第2章 高齢社会対策の実施の状況(第2節 6)

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第2節 分野別の施策の実施の状況(6)

6 全世代が参画する超高齢社会に対応した基盤構築

○雇用・就業における女性の能力発揮

事業主による妊娠、出産、育児休業・介護休業等の申出・取得を理由とする不利益取扱いは、既に男女雇用機会均等法等で禁止されているが、近年、上司・同僚からのハラスメントも問題となっている。そのため、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法が改正され、上司・同僚による職場における妊娠、出産、育児休業等・介護休業等の申出・取得に関するハラスメントの防止措置を講じることが事業主に対し新たに義務付けられた(平成29年1月1日施行)。

女性の職業生活における活躍を一層推進するため、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)が平成28年4月に全面施行された。国・都道府県・市区町村における行動計画策定率は100%となっている。同法に定める、自社の女性活躍の状況把握、課題分析、行動計画策定を簡易に行える「一般事業主行動計画策定支援ツール」の提供や、中小企業における法に基づく取り組みを支援することを目的とした「中小企業のための女性活躍推進事業」を実施するとともに、実際に行動計画に定めた目標を達成した事業主に対する助成金の支給、さらに企業の女性の活躍状況に関する情報や行動計画を公表できる場として「女性の活躍推進企業データベース」の提供などにより、事業主の取組支援を行った。

○非正規雇用労働者対策の推進

雇用情勢が着実に改善しているタイミングを捉え、正社員を希望する方の正社員転換や非正規雇用を選択する方の待遇改善を推進することが重要である。このため、厚生労働大臣を本部長とした「正社員転換・待遇改善実現本部」において、今後5年間の正社員転換・待遇改善に係る目標や取組をまとめた「正社員転換・待遇改善実現プラン」を平成28年1月に策定した。また、各都道府県労働局にも本部を設置し、同年3月までにそれぞれの地域プランを策定した。これらのプランに基づき、非正規雇用労働者の正社員転換・待遇改善を強力に推進している。

また、平成28年6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」を受けて職務等を限定した「多様な正社員」モデルの普及・拡大を図るため、「雇用管理上の留意事項」の周知と合わせて、シンポジウムやセミナーの開催、モデル就業規則の作成、コンサルティングなどの支援を行った。

○子育て支援施策の総合的推進

子ども・子育て支援新制度が27年4月に本格施行された後は、各自治体において直面している運営上の課題等に関する情報交換・意見交換などを行い、状況の把握に努めるとともに、パンフレットやQ&Aの作成、説明会の開催等を通じて、保護者や事業者、自治体等の関係者に新制度の周知を図り、制度の円滑な運用に努めた。

また、27年度予算に引き続き、28年度当初予算においては、消費税10%への引上げが延期される中にあって、量的拡充のみならず、消費税10%への引上げにより確保する0.7兆円程度の財源の確保を前提に実施を予定していた「質の向上」に係る事項を全て実施するために必要な予算が計上されたところである。

また、新制度の施行にあわせて、内閣府に「子ども・子育て本部」を設置し、認定こども園、幼稚園、保育所に対する共通の給付や小規模保育等への給付等の財政支援を内閣府に一本化した。一方で、学校教育法体系及び児童福祉法体系との整合性を確保する観点から、内閣府、文部科学省及び厚生労働省が引き続き密接な連携を図りながら事務を実施していくこととした。

平成28年度からは、多様な就労形態に対応する保育サービスの拡大を行うため、子ども・子育て支援法の改正によって新設した仕事・子育て両立支援事業において企業主導型保育事業を実施し、企業が主導して設置する事業所内保育施設について、その整備・運営に係る費用の一部を助成している。

本事業では、設置場所を企業の敷地内に限定していないことから、例えば、中小企業等が共同で設置・利用するもの、自企業の事業所内ではなく、利用する従業員や地域の子供の利便性を考慮し、駅近接地に設置するものなど従業員や各企業のニーズに沿った創意工夫の下、事業が展開されている。

上記に加え、同年度から企業主導型ベビーシッター利用者支援事業として、多様な働き方をしている労働者がベビーシッター派遣サービスを就労のために利用した場合に、その利用料金の一部を助成している。

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