第1章 高齢化の状況(第2節 5)
第2節 高齢期の暮らしの動向(5)
5 研究開発等
(1) 医療機器の市場規模等
健康立国の実現のためには、科学技術を活用して高齢期の様々な課題の解決を図るとともに、高齢者向け市場の活性化を図ることが重要である。ここでは、医療機器の市場規模を例として見ることとする。
ア 医療機器の国内市場規模は拡大傾向
医療機器の国内市場規模の推移を見ると、拡大傾向にある。令和4年は前年に引き続き4兆円を超えている(図1-2-5-1)。
イ 医療機器の輸出金額は増加傾向
医療機器の輸出金額の推移を見ると、平成24年以降増加傾向にある。令和4年は前年に引き続き1兆円を超えている(図1-2-5-2)。
(2) 科学技術の活用
ア 介護福祉機器の導入状況
令和4年度における全国の介護保険サービス事業を実施する事業所における介護福祉機器の導入状況は、「ベッド(傾斜角度、高さが調整できるもの、マットレスは除く)」が43.3%で最も高く、次いで「シャワーキャリー」が31.8%、「車いす体重計」が30.5%、「自動車用車いすリフト」が23.8%となっている。
介護保険サービス系型別でみると、施設系(入所型)は介護福祉機器が他の区分に比べて導入割合が高く、特に「車いす体重計」は80.1%となっている。一方、訪問系と居宅介護支援は全ての介護福祉機器の導入割合が低い(表1-2-5-3)。
(%) |
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回答事業所数 | ベッド(傾斜角度、高さが調整できるもの、マットレスは除く) | シャワーキャリー | 車いす体重計 | 自動車用車いすリフト | 特殊浴槽(移動用リフトと共に稼動するもの、側面が開閉可能なもの) | ストレッチャー(入浴用に使用するものを含む) | エアマット(体位変換機能を有するもの) | ベッド(体位変換機能を有するもの) | 移動用リフト(立位補助機(スタンディングマシーン)を含む) | 昇降装置(人の移動に使用するものに限る) | 座面昇降機能付車いす | その他介護福祉機器 | いずれも導入していない | 無回答 | |
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全体 | 8,632 | 43.3 | 31.8 | 30.5 | 23.8 | 22.7 | 21.1 | 19.9 | 7.6 | 4.9 | 4.7 | 1.7 | 4.0 | 35.4 | 9.7 |
訪問系 | 2,528 | 18.1 | 13.7 | 10.3 | 8.8 | 8.3 | 9.0 | 12.7 | 8.8 | 1.8 | 2.6 | 1.4 | 1.7 | 57.0 | 14.9 |
施設系(入所型) | 1,291 | 79.8 | 57.1 | 80.1 | 49.4 | 65.6 | 71.7 | 53.0 | 11.9 | 17.8 | 8.9 | 5.0 | 11.2 | 7.3 | 3.3 |
施設系(通所型) | 2,667 | 49.8 | 37.9 | 27.3 | 32.4 | 21.6 | 13.5 | 10.6 | 6.6 | 3.1 | 4.6 | 1.0 | 3.3 | 26.1 | 7.3 |
居住系 | 984 | 76.9 | 52.1 | 51.6 | 25.3 | 26.4 | 24.8 | 37.1 | 8.0 | 4.8 | 8.4 | 1.3 | 5.9 | 5.2 | 5.9 |
居宅介護支援 | 766 | 2.6 | 2.6 | 1.7 | 2.1 | 1.2 | 0.9 | 0.9 | 0.8 | 0.1 | 0.4 | 0.1 | 0.5 | 82.5 | 12.5 |
資料:公益財団法人 介護労働安定センター「令和4年度介護労働実態調査」 |
イ 令和7年度を目途にデータヘルス改革を実施する
令和3年6月に厚生労働省「データヘルス改革推進本部」において決定された、「データヘルス改革に関する工程表」においては、令和7年度を目途に、国民が生涯にわたり自身の保健医療情報を把握できるようになるとともに、医療機関や介護事業所においても、患者・利用者ニーズを踏まえた最適な医療・介護サービスを提供することが可能になるよう、所要の施策を実施することとされている(図1-2-5-4)。