平成23年度 高齢社会対策(第2 3(2))
第2 分野別の高齢社会対策
3 学習・社会参加
(2)社会参加活動の促進
ア 「新しい公共」推進会議
官だけでなく、市民、NPO、企業などが積極的に公共的な財・サービスの提供主体となり、身近な分野において、共助の精神で活動する「新しい公共」の推進について、「新しい公共」円卓会議からの提案に対する政府の対応をフォローアップし、結果を踏まえた提案を行うとともに、「新しい公共」と行政の関係の在り方などNPO等の活動基盤整備について検討を行う。
イ 高齢者の社会参加活動の促進
(ア)高齢者の社会参加と生きがいづくり
高齢者の生きがいと健康づくり推進のため、地域を基盤とする高齢者の自主的な活動組織である老人クラブ等や都道府県及び市町村が行う地域の高齢者の社会参加活動を支援する。また、国民一人一人が積極的に参加し、その意義について広く理解を深めることを目的とした「全国健康福祉祭(ねんりんピック)」を平成23年10月に熊本県で開催する。
さらに、学校の教育活動を支援する「学校支援地域本部」や、放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用して、体験・交流活動等を提供する「放課後子ども教室」、家庭教育に関する学習機会の提供等を行う「家庭教育支援」などを一体的・総合的に推進することなどにより、高齢者を含む幅広い世代の地域住民の参画による地域全体で子どもを育む環境づくりを支援する。
(イ)高齢者の海外支援活動の推進
豊富な知識、経験、能力を有し、かつ途上国の社会や経済の発展に貢献したいというボランティア精神を有する中高年齢者が、海外技術協力の一環として、途上国の現場で活躍できるよう、シニア海外ボランティア事業を独立行政法人国際協力機構を通じ引き続き推進する。また、団塊の世代の人々の知見を本事業に活用すべく情報提供、派遣形態・期間の多様化など参加しやすい環境を整備する。
(ウ)高齢者の余暇時間等の充実
高齢者等がテレビジョン放送を通じて適切に情報を得ることができるよう、字幕放送、解説放送等の充実を図るため、平成19年10月に策定した行政指針に定める普及目標(29年度までに、字幕放送については対象の放送番組のすべてに字幕付与、解説放送については対象の放送番組の10%に解説付与する等)の達成に向けて、引き続き、字幕番組、解説番組等の制作に対する助成を行うこと等により、各放送局の自主的な取組を促す。
高齢者の社会参加や世代間交流を促進するため、7月に東京、11月に横浜市において「高齢社会フォーラム」を開催する。
また、年齢にとらわれず自らの責任と能力において自由で生き生きとした生活を送る高齢者(エイジレス・ライフ実践者)や社会参加活動を積極的に行っている高齢者の団体等を毎年広く紹介しており、「高齢社会フォーラム」等を通じて、社会参加活動等の事例を広く国民に紹介する事業を実施する。
ウ NPO等の活動基盤の整備
ボランティア活動の基盤の整備について、全国ボランティア・市民活動振興センターが実施する全国ボランティアフェスティバルの開催やボランティア活動等に関する広報・啓発活動、情報提供、研修事業等を引き続き支援する。また、地方自治体や民間団体等に対し、「地域福祉等推進特別支援事業」として、既存の制度のみでは充足できない問題や制度の狭間にある問題など地域社会における今日的課題の解決を目指す先駆的・試行的取組等へ補助を実施する。
高齢者福祉、共働き支援、村おこし、環境保護など、地域の様々な社会的課題をビジネスの手法を用いて解決するソーシャルビジネスを振興することで、高齢者や女性等の社会進出を促進し、地域における新たな産業や雇用の創出による地域活性化を図る。
また、地域活性化・雇用促進資金(社会貢献型事業関連)の活用により、ソーシャルビジネス事業者の資金調達ニーズに対しては、民間金融を補完しつつ、日本政策金融公庫を通じてソーシャルビジネス事業者に対する融資を実施することで資金調達の円滑化に向けた環境整備を進め、事業活動の促進を目指す。
市民の自由な社会貢献活動を促進するため、「特定非営利活動促進法」(平成10年法律第7号)に基づき、特定非営利活動法人の認証・監督を引き続き行う。また、内閣府NPOホームページなどで、市民活動に関する情報の提供を行う。
さらに、国立・国定公園の利用の適正化のため、自然公園指導員の研修を実施し、利用者指導の充実を図るとともに、地方環境事務所等においてパークボランティアを養成し、その活動に対する支援を実施する。
さらに、多様な個人が能力を発揮しつつ、自立して共に社会に参加し、支え合う「共生社会」を築いていくためには、地域住民やNPO等による社会活動の充実が必要不可欠であるという認識のもと、社会活動の中心的担い手となるリーダーを養成する「青年社会活動コアリーダー育成プログラム」を実施する。平成23年度は、日本青年9名をデンマークに派遣するとともに、デンマーク、ニュージーランド、ドイツから同分野の青年リーダー13名を招へいし、それぞれ日本青年と各国青年リーダーとの意見交換や高齢者関係施設の訪問などを行う。