第1章 高齢化の状況(第1節 2)

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第1節 高齢化の状況(2)

2 高齢化の国際的動向

(1) 世界の高齢化は急速に進展

令和2(2020)年の世界の総人口は78億8,700万人であり、令和42(2060)年には99億8,923万人になると見込まれている。

世界の総人口に占める65歳以上の者の割合(高齢化率)は、昭和25(1950)年の5.1%から令和2(2020)年には9.3%に上昇しているが、さらに令和42(2060)年には18.5%にまで上昇するものと見込まれており、今後40年で高齢化が急速に進展することになる。地域別に高齢化率の今後の推計を見ると、これまで高齢化が進行してきた先進地域はもとより、開発途上地域においても、高齢化が急速に進展すると見込まれている(表1-1-5)。

表1-1-5 世界人口の動向等
昭和25(1950)年 令和2(2020)年 令和42(2060)年※中位推計
総人口 2,493,093 千人 7,887,001 千人 9,989,232 千人
65歳以上人口 126,319 千人 737,325 千人 1,851,539 千人
先進地域 61,754 千人 245,953 千人 358,050 千人
開発途上地域 64,565 千人 491,372 千人 1,493,489 千人
75歳以上人口 38,039 千人 276,286 千人 904,045 千人
先進地域 19,684 千人 110,385 千人 210,726 千人
開発途上地域 18,355 千人 165,901 千人 693,318 千人
85歳以上人口 5,234 千人 65,740 千人 289,186 千人
先進地域 2,902 千人 32,094 千人 82,866 千人
開発途上地域 2,332 千人 33,646 千人 206,320 千人
65歳以上人口比率 5.1 % 9.3 % 18.5 %
先進地域 7.6 % 19.1 % 28.6 %
開発途上地域 3.8 % 7.4 % 17.1 %
75歳以上人口比率 1.5 % 3.5 % 9.1 %
先進地域 2.4 % 8.6 % 16.8 %
開発途上地域 1.1 % 2.5 % 7.9 %
85歳以上人口比率 0.2 % 0.8 % 2.9 %
先進地域 0.4 % 2.5 % 6.6 %
開発途上地域 0.1 % 0.5 % 2.4 %
平均寿命(男性) 44.5 年 69.3 年 75.8 年
同  (女性) 48.4 年 74.7 年 80.4 年
合計特殊出生率 4.85 2.32 2.03
資料:UNWorld Population ProspectsThe 2024 Revision
(注)先進地域とは、ヨーロッパ、北部アメリカ、日本、オーストラリア及びニュージーランドからなる地域をいう。
開発途上地域とは、アフリカ、アジア(日本を除く)、中南米、メラネシア、ミクロネシア及びポリネシアからなる地域をいう。

(2) 我が国は世界で最も高い高齢化率である

我が国と欧米諸国の高齢化率を比較して見ると、我が国の65歳以上人口は平成2(1990)年までは下位であったが、平成17(2005)年には最も高い水準となり、今後も高水準が続くと見込まれている(図1-1-6)。

図1-1-6 世界の各年代別高齢者割合及び推移
図1-1-6 世界の各年代別高齢者割合及び推移(続き)

高齢化の速度について、高齢化率が7%を超えてからその倍の14%に達するまでの所要年数(倍加年数)によって比較すると、フランスが127年、スウェーデンが85年、アメリカが72年、比較的短いイギリスが46年、ドイツが40年であるのに対し、我が国は、昭和45(1970)年に7%を超えると、その24年後の平成6(1994)年には14%に達した。一方、アジア諸国に目を移すと、韓国が18年、シンガポールが20年など、今後、一部の国でも我が国を上回るスピードで高齢化が進むことが考えられる(図1-1-7)。

図1-1-7 主要国における高齢化率が7%から14%へ達するまでの所要年数
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