第1章 高齢化の状況(第3節 トピックス)

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第3節 〈特集〉高齢者の健康をめぐる動向について(トピックス)

事例4 大阪府 ~スマートシニアライフ事業~

事業の目的・概要

大阪府では、コロナ禍を踏まえ、あらゆる分野でデジタル化の加速が求められる中、高齢者の抱える課題をICTの活用により解決することを目的として、スマートシニアライフ事業の実証事業を開始した。

自治体の提供する行政サービスと、金融・保険、IT、医療・薬品、エンターテイメントなど様々な分野の民間企業による高齢者向けサービスとを、タブレット端末やLINEアプリなどのデジタル機器を通してワンストップで提供することで、持続的な公民連携サービスを創出することを目標としている。そして、ひいては健康寿命の延伸、高齢者向けビジネスのマーケットの活性化など、高齢者、行政、民間企業それぞれにメリットがあるようなモデルを目指している。

具体的な取組内容

令和4年2月から同年9月まで、泉北ニュータウンなど、府内でも高齢化と、それに伴う高齢者の自立度の低下などの問題が進行していた地域の50歳以上約850名の住民を対象に、タブレット端末を貸与し、福祉・保健施策や地域イベントの案内といった行政サービスのほか、買い物代行や健康支援などの参画企業が提供するサービスを簡単に利用できるようにする第1期実証事業を行った。

行政サービスにおいては、網羅的な情報ではなく、高齢者に必要な情報にポイントを絞って提供するように設計しており、若者であれば自分で検索して調べるような情報を「ポンと一押しで」知ることができるようなサービスが、利用者の支持を集めている。

また、生活習慣や運動習慣などの支援アプリや電子版お薬手帳などが順次実装を開始している。

事業効果

第1期実証事業のフォローアップの結果によれば、6割程度の利用者はタブレットを使えるようになったと回答し、3割強の利用者もサポートがあれば使えると回答しており、高齢者のICTリテラシーの向上に役立っている。

今後の展開

令和4年12月からは、第2期実証として、大阪市内でのタブレットの貸与を開始したほか、LINEを活用して府域全体でもサービスを提供できる、「おおさか楽なび」というサービスを開始しており、利用者のニーズの把握やコンテンツの拡充を行っている。

また、将来的には、これらのサービスから得たデータを地域包括ケアシステムの形成やパーソナル保健指導の実施に活用していくことで、健康寿命の延伸につながることが期待される。

おおさか楽なび1 おおさか楽なび2

〔おおさか楽なび〕

大阪スマートシニアライフ実証事業推進協議会キャラクター大(だい)ちゃん

〔大阪スマートシニアライフ実証事業推進協議会
キャラクター大(だい)ちゃん〕

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