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第1章 高齢化の状況

第1節 高齢化の状況

1 高齢化の現状と将来像

(1)高齢化率が25.1%に上昇

我が国の総人口は、平成25(2013)年10月1日現在、1億2,730万人と、23(2011)年から3年連続の減少であった。

65歳以上の高齢者人口は、過去最高の3,190万人(前年3,079万人)となり、総人口に占める割合(高齢化率)も25.1%(前年24.1%)と過去最高となった。

65歳以上の高齢者人口を男女別にみると、男性は1,370万人、女性は1,820万人で、性比(女性人口100人に対する男性人口)は75.3であり、男性対女性の比は約3対4となっている。

また、高齢者人口のうち、「65~74歳人口」は1,630万人(男性772万人、女性858万人、性比90.0)で総人口に占める割合は12.8%、「75歳以上人口」は1,560万人(男性598万人、女性962万人、性比62.2)で、総人口に占める割合は12.3%である(表1-1-1)。

表1-1-1 高齢化の現状
単位:万人(人口)、%(構成比)
  平成25年10月1日 平成24年10月1日
総数 総数
人口
(万人)
総人口 12,730 6,191
(性比)94.7
6,539 12,752 6,203
(性比)94.7
6,549
高齢者人口(65歳以上) 3,190 1,370
(性比)75.3
1,820 3,079 1,318
(性比)74.8
1,762
65~74歳人口 1,630 772
(性比)90.0
858 1,560 738
(性比)89.7
823
75歳以上人口 1,560 598
(性比)62.2
962 1,519 580
(性比)61.8
939
生産年齢人口(15~64歳) 7,901 3,981
(性比)101.6
3,920 8,018 4,038
(性比)101.5
3,980
年少人口(0~14歳) 1,639 840
(性比)105.0
800 1,655 847
(性比)105.0
807
構成比 総人口 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
高齢者人口(高齢化率) 25.1 22.1 27.8 24.1 21.2 26.9
65~74歳人口 12.8 12.5 13.1 12.2 11.9 12.6
75歳以上人口 12.3 9.7 14.7 11.9 9.4 14.3
生産年齢人口 62.1 64.3 59.9 62.9 65.1 60.8
年少人口 12.9 13.6 12.2 13.0 13.7 12.3
資料:総務省「人口推計」(各年10月1日現在)
(注)「性比」は、女性人口100人に対する男性人口

平成25(2013)年は、前年に引き続き65~74歳人口が増加した。昭和22(1947)~24(1949)年に生まれたいわゆる「団塊の世代」が65歳に達しているためである(図1-1-2)。

図1-1-2 高齢者人口の対前年増加数の推移

我が国の65歳以上の高齢者人口は、昭和25(1950)年には総人口の5%に満たなかったが、45(1970)年に7%を超え(国連の報告書において「高齢化社会」と定義された水準)、さらに、平成6(1994)年にはその倍化水準である14%を超えた(「高齢社会」と称された)。高齢化率はその後も上昇を続け、現在、25.1%に達している。

また、生産年齢人口(15~64歳)は、7(1995)年に8,726万人でピークを迎え、その後減少に転じ、25(2013)年には7,901万人と昭和56(1981)年以来32年ぶりに8,000万人を下回った。

(2)将来推計人口でみる50年後の日本

将来推計人口とは、全国の将来の出生、死亡及び国際人口移動について仮定を設け、これらに基づいて我が国の将来の人口規模並びに年齢構成等の人口構造の推移について推計したものである。以下、平成24(2012)年1月に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口」における出生中位・死亡中位推計結果(以下、本節においてはすべてこの仮定に基づく推計結果)を概観する。

ア 9,000万人を割り込む総人口

我が国の総人口は、長期の人口減少過程に入っており、平成38(2026)年に人口1億2,000万人を下回った後も減少を続け、60(2048)年には1億人を割って9,913万人となり、72(2060)年には8,674万人になると推計されている(図1-1-3)。

イ 2.5人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上

高齢者人口は今後、「団塊の世代」が65歳以上となる平成27(2015)年には3,395万人となり、「団塊の世代」が75歳以上となる37(2025)年には3,657万人に達すると見込まれている。その後も高齢者人口は増加を続け、54(2042)年に3,878万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されている。

総人口が減少する中で高齢者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、47(2035)年に33.4%で3人に1人となる。54(2042)年以降は高齢者人口が減少に転じても高齢化率は上昇を続け、72(2060)年には39.9%に達して、国民の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると推計されている。総人口に占める75歳以上人口の割合も上昇を続け、いわゆる「団塊ジュニア」(昭和46(1971)~49(1974)年に生まれた人)が75歳以上となった後に、平成72(2060)年には26.9%となり、4人に1人が75歳以上の高齢者となると推計されている。

また、高齢者人口のうち、65~74歳人口は「団塊の世代」が高齢期に入った後に平成28(2016)年の1,761万人でピークを迎える。その後は、43(2031)年まで減少傾向となるが、その後は再び増加に転じ、53(2041)年の1,676万人に至った後、減少に転じると推計されている。

一方、75歳以上人口は増加を続け、平成29(2017)年には65~74歳人口を上回り、その後も増加傾向が続くものと見込まれている(図1-1-4)。

ウ 年少人口、出生数とも現在の半分以下に、生産年齢人口は4,418万人に

出生数は減少を続け、平成72(2060)年には、48万人になると推計されている。この減少により、年少人口(0~14歳)は58(2046)年に1,000万人を割り、72(2060)年には791万人と、現在の半分以下になると推計されている。

出生数の減少は、生産年齢人口にまで影響を及ぼし、平成42(2030)年に6,773万人と7,000万人を割り、72(2060)年には4,418万人となると推計されている。

一方、高齢者人口の増大により死亡数は増加、死亡率(人口1,000人当たりの死亡数)は上昇を続け、平成72(2060)年には、17.7になると推計されている(図1-1-5)。

エ 現役世代1.3人で1人の高齢者を支える社会の到来

65歳以上の高齢者人口と15~64歳人口の比率をみてみると、昭和25(1950)年には1人の高齢者に対して12.1人の現役世代(15~64歳の者)がいたのに対して、平成27(2015)年には高齢者1人に対して現役世代2.3人になっている。今後、高齢化率は上昇を続け、現役世代の割合は低下し、72(2060)年には、1人の高齢者に対して1.3人の現役世代という比率になる(図1-1-6)。

オ 将来の平均寿命は男性84.19歳、女性90.93歳

我が国の平均寿命は、平成24(2012)年現在、男性79.94年、女性86.41年と、前年に比べて男性は0.50年、女性は0.51年上回った。今後、男女とも延びて、72(2060)年には、男性84.19年、女性90.93年となり、女性の平均寿命は90年を超えると見込まれてい(図1-1-7)。

また、65歳時の平均余命は、昭和30(1955)年には男性が11.82年、女性が14.13年であったものが、平成24(2012)年には男性が18.89年、女性が23.82年となっており、男性、女性とも高齢期が長くなっている。65歳時の平均余命について今後の推移をみていくと、72(2060)年には男性22.33年、女性27.72年となり、高齢期はさらに長くなっていく。

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