第2章 第1節 3 (3)基本的考え方
第1節 高齢社会対策の基本的枠組み
3 高齢社会対策大綱
(3)基本的考え方
高齢社会対策大綱では、高齢社会対策基本法の基本理念を確認し、以下の6つの基本的考え方にのっとり、高齢社会対策を推進することとしている。
① 「高齢者」の捉え方の意識改革
高齢者の意欲や能力を最大限活かすため、「支えが必要な人」という高齢者像の固定観念を変え、意欲と能力のある65歳以上の者には支える側に回ってもらうよう、国民の意識改革を図る。
② 老後の安心を確保するための社会保障制度の確立
社会保障制度の設計に当たっては、国民一人ひとりの安心感を高め、年齢や性別に関係なく、全ての人が社会保障の支え手であると同時に、社会保障の受益者であることを実感できる制度を確立する。
③ 高齢者の意欲と能力の活用
意欲と能力のある高齢者の多様なニーズに応じた柔軟な働き方が可能となる環境整備を図るとともに、様々な生き方を可能とする新しい活躍の場の創出など社会参加の機会の確保を推進する。
④ 地域力の強化と安定的な地域社会の実現
地域とのつながりが希薄化している中で、地域のコミュニティの再構築を図る。また、地域で尊厳を持って生きられるような、医療・介護の体制の構築を進める。
⑤ 安全・安心な生活環境の実現
高齢者が自立して健康、安全、快適に生活できるような、医療や介護、職場、住宅が近接した集約型のまちづくりを推進する。また、高齢者を犯罪、消費者トラブル等から守り、高齢者の安全・安心を確保する社会の仕組みを構築する。
⑥ 若年期からの「人生90年時代」への備えと世代循環の実現
若い頃からの健康管理、健康づくりへの取組、生涯学習や自己啓発の取組及び仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進を図る。また、高齢者の築き上げた資産を次世代が適切に継承できるよう、社会に還流できる仕組みの構築を図る。