第2章 高齢社会対策の実施の状況(第1節 1)
第1節 高齢社会対策の基本的枠組み(1)
1 高齢社会対策基本法
(1)高齢社会対策基本法の成立
我が国の高齢社会対策の基本的枠組みは、「高齢社会対策基本法」(平成7年法律第129号)に基づいている。同法は、参議院国民生活に関する調査会の提案により、平成7年11月に衆参両院ともに全会一致をもって成立し、同年12月から施行された。
(2)高齢社会対策基本法の概要
高齢社会対策基本法は、高齢社会対策を総合的に推進し、経済社会の健全な発展と国民生活の安定向上を図ることを目的とし、高齢社会対策の基本理念として、公正で活力ある、地域社会が自立と連帯の精神に立脚して形成される、豊かな社会の構築を掲げている。また、国及び地方公共団体は、それぞれ基本理念にのっとって高齢社会対策を策定し、実施する責務があるとするとともに、国民の努力についても規定している。
さらに、国が講ずべき高齢社会対策の基本的施策として、就業及び所得、健康及び福祉、学習及び社会参加、生活環境などの施策について明らかにしている。
あわせて、政府が基本的かつ総合的な高齢社会対策の大綱を定めること、政府が国会に高齢社会対策に関する年次報告書を提出すること、内閣府に特別の機関として「高齢社会対策会議」を設置することを定めている。