第1章 高齢化の状況(第3節 トピックス)

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第3節 〈特集〉高齢者の健康をめぐる動向について(トピックス)

事例5 北海道更別村 ~更別村 SUPER VILLAGE構想~

事業の目的・概要

北海道更別(さらべつ)村(人口3,155人、高齢化率31.3%)では、高齢者が100歳世代まで生きがいを持って楽しく過ごせるために必要な基本サービスを目指し、令和4年6月より、「更別村 SUPER VILLAGE構想」を立ち上げた。デジタル技術を活用して少子高齢化により薄れた人々のつながりの回復と、村民の健康の向上を図るとともに、高齢者でも楽しく元気に続けられるスマート農業を実現し、暮らしと仕事の両面から高齢者が最も輝く街の実現を目指している。

具体的な取組内容

地域のIT企業と連携し、デジタル技術を活用して、カラオケ、料理教室など趣味の時間を過ごせる「趣味系サービス(高齢者向け)」、健康アプリの活用など「健康系サービス(シニア・現役向け)」、いつでもどこでも医療サービスが受けられる「医療系サービス」の3つの基本サービスとそれを支えるコミュニティナースのサービスを提供している。

また、みんながつながる交流の場や、オンラインによる行政サービスの利用、村内の移動サービスや無料スマホ貸出サービスなどを備えた「デジタル公民館」を整備するとともに、デジタル基盤を農業にも活用し、スマート農業の実現を同時に図っている。

事業効果

ウェアラブル端末の利用を希望する高齢者が多く、既に100台利用されており、また、健康活動に関心が高い高齢者も多いことから、フィットネス系のサービスが活用されるなど利用が順調に進んでいる。

今後、コミュニティナースの活動によって健康データが蓄積され、医療機関や行政機関が住民の健康データを閲覧することが可能となっており、将来的に健康・介護度といった変化を分析することが可能となる。

今後の展開

各サービスのデータをつなぎ合わせることで、ビッグデータ化を進め、個人の健康状態の変化などを総合的にみることができるようになり、フレイル予防につなげていく。

また、医療機関と連携して成人病予備軍の利用拡大を進めてきたい。

今後の展開のイラスト1 今後の展開のイラスト2
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