第1章 高齢化の状況(第2節 4)
第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向(4)
4 高齢者の就業
○労働力人口に占める高齢者の比率は上昇
- 平成28(2016)年の労働力人口は、6,673万人であった。
- 労働人口のうち65~69歳の者は450万人、70歳以上の者は336万人であり、労働力人口総数に占める65歳以上の者の割合は11.8%と上昇し続けている(図1-2-24)。
- 平成28(2016)年の労働力人口比率(人口に占める労働力人口の割合)は、65~69歳で44.0%となり、平成16(2004)年を底に上昇傾向である(図1-2-25)。
○「働けるうちはいつまでも」働きたい高齢者が約4割
- 現在仕事をしている高齢者の約4割が「働けるうちはいつまでも」働きたいと回答。70歳くらいまでもしくはそれ以上との回答と合計すれば、約8割が高齢期にも高い就業意欲を持っている様子がうかがえる(図1-2-26)。
○60歳を過ぎても働く人が多い
- 高齢者の就業状況についてみると、男性の場合、就業者の割合は、55~59歳で90.3%、60~64歳で77.1%、65~69歳で53.0%となっており、60歳を過ぎても、多くの人が就業している。また、女性の就業者の割合は、55~59歳で69.0%、60~64歳で50.8%、65~69歳で33.3%となっている(図1-2-27)。
○65歳以上の非正規の職員・従業員の割合は7割以上
- 高齢者の雇用形態をみると、平成28(2016)年では正規の職員・従業員が99万人に対して、非正規の職員・従業員が301万人であり、役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は75.3%となっている(図1-2-28)。
○希望者全員が65歳以上まで働ける企業は7割以上
- 従業員31人以上の企業約15万社のうち、高齢者雇用確保措置1の実施済企業の割合は99.5%(152,275社)となっている。また、希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は74.1%(113,434社)となっている(図1-2-29)。
(注1)「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」では65歳までの安定した雇用を確保するため、企業に「定年制の廃止」、「定年の引き上げ」、「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置を講じるよう義務付けている。
○高齢者の雇用情勢は改善傾向
- 平成20(2008)年から22(2010)年は経済情勢の急速な悪化を受けて60~64歳の完全失業率は上昇していたが、平成22年をピークに低下し、28(2016)年は60~64歳の完全失業率は3.2%と、15歳以上の全年齢計(3.1%)と同水準となった(図1-2-30)。