第1章 高齢化の状況(第3節 トピックス4)
第3節 〈特集〉高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査(トピックス4)
デジタルを活用し高齢者と地域のつながりを生み出している事例2 ~ユーザー平均年齢87歳の新たなチャレンジ~
事業の目的・概要
長野県大鹿村(人口937人、高齢化率46.7%)では、日本郵便(株)と連携し、少子高齢化に伴う高齢者の増加とそれを支える担い手不足という地域社会が抱える課題を解決することを目的として、スマートスピーカーの音声認識機能などデジタル技術を活用した高齢者の見守り事業を展開している。
また令和4年1月からは、デジタルだけではなく、郵便局での問合せの受付や村職員による利用者フォロー等、リアルを組み合わせることで、高齢者の情報格差解消に向けた取組を強化している。
具体的な取組内容
大鹿村では、スマートスピーカーを設置するのに必要なWi-Fi環境を整えるため、通信会社との調整を行い、その費用や機器の初期設定代を村が負担することで、スマートスピーカーの普及を図っている。
スマートスピーカー上で動作するアプリにより、利用者の生活状況が定期的に確認されるほか、村役場がPCから生活状況の確認結果を一覧把握できる仕組みが導入されている。また、家族においてもLINEアプリから利用者の生活状況が確認可能となっている。
また村からは、お知らせの一斉通知が可能であるほか、家族からは、LINEアプリを通じて写真・動画の送信ができるなど、利用者とその家族、村役場間のコミュニケーションの円滑化が図られている。
分かりやすい利用者マニュアルや郵便局での問合せの受付、村職員による定期的なスマートスピーカーの利用状況確認など利用者に寄り添ったフォローを実施している。
事業効果・今後の展開
アプリの機能(生活状況の一覧把握や利用者への一斉情報発信など)や操作性(各種情報の通知や音声での操作、LINEアプリによる情報発信など)、スマートスピーカーの持つエンターテインメント機能などが利用者、家族から高く評価されているが、更なる利用者拡大に向けて取組を進めることとしている。