第1章 高齢化の状況(第1節 5)

[目次]  [前へ]  [次へ]

第1節 高齢化の状況(5)

5 高齢化の国際的動向

(1)今後半世紀で世界の高齢化は急速に進展

平成27(2015)年の世界の総人口は73億4,947万人であり、72(2060)年には101億8,429万人になると見込まれている。

総人口に占める65歳以上の人の割合(高齢化率)は、昭和25(1950)年の5.1%から平成27(2015)年には8.3%に上昇しているが、さらに72(2060)年には18.1%にまで上昇するものと見込まれており、今後半世紀で高齢化が急速に進展することになる。地域別に高齢化率の今後の推計をみると、これまで高齢化が進行してきた先進地域はもとより、開発途上地域においても、高齢化が急速に進展すると見込まれている(表1-1-12)。

表1-1-12 世界人口の動向等
  1950年(昭和25年) 2015年(平成27年) 2060年(平成72年)
総人口 2,525,149 千人 7,349,472 千人 10,184,290 千人
65歳以上人口 128,666 千人 608,180 千人 1,844,269 千人
 先進地域 62,774 千人 220,817 千人 350,607 千人
 開発途上地域 65,892 千人 387,363 千人 1,493,663 千人
65歳以上人口比率 5.1 8.3 18.1
 先進地域 7.7 17.6 27.4
 開発途上地域 3.8 6.4 16.8
平均寿命(男性) 45.4 68.3 77.4
 同(女性) 48.3 72.7 80.4
合計特殊出生率 5.0   2.5   2.2  
資料:UN,World Population ProspectsThe 2015 Revision
(注1)合計特殊出生率は、1950-1955年、2010-2015年、2055-2060年。平均寿命は1950-1955年、2010-2015年、2060-2065年。
(注2)先進地域とは、ヨーロッパ、北部アメリカ、日本、オーストラリア及びニュージーランドからなる地域をいう。
開発途上地域とは、アフリカ、アジア(日本を除く)、中南米、メラネシア、ミクロネシア及びポリネシアからなる地域をいう。

(2)我が国は世界で最も高い高齢化率である

先進諸国の高齢化率を比較してみると、我が国は1980年代までは下位、90年代にはほぼ中位であったが、平成17(2005)年には最も高い水準となり、今後も高水準を維持していくことが見込まれている(図1-1-13)。

高齢化の速度について、高齢化率が7%を超えてからその倍の14%に達するまでの所要年数(倍加年数)によって比較すると、フランスが115年、スウェーデンが85年、アメリカが72年、比較的短い英国が46年、ドイツが40年に対し、我が国は、昭和45(1970)年に7%を超えると、その24年後の平成6(1994)年には14%に達した。しかし、足元ではその伸び率は鈍化している。一方、アジア諸国に目を移すと、韓国が18年、シンガポールが20年、中国が23年など、今後、一部の国で、我が国を上回るスピードで高齢化が進むことが見込まれている(図1-1-14)。

[目次]  [前へ]  [次へ]