令和7年度 社会参加活動事例

都道府県・指定都市・中核市から推薦のあったエイジレス・ライフを実践する47名、社会参加活動を行う50団体の中から、内閣府に置かれた選考委員会(委員長:牧野篤 大正大学地域創生学部教授)の案を踏まえ、内閣府において今年度のエイジレス・ライフ実践事例32名社会参加活動事例32団体を決定しました。

決定されたエイジレス・ライフ実践者に対し「エイジレス章」、社会参加活動団体に対し「社会参加章」を章する書状及び記念の楯を授与します。

令和7年度 エイジレス・ライフ実践事例及び社会参加活動事例選考委員会

委員長

牧野 篤
大正大学地域創生学部 教授

委員

池田 昌弘
特定非営利活動法人全国コミュニティライフサポートセンター 理事長
澤岡 詩野
東海大学健康学部健康マネジメント学科 准教授
菅原 育子
武蔵野大学ウェルビーイング学部 教授
藤原 佳典
東京都健康長寿医療センター研究所 副所長

(敬称略)

社会参加章受章団体

通し番号 活動地域 (ふりがな)
グループ等の名称
活動内容
1 北海道 空知郡
中富良野町
なかふらのリハビリ体操指導士会(なかふらのりはびりたいそうしどうしかい ) 解剖学や運動学などの基礎知識と、正しく安全に体操指導ができる技術を30時間かけて学ぶ講習を受け、認定を受けた住民が高齢者の集まる通いの場において、体操指導を行うリハビリ体操教室を運営している。特徴として、運動負荷量やリスク管理にも配慮されており、フレイルや要介護認定を受けている対象者も参加が出来る内容となっている。
 令和6年度活動実績は、認定者88名、体操教室開催数151回、延参加者1,807人、指導士活動者延387人であった。また、体操に限らず、社会参加の重要性を理解し、民生児童委員等の多様な主体と協働し、地域高齢者に声かけを行い、通いの場への参加を促しており、多くの高齢者の社会参加機会を創出している。高齢になっても運動習慣づくりと社会参加機会をつくるために地域で活動する介護予防に資する活動を実践している。
2 青森県 むつ市 ボランティアむつの会 ( ぼらんてぃあむつのかい)  令和7年度に設立50年を迎える本会の会員の平均年齢は73歳であり、会員全員が65歳以上である。高齢者施設慰問活動、認知症カフェ支援活動、こども食堂の開設、ひとり親家庭支援活動、行政事業支援活動等と活動内容は多岐にわたり、「学ぶ 楽しむ 奉仕する」を基本方針に、会員120名が日々精力的に活動している。また、会員はいつでも、誰でも、自由に「サークル活動」を始めることができ、サークル活動の中で、各自が趣味や特技の精度向上に努め、サークル活動等により「成長エンジン」を回し続けるとともに、ボランティア活動で「福祉の担い手」をしているうちは「老化のスイッチ」をOFFにできると信じ、会員一丸となって日夜、地域福祉活動に取り組んでいる。
3 岩手県 遠野市お不動みのたけ俱楽部健康福祉隊( おふどうみのたけくらぶけんこうふくしたい)  少子高齢化が進む遠野市小友地区で、高齢者が地域で自分らしく暮らせる環境を整えるために平成29年10月に発足。サロンの開設や健康教室を通じた社会参加の促進を目的とし、さらに草刈り・除雪の有償ボランティア「みのたけバスターズ」や、買い物・通院支援のボランティア送迎「ちょいそこ」も開始。令和6年度の活動では、サロンや健康教室を開催し、多くの高齢者が参加したほか、「みのたけバスターズ」は除雪51件・草刈り3件、「ちょいそこ」は164件利用された。これにより、地域内の助け合いの意識が高まり、高齢者の外出機会や安心感が増しており、高齢化率52%と市内でも特に高齢化が進んでいる小友地区で地域福祉の向上に貢献している。
4 青森県 青森市 つながり隊 ( つながりたい )  つながり隊は、認知症サポーターで構成され、チームオレンジとして「認知症になっても安心して暮らし続けられる地域づくり」に貢献している。地域毎に認知症カフェを設置し、認知症のかたの交流の場や高齢者の認知症・閉じこもり予防の場として運営している。カフェの企画はメンバーのアイデアから生まれる。中でも方言を楽しく学ぶ「津軽弁講座」のコーナーは人気が高く、長年研究した内容を本にし自費出版するに至った。カフェを活動の拠点とし、傾聴ボランティアや気になる高齢者の見守り、包括へのつなぎなどを行い、認知症支援の一翼を担っている。
5 福島県 郡山市視覚障がい者支援 ( しかくしょうがいしゃしえん)
ボランティアグループくるみ会(ぼらんてぃあぐるーぷくるみかい )
 昭和49年に設立された団体で、長年に渡り「盲人ボランティア活動を中心に考え、それらに関連するボランティア活動及びボランティア活動の啓発を行う中で、一人一人が平等な人間として大切にしあう人間関係を作ることを目的とする」活動を展開し、視覚障害者への支援活動を行っている。点訳・声の広報「広報こおりやま」等のCD製作や、視覚障害者の外出する機会を支援する「るんるん鉄道バス」・「盲人と歩く会」などを企画し、障害者との合同野外活動の実施を通して交流を図り、障害者への理解を深める活動に貢献している。
6 福島県 郡山市 拡大写本 郡山かわずの会 ( かくだいしゃほんこおりやまかわずのかい )  昭和59年に設立された団体で、弱視者の読書環境の向上充実に奉仕することを目的に、主に既存の絵本や児童書を拡大し編集・製本して、盲学校や養護学校などに寄贈している。また、弱視児童のための教材等の制作寄贈を実践しており、活動実績が認められ、福島県だけではなく、平成17年から文部科学省の依頼で拡大教科書作りに取り組み、児童生徒からも感謝の声が寄せられている。その他、それぞれの要望に応えるため、弱視者に寄り添った活動・支援を行っている。
7 群馬県 太田市 宿 赤さくら区エコの会 ( しゅくあかさくらくえこのかい )  宿赤さくら区エコの会は、資源ごみ回収を通じて環境保全と地域貢献を両立する活動を続けている。回収による収益金は育成会や老人クラブに還元され、地域の支援に活用されている。回収時には全世帯にごみ袋を配布し、昨年度はロゴ入りエコバッグを特別配布するなど、リサイクル促進の啓発活動にも力を入れている。高齢者世帯には個別回収を行うことで負担を軽減し、地域の支え合いを強化。さらに、令和6年度からは地区の祭りへの助成も開始し、地域のつながりを深める役割も果たしている。会員の多くが70歳以上の男性であり、活動を通じた社会参加が生きがいづくりにもつながっている。持続可能な地域活動として意義深く、今後の発展が期待される。
8 埼玉県 和光市 和光市生きいきクラブ連合会 ( わこうしいきいきくらぶれんごうかい )  市内の単位老人クラブに所属している高齢者を対象としたグラウンド・ゴルフの定例練習会(毎週金曜)を実施するなど、高齢者の健康増進・社会参加活動を行っている。
 また、運営の中心的な役割である全体的な統括者など、円滑な運営を行う上で重要な担い手育成にも力を入れており、参加者のいきがいづくりも意識したクラブ運営を行っている。
9 山梨県 都留市 さなえ会 ( さなえかい )  地域にあった老人クラブが解散し、高齢者の居場所がなくなってしまったことをきっかけに、通いの場「いーばしょ」として「さなえ会」を結成。健康体操や市職員を講師とした健康講座等を定期的に開催し、地域での介護予防を推進しているほか、認知症サポーター養成講座を受講し、チームオレンジ「以為芭笑 さなえ会」としても、地域における認知症予防やその見守りを行っている。また、地域の中学校において、戦争を体験した参加者が戦争体験講話を実施し、平和学習の振興にも携わるなど、多様な社会参加活動を行っている。令和6年度で活動開始10周年を迎え、地域福祉の増進と高齢者の居場所、生きがいづくりへ積極的に寄与している団体である。
10 長野県 伊那市 伊那エンジェルス隊 ( いなえんじぇるすたい ) 伊那エンジェルス隊は、平成10年に開催された長野冬季オリンピックに伴い結成された防犯ボランティア団体である。
 同隊は、上伊那地区(伊那市、箕輪町、南箕輪村)の安全安心を守るため、伊那防犯協会連合会の実働部隊として、警察と連携し隊長を中心に年間活動計画を立案し、必要に応じ他の防犯ボランティア団体等とも協同して防犯活動に取り組んでいる。
 昨今は、特殊詐欺の被害防止の活動にも力を入れ、年金支給日における街頭啓発活動やパトロールを通じた高齢者への積極的な声掛けにより、特殊詐欺を未然に防止しようと日々活動している。
11 神奈川県 相模原市 れんげカフェ ( れんげかふぇ )  認知症のある人やその家族だけでなく、地域の方々など誰もが参加できるオープンな社会的居場所として「認知症カフェ」の活動に取り組んでいる。主な参加者は全員が65歳以上であり、認知症サポーターや地域のボランティアとして役割を果たし、活躍できる場となっている。開催日に「認知症カフェ」とは何かという共通認識を図るなど、誰もが当事者になるかもしれない「我がごと」として、認知症を正しく理解することを意識しながら活動しているほか、地域の共生カフェとしての運営を意識した取組も行っており、地域福祉の推進に寄与している。
 また、かながわオレンジ大使を招き、認知症への理解を深めるためのイベントを開催する新たな取組や、公民館まつりで活動紹介を行うなど、関係機関との協働等により地域で積極的な活動をしている。
12 神奈川県 相模原市 おやま一歩 の会 ( おやまいっぽのかい )  地域包括支援センター主催の講座を受講した有志により結成されたグループで、高齢者宅へ訪問し、ごみ出し・買い物・草むしり等の生活支援を行っている。地域団体と積極的に連携し、地域包括支援センター等から依頼を受け、年間200~300件の支援活動を7年間行っている。会員ができることを続けるという考えの下、無理なく対応していること、継続的に支援を実施することにより、依頼者が元気になっていく変化を見ていくことが、会員のモチベーションにつながっている。また、会員自身が楽しめる研修会や交流会を企画実施しており、住民同士が助け合い支え合う地域づくりに貢献している。
13 千葉県 船橋市 松三ボランティアサークル ( まつみぼらんてぃあさーくる )  松三町会内の一人暮らしの家庭の見守りや、独居高齢者宅の植木の剪定、消毒、除草、備品点検、取替、高齢者家庭への生活相談、一人暮らし宅への弁当配布、入院通院・買い物の送迎等の活動を続けている。時代とともに活動内容は変化しているが、現在も高齢者の見守り、町内パトロール、下校時の見守り、ごみ拾い、個人宅の困りごと相談等を実施しており、地域に欠かせない存在である。
14 神奈川県 横須賀市 湘南たけやまサポートクラブ ( しょうなんたけやまさぽーとくらぶ )  横須賀市武5丁目で活動している住民有志の生活支援団体で、「できることを、できるときに、できる範囲」を合言葉に高齢者等の日常生活における屋内外の困り事を支援する活動を行っている。町内会をはじめとした地域組織との連携も密に行っており、地域で見守ってほしい人と見守ることができる人で作る「見守りネットワーク」にも参画している。令和7年2月で活動が10年目を迎え、市内では中堅のポジションとなる。ベテラン団体から学び自分たちの活動に生かすというノウハウを新規団体に伝える役割を担うなど本市の支え合い活動の推進に大きく貢献している。
15 長野県 長野市 松代復興応援実行委員会 ( まつしろふっこうおうえんじっこういいんかい )  令和元年東日本台風で被災した松代町において、復旧復興支援を行うために結成されたボランティア活動団体であり、現在では被災体験を活かした防災活動に取り組んでいる。被災者の居場所づくりとして始めた「まちの保健室」は実行委員会の構成員、またこれを利用する方の相談場所やコミュニケーションの場として現在もつながりを持っている。応援イベント等の被災者応援活動を始め、防災教材開発及び作成等の防災活動、啓発イベント等の継続事業を積極的に実施している。また、地元小学校や行政と協働で事業を実施したことで連携が強化し、地域防災力の向上に貢献している。加えて人材育成の研修会には小中高生から高齢世代まで参加があり、多世代交流の場になるとともに、高齢世代がリーダー的な役割を果たしている。
16 石川県 小松市 月津シニアクラブ ( つきづしにあくらぶ )  健脚体操を行ういきいきサロンや、音楽会・お茶会などを行うゆったりサロンの活動に積極的に取り組むことで、高齢者の健康を維持しているだけでなく、このサロンが交流の場となり、高齢者の生きがいや社会参加に繋がっている。
 また、共同墓地の管理をする、こどもたちの登下校を見守る、ラジオ体操に参加するなど、町内会やこども会の活動にも参加することで、世代間交流にも貢献している。
17 石川県 羽咋市 釜屋町喜楽会 ( かまやまちきらくかい )  健康づくりを目的とした体操を実施するとともに、住民同士の支え合い推進を目的とした地域サロンが月1回合同で開催されることで、町内の幅広い年齢層の交流に繋がっている。こどもたちの登下校を見守る活動も世代間交流に繋がっている。
 また、海岸や神社、相撲場など、地域の要所でごみ拾いや草刈りを行い、環境美化に努めることで、住みよい地域づくりに貢献している。
18 福井県 福井市 福井いきいき会 ( ふくいいきいきかい )  高齢者らが、老後をいきいきと暮らしていけるように、みんなが集う場所を提供している会であり、駅前よろず茶屋を拠点として活動している。スポーツや映画鑑賞会のほか、「チャレンジパソコン」など最新のデジタル技術に慣れ親しむことを目的とした活動など、27ものサークル活動を行っており、月に延べ約700名が参加している。
 また、月1回「福井いきいき会新聞」を発刊するほか、1人でも多くの高齢者に関心を持ってもらうため、サークルのスケジュール表や活動状況、行事予定をホームページでも公開している。
 市内全域から高齢者が集まり、生きがいの創出や社会参加の促進、健康づくりにつながっている。
19 愛知県 清須市 にしびわくわくサポーターズ ( にしびわくわくさぽーたーず )  清須市西枇杷島地区では、平成12年9月に甚大な被害をもたらした東海豪雨から15年が経った平成27年に、東海豪雨を知らない世代も増えてきたことから、そうした世代に対し、シニア世代から東海豪雨の災害の様子を伝えることが、今後の防災教育の礎となり、将来の世代を含む誰もが安心して暮らせる社会をめざす第一歩となると考え、「にしびわくわくサポーターズ」を結成した。オリジナル大型紙芝居「忘れない東海豪雨―語り継ごう未来のためにー」の制作にあたり、紙芝居舞台を一から作り上げ、以来10年にわたり、地元の小学校で活動。また、平成30年より「にしびわくわくプラザ」(こども食堂)に携わり、毎年夏には、「流しそうめん」を企画運営し、三世代交流の場を提供している。
20 愛知県 岡崎市 白鳥フレンズ ( しらとりふれんず )  簡単な動作や計算といった要素で構成され、誰でも容易に取り組むことができるニュースポーツ「バッケリング」を独自に考案し、実施している老人クラブで、バッケリングを通じた高齢者の健康づくり活動への参加を促進している。また、町内会やこども会といった団体とも連携して世代間交流や地域間交流の機会を創出している。さらに、自分たちで作り上げたニュースポーツであるという意識を共有することでコミュニティーの繋がりが強化され、複合的に地域福祉の増進に寄与している。
21 兵庫県 神戸市 すずらんコミュニティガーデン ( すずらんこみゅにてぃがーでん )  30年前の阪神・淡路大震災の後、地域のニュータウンの隣接地に建設された仮設住宅の跡地を、平成15年から地域の男性達が一緒になって畑をつくり、野菜栽培や小屋まで設置した農園づくりを行った。
 その後、自作のピザ窯で親子らと交流するピザ窯グループや、高齢者が野菜作りを学ぶ「おやじ塾」の開講、少年野球の交流会等にも使われるBBQグリルや囲炉裏など憩い集えるスペースを設けた『開かれた農園』として運営している。
 近隣の幼稚園児の虫取り体験や中学生との農園整備、車イスの方でも参加できる環境整備など、高齢者が中心となりながら地域にも開かれた場所となっている。
 農と食をまちに取り入れ、高齢者自らが、賑わいと潤いを醸成し、社会的孤立防止に繋げ、安全・安心かつ豊かに暮らせるコミュニティづくりを行っている。
22 山口県 周南市 防犯ネットかの ( ぼうはんねっとかの )  住み慣れた地域で、こどもたちが安心・安全な生活を送ることができることを目指して、周南市老人クラブ連合会鹿野支部が警察署、社会福祉協議会、青少年育成会議、保護者等と広く連携を図り、長年にわたって町ぐるみで活動を展開している。最初は交通事故からこどもたちを守る活動を実施していたが、近年は熊が頻繁に出没していることから、未然に人的被害を防ぐため、通学路の見守りや注意を呼び掛ける活動を展開するなど、地区に設置される熊対策緊急会議にも加わり臨機応変に地域に貢献している。
23 広島県 広島市 皆実町6丁目「平和会」 ( みなみまちろくちょうめ「へいわかい」 )  「平和会」は、17年前に発足した老人クラブであり、会長のリーダーシップのもと、理事の献身的な働きかけにより、長い歴史と多くの会員数を持ち、会員増進や会員相互の親睦、友好関係を深めている。
 同会の活動内容は、
  1. 環境美化活動(町内外の清掃、花壇維持管理等)
  2. 健康維持活動(100歳体操、健康管理講習会の開催等)
  3. 文化活動(コーラス活動、小学校1年生を対象とした「昔遊び」の開催等)
  4. 友愛活動(独居老人・引きこもり老人家庭の訪問及び外出支援、児童の登下校の見守り)と多岐にわたる。

 これらの活動により、疎遠になりがちな近隣の人との会話が弾み、地域の連帯感が増し、また、地域における高齢者支援の輪が広がっている。その活動は、他クラブの模範となる老人クラブである。

24 佐賀県 唐津市 タオル帽子の会 ( たおるぼうしのかい )  ゆめさが大学唐津校の卒業生の有志で構成されたグループで、抗がん剤治療により頭髪に悩むがん患者の方々への支援としてタオル帽子を作製し、市内の病院へ寄贈するなどの活動を継続している。また、「タオル帽子」のことを少しでも多くの方に知ってもらうために活動のPRをしながら、後輩グループへの支援も行い、活動の普及に努めている。縫い上げたタオル帽子は1枚ずつ袋にラッピングし、受け取られる方に向けた手書きのメッセージが添えられるなど、社会参加型の活動により、積極的な支援を実施している。
25 長崎県 諫早市 天満町見守りネットワーク ( てんまんちょうみまもりねっとわーく )  天満町では、高齢者の孤独死が数件続いた時期があり民生委員だけの見守りに難しさを感じていた。そこで、高齢者の見守りを民生委員だけではなく、町全体で取り組めないか自治会を中心に検討し、平成30年から「天満町見守りネットワーク」の活動を開始した。見守りネットワークでは、見守り協力員(自治会、民生委員、老人クラブ、女性の会、大昭会、こども会の各団体)が異変を感じた際は、協力員班長、民生委員、自治会と連絡がつながる仕組みであり、月1回は見守り該当者の近況報告を行っている。また、年1回は、協力員と各団体代表で構成されるネットワーク推進員が集まり、協力員の意識向上を目的とした研修会を開催している。この取り組みにより地域の見守り強化が図られるとともに、見守り対象者からは、喜びの声、見守り協力員からは、生きがい獲得や介護予防に繋がっているとの声が上がっている。
26 長崎県 松浦市 志佐なごみ会 ( しさなごみかい )  高齢者が気軽に交流できる居場所が志佐地区になかった為、シルバー世代が気軽に訪れくつろげる憩いの場を作ろうと活動を開始。市役所やスーパーの近くに位置する為、買い物帰りのバス待ちや雨宿りでの気軽な利用を呼び掛けた。コーラス等のレクリエーション活動で生きがいづくりに寄与し、いきいき百歳体操で身体機能の維持に努め、高齢者が集まりやすい雰囲気が出来ている。健康マージャン、シニアピアノ教室では指先を動かす事で脳の活性化を促し、認知症の予防にも寄与している。運営の中心となるサポーターも60代から80代の18人で担い、日常生活における各種の助言を行い、関係機関への橋渡し役も担っている。利用者相互の親睦を深め、高齢者等に生きがいと喜びを与え、連帯を深める事で孤立しがちな高齢者の数を減らすことが出来ている。
27 熊本県 上益城郡
山都町
たんぽぽの会 ( たんぽぽのかい ) " 町の高齢化率が30%に迫る中、地域の組合員が高齢化していく状況に、今何かしなければならないという思いから、組合員を含めた地域の高齢者の健康づくりと介護予防を目的に立ち上げられた会。
 「元気な今を大事に」「出来るときに出来ることを」「元気に助け合う」をモットーに長年活動を続けてきた。コロナ禍により一時活動を休止していたが、令和6年度に一念発起し、活動を再開。毎月、持ち回りで担当を決め、計画立案しながら介護予防のための体操やレクリエーション活動等を実施している。
28 大分県 宇佐市 うぶぎの会 ( うぶぎのかい )  平成25年9月25日より活動を開始し、子育て支援の一環として、構成員が作成した産着を、宇佐市に贈る活動を行っている。これまでに贈呈された産着は4,000枚を超えており、活動期間が11年を超えた現在も、地域に根差した活動となっている。また、子育て世代への支援の他に、構成員の生きがいづくりとなっている側面もあり、世代を超えた「支え合い活動」としての意味も持っている。
29 宮崎県 延岡市 延岡の語り部萌ぎの会 ( のべおかのかたりべもえぎのかい )  宮崎県の県北に伝わる民話や方言、戦争体験等を後世に語り伝えようと平成16年4月に発足。
 令和6年度には、市立図書館を含む3会場で毎月『定例語り部』を実施。「出前語り」では小中学校や高齢者施設等からの依頼に応じ活動を行った。その回数は年間約70回を超え、1000人以上の地域住民が参加した。
 その他に、「みやざきふるさとの民話」の本を手作りで作成し、図書館や学校へ寄贈することで、民話の継承に寄与する活動を行っている。
 幅広い世代が地域の歴史を学ぶことで郷土愛を育み、団体の構成員にとっては民話や方言等を学び伝える活動が生きがいとなっている。
30 福岡県 北九州市 Joyんと倶楽部 ( じょいんとくらぶ )  当団体は、「今まで仕事一筋だったが、これからは地域に知り合いや仲間を作りたい。」「ひとりでも友達と気軽に参加でき、色々な人と交流したい。」という団塊世代を中心した男性同士の交流・つなぎの場としての(joint)、これからの人生にわくわくする歓び(joy)を得られるように発足した。
 単なる趣味や交流の場にとどまらず、地域づくりの一環として機能しており、男性が気軽に参加できる場を提供しながらも、自発的な地域貢献を促進し、地域社会の担い手を育てる役割を担っている。活動内容は多岐に渡り、異なる興味を持つ人々を惹きつけ、参加者の多様性を生んでおり、地域の課題である「町内会未加入世帯の増加」や「人材育成」の解決にも寄与している。
31 福岡県 北九州市 わいわい市場葛原 ( わいわいいちばくずはら )  朝市を中心にした活動を、14年に渡り実施しており、葛原校区社会福祉協議会を母体とした団体で、運営はその役員等が担っている。この活動により、地域の買い物の利便性が向上しただけでなく、参加高齢者同士のコミュニティの場としても機能しており、地域福祉に多大な貢献をしている。
 朝市では、多くの参加者を募るため、朝市で販売する地場の野菜のほか、米、惣菜、花卉、創作小物等を積極的に仕入れたり、餅つきを行ったりするなど、魅力ある商品提供を行っている。特に、餅は名物の主力商品となり、イベントの際には毎回行列ができる人気商品となっている。多くの住民が、定期的に開催される朝市に参加することにより、サロンのような見守りの機能も担っている。
32熊本県 熊本市 熊本市長嶺校区( くまもとしながみねこうく)
第一町内老人クラブ長成会 (だいいちちょうないろうじんくらぶちょうせいかい )
 平成9年の結成当時から、単位老人クラブとして高齢者の生きがいづくり・健康づくりに励んでおり、他の単位老人クラブの模範となっている。
 また、平成18年からこども見守りパトロールを実施しており、平成26年4月には校区自治会の総会でジュニア・シニア・サポートセンタ-(JSSC)の設立を承認されたことをきっかけに、地域自治会と協働したパトロール等を実施している。具体的活動としては、登下校時の防犯・交通安全活動、通学路の点検、学校との情報の交換や、70歳以上の方の現状の把握、高齢者の方が参加できる行事の実施などに取り組んでいる。高齢者の支援については民生委員・児童委員と協力し合うことで、総合的なサポートを行っている。

エイジレス・ライフ実践事例(エイジレス章受章者)