- テーマ
- 飲酒運転の根絶を目指して
−運転は 飲んだらせんごつ させんごつ−
- 日時
- 平成23年11月10日(木)13:00〜16:30(開場12:00)
- 場所
- ホテル熊本テルサ テルサホール
熊本県熊本市水前寺公園28−51
- 主催
- 内閣府、熊本県、熊本市
- 後援
- 警察庁、文部科学省、厚生労働省、国土交通省
- 協賛
- 交通安全フォーラム推進協議会構成団体
一般社団法人 日本自動車工業会 財団法人 全日本交通安全協会
一般社団法人 日本自動車連盟 公益財団法人 三井住友海上福祉財団
公益財団法人 国際交通安全学会 財団法人 日本交通安全教育普及協会
- 内閣府では、国の重要施策並びに開催都道府県が実施する交通安全対策上の諸問題を踏まえて、学識経験者等の専門家による研究発表、討議等を通じて、交通事故防止のための有効適切な提言を得て、公開討論会の場を加え、国民の交通安全意識の高揚を図ることを目的とした「交通安全フォーラム」を毎年各地で開催している。
- 平成23年度は、11月10日、熊本県・市との共催のもと、『飲酒運転の根絶を目指して−運転は 飲んだらせんごつ させんごつ−』をテーマに、同市内のホテル熊本テルサで開催し、約350人の参加があった。
- 同フォーラムでは、基調講演やパネルディスカッションを通じ、さまざまな立場の有識者から「飲酒運転根絶」に向けた提言があり、飲酒運転による交通事故のない社会に向け意識を高める場となった。
専門家からの提言内容
元JRバス関東会長
ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
飲酒運転対策特別委員会 委員長
山村 陽一 氏
「節度ある飲酒」 必要な意識づくり
『飲酒運転は、モラル向上と厳罰だけでは阻止できません。アルコールに対する知識も不可欠です。1単位(20g)のアルコール(ビール500ml缶1本、日本酒1合、焼酎100ml) を成人男性が完全に分解するには4時間かかります。2単位飲めばその倍の8時間。
つまり、次の日に仕事がある場合、1単位の飲酒が飲酒運転かどうかのラインとなります。我々全員がこれまでの"飲み過ぎ、飲ませすぎの文化を反省し、「節度ある飲酒」へ変えていく意識づくりが必要です。』
(「基調講演」開催状況)
パネルディスカッションパネリスト
九州大学大学院
システム情報科学研究院
情報学部門
知能科学講座 教授
志堂寺 和則 氏
確実に起こる飲酒後の運転の変化
『飲酒が運転に及ぼす影響について実験を行いました。飲酒前と飲酒後を比較すると、運転が荒くなり、眼球運動がにぶく、自律神経が低下する傾向にありました。恐ろしいのは、自己評価で「飲酒の影響が分からない、変わっていない」と答える人が見られたこと。本人はそう思っていても、数値では影響が出ています。飲酒は少しでも、確実に運動に変化が起こるということを忘れてはなりません。』
熊本県立こころの医療センター
院長
サポートが必要なアルコール依存症
『飲酒運転常習者に多いと考えられるアルコール依存症患者。日本では、診断基準に基づく有病率が男性が1.9%、女性が0.1%、全体で0.9%、推定患者数は約80万人とされています。一方で病院での治療を受けているのは1万7,100人と、推定患者数の約47分の1とごく少ないのが現状。アルコール依存症は回復可能な病気。「学習と共感」を基にした治療、断酒に対する教育等のサポートが必要です。』
熊本県警察本部
交通部参事官
兼交通企画課長
木庭 強 氏
飲酒による事故 重大事故となる傾向に
『飲酒運転による事故数は、10年前の4分の1程度まで減少したものの、重大事故になる割合は高くなっています。軽い気持ちで運転する人が減った一方、依存症やその前段階の方による事故が多いのではないかという印象があります。飲酒運転では、通常では考えられない無謀運転が多く、死亡事故の確率が飲酒無しの約6.9倍、ひき逃げにつながる確率も約14倍と危険性が指摘されています。』
「酔っ払い」を許す風潮、意識を変える必要も
『最近ドラマなどで「たばこを吸う」シーンが随分少なくなりました。しかし「お酒を飲む・酔っ払う」といったシーンはまだまだ多いですね。10代でもお酒が簡単に手に入るような状況も見られます。「酔っ払い」がどこか許されてしまう風潮や意識が、私たちの中に少なからずあるのではないでしょうか。この風潮の中、飲酒運転の怖さ、危険さを訴えていくことが求められていると感じています。』
『平成23年12月14日熊本日日新聞社夕刊にて掲載』
(パネルディスカッション開催状況)
(くまもとサプライズキャラクター「くまモン」も登場)
過去10回の開催状況(平成21年度までは、「交通安全シンポジウム」として開催)
- 平成13年度 福島県郡山市
- 交通事故による被害者への支援について考える
- 平成14年度 大分県大分市
- 追突事故防止を考える
−交通事故総量の抑制を目指して−
- 平成15年度 山口県山口市
- 交通安全指導者の育成を考える
- 平成16年度 群馬県前橋市
- 生涯にわたる交通安全学習を目指して
−県民の協働による交通安全を考える−
- 平成17年度 宮崎県宮崎市
- 超高齢社会とクルマ社会との共存
- 平成18年度 秋田県秋田市
- 交通事故のない安全で安心な社会を目指して
−高齢者の交通事故防止を考える−
- 平成19年度 栃木県宇都宮市
- 飲酒運転の根絶を目指して
−家庭・職場・地域の果たす役割−
- 平成20年度 福井県福井市
- 長寿社会の交通安全を考える
−高齢者の交通事故の減少を目指して−
- 平成21年度 広島県広島市
- 飲んだら、乗るまぁ、乗らすまぁ
−飲酒運転の根絶は あなたから−
- 平成22年度 北海道札幌市
- 冬の交通事故の減少を目指して
−積雪期における交通安全を考える−