え、協力者を募集。9名の応募者を合わせて、総勢で約20名が集まり、令和2年11月に3台のベンチを製作・設置した。その後令和3年7月にはボランティア団体を設立し、現在も活動を継続している。
7 茨城県
下妻市
小野子町内防犯パトロール隊 (おのこちょうないぼうはんぱとろーるたい )  地域の犯罪抑止を目的として、平成22年に小野子町内防犯パトロール隊を発足した。現在も隊員が下妻市小野子町内を徒歩にて防犯パトロールを実施し、同地域の犯罪発生抑止に大きく貢献している。同隊は、小野子町内の住民に対して積極的に声掛けを実施することで、防犯活動の重要性を認識してもらうとともに、後継者育成にも日々尽力している。さらに、長年に渡る防犯パトロール活動が評価され、茨城新聞の取材や市広報誌等に活動内容が掲載される等、安全で安心なまちづくりに大きく貢献している。
8 茨城県
取手市
戸頭おやすみ処運営会 (とがしらおやすみどころうんえいかい ) 戸頭おやすみ処運営会は、地元有志によるボランティア団体であり、取手市が行う「取手市お休み処事業」の事業運営団体である。取手市UR戸頭団地の空き店舗を利用し、地域住民の居場所として、気軽に立ち寄れ交流が図れる憩いの場「戸頭おやすみ処」を運営している。「戸頭おやすみ処」は、平成22年9月22日から開設し、施設利用を通じて、利用者間及び、ボランティアスタッフとの交流が育まれ、孤立しがちな高齢者に対して「見守りができている状態」を作り上げ、地域福祉の推進及び地域コミュニティの醸成に貢献している。
9 群馬県
太田市
八幡南日曜野菜朝市 (はちまんみなみにちようやさいあさいち ) 買い物弱者化した人たちのため、野菜や魚を販売する「八幡南日曜野菜朝市」は立ち上がった。その後、たまご屋、豆腐屋、果物屋、うどん屋(その場で食べられる)が出店し、毎回100名くらいの方が集まっており、日曜日の朝7時からの地域のコミュニティの場となった。現在15年目730回を数える。
 さらに、高齢者の負担軽減や安否確認を目的に朝市のメンバーを母体とし、「3Rの会」としての活動を始め、業者へ資源物資を売却した資金で軽トラックの購入をしたり、朝市の参加者へ還元している。
 このような活動が地域の住民のつながりを深め、地域の福祉力を高めると同時に高齢者の生きがいづくりに寄与している。
10 埼玉県
白岡市
新白岡令和クラブ (しんしらおかれいわくらぶ ) 高齢化が進む住宅街において、飲食店やカフェの閉店により気楽に集える場所がなくなってしまったことから、高齢者の居場所を求める声が高まって結成され、地域の集会所を活用して高齢者の憩いの場を提供している。
 地域団体の音楽活動などの発表の場としての鑑賞型カフェや、地元農家が栽培した新鮮な野菜・果物及び地元作家のハンドメイド作品等を扱ったマルシェなどのイベントを定期的に開催している。
 工夫を凝らしたイベントは高齢者だけでなくこどもたちまで楽しめることから、訪れる方は年々増加しており、コロナ禍にあっても感染症対策を徹底しながら地域に根差した活動を積極的に継続して地域振興や世代間交流の推進に貢献している。
11 千葉県
松戸市
河原塚ことぶき会 (かわらづかことぶきかい ) 河原塚ことぶき会は、老人クラブとしては初めて、国土交通省が推進する「グリーンスローモビリティー」の実証実験に参加した。単なる移動手段となるだけでなくコミュニケーションツールにもなり、高齢者の介護予防に役立ち、社会参加を促して、地域社会に貢献した。これは、松戸市での電動車の導入にもつながった。
 他にも茶話会「南山カフェ」の毎週開催、スマホのLINE講習、お散歩会、公園などの掃除、こども食堂や独居高齢者の見守り・パトロールの活動など幅広く積極的に地域活動を展開し継続して行っている。
12 千葉県
山武市
こだまお話会 (こだまおはなしかい ) 平成元年結成以後、長年にわたり、地域福祉及びボランティア活動に尽力している。こども園や図書館でのおはなし会や、図書館で行われるイベントの参加協力、高齢者施設での読み聞かせ活動など、乳幼児から高齢者まで、幅広い年齢層の方々を対象とした活動をしている。山武市と山武市社会福祉協議会の広報誌については、視覚障害者向けの「声の広報」として毎回、朗読テープを作成している。
 また、山武市社会福祉協議会主催の山武市社会福祉大会では、毎年司会を務めている。
13 千葉県
山武市
笑の会 (しょうのかい ) 婦人会活動を端緒に、平成13年からボランティア活動を行っているグループで、生涯学習活動や独居高齢者等に対しての慈善活動を続けている。運営も補助金に頼らず、近接している道の駅でのおにぎり等の物品販売や不要品の活用等で工夫して賄っている。当団体が活動する蓮沼地域は九十九里浜に面しており、平成23年3月11日の東日本大震災では津波浸水により被害を受けている。自らも被災側にあったものの、地域住民やボランティアに炊き出し活動を行う等、地域づくりに自発的かつ献身的に取り組んできている。現在の中心的活動は「BaBaピザ」と呼ばれる地産地消を目指した飲食店運営となっており、平均年齢78歳を迎えるスタッフによるピザづくり・接客は、新たな交流を生んでおり、地域活力を創出するリーダー的団体となっている。
14 神奈川県
横浜市
笹寿会 (ささじゅかい ) 笹寿会は老人クラブ活動だけでなく、地域密着の生活様式を取り入れて、高齢者の難民化の解消に取り組んでいる。高齢者の自立と支援をテーマに集いの場「ささカフェ」を平成28年5月に立ち上げ、毎週木曜日に自治会館で開催して地域の交流を深めている。令和2年のコロナ禍からは会場を野外の団地内公園に変更して、朝市(青空カフェ)ささげ台マルシェとして活動を続けており、地域との交流に貢献している。
15 神奈川県
横浜市
中西クラブ (なかにしくらぶ ) 町内会に併設された老人会でコロナ禍で深刻化している高齢者の「ひきこもり」や「孤立」を防ぐための次の3つの施策を推進している。
①健康ウォーキング&青空教室:感染防止のため、屋内活動を可能な限り屋外へ移し、公園まで健康ウォーキングした後、公園で軽い体操や勉強会、ゲームなど行う。令和4年度は定時総会も公園で屋外開催した。
②友愛チェーン制度:高齢者が孤立しないように高齢者宅に隣人の所在を知らせ、隣人から隣人へつないだ輪でお互いに声掛けし合って励まし合う。
③友愛・健康ポイント制度:高齢者の外出を促すために訪問や買い物支援、ラジオ体操や散歩をしてポイントを獲得する制度。回数を申告すれば、会で定めたポイント基礎表によりポイントが付与され、貯まれば景品と交換できる。
16 神奈川県
相模原市
認知症カフェ まんまるえがお (にんちしょうかふぇ まんまるえがお ) 有料老人ホームに、施設の食堂を地域開放していただき、認知症の有無にかかわらず皆が参加し、歌や体操、おしゃべりをして交流できるカフェを始めた。令和2年11月からは、コロナ禍でも開催できるよう、個人宅と複数会場をオンライン(Zoom)でつなぐハイブリット形式を採用し、月1回2時間で、1度も休まずに開催している。現在では、拠点が4か所(飲食店、有料老人ホーム、公民館、地区社会福祉協議会内)に増え、参加者も増えている。運転免許証を返納した人や、足腰が弱り、歩いてカフェに来ることができなくなった人も参加できるよう、地域のデイサービス事業者と連携し、会場への送迎サービスも受けられるようになった。社会福祉協議会や地域包括支援センターとも関わりながら、地域のつながりを大切に、地域福祉の推進に貢献している。
17 神奈川県
横須賀市
助け合い粟田 (たすけあいあわた ) 横須賀市粟田地域で活動している住民有志の生活支援団体。「できることを、できるときに、少しでも手助けになればOK」をモットーに、福祉の心をもって、助け合うことを目的に活動している。家事支援や宅内外の作業などの日常の困りごとに対する支援に加え、組織内に「福祉・介護支援グループ」を立ち上げ、福祉・介護・育児に関する相談支援や介護保険・障害福祉サービスの手続代行も行っている。令和5年4月で活動歴が15年となる市内でも有数のベテラン団体で、市主催の団体学習会への登壇や他団体からの活動に関する相談に応じるなど、横須賀市の支え合い活動の推進に大きく貢献している。
18 神奈川県
小田原市
小田原市尊徳記念館ボランティア解説員 (おだわらしそんとくきねんかんぼらんてぃあかいせついん ) 江戸時代後期の農政家二宮尊徳の顕彰施設である小田原市尊徳記念館の展示室及び隣接する二宮尊徳生家の案内を行うボランティアグループ。地元の教職員OBや観光ガイドから構成されており、自身の経験や知識、毎月の勉強会を通じた知見を来館者に伝えている。小田原市は小学4年生を対象に郷土の偉人を学ぶ機会として「尊徳学習」を実施しており、各ボランティアは館や生家において、又は小学校に出張してこどもたちに解説を行っている。
19 神奈川県
秦野市
菩提買物支援隊 (ぼだいかいものしえんたい )  運転免許証の返納や身体的な問題により、日々の買い物が困難な高齢者に対して、利用者宅からスーパーまでの送迎を行う。その効果は、高齢者の生活に潤いを与えるだけでなく、利用者の見守りやコミュニティ強化にもつながっており、地域福祉の推進に貢献している。現在、対象エリアの拡大や新たな利用者及び担い手の確保に向けて、周知の強化など精力的に活動を行っている。
20 富山県
高岡市
高岡市老人クラブ連合会 (たかおかしろうじんくらぶれんごうかい )  高岡市老人クラブ連合会では、令和4年度よりeスポーツ活動に取り組んでいる。高齢者の方にとって、eスポーツを行うことは①脳の活性化や認知機能低下の予防、②多世代交流、③高齢者の新たな生きがいづくり、④社会的なつながりの維持の効果があると言われている。令和4年度は、市内の地区老人クラブ会長や単位老人クラブ会長を対象に、体験会を平均月2回のペースで開催した。体験会を通して、老人クラブの会員のみならず、広く地区住民と一緒に楽しめる機会となることを実感できたことから、今後もeスポーツの普及と定着に取り組むこととしている。
21 石川県
七尾市
グループデイ なごまんかいね (ぐるーぷでい なごまんかいね ) 介護予防体操、歌、交流活動など、高齢者の生きがいの場づくりや介護予防活動に取り組んでいる。また、コロナ禍により外出規制があった際は、安否確認や傾聴を行うなど、高齢者に寄り添う活動も行っている。参加者同士が相手の気持ちを尊重しながら、心配ごとを話し合える助け合いの場になっているほか、認知症高齢者も可能な限り受け入れ、家族や専門職と話し合いを行うなど、高齢者を支援につなぐ場としても機能している。
22 石川県
輪島市
三井地区老人クラブ連合会 (みいちくろうじんくらぶれんごうかい )  高齢化の進む地域において地域づくりの担い手にならなければという意識から、伝統行事である「あえのこと」という田の神様をお迎えする行事の準備から当日進行まで会員が中心となって実施している。また、地域行事に積極的に参加するだけでなく、こどもたちへの伝承にも取り組んでいる。その他、毎年小学校で田植え体験やさつまいもの収穫体験を指導し、こどもたちに貴重な体験機会をつくるなど地域貢献をしている。
23 石川県
羽咋郡志賀町
酒見地区老人クラブ (さかみちくろうじんくらぶ ) クラブ会員自らが生きがいを持ち、健康づくりや社会奉仕、地域社会との交流など、地域を豊かにするための活動を行っている。
 地域の環境美化活動として、墓地の清掃や公共施設周辺の草刈り、空き缶拾いを定期的に実施し、住みよい地域づくりに貢献しているだけでなく、「地域の宝であるこどもたちを地域全体で守り育てる」を合言葉に、世代間交流にも積極的に取り組み、小学校の課外授業に協力し、こどもたちが昔遊びに触れる機会をつくり、遊びを伝承するだけでなく、こどもたちの協調性を育むことにもつなげている。
24 福井県
越前市
越前市東地区 サポート東 (えちぜんしひがしちく さぽーとひがし )  越前市内でも高齢化率が高い同市東地区において、支え合いの地域づくりを目指し、平成10年5月から約25年にわたり、武生東公民館を拠点に電話相談員を配置して、地域の高齢者の日常生活の困りごとを聞き、ボランティア会員が高齢者等を対象に買い物代行、簡単な掃除、ゴミ出し、話し相手、見守り、病院の付き添い等の住民主体の有償ボランティア活動を継続している。10分あたり100円の低価格の有償ボランティアの仕組みは、サービスを依頼する側も依頼される側も気兼ねなく参加できるものであり、越前市内だけではなく、県内の有償ボランティア団体のモデルとなっており、高齢者を中心としたボランティア会員の社会参加の促進にも寄与している。
25 福井県
三方上中郡若狭町
明倫買い物クラブ (めいりんかいものくらぶ ) 運転免許の自主返納や近くに小売店が無いなどの理由で、高齢者等が買い物に行く際の交通の不便さを課題としていた若狭町明倫地区において、地域住民同士による支え合い活動として、平成25年3月から約10年にわたり、地区内の有志の方が若狭町社会福祉協議会の福祉車両を借り、運転ボランティアとして、地域の高齢者を乗せ町内の量販店への買い物支援を実施している。また、買い物支援を通じ、地域の高齢者同士やボランティアの方との間で会話も生まれ、高齢者の移動手段の確保以外にフレイル予防の効果も期待されている。このように地域の高齢者を地域住民で支え合っている活動は、若狭町内だけでなく、県内の外出支援ボランティア団体のモデルとなり、地域課題解決に様々な面で貢献している。
26 山梨県
富士吉田市
富士吉田市キャラバン・メイト連絡会 (ふじよしだしきゃらばん・めいとれんらくかい) 平成30年に認知症の普及啓発の推進を目的として、介護経験者・看護師・ケアマネジャー等の地元住民によって設立された団体であり、認知症になっても住み慣れた地域で、安心して暮らせるまちづくりを企図し活動している。
 主な活動内容である認知症サポーター養成講座を通じ、企業、自治会、高校生、小学校の放課後児童クラブ等、幅広い年齢層を対象に、地域に根ざした活動を展開、サポーターの人数を着実に増やし、認知症の方を支えるネットワークづくりによって地域福祉の推進に貢献している。
27 長野県
長野市
ながの男の脳喝倶楽部 (ながのおとこののうかつくらぶ ) 老人福祉センターの「生きがいづくり講座・かがやき男塾」を受講したメンバーが、“まだまだ出来ることがある” “もっともっとやりたいことがある”を合言葉に平成29年2月に立ち上げたクラブである。「定年後の男性の地域とのつながり」を主体的に実践し、「明るく楽しく面白く」をモットーに活動を展開している。地域知見や歌謡バラエティー ショーをはじめ、福祉施設の環境美化(清掃)活動などを実施。また、「令和元年東日本台風」では支援物資集積所でのボランティア活動も行い、地域の人々の助けになった。年間100回以上のイベントを企画運営するなど、積極的に社会貢献している。
28 長野県
須坂市
須高ホワイト・エンジェルス隊 (すこうほわいと・えんじぇるすたい ) 平成10年長野冬季オリンピック・パラリンピック開催に際し組織された防犯ボランティアで、須高地域(須坂市、小布施町、高山村)の安全確保のため警察と連携を密にしながら、暴力団の排除、風俗環境の浄化及び少年の非行防止を目的に活動しており、こどもの安全対策として登下校時の青パト、街頭補導、長期休校前にネット犯罪被害防止掲載チラシ配布と注意喚起及び高齢者被害防止対策として、年金支給日のATM警戒やスーパー、駅前等で街頭啓発活動を実施し防犯全般にわたり活躍している。
29 滋賀県
守山市
お話し相手ボランティア「やすらぎ」 (おはなしあいてぼらんてぃあ「やすらぎ」) 市が実施したお話し相手ボランティア養成講座の修了生により結成したグループで、居宅等を訪問し、話を傾聴する活動を平成15年の4月から開始し、今年で20年目となる。現在43名のボランティアが登録し、2人1組で訪問活動を続けている。コロナ禍において一時訪問ができない状況となり、手紙や電話での対応を継続しているものの、高齢者からは訪問を希望する声が上がっている。自粛期間中には、各圏域の地域包括支援センターへ赴き、積極的に活動を周知することで、必要な人とつながることができるように促した。10年以上のつながりを継続する高齢者もおり、ボランティアとして高齢者の体調の変化等に気づき、関係機関と連携を図りながら高齢者が安心して生活できるように見守っている。
30 大阪府
和泉市
一般社団法人チョイサポしのだ (いっぱんしゃだんほうじんちょいさぽしのだ ) 地域住民によるボランティア活動をしている団体で、高齢者、障害を持つ方、子育て世代等の生活支援と送迎支援サービスを提供している。粗大ごみの搬出、電球交換、草刈りや買い物の付き添いや、スーパーや病院などへの車による移動支援サービスを行う。活動は令和2年度より開始しており、市内のみならず近畿圏内において移動支援サービスの草分けとして活動を続けており、地域福祉の推進に貢献している。
31 大阪府
阪南市
マスターズCafe (ますたーずかふぇ ) 認知症当事者や家族が運営を行っている、認知症カフェである。平成30年10月に活動を開始しており、現在200回を超える活動を行っている。活動内容としては、認知症当事者がマスターとなってウェイターやキッチンで働き、通う方々にカフェでのひと時や団らんを提供している。認知症当事者が役割を持ってカフェで働くことで生きがいにつながっている。認知症当事者や支える家族の居場所や社会参加の場となっており、認知症当事者や家族、市民の相談場所としても機能している。
32 兵庫県
姫路市
ガンバルンバ体操ひろめ隊 (がんばるんばたいそうひろめたい )  姫路市が考案した「生涯現役ガンバルンバ体操」を普及する目的で結成されたグループで、長きにわたりこどもから高齢者まで幅広い年齢層の方に、いつでも気軽にどこででもできる体操として体操教室を実施している。定期的に開催する体操教室は通いの場としての役割を果たし、参加者同士の交流の場として、新しい人間関係を築くきっかけづくりとなっており、外出促進等の地域課題解決にも貢献している。
33 兵庫県
姫路市
下蒲田サイエンスクラブ (しもかまださいえんすくらぶ ) 様々な科学現象について、身近にある材料・道具を使用して簡単な実験を行い、地域の幼稚園児に「見て・聞いて・触れて・感じて・考える」体験を通して、科学の楽しさを伝える活動に取り組んでいる。多くの園児が目を輝かせ、手に取って工夫しながら成功するまで試しており、「不思議」と「驚き」を科学の実験で証明するなど、園児達の科学意識の芽生えに貢献している。
34 兵庫県
姫路市
神寿生涯クラブ (じんじゅしょうがいくらぶ ) 60歳以上の方に「老人クラブに加入したい」と思ってもらえるような魅力ある組織を作るという目標の下、平成28年から月4回「ことぶきサロン」を開催しており、地域の高齢者の交流の場となっている。
 第1日曜日は「時事ニュース」、第2日曜日は「脳トレクイズ」、第3日曜日は「俳句・短歌」、第4日曜日は「音楽・唱歌」と週ごとにテーマを設定し、グループの会員は、自らの意思で主体的に「役割」 を担い活動しており、正に社会参加活動の実践と言える。
35 兵庫県
姫路市
姫路市立好古学園大学校ボランティアセンター(ひめじしりつこうこがくえんだいがっこうぼらんてぃあせんたー ) 好古学園で学んだことやこれまでの人生で得た知識・技術・経験を、ボランティアを通じて社会に還元することを目的に、学生の自主活動組織として平成15年に発足したグループで、高齢者施設への慰問・子育て支援・地域の清掃等の活動をしている。年々活動の幅を広げ、これまで地域社会に支えられて歩んできたことに対し、なにかの恩返しがしたいとの思いで、「人とのふれあい」を重視したボランティア活動を実施している。コロナ禍においては、今できることが何かを考え、地域清掃活動を中心に活動、新たに募金活動や「世界アルツハイマーデー」オレンジプロジェクト参加などの新しい活動にも取り組んだ。こうした積極的な活動は学生間で引き継がれ、創立20周年を迎える。
36 奈良県
生駒市
生駒市観光ボランティアガイドの会 (いこましかんこうぼらんてぃあがいどのかい ) 養成講座を修了したメンバーが、寺社仏閣を中心とした市内各所を、市内外の依頼者の希望に応じ無料で案内している。また、「企画ガイド」と称し、酒造巡り等メンバー自らが企画する魅力的なツアーを定期的に実施。毎回、募集枠を超える参加希望者がいる。メンバーの多くは、現役を退いた60歳代や70歳代で、参加者に喜んでいただきたいと、生駒市の歴史や文化について勉強を積み重ね、ハイキングを兼ねたガイドを精力的にこなしている。
37 和歌山県
西牟婁郡上富田町
岡老人クラブ (おかろうじんくらぶ ) 昭和45年頃、当時の老人会の会員が仲間づくりのために「何かしよう」とひょうたんづくりを提案し、現在まで毎年ひょうたんを作り続けている。ひょうたんは町のシンボル的存在になっており、平成29年には町のマスコットキャラクター「ひょうたんせんぱい」が誕生した。岡老人クラブが作るひょうたんは、まちづくりや地域の観光振興に貢献している。
 ひょうたんづくりを通して、定期的に地域の高齢者が集まり、会話が増え、仲間づくりや交流の場ともなっている。コロナ禍でも栽培を続けており、ひょうたんを中心にして地域の高齢者の活動が促されている。
38 岡山県
小田郡矢掛町
矢掛町ボランティアのぞみ会 (やかげちょうぼらんてぃあのぞみかい ) 矢掛町ボランティアのぞみ会は、1990年4月の発足以降、32年の長きにわたり、一人暮らし高齢者等への給食サービスの提供を通じた見守りや、障害者施設における軽作業の手伝い等のボランティアなど、地域に根ざした幅広い活動を継続して実施しており、こうした取組は、地域における福祉活動の推進に大きく貢献している。
39 徳島県
徳島市
徳島県シルバー大学校大学院OB(とくしまけんしるばーだいがっこうだいがくいん おーびーかい ) 徳島県シルバー大学校大学院OB会は、平成16年に開講した徳島県シルバー大学校大学院の卒業生が平成17年に設立した団体であり、平成21年から「生きがいづくり推進員」のボランティア活動を本格的に始め、徳島県シルバー大学校大学院で学んだ歴史文化、防災、健康スポーツ、ICT及び外国語に関する知識・技術を生かし、シニアによるこれらの分野の活動を必要とする団体に対し、ボランティアで地域に貢献する活動を長年続けている。具体的には、阿波十郎兵衛屋敷での観光ボランティアガイド、公民館等での防災出前講座、老人クラブ・児童館でのニュースポーツの指導、小学校でのプログラミングを始めとするICTに関する授業・クラブ活動の講師など、多岐にわたって活動を行っており、地域福祉の推進に貢献している。
40 佐賀県
佐賀市
友禅会 (ゆうぜんかい ) 生涯学習講座「ゆめさが大学」の卒業生で構成され、週3回程度、公園の花壇の手入れや除草作業に加え、ゴミ拾い、落ち葉清掃を行って公園の緑化・美化に努めている。毎年5月と10月には、会員のほか、ゆめさが大学の学生、異世代交流として近隣の高校生も加わり、総勢約80名で花壇の植え替え作業を行っている。ゆめさが大学の後輩に引き継がれることで継続した活動が実現され、年々拡充される花壇には季節ごとに色とりどりの花が咲き、多くの方の憩いの場となるとともに、ゴミの不法投棄の防止や防犯にもつながっている。
41 熊本県
球磨郡あさぎり町
もしもし達者な電話ボランティア (もしもしたっしゃなでんわぼらんてぃあ ) 町内での孤立死の発生をきっかけに、平成2年から電話を通じた安否確認として始まった「もしもし達者な電話ボランティア」は、月曜日から金曜日までの午前10時から1時間程度、町内の一人暮らしのお年寄りの方など希望される方を対象として、全てボランティアによって行われており、一本の電話は利用者の生活の一部として定着している。
 活動を開始してから令和5年3月で活動34年を迎えるが、長きにわたる活動は地域の支え合い活動の発展に寄与している。
42 大分県
宇佐市
宇佐の文化財を守る会 (うさのぶんかざいをまもるかい ) 市内外の有志により結成された会で、宇佐神宮を中心とした歴史の都市から重要な遺跡などが破壊されることのないよう、昭和46年から50年間郷土史学習や文化財を活用したまちづくりに参加している。発足当初は市長を会長とした半官半民の組織であったが、昭和50年からは市民が会長となる市民団体となる。年に3回の会報「宇佐文化」の発行にとどまらず、歴史文化財に関する公開講座や先進地研修、史跡の清掃活動等市の歴史文化の維持・啓発・伝承のために貢献している。

エイジレス・ライフ実践事例(エイジレス章受章者)