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第1章 第3節 2 (6)若年期からの「人生90年時代」への備えと世代循環の実現 ~ワーク・ライフ・バランスと次世代へ承継する資産~

第3節 「高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会報告書~尊厳ある自立と支え合いを目指して~」について

2 今後の超高齢社会に向けた基本的な考え方

(6)若年期からの「人生90年時代」への備えと世代循環の実現 ~ワーク・ライフ・バランスと次世代へ承継する資産~

1 人的資本の蓄積とその活用

技術革新等により、企業内における働き方にも変化が生じ、企業において働き続けるためにも、能力開発や生涯学習が重要となる。同時に、男性にとっても女性にとっても、仕事時間と育児や介護、自己啓発、地域活動等の生活時間の多様でバランスのとれた組み合わせの選択を可能にする、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)が必要である。

年齢にかかわらず意欲に応じて働くために、技能や人脈等も含めた仕事能力を蓄積させることが重要であり、非正規労働者も含めて、若年・中年期からキャリア形成を図ることができるよう、キャリアに関する相談・援助により自己啓発・スキルアップができるような環境を整備していくことも重要である。

さらに、高齢期においても、個人の生きがいを探求し、これまでの多様な社会経験を活かして能力を発揮できるようにするとともに、自立した生活を送れるよう生涯学習の機会を充実させることが重要である。

同時に、高齢期に向けた健康管理、健康づくりが重要であることの啓発を図る必要がある。

2 資産形成とその活用による安定した老後生活の実現

高齢期における経済的自立という観点からは、就労期に実物資産や金融資産等のストックを適正に積み上げ、引退後はそれらの資産を活用して最後まで安心して生活できる経済設計が求められる。

したがって、資産形成が困難な若・中年の非正規労働者に対しては、雇用の安定や処遇の改善に向けて、公正な待遇の確保に横断的に取り組むことが重要である。

また、高齢者が残した資産が次世代に適切に承継されるよう、相続や寄付の仕組を通じた、適切な資産移転や社会に還流できる仕組を構築することが必要である。また、既存住宅を適正に評価し、流動性を高める中古住宅市場の整備も重要である。

高齢者が築き上げた資産を次世代が適切に継承し、住宅、住環境及びその資産価値が世代を通じて循環する仕組みが不可欠である。

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