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第2章 第3節 1 (4)自助努力による高齢期の所得確保への支援

第3節 分野別の施策の実施の状況

1 就業・所得

(4)自助努力による高齢期の所得確保への支援

ア 企業年金制度等の整備

平成23年8月に、「国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律」が成立・公布された。なかでも最も大きな改正は、確定拠出年金におけるマッチング拠出の導入であり、平成24年1月1日からの円滑な施行に努めた。

また、平成24年3月31日に廃止期限を迎えた適格退職年金制度については、移行状況の実態把握のため、受託機関へのヒアリングを精力的に行った。このうち、事業主が存在しない等の理由によって企業年金等に移行することができない適格退職年金ついては、平成24年度税制改正大綱において、現行の適格退職年金契約に係る税制上の措置を継続適用する措置を講じることとされた。平成23年11月には関係6省庁連名で事業主あての手紙を出し、受託機関を通じて他の企業年金制度等への移行を呼びかけ、円滑な移行に取り組んだ。

イ 退職金制度の改善

社外積立型の退職金制度を導入する等の改善を促進するとともに、中小企業における退職金制度の導入を支援するため、中小企業退職金共済制度の普及促進等の施策を推進している。

ウ 高齢期に備える資産形成等の促進

勤労者財産形成貯蓄制度の普及等を図ることにより、高齢期に備えた勤労者の自助努力による計画的な財産形成を促進する。また、勤労者財産形成年金貯蓄については、元本550万円を限度として、利子等については非課税措置が講じられている。

また、高齢者の財産管理の支援等に資する認知症高齢者等の権利擁護のための成年後見制度について周知を図っている(表2-3-2)。

表2-3-2 成年後見制度の概要
○ 制度の趣旨

高齢社会への対応及び福祉の充実等の観点から、自己決定の尊重、残存能力の活用、ノーマライゼーション等の理念と本人の保護の理念との調和による柔軟かつ弾力的で利用しやすい制度への社会的要請にこたえる。

○ 概要

法定後見制度と任意後見制度の2つがある。法定後見制度については、各人の多様な判断能力及び保護の必要性の程度に応じた制度とするため、補助・保佐・後見の三類型に分かれている。

(1)法定後見制度(民法)

3類型 補助 保佐 後見
判断能力の程度 不十分 著しく不十分 欠く常況
*補助:軽度の認知症者等が対象で、本人の同意の下で特定の契約の締結等について支援を受けられる。

(2)法定後見制度の充実(民法)

社会福祉協議会等の法人や複数の者が成年後見人となることを認め、また後見人の権限の濫用を防止するために監督体制の充実を図っている。

(3)任意後見制度(任意後見契約に関する法律)

自分の判断能力が低下する前に、本人が選ぶ後見人(任意後見人)に、将来の財産管理等について依頼するため、公正証書で任意後見契約をすることができる。

(4)成年後見登記制度(後見登記等に関する法律)

プライバシー保護の観点から、戸籍への記載に代わる公示方法として成年後見登記制度を設けている。

資料:法務省
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