第2章 令和5年度高齢社会対策の実施の状況(第2節 6)

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第2節 分野別の施策の実施の状況(6)

6 全ての世代の活躍推進

「全ての世代の活躍推進」については、大綱において、次の方針を示している。

高齢社会に暮らす全ての世代の人々が安心して幸せに暮らせるよう、人々が若年期から計画的に高齢期に向けた備えを進めるとともに、各世代が特有の強みをいかしながら多世代のつながりを醸成し、全ての世代の人々が高齢社会での役割を担いながら、積極的に参画する社会を構築するための施策を推進する。

少子高齢化の流れに歯止めをかけ、女性も男性も、若者もお年寄りも、障害や難病のある方も、さらには一度失敗した方も、家庭で、職場で、地域で、あらゆる場で、誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現に向けて、「ニッポン一億総活躍プラン」に基づく取組を推進した。

また、人生100年時代に、高齢者から若者まで、全ての国民に活躍の場があり、全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会をつくるため、「人づくり革命基本構想」(平成30年6月人生100年時代構想会議決定)及び「経済財政運営と改革の基本方針2018」(平成30年6月15日閣議決定)に基づいて、教育の無償化等「人づくり革命の実現と拡大」に取り組んだ。

さらに、「こども大綱※2」(令和5年12月22日閣議決定)及び「こども未来戦略」(令和5年12月22日閣議決定)並びに「第5次男女共同参画基本計画」(令和2年12月25日閣議決定)に基づく取組を推進した。少子化対策については、これまで別々に作成・推進されてきた、少子化社会対策大綱を含む3つのこどもに関する大綱を一つに束ね、こども施策に関する基本的な方針や重要事項等を一元的に定めるものとして、令和5年12月22日、こども大綱を閣議決定した。

女性も男性も全ての個人が、その個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現は、少子高齢化が進み、人口減少社会に突入した我が国社会にとって、社会の多様性と活力を高め、我が国経済が力強く発展していく観点から極めて重要である。

「男女共同参画社会基本法」(平成11年法律第78号)第13条に基づく「第5次男女共同参画基本計画」に基づき、あらゆる分野における女性の参画拡大、安全・安心な暮らしの実現、男女共同参画社会の実現に向けた基盤の整備等に取り組むとともに、同計画に定めた具体策や成果目標の実現に向けて、重点的に取り組むべき事項について取りまとめた「女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)」(令和5年6月13日すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本部決定)に基づき、取組を強力に進めた。

また、令和4年4月に改正後の「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号。以下「女性活躍推進法」という。)が全面施行され、自社の女性活躍の状況把握、課題分析、行動計画策定等の義務対象が常時雇用労働者数101人以上企業に拡大された。さらに、令和4年7月8日には、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画策定等に関する省令」(平成27年厚生労働省令第162号。以下「女活省令」という。)が改正され、同日施行されたことにより、常用労働者数301人以上企業に、男女の賃金の差異の情報公表が義務付けられた。これらを踏まえ、行動計画の届出勧奨等により女性活躍推進法の履行確保を図るとともに、男女の賃金の差異の情報公表が義務化されたことや、男女の賃金の差異の要因分析・雇用管理改善の重要性について周知・啓発を進めた。

これに加えて、個々の企業の課題を踏まえて支援を行う「民間企業における女性活躍促進事業」の実施や、女性の活躍推進に関する状況が優良な企業に対する「えるぼし」認定、「プラチナえるぼし」認定取得の勧奨等により、企業における女性活躍推進法に基づく取組を促進した。また、企業の女性の活躍状況に関する情報や行動計画を公表できる場として提供している「女性の活躍推進企業データベース」について、企業の登録や求職者の利用を促すため、データベース登録のメリットを周知し、求職者向けのイベント開催を行った。

さらに、女性デジタル人材の育成や役員・管理職への女性登用の取組、様々な課題・困難を抱える女性に寄り添いながら就労等につなげる取組、NPO等の知見を活用した孤独・孤立で困難や不安を抱える女性への相談支援やその一環として行う生理用品の提供等、地方公共団体が地域の実情に応じて行う取組を地域女性活躍推進交付金により支援した。

「食料・農業・農村基本計画」(令和2年3月31日閣議決定)等を踏まえ、農山漁村に関する方針決定の検討の場への女性の参画の促進、地域のリーダーとなり得る女性農業経営者の育成、女性グループの活動推進、女性が働きやすい環境づくり、女性農業者の活躍事例の普及等の取組への支援等により、農山漁村における女性の活躍を推進する施策を実施した。


※2 こども大綱が策定されるまでは、少子化社会対策基本法(平成15年法律第133号)第7条に基づく「少子化社会対策大綱」に基づき取組を推進した。
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