第1章 高齢化の状況 第2節 高齢者の状況
1 高齢者と家族
○ 65歳以上の者のいる世帯数は、平成16(2004)年現在1,786万世帯であり、全世帯(4,632万世帯)の38.6%を占めている。内訳は、「単独世帯」が373万世帯(20.9%)、「夫婦のみの世帯」が525万世帯(29.4%)、「親と未婚の子のみの世帯」が293万世帯(16.4%)、「三世代世帯」が392万世帯(21.9%)となっている(図1-2-1)。
○ 65歳以上の者のいる世帯数は、平成16(2004)年現在1,786万世帯であり、全世帯(4,632万世帯)の38.6%を占めている。内訳は、「単独世帯」が373万世帯(20.9%)、「夫婦のみの世帯」が525万世帯(29.4%)、「親と未婚の子のみの世帯」が293万世帯(16.4%)、「三世代世帯」が392万世帯(21.9%)となっている(図1-2-1)。
図1-2-1 65歳以上の者のいる世帯数及び構成割合(世帯構造別)
○ 65歳以上の高齢者人口に占める一人暮らし高齢者の割合は、昭和55(1980)年には男性4.3%、女性11.2%であったが、平成12(2000)年には男性8.0%、女性17.9%と顕著に増加している。今後も一人暮らし高齢者は増加を続け、特に男性の一人暮らし高齢者の割合が大きく伸びることが見込まれている(図1-2-3)。
図1-2-3 一人暮らしの高齢者の動向
○ 高齢者世帯の年間所得(平成15年の平均所得)は290.9万円となっており、全世帯平均(579.7万円)の半分程度であるが、世帯人員一人当たりでみると、高齢者世帯の平均世帯人員が少ないことから、184.6万円となり、全世帯平均(203.4万円)との間に大きな差はみられなくなる(表1-2-13)。
区分 |
平均所得金額 |
|||
---|---|---|---|---|
一世帯当たり |
世帯人員一人当たり(平均世帯人員) |
|||
高齢者世帯 | 総所得 | 290.9万円 |
184.6万円(1.58人) |
|
稼働所得 | 51.2万円 |
(17.6%) | ||
公的年金・恩給 | 209.3万円 |
(71.9%) | ||
財産所得 | 15.7万円 |
(5.4%) | ||
年金以外の社会保障給付金 | 3.4万円 |
(1.2%) | ||
仕送り・その他の所得 | 11.4万円 |
(3.9%) | ||
全世帯 | 総所得 | 579.7万円 |
203.4万円(2.58人) |
|
資料:厚生労働省「国民生活基礎調査」(平成16年)? (同調査における平成15年1年間の所得) | ||||
(注1)高齢者世帯とは、65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の未婚の者が加わった世帯をいう。 | ||||
(注2)財産所得とは以下のものをいう。 | ||||
ア 家賃・地代の所得 | ||||
世帯員の所有する土地・家屋を貸すことによって生じた収入(現物給付を含む。)から必要経費を差し引いた金額 | ||||
イ 利子・配当金 | ||||
世帯員の所有する預貯金、公社債、株式などによって生じた利子・配当金から必要経費を差し引いた金額(源泉分離課税分を含む。) |
○ 高齢者世帯の年間所得の分布をみると、「100~200万円未満」が27.4%で最も多く、次いで、「200~300万円未満」が19.8%、「300~400万円未満」が17.7%、「100万円未満」が15.2%と続いており、中央値は234万円となっている。年間所得「200~300万未満」以下の世帯の割合は高齢者世帯では約6割を占めるのに対し、全世帯では約3割にとどまっている(図1-2-14)。
図1-2-14 高齢者世帯の年間所得の分布
3 高齢者の就業
○ 高齢者の就業状況は、男性の場合、就業者の割合は、55~59歳で90.1%、60~64歳で68.8%、65~69歳で49.5%となっている。また、60~64歳の不就業者(31.2%)のうち5割以上の者が、65~69歳の不就業者(50.5%)のうち4割以上の者が、就業を希望している。
○ 女性の就業者の割合は、55~59歳で62.2%、60~64歳で42.3%、65~69歳で28.5%となっている。不就業者でも、60~64歳の不就業者(57.7%)の3割以上の者が、65~69歳の不就業者(71.5%)の2割以上の者が就業を希望している(図1-2-24)。
図1-2-24 高齢者の就業・不就業状況
4 高齢者と健康・福祉
○ 高齢者の健康状態についてみると、平成16(2004)年における65歳以上の高齢者(入院者を除く。)の有訴者率(人口1,000人当たりの病気やけが等で自覚症状のある者の数)は493.1である。日常生活に影響のある65歳以上の高齢者(健康上の問題で、日常生活の動作・外出・仕事・家事・学業・運動・スポーツ等に影響のある者。入院者を除く。)の割合は、高齢者人口1,000人当たりで246.1となっている(図1-2-27)。
図1-2-27 65歳以上の高齢者の有訴者率及び日常生活に影響のある者の率
○ 介護保険制度における要介護者又は要支援者と認定された者のうち、65歳以上の者の数についてみると、平成16(2004)年度末で394.3万人となっている(表1-2-35)。
(単位:人) |
|||||||
認定者総数 | 要支援 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
被保険者総数 | 4,085,859 |
669,247 |
1,328,349 |
610,709 |
521,881 |
493,012 |
462,661 |
(100.0) |
(16.4) |
(32.5) |
(14.9) |
(12.8) |
(12.1) |
(11.3) |
|
うち第1号被保険者 (65歳以上の認定者) |
3,942,808 |
658,640 |
1,281,817 |
582,359 |
500,797 |
476,039 |
443,156 |
(100.0) |
(16.7) |
(32.5) |
(14.8) |
(12.7) |
(12.1) |
(11.2) |
|
うち65~74歳 | 674,786 |
124,456 |
229,080 |
102,474 |
81,298 |
69,978 |
67,500 |
(100.0) |
(18.4) |
(33.9) |
(15.2) |
(12.0) |
(10.4) |
(10.0) |
|
75歳以上 | 3,268,022 |
534,184 |
1,052,737 |
479,885 |
419,499 |
406,061 |
375,656 |
(100.0) |
(16.3) |
(32.2) |
(14.7) |
(12.8) |
(12.4) |
(11.5) |
|
資料:厚生労働省「平成16年度介護保険事業状況報告年報」 | |||||||
(注1)平成16年度末現在 | |||||||
(注2)( )内は認定者総数に占める割合(単位:%) |
○ 介護保険制度のサービスを受給した65歳以上の被保険者は平成17年4月審査分で324.5万人となっており、男女比でみると男性が27.8%、女性が72.2%となっている(表1-2-36)。
(単位:千人) |
|||||||
総数 |
要支援等 |
要介護1 |
要介護2 |
要介護3 |
要介護4 |
要介護5 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
受給者総数 (65歳以上の受給者) |
3,245.4 |
440.8 |
1,027.2 |
508.5 |
449.9 |
433.3 |
385.8 |
(100.0) |
(13.6) |
(31.7) |
(15.7) |
(13.9) |
(13.4) |
(11.9) |
|
男 | 903.1 |
98.2 |
268.7 |
165.2 |
145.0 |
128.2 |
97.8 |
(100.0) |
(10.9) |
(29.8) |
(18.3) |
(16.1) |
(14.2) |
(10.8) |
|
女 | 2,342.3 |
342.6 |
758.5 |
343.3 |
304.9 |
305.0 |
288.0 |
(100.0) |
(14.6) |
(32.4) |
(14.7) |
(13.0) |
(13.0) |
(12.3) |
|
資料:厚生労働省「介護給付費実態調査月報(平成17年4月審査分)」 | |||||||
(注)( )内は総数に占める割合(単位:%) |
5 高齢者の社会参加活動
○ 高齢者のグループ活動への参加状況についてみると、54.8%が何らかのグループ活動に参加している。具体的な活動では、「健康・スポーツ」25.3%、「趣味」24.8%、「地域行事」19.6%、「生活環境改善」9.1%の順となっている(図1-2-49)。
図1-2-49 高齢者のグループ活動への参加状況(複数回答)
6 高齢者の住生活
○ 高齢者の住宅の所有関係についてみると、65歳以上の高齢者のいる主世帯では、持ち家が84.0%、公営・公団・公社の借家が6.2%、民営借家が9.5%となっており、主世帯総数に比べ、持ち家率が高く、借家率が低い。また、高齢単身主世帯では、高齢夫婦主世帯に比べ、持ち家率が低く、借家率が高くなっている(図1-2-54)。
図1-2-54 高齢者の住宅の所有関係
7 高齢者と安全
○ 平成17(2005)年において、65歳以上の高齢者の交通事故死者数は2,924人で、交通事故死者全体の42.6%を占めている。交通事故死者数は、平成4年までは16~24歳の若者が多かったが、5(1993)年に高齢者が若者の死者数を上回り、その後も高齢者の割合の増加と若者の割合の低下が続いている(図1-2-64)。
図1-2-64 年齢層別交通事故死者数の推移
○ 65歳以上の高齢者の犯罪による被害の状況について、刑法犯被害認知件数でみると、平成16(2004)年は20万1,168件で、全被害認知件数の9.2%を占めている。また、振り込め詐欺・恐喝事件のうち、いわゆるオレオレ詐欺・恐喝事件の17(2005)年の認知件数は6,854件である。そのうち年齢が判明している被害者4,676人を分析したところ、65歳以上の割合は47.3%となっている。
○ 「平成18年豪雪による被害状況(18年3月末現在)」についてみると、65歳以上の高齢者の死者は98人で、全死者数の約3分の2を占めている。また、その死亡状況をみると、約4分の3が「屋根の雪下ろし等、除雪作業中の死者」となっている。