第2章 高齢社会対策の実施の状況 第2節 高齢社会対策の動き

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1 高齢社会対策の総合的な推進のための政策研究等

 平成17年度においては、(1)「世帯類型に応じた高齢者の生活実態等に関する意識調査」、(2)「第6回 高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」を実施した。

(1)「世帯類型に応じた高齢者の生活実態等に関する意識調査」
○ 65歳以上の一人暮らし高齢者の増加は男女ともに顕著であり、今後、高齢期を一人で暮らす姿はより一般的なものとなる。そこで、一人暮らし高齢者の生活実態に関する意識等を明らかにするため、「一人暮らし高齢者」について「全高齢者世帯」との比較の下に意識調査を行った。
○ 経済的な暮らし向きについて、「心配である」とする者(「家計が苦しく、非常に心配である」と「家計にゆとりがなく、心配である」の計)は一人暮らし高齢者世帯(25.8%)が全高齢者世帯(19.5%)より高い。
  一人暮らし高齢者世帯について男女別にみると、男性が32.3%と際だって高いのに対し、女性は23.9%となっている(図2-2-5)。

図2-2-5 経済的な暮らし向き

(2)「第6回 高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」
○ 本調査は、昭和55年に第1回を実施して以来5年毎に調査を行っており、今回が第6回目の調査である。今回の調査対象国は日本、アメリカ、韓国、ドイツ、フランスの5か国で、60歳以上の男女を調査対象としている。
○ 日本について、子や孫との付き合い方について時系列でみると、子どもや孫とは「いつも一緒に生活できるのがよい」の割合が低下する一方で、「ときどき会って食事や会話をするのがよい」の割合が上昇し、平成17年度において両者の割合が逆転するなど、以前に比べると、より密度の薄い付き合い方でもよいと考える高齢者が増えていることがうかがえる(図1-2-9)。

図1-2-9 高齢者の子どもや孫との付き合い方

  一方、各国と比較すると、より密度の濃い付き合い方を望む者の割合が日本や韓国では相対的に高くなっている(図2-2-14)。

図2-2-14 子どもや孫との付き合い方(国際比較)
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