第1章 高齢化の状況(第3節 トピックス6)
第3節 〈特集〉高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査(トピックス6)
高齢者雇用の推進の取組事例2 ~高齢者が活き活きと働ける、生涯現役の会社づくり~
定年・継続雇用制度の概要
(株)美装管理(本社:大分県別府市、ビルメンテナンス業)では、定年を70歳に引き上げるとともに、希望者全員の75歳までの再雇用制度を設け、更にその後も健康で勤務可能な者は継続雇用している。
(高齢者雇用の状況)令和4年4月1日時点
60~64歳:5名、65~69歳:8名、70~74歳:7名、75~79歳:6名、最高齢:78歳
高齢者雇用を推進している理由
ビルメンテナンス業は毎日反復できる比較的軽作業で高齢者に向いている業務であることもあり、安心して長く働ける企業づくりに取り組んだ結果、入社した社員が退職することなく継続勤務し、平均年齢も勤務年数とともに上昇している。
また、長く勤務していることにより、現場での顧客・利用者とのコミュニケーションも充分に取られ、高齢者が重要な戦力となっている。
高齢者が働きやすいように工夫していること
作業負担を軽減できる機器を導入し、業務依頼元と協議し作業環境の改善を図っている。
また、伝統的な「木部灰汁洗い」の技術を若手社員とのペア就労を通じて指導・継承することで、急な休みにも対応できる代行業務担当者の確保につながり、柔軟な勤務体制の構築を可能にしている。
加えて、入院費を保障する保険への会社負担での加入や健康診断時における骨粗しょう症検診の実施、資格のある社員によるメンタルヘルスケア等により、高齢者の健康面の配慮を図っている。
今後の課題・計画
将来的には定年制の廃止を検討しており、健康面での不安解消のため、一般健康診断にプラスした健康診断や産業医によるカウンセリングの更なる充実を図ることとしている。
【業務中の高齢者】
【木部灰汁洗い清掃後の神社】