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平成24年度 高齢社会対策 第1 2 総合的な推進のための取組

第1 平成24年度の高齢社会対策

2 総合的な推進のための取組

社会保障と税の一体改革について

国民皆保険・皆年金が達成されて以降半世紀が経過し、少子高齢化といった人口構成の大きな変化、非正規労働者の増大など雇用基盤の変化、家族形態・地域基盤の変化など、社会保障制度を支える社会経済情勢には大きな変化が生じており、このような社会の変化に対応して引き続き国民生活を支えることができる社会保障制度を構築することが課題となっている。

他方、高齢化等に伴い社会保障に要する費用は増大を続けており、それを支える財政も極めて厳しい状況にある。社会保障制度は、現在でも全体として給付に見合う負担を確保できていないが、負担を将来世代に先送りし続けることは、社会保障の持続可能性を確保する観点からも、財政健全化の観点からも困難となっている。

このような状況に対応するためには、給付は高齢世代中心、負担は現役世代中心という現在の社会保障制度を見直し、給付・負担の両面で世代間・世代内の公平が確保された制度へと改革するとともに、社会保障の安定財源の確保と財政健全化を同時に達成することが不可欠となっている。

このため、子どもや子育てへの支援を強化するなど人生前半の社会保障を手厚くし、全世代を通じた国民生活の安心を確保する「全世代対応型」社会保障制度の構築を目指すとともに、社会保障の安定財源の確保と財政健全化の同時達成への第一歩として、消費税率(国・地方)を10%へ段階的に引き上げることなどを内容とする「社会保障・税一体改革大綱」を平成24年2月に閣議決定した。

平成24年通常国会には、同大綱に示された工程に従って、社会保障改革関連法案や税制改正法案を提出しており、今後とも同大綱及び同年3月末に閣議決定した社会保障改革の工程表に基づき改革を進めていくこととしている。同大綱に盛り込まれている高齢者に向けた施策のポイントとしては、①できる限り住み慣れた地域で在宅を基本とした生活の継続を目指す「地域包括ケアシステム」の構築や、②低年金・無年金問題に対応し、年金制度の最低保障機能の強化を図る観点から行う受給資格期間の短縮や低所得者等への年金額の加算、③高齢者雇用対策として、雇用と年金を確実に接続させ、無収入の高齢者世帯が発生しないようにするための継続雇用制度に係る基準に関する法制度の整備などが挙げられる。

また、社会保障・税に関わる番号制度については、社会保障・税番号大綱で示したスケジュールに沿って、個人番号の利用開始に向けて、個人番号情報保護委員会の設置、システム構築、特定個人情報保護評価のための指針の作成等の取組を進めるとともに、平成23年度に引き続き全国でマイナンバーシンポジウムを開催することとしている(平成24年度:23府県で開催予定。)。

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