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第1章 第3節 2 就労に関する備え

第3節 高齢期に向けた「備え」に関する意識

2 就労に関する備え

(1)65歳を超えても働くことを希望する人は約半数

60歳以降の収入を伴う就労の意向と就労希望年齢についてみると、「65歳くらいまで」とする人が31.4%と最も多く、次いで「働けるうちはいつまでも」が25.7%、「70歳くらいまで」が20.9%となっている。

65歳を超えても働きたい人(「70歳くらいまで」、「75歳くらいまで」、「76歳以上」及び「働けるうちはいつまでも」の合計)は、50.4%となっている(図1-3-2-1)。

(2)働きたい主な理由は「生活費を得たいから」

60歳以降に働くことを希望する理由については、「生活費を得たいから」とする人が76.7%と最も多く、次いで「自由に使えるお金が欲しいから」が41.4%、「仕事を通じて、友人、仲間を得ることができるから」が30.1%、「生きがいが得られるから」が28.9%となっている(図1-3-2-2)。

(3)60歳以降は「パートタイム」を希望する者が多い

60歳以降の希望する就労形態については、「パートタイム(短時間勤務など)の社員・職員」とする人が53.9%と最も多く、次いで「フルタイムの社員・職員」が24.2%、「自営業・個人事業主・フリーランス(家族従業者を含む)」が15.9%となっている(図1-3-2-3)。

(4)高齢期に働くために最も必要と考えることは「健康・体力づくり」

高齢期に働くために最も必要と考えることは、「健康・体力づくり」とする人が58.8%と最も多く、次いで「様々な人に対して柔軟に対応できること」が13.1%、「知識・技能・技術の習得」が12.5%となっている(図1-3-2-4)。

「人生90年時代」を迎えつつある中、60歳以降の生計を支えるために働きたいと考える人が多数を占める。職業生涯の長期化や働き方の多様化が進む中、職業生活の全期間を通じてその能力を発揮できるためには、段階的な職業能力の開発・向上が必要である。高齢期になって、急に新たなスキルを取得することは難しい。現役世代の準備不足が高齢期の就労の選択肢を狭めることのないよう、知識・技能・技術の習得、資格の取得などの「備え」が必要である。労働者自身による中高年期からの高齢期を見据えた職業能力開発のための環境整備を進めることが必要であろう。

また、高齢期に働くためには、健康・体力が何よりも大切であると考える人が約6割を占める。若年期から生活習慣の改善に取り組むなどによる健康増進・疾病予防が重要であり、若年期から主体的に健康づくりに取り組むための支援が必要であろう。

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