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第1章 第3節 2 (5)安全・安心な生活環境の実現 ~高齢者に優しい社会はみんなに優しい~

第3節 「高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会報告書~尊厳ある自立と支え合いを目指して~」について

2 今後の超高齢社会に向けた基本的な考え方

(5)安全・安心な生活環境の実現 ~高齢者に優しい社会はみんなに優しい~

① バリアフリー・ユニバーサルデザインの深化

高齢者をはじめ、多様な人々が利用しやすいよう、住宅や都市、生活環境のデザインをより拡張するという、ユニバーサルデザインの考え方を一層推進する必要がある。

このような全世代型で多様な人々が安心して暮らせるまちづくり、自立した生活ができる環境づくりを実現することが重要である。

② 日常生活圏域の生活環境の保障

心身の機能が低下した高齢者にとっては、中学校区程度の日常的な生活圏域で、安全・安心かつ快適に最後まで住み続けられるための環境整備を図る必要がある。

日常生活に必要な買い物等ができる生活利便施設に加え、医療、介護等に関するサービスが日常生活圏域において適切に配置され、不便なく利用できる生活環境の保障が求められている。

また、これらの高齢者の生活を支援する様々なサービスが地域内でネットワーク化され、相乗的に機能する環境を整える必要がある。

③ 犯罪・消費者トラブルからの保護及び成年後見等の拡充

高齢者を虐待、犯罪、消費者トラブル等の被害者にしないために、成年後見制度や消費者被害防止施策等を推進する必要がある。とりわけ、認知症高齢者の増加に伴い、成年後見制度の必要性は一層高まってきており、一般市民からなる「市民後見人」を中心とした支援体制や「法人後見」をはじめとした組織的な後見体制を構築する必要がある。

また、社会全体で認知症の人とその家族を支え、見守り、ともに生きる地域を築いていくことが重要である。

さらに、高齢者が悪質業者の被害者とならないように、的確な情報提供、業者の指導・取締に取り組むことも求められる。また、犯罪、消費者トラブル等の被害者にしないために、地域で孤立させないためのコミュニケーションの促進が重要である。

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