中央交通安全対策会議専門委員会議(第2回)議事録

  • 福田参事官 それでは、若干より定刻より早いのですけれども、委員の皆様、お集まりいただきましたので、これから第2回の会議を開催させていただきたいと思います。
      私は、内閣府で交通安全担当参事官をしております福田でございます。よろしくお願いいたします。
      先生方には、大変お忙しい中、数度にわたる日程調整にも御協力いただきまして、お集まりいただき、本当にどうもありがとうございます。
      それでは、初めに内閣府大臣官房審議官の安田より御挨拶を申し上げたいと思います。
  • 安田審議官 内閣府大臣官房審議官の安田でございます。会議の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
      本日は、大変御多忙の折にもかかわらず、専門員の皆様方には御出席をいただきまして、心より感謝を申し上げます。また、事務方のいろいろな調整の手間取り等もありまして、第1回からかなり期間が空きましたことについて、おわびを申し上げたいと思います。
      足元の交通事故情勢でございますけれども、昨日現在の交通事故者数が1,871人ということで、前年比マイナス34名と、減少傾向で推移をしているところではございます。しかしながら、今年の5月20日には大阪で登校中の小学生の列に乗用車が突っ込み、小学生男女5名と女性1人が負傷をするという事故が発生したほか、今月の6日は北海道で飲酒運転の暴走車と軽自動車が衝突をして、4人の方が亡くなるという痛ましい事故が発生しているところでございます。
      こうした悲惨な事故をなくしていくためにも、引き続き悪質、危険な運転や対策はもちろん、交通事故が起きにくい環境づくりの必要性も改めて感じている次第でございます。
      今回、第2回目の会議でございますが、前回に引き続きまして第10次交通安全基本計画作成のための忌憚のない御討議をお願いしたいと思います。
      新たな資料といたしまして「道路交通安全に関する基本政策に係る調査報告書」や視点に係る追加の資料等を御用意しております。また、資料4につきましては「第10次交通安全基本計画に盛り込むべき事項」として、関係団体からの御意見をいただいたものにつきまして、今回は意見のみの資料となっておりますが、次回会議におきましては、各省庁の対応案をお示ししたいと考えております。
      委員の皆様におかれましては、それぞれの分野における知見から忌憚のない御意見を賜り、本会議での議論を深めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
  • 福田参事官 それでは、議事に入ります前に、本日は、前回御欠席でいらっしゃいました専門員の水野委員が本日御出席でございます。座長から右手のほうにお座りでございます。御紹介させていただきます。
  • 水野委員 名古屋大学の水野と申します。よろしくお願いいたします。
  • 福田参事官 よろしくお願いいたします。
      本日は、川端委員、小浦委員、古関委員、古笛委員、藤森委員、蓮花委員、山内委員、渡邉委員の8名の皆様につきましては、御都合がつかずに御欠席となりました。どうぞよろしくお願いいたします。
      続きまして、お手元にお配りいたしました資料の確認をさせていただきたいと思います。
      議事次第や配席表などをのけていただきますと、最初に資料1といたしまして委員名簿を置かせていただきました。
      次に資料2といたしまして、前回の第1回の議事録を置いております。
      資料3といたしまして、ブルーの冊子でございますが「道路交通安全に関する基本政策等に関する調査報告書」でございます。
      資料4は、横長の紙でございますが「『第10次交通安全基本計画に盛り込むべき事項』に関する関係団体等からの意見一覧」になっております。
      資料5は、前回資料として出させていただいたものと一緒でございます。10次計画に向けての議論事項の試案でございます。
      資料6は、新たな資料でございまして、前回の御議論も踏まえた10次計画に向けての視点に関する補足の資料でございます。
      資料7は「自転車交通安全に関する行政評価・監視結果報告書(抜粋)」で、総務省さんから出されたものでございます。
      資料8は「平成26年中の交通事故発生状況(鉄軌道・踏切道・海上・航空)」関係のデータでございます。
      合わせて机の脇のほうには道路交通関係のデータ集が前回の会議で出させていただきましたが、今回も御参照いただけるように配付をさせていただきました。
      足りない資料などございましたら、お申しつけいただくようにお願いいたします。
      よろしいでしょうか。
      それでは、議事に入らせていただきたいと思います。以後の議事進行を赤羽座長にお願いいたします。
  • 赤羽座長 皆さん、こんにちは。
      それでは、本日の議題に移りたいと思います。
      まず、議事(1)中央交通安全対策会議専門委員会議(第1回)議事録(案)につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
  • 福田参事官 それでは、お手元の資料の2でございます。こちらは前回の議事録、記録したものをそのまま書かせていただいたものでございますが、各委員の皆様には内容を御確認いただいたものを最終セットしたものでございます。特にこの場で御異議がございませんようでしたら、これで議事録を確定し、ホームページに掲載をしていきたいと思っておりますが、よろしいでしょうか。
      (「異議なし」と声あり)
  • 福田参事官 ありがとうございました。
      では、議事録についてはそのようにさせていただきます。
  • 赤羽座長 続きまして、議事(2)道路交通安全に関する基本政策等に係る調査の結果報告につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
  • 福田参事官 それでは、資料3、ブルーの冊子につきまして、御説明をさせていただきます。
      こちらは、この専門委員会に先立ちまして、この場にもいらっしゃる赤羽座長、久保田委員、それからきょうは御欠席ですが蓮花委員などの皆様にも御協力をいただきまして、10次計画の検討に資するために9次計画の評価、それから国民の皆様の交通安全に対する意識ですとか、団体からの各種要望、それから交通事故の長期予測、こういった幅広い御検討をいただいたものの報告書でございます。
      非常に大部でございますので、非常に簡単に駆け足でございますが、全体を御説明させていただきます。
      まず、5ページです。ローマ数字のページの後に算用数字のページが入っておりますが、ごらんいただけますでしょうか。
      左側のほうは9次計画の基本計画の全体構成図が載っておりまして、右側のほうに1次から9次までの基本計画がどのような柱立てでできているかということを書いているところでございます。
      その一番下、「構成」という欄のところに講じようとする施策、交通安全の施策を書くところですが、この項目がこれは1次からずっと共通して9次まで入ってきているところでございます。8次と9次は8つの柱と名前が入っておりますが、この講じようとする施策のところは基本的に法律に書かれた8つの柱に応じて交通安全施策が記載されているところでございまして、基本的に変わりはございません。
      そのほかに第3次の計画、ちょっと文字が小さくて恐縮ですが、第3次の計画からは今後の方向、それから重点、新規施策といったものが出てまいりますが、だんだんその項目数が増えてまいりまして、ずっと全体を貫いている講じようとする施策との重なりがだんだん多くなってきました。その中で、8次計画からは8つの柱の中で重点、新規施策がどこに当たるかということを明らかにすることによって整理をするという方式がとられ、9次計画でもそれが踏襲されております。
      合わせまして、8次計画からは前回も御議論いただいた視点というものが記載されるようになって、交通安全基本計画の中での大事な部分というものが明らかにされるようになったところでございます。
      次に、8ページ目からは交通事故の現状に関するデータが出ているところでございますけれども、交通事故情勢につきましては、特に道路につきましては、前回かなり御説明させていただいたところでございますので、ここは省略をさせていただきます。
      次は30ページまで少し飛んでいただけますでしょうか。
      今後出てまいります基本計画の目標にもかかわる部分でございますが、交通事故者数に関する総理大臣談話というものが書いております。
      平成21年の1月に出された総理の談話でございますが、当時平成15年からの10年間で交通事故死者数を半減して5,000人以下にするという大きな目標の下、交通安全対策を進めてまいりました。それが、この20年、21年あたりで目途がついてきました。そういう中で、さらにこの平成21年から今後10年間を目途にさらに交通事故死者数を半減させる、これによって世界一安全な道路交通の実現を目指す。こういった総理談話が出されたところでございます。
      これによりまして、平成30年、5カ年計画、この基本計画の目標期間とはずれるのですが、平成30年を目途に、道路交通事故者数を2,500人以下にするという政府の目標が掲げられるようになったということでございます。
      次の32ページをごらんいただけますでしょうか。
      こちらは、国際比較をした人口10万人当たりの交通事故者数でございます。
      このとき、2012年段階におきましては、日本は4.1人というところでこの赤い線のところにいるわけですが、仮に24時間死者数が2,500人以下となった場合、国際比較ですから実際には30日以内の死者数で比較をしているところでありますので、30日以内で3,000人ぐらいとなります。ちょっと正確な数字は失念いたしましたが、これで比較いたしますと、そのとき日本は2.4人ということで、世界で一番事故者数が少ないということを達成できるのではないかということでこの9次に来ているところでございます。
      右側の表を見ていただきますと、諸外国も交通安全先進国も対策を進めてまいりますので、徐々に交通事故者数が減っているところでありますし、アイスランドはかつて2.5という数字を実際に表した年があったということが見てとれるところでございます。
      そういう意味で、世界一安全なというところでこの2,500人というのは一つキーになる数字になっているということは事実でございます。
      それから、40ページをごらんいただけますでしょうか。
      ここからが交通安全に関するアンケートの結果でございます。
      一般の皆様、16歳以上の男女3,000人。それから、その保護下にあるお子さん、小学生、中学生のお子さん309名の方にアンケート調査を実施したものでありまして、大半は大人の方に対するアンケートですが、後ろのほうでお子さんに対するアンケート結果も出てくるというものでございます。
      幾つか御紹介しますと、43ページをごらんください。
      下のほうに「問18、20」という部分がございますが、この調査の段階では25年のデータでございましたので、この死者数4,373人について多いか少ないかというイメージを聞いたところ「少ないと思った」もしくは「このぐらいだと思った」「多いと思った」という方がそれぞれ3割ぐらいということで同じぐらいの比率を示したところでございます。
      一方、死傷者数78.6万人という数字については、多いと思った方が7割近くいらっしゃったということでございました。
      次、44ページをごらんください。
      交通事故に対する考え方についてのものでございます。
      死者数、重傷者数、軽傷者数、事故件数、それぞれについて伺いましたが、大体傾向は同様でございまして「ゼロとすべき」という方10%程度「大幅に減少させるべき」という
      方が7、8割ということで「減少できなくても仕方がない」という方がまた1割弱ぐらいの方がいらっしゃった。こういう結果でございました。
      次、45ページをごらんいただきますと、特に日常で不安を感じることについてお伺いをしましたところ「交通事故」が不安であるというお答えが77%ということで非常に高い割合を示したというところでございます。
      48ページをごらんいただけますでしょうか。
      「問32」でございますけれども、今後の交通安全対策について重要だと思われるキーワードというものを挙げていただきました。
      「高齢者対策」「子供対策」「歩行者対策」「自転車対策」「生活道路対策」、下のほうにいきますと「飲酒運転の根絶」「悪質な交通違反の厳罰化」「違法駐車・放置自転車対策」等々とこういったことが挙げられたところでございます。
      また、下のほうで「問33」、生活道路における交通安全対策について自動車が走りにくくなることについての質問ということでございます。
      生活道路内でクランクですとかハンプですとかいろいろ対策を講じると、その分当然スピードが落ちて車としては走りにくい環境ができるのではないかということで、それについてどうかということですが「自動車が走りにくくなることも避けられない」という方が7割いらっしゃったという結果でございます。
      それから51ページをごらんいただけますでしょうか。
      こちらはお子さんに対するアンケートの結果でございますが、大人の危険な交通行動として、車や自転車における行動だけではなくて「信号を守らない歩行者」「横断歩道以外を渡る歩行者」といった事例を挙げる声も非常に多かった。こういう結果でございました。
      52ページ目からは9次計画の評価が書かれているところでございますが、こちらも第1回会議で詳しく御説明させていただきましたので、この場では御説明を省略させていただきます。
      次に、66ページをごらんください。
      都道府県・政令市、関係団体から寄せられた10次計画に盛り込むべき事項というものを整理しています。
      こちらについては後ほど資料4のほうでさらに詳しく御説明をさせていただく予定ですので、こちらもここでは省略をさせていただきます。
      70ページからが第10次基本計画に向けた「構成」についての話が書いてございます。
      基本的な構成が70ページですね。それから、理念の関係、先進技術や事故情報の分析・活用の強化、こういったことを理念に盛り込んでもよいのではないかという話。
      72ページのほうは、目標値の話がありますが、72ページ最後のところにございます。平成30年末までに2,500人以下の死者数とするという政府目標が設定されており、死者数の減少率が小さくなっていることも踏まえ、数値目標の設定について検討する必要がある、このようにまとめていただいたところでございます。
      それから、76ページに飛んでいただきますと、10次計画に向けた「視点」のあり方というところでございます。
      ページの上のほうに四角く囲ってあるところでございますが、視点の選定に当たっては、事故件数の大きさですとか、増減の検討などを検討材料として、対策を強化すべき対象と概ね従来どおりでよいものを区別するなどの考え方が示されたところでございます。
      82ページ以降、ここで出されました視点について、例えばこのような論点等があるのではないかということについて、個別の事項をまとめていただきましたが、時間の関係上、ここでは省略をさせていただきます。
      次に98ページをごらんいただけますでしょうか。
      ここからが、目標指標をこれから検討していく参考とする道路交通事故の長期予測でございます。これまでのトレンドなどを踏まえまして、今後の事故情勢を推計していただいたものでございます。
      細かく御説明する時間があまりありませんので、110ページに飛んでいただきますでしょうか。
      特に、①、②、③と四角で囲んだものが3つございますが、大きく3つの分析モデルによりここでは推計をしていただきました。
      最初の「①トレンドによる分析モデル」といいますのは、自動車走行キロ当たりの死者数の傾向を、過去の傾向を将来に引き伸ばして5年後、10年後どうなっているかということを推計したものでございます。
      2番目は「②年齢階層別の人口の大きさに着目した分析モデル」でございまして、年齢階層の大きさが事故件数に影響すると仮定して、将来人口を踏まえて予測をしていったものでございます。
      3番目が世代ごとになります。5歳区切りなどの世代ごとの事故率に着目いたしまして、前の世代、年上の世代がたどった比率に後ろの世代もついていくというようなことを仮定いたしまして、予測をしたものでございます。
      イメージ的には、114ページをごらんいただけますでしょうか。
      このピンクの実績を踏まえて将来推計をしていくというのが、1番目のトレンドによる分析モデルのグラフでございます。
      もう一つは118ページでございまして、これはグラフがいっぱいあるのですが、これも年齢階層別の人口の大きさを、実績値を踏まえながら将来を推計していったものでございまして、121ページをごらんいただきますと、これは年齢層ごとに直近でたどったその比率、年齢が上がると事故率が例えば少し上がったとか、そういった傾向を後ろの世代も同じような道をたどるとしたらどういう推計値になるかということでお示ししたものでございます。
      その結果というものが、148ページをごらんください。
      まず、トレンドによる分析といたしましては、2020年ですね。オリンピックのある年ですが、10次計画最終年の死者数は2,900人から3,100人と推計され、死傷者数は58から61万人と推計されたところでございます。
      それから、2番目のモデルで計算しましたところ、死者数は2,500から3,000人の間と推計され、死傷者数は51から67万人と推計されたところでございます。
      3番目のモデルでいきますと、死者数が3,400から3,600人、死傷者数が60から61万人と、こういうデータが示されたところでございます。
      資料3の御説明は以上でございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
      ただいまの事務局からの説明について御質問、御意見等ございましたら、御発言をよろしくお願いいたします。
  • 三好委員 三好です。
      報告書をぱっと見たら、検討会御苦労様でしたという感じで名前が並んでいるのですが、この中には女性は入っていなかったのかな、とふと思ったのですが、オブザーバーのほうに、そういう名前で私、女性かな、男性かなとわからないような感じのそういう方もいらっしゃったのですが、いらっしゃったのか、いらっしゃらなかった。どちら。
  • 福田参事官 ここでお集まりいただいた先生方の中には女性の方はいらっしゃいませんでした。
  • 三好委員 今後もこういう検討会がなされて、その中には入るかもしれないということもあるのでしょうね。こういう会議にはあまり女性は必要ではないということなのかなと。ふと最近、とても女性がここでもそうですが、多くなったのに1人もいないなとちょっと思ったものですから。
  • 福田参事官 この基本政策の検討会は、5カ年計画の策定に先立つタイミングで毎回行っておりますので、概ね5年おきに、2年ぐらいかけてやっているのですが、先生方にお願いをしているところでございますので、次の11次の計画を検討するタイミングでまた開くことになると思います。
      決して女性の意見が、ということでメンバー選定したわけではございませんので、また、5年後のときにはまたしっかりと考えて取り組みたいと思っております。
  • 赤羽座長 ほかにはいかがでしょうか。
  • 三国委員 三国です。
      ちょっと伺いたかったのは、76ページのところなのですけれども、このあたりでは連携をしていろいろな施策をしていくと書いてあるのですが、特に、自転車の場合は連携というのも大事なのですが、連携の内容が重要です。年代別や、内容などの教育方法が確立されていないのでもうちょっとこのどこかに教育方法をきめ細やく確立していくというところが盛り込まれていないのかなと思ったので、質問も兼ねてお願いしたいのですが。
  • 福田参事官 そうですね。
      どう取り組んでいくかということはいろいろあるのだと思いますが、ここでは自転車についてそういう書き方をしているところでございますが、そもそもどういうところが視点になり得るかという観点で御議論をいただいているところでありますので、その重要な視点は、これから計画の骨子に向けて確定させていくので、その中でどうそこに取り組んでいくかということは本日も含め、皆様の御意見を伺いながら基本計画をつくっていきたいと思っております。
  • 赤羽座長 基本は、その8本の柱がありますね。それをうまく組み合わせて自転車にかかわる事故を減らして行くことが連携の意味です。その中には、教育あるいは啓発活動というものも盛り込まれるということになると思います。
      ほかにはいかがでしょうか。
      よろしいでしょうか。
      それでは、もし後のほうで時間が余って何か気がつかれたことがあったら御発言していただくとしまして、次の議題に移らせていただきます。
      議事(3)第10次交通安全基本計画に盛り込むべき事項に関する関係団体等からの意見一覧についてでありますが、議事(4)第10次交通安全基本計画作成のための主な議論事項とも関連しますので、事務局より一括して御説明をお願いいたします。
  • 福田参事官 それでは、資料4とそれに関連しまして前回お示しした資料5及びその補足資料である資料6について御説明をさせていただきます。
      資料4につきましては、まずこの10次計画の検討に向けまして、先ほどの検討委員会の過程なども通じて幅広く関係の自治体様、それから機関の方々などからいろいろ御意見を賜ったところでございます。
      冒頭、審議官のほうからはお話しさせていただいており、本日はこのいただいた御意見をなるべく計画の視点などをある程度固めた形でまとめてごらんいただけるような形で閲覧整備したものを、本日は御説明をさせていただきたいと思っております。
      この中にありますものは、特に行政側で選別したというよりは、網羅的にそのまま書かせていただいたものでありますので、内容的にはもちろん行政が既に取り組んでいるものもございますし、なかなか難しい課題を含んでいるものもあるところではございますが、そういった内容につきましては、次回までに各省ともよく調整整理してまた御提示をさせていただきたいと思います。
      本日は、こうした御意見があるということを念頭に御議論いただく材料として、ぜひ見ていただきたいと思っているところでございます。
      では、この資料4の中身でございますけれども、非常に件数が多いものですから、少しかいつまんでのお話になってしまって恐縮でございます。
      まず、最初に道路交通に関する意見が並んでおりますが、全体で176件という数をいただいたところでございます。
      冒頭1番から6番までにつきましては、理念や目標についての意見でございます。
      例えば1番のところでは、基本理念は究極的には交通事故のない社会を目指すということが書いてあるわけですが、究極的ではなくて中期目標としてゼロの実現を明記するべきであるといった御意見をいただきました。
      一方で、6番目の御意見のほうは、達成可能性のある現実的な数値設定、こういったものが必要ではないかという御意見でございます。
      それから、後ほど後ろのほうであるので28番のところで見ていただきますが、死者数の目標はいろいろ振れることもあるので要らないので、死傷者数目標だけでいいのではないかといった御意見もいただいたところでございます。
      では、2ページ目7番以降でございますが、7から110番、非常に幅広い範囲でございますが、この間が9次計画の視点に関係する部分です。3つの視点がございますが、視点をもとに概ね整理をさせていただいたところであります。
      そのうちの約半数、7から56番目までは高齢者、それから子供の安全確保についての意見となって、一番多くの意見をいただいたところでございます。
      では、幾つか御紹介いたしますと、例えば5ページ目をごらんいただけますでしょうか。
      一番上に19番の段がございますが、ここに至るまで道路交通環境の整備の話ですとか、交通安全思想の普及に関する御意見ですとかいろいろあるのですが、19番は高齢者の安全に関して、高齢者が自らの状況について自覚をして、交通安全に対する気づきを与えるような教育を行うことで、高齢者の交通事故防止を図るべきであるといった御意見をいただきました。
      それから、同じ5ページの23番でございますけれども、②にありますが、高齢者の方を講習などへ参加していただくための工夫、こういったものも大事だということでございます。
      それから、1枚めくっていただいて7ページの28番が先ほど申し上げた目標値について死者数ではなく死傷者をという御意見が書いてあるところでございます。
      それからしばらく後ろに行っていただきまして、11ページ目をごらんいただけますでしょうか。
      11ページ目の53番、真ん中の欄でございますけれども、こちらは若者の二輪関係のお話でございます。
      高校生に対する二輪車安全運転指導の推進ということを挙げていただきました。
      それから、次のページの57番から93番までは、歩行者、自転車の安全確保についての御意見をいただきました。
      12ページ目の59番を見ていただきますと、課題の具体的な内容として、自転車利用者に限らず、歩行者の歩行中のスマホ利用を含めた安全教育が大事ではないかという御意見をいただきました。
      それから、この後は自転車の利用環境ですね。道路の話ですとか、自転車の安全な運転についての御意見をいろいろいただいておりますが、少し飛びますが、17ページ目をごらんいただけますでしょうか。
      一番上、79番のところでございますが、中学生や高校生には最近の自転車事故に係る高額賠償事案のようなものをきちんとお話しをして、自転車のルールマナーを遵守する大切さをしっかりと啓発していくことが大事ではないかという御意見をいただきました。
      同じページの少し下のほうの82番でございますが、前回もこの場で少し御議論いただきましたが、自転車運転免許制度をつくることが現実的であるとは思わないが、自転車運転、乱暴な歩行により被害者となり、また加害者となることは誰もが脅威であるので、おおよそ自転車に乗る学童期から安全教育をしっかり地域で行っていく必要があるという御意見でございました。
      それから、19ページの94番から110番までは、生活道路及び幹線道路における安全確保、こういった御意見でございます。
      この次20ページをごらんいただけますでしょうか。
      例えば、96番では、道路環境の整備ということで、安全対策、カラー舗装などの御意見をいただいたところでございます。
      また、101番、こちらではハンプなどで生活道路を単に通り抜けようとする通過交通を排除したり、流入規制をしたりと、こういった御意見でございました。
      それから111番から176番までが、飲酒運転危険ドラッグを使用しての運転の対策。それから、救急救助活動、被害者支援研究開発調査等、さまざまな内容が入っているところでございます。
      このうち24ページをごらんいただきますと、例えば116番をごらんいただきますと、飲酒運転防止の啓発、飲酒運転加害者等の再発防止対策の強化、こういったことをいただきました。
      それから、120番あたりからは危険ドラッグにからむ交通安全対策についての御意見をいろいろといただいております。
      それから、少し飛びますが、30ページ、147番をごらんいただきますと、このあたりは、救命救急の関係でございますが、救命救急センターや平日夜間急患センター、それから小児二次救急輪番病院の運営に対する支援など救急医療体制についての御意見をいただいたところでございます。
      それから、34ページをごらんいただきますと、164番でございますが、さまざまな団体、機関も含めると思いますが、さまざまなところが相談窓口を持っているのですが、どこがどういう相談を得意としているかがはっきりとしていないというところなので、そこをはっきりしてもらいたいというような御意見でございます。
      それから、次の35ページ171番では、ドライブレコーダーの標準装備など、安全対策を推進すべきだというところが172もそうでございますが、御意見をいただきました。
      次に、鉄道の関係でございますが、37ページからでございます。
      鉄道の関係は、全部で11件の御意見をいただきました。全体としては、ホームからの転落事故防止や大災害、事故発生時の対応などといった御意見をいただいたところでございます。
      37ページの2番をごらんください。
      ここでは、鉄道の立体交差化ですとか、ホームドアの設置。それから、災害の関係では気象庁からの情報の共有ですとか、お客様への周知といったことが記載されております。
      それから、同じページの4番ですね。一番下でございますが、こちらのほうでは駅構内における転落防止設備の設置の推進、ルール制定といった御意見をいただいたところでございます。
      次に、踏切道の関係をごらんいただきます。40ページからでございます。
      40ページ一番上、1番でございますが、連続立体交差事業の積極的推進。先ほどの鉄道と同様の御意見でございますが、こういったことで踏切道を統廃合するといった御意見でございます。
      それから、高齢者や園児・児童などを対象とした安全な踏切横断を呼びかけるPRをという御意見でございました。
      次に、海上交通の関係につきましては、42ページ目からでございますが、全体で14件の御意見をいただきました。
      船舶自動識別装置(AIS)の搭載や救命胴衣の着用の周知などといった御意見をいただきました。同じページの4番のところでは、このAISについて義務づけをもっと拡大していくべきではないかという御意見。
      それから、43ページの9番につきましては、ライフジャケットの着用の推進ですとか、海難防止の講習会の話などをいただいたところでございます。
      航空関係につきましては、45ページ目からでございます。
      航空関係については、23件の御意見をいただきまして、航空運航の過密化に伴う区域の見直しですとか、航空機の安全性、耐久性の確保などについての御意見をいただいております。
      45ページ目の3番、4番のあたりですが、過密化に伴う定時運航、衝突防止装置の作動への対策といったことの過密化対策が必要ではないかという御意見でございます。
      それから、少し飛びますが、48ページ目をごらんいただきますと、19番です。日本はMRJ(小型ジェット旅客機)が国産として開発されるようになったということから、この技術ノウハウの蓄積を行って、将来の航空機開発に備えていく必要があるのではないのかといった御意見がありました。
      それから、最後の50ページ目のところには、各分野共通ということで掲げさせていただきました。
      聴覚障害の方の安全の確保ですとか、被害者支援についての御意見をいただいているところでございます。
      資料4につきましては、簡単でございますが、以上で御説明を終わらせていただきます。
      資料5については前回と同じ資料をつけましたので、本日の説明は省略させていただきまして、資料6をごらんいただけますでしょうか。
      前回のこの専門委員会の場でも視点につきましてはいろいろ御意見をいただいたところでございます。
      その後、関係省庁ともいろいろお話をさせていただきまして、その結果として、本日こういった御提案をしているところでございまして、事務局としては、こういった形で10次計画の視点を設定させていただけたらと考えているところでございます。
      まず、資料6「視点のイメージ」のところの左側の8本の施策の柱でございますが、これは法律の規定に沿っているものですので、特段変更はございません。
      右側の「視点」のところでございますが、前回は高齢者、子供、歩行者、自転車などに交通事故が起きにくい環境づくりというものを挙げておりましたが、いろいろな検討の結果を踏まえ、ここに生活道路における安全確保というものを3本目として入れまして、これ全体を交通事故による危害を減らすために、重点的に対応すべき対象という説明を加えさせていただいております。
      交通事故が起きにくい環境づくりにつきましては、そういったことをしていくために留意していくべき事項という形でまとめさせていただきまして、具体的な中身がわかりづらいというお話もございましたが、今回は事故実態を踏まえたきめ細かな対策の推進ですとか、地域ぐるみの交通安全対策の推進、先端技術の活用の推進と、この3本を挙げさせていただいたところでございます。
      このページの2番から御説明させていただいておりますけれども、特に一番下、生活道路を今回加えるという形にさせていただいた話として、ここで生活道路というのは5.5メートル未満の道路ということでお話をさせていただいておりますが、統計を見てみますと、この5.5メートル未満の道路とそれより幅員が広い道路、それぞれで死亡事故件数がこの9次計画期間中は結果的には同程度と現在なっております。
      しかしながら、生活道路という身近な道路におきましては、幹線道路よりもさらに歩行者、自転車が安全で安心して通行できる環境を確保して交通事故を減少していく必要があるのではないかという話と、以前からも座長含めお話はいただいておりますが、幹線道路につきましては、以前から事故の電子データがいろいろ整備をされておりまして、それに基づく対策というものも進められてきたところでございますが、生活道路のほうは少し遅れてその環境が整備されてきたというところもございまして、今後そういったデータを活用しながらさらに対策を進めることが可能な分野ではないかといった観点ですとか、また、生活道路で地域の皆さんがいらっしゃいますので、地域の住民の合意形成を今後どうしていくかということもその過程では大きな話だと思っています。
      先端技術の活用といった点も含めまして、今後いろいろやるべきこと、もしくは可能性があるという点も踏まえて生活道路という視点があろうと思っているところでございます。
      それから、裏の2ページ目でございますが、交通事故が起きにくい環境ということで3本挙げさせていただきました。
      「背景」といたしましては、交通事故死者は近年減る速度が少なくなってきているという状況はあるものの、14年連続で死者数が減ってきております。また、発生件数死傷者数も10年連続で減少しております。しかしながら、近年高齢者の事故が増加するなど、死者数の減少幅が縮小しております。
      こうした中で、どういった原因でという内訳を見てみますと、前回も御紹介しましたが、安全不確認、脇見運転、動静不注視等の安全運転をしていなかった、義務違反であったと、こういった原因による死亡事故が依然として多く、相対的な割合が高いという状況になっているということでございます。
      これまで各省の対策によって交通事故死者数の減少という成果が得られてきたところでありますが、今後は、従来と同じ形ではなかなか抑止が困難な場面も考えられるのではないか。発生の場所ですとか、発生の地域ですとか場所、形態を詳細な情報に基づいて分析して、交通事故の減少を図っていく。また、いろいろな10次計画期間中にもさまざまな事故情勢の変化がある中で、時々の情勢を的確に踏まえた取り組みを行うことが必要ではないかということで、今回、これを挙げさせていただいているところでございます。
      このポツが3つ書いてございますが、生活道路における事故実態の詳細な分析ですとか、事故発生場所、危険箇所等に関するビックデータの活用。運転者への注意喚起、こういったことが考えられるであろうということでございます。
      また、これまで以上に地域住民に交通安全に対して関心を持ってもらって、国民主体の交通安全という意識の調整をしていくことも大事であろうということでございます。
      それから、運転者、歩行者の意識や行動を周囲側面からサポートしていく社会のシステムというものを行政団体、住民が共同してつくりあげていくということで、この地域ぐるみの交通安全対策の推進というものも大事だということを挙げさせていただきました。
      それから3番目として、運転者の不注意による事故、それから高齢運転者の身体機能低下に伴う事故の対策といたしまして、さまざま安全運転を支援するシステム、早く救助救急を行えるようなシステム、こういったものを求められているのではないかということで、新たな技術を活用した取り組みを推進していくべきであるのではないかということで、先端技術の活用推進ということをここでは挙げさせていただいたところでございます。
      3ページ目からは御参考に各視点に沿いまして、まずは高齢者の死者数が高いままなかなか大きくは減っていかない状況、比率が高い状況。
      4ページ目は、高齢者のほうが減少幅も少し小さくなっているというグラフ。
      5ページ目は、歩行者、自転車の関係でございますが、歩行者の死者数が一番多い状況になっておりまして、自転車も一定の数を占めているというデータでございます。
      6ページ目はその減少状況でございますが、9次計画期間中は自転車のほうは全体平均よりも大きく死者数は減少しておりますが、歩行者のほうはそれに満たない形で減少していたというところでございます。
      7ページ目、こちらからは、前回自転車に関してもう少しデータはないかという御指摘がございましたので、少し追加をさせていただきました。
      前回でも自転車事故全体が少し減っているという傾向は見ていただけたところですが、7ページの上のグラフでは、まず、事故累計別では出会い頭の衝突がやはり非常に多い。前回、三国委員も御指摘いただきましたが、それがグラフとして表れているところでございます。件数としてはごらんのように減りつつはありますが、全体の中ではやはり多い位置を占めているということでございます。
      それから、下の表につきましては、交差点における自転車事故におきまして、交差する道路の種類ごとに区分してデータを整理したものでございます。
      一番上は、ここで生活道路と言っていますが、幅員5.5メートル未満の道路が交差している交差点での事故の出会い頭事故の件数。
      次の段が、5.5メートル未満の道路と5.5メートル以上の道路が交差している交差点での出会い頭事故。
      3番目が5.5以上の道路同士の交差点というところの事故の件数ということでございます。
      26年の数字を見ていただきますと、1万3,000件余り、1万6,000件余り、1万4,000件余りということで、若干の差はございますが、余り大きな変化は見てとれないところかなと思います。
      それから、平成22年ですね。この9次計画が始まる段階と直近26年に至る間の減少の状況を見てみますと、上から28.5、マイナス33.9、マイナス33.6ということで、若干の差はございますが、3割前後で全体として減少している状況があるというところでございます。
      マクロで見るとこういう状況ではございますが、あとは個別の地点、地点によってはまたいろいろな状況の差はあるのかもしれませんが、マクロデータとしてはこういうことが見てとれたということでございます。
      8ページ目は生活道路の状況でございますが、平成22年を100とした場合に、直近では9次計画期間中の死亡事故の減少率は、生活道路も5.5メートル未満の道路もそれ以上の道路もほとんど変わらない状況があったということでございます。
      9ページ目からは、交通事故が起きにくい環境づくりということで、交通安全義務違反の件数が非常にいろいろな種類で多くを占めているという状況を過去10年ぐらいのデータでお示しをさせていただいているところでございます。上のほうが死亡事故、下のほうが交通事故全体というところでございます。
      資料6まで以上、御説明をさせていただきました。
      それから、全体を御議論いただくに当たって、本日は資料の8というのをつけさせていただいています。こちらは、道路以外の交通事故情勢を直近で整理をして本日御用意したものでございますが、前回も大きな交通事故の情勢については御説明をしておりますので、本日は個別の御説明は省略をさせていただいて、もし何かありましたら御質問をいただきたいと思います。
      合わせまして、道路関係の前回の会議でお使いいただいたデータもお手元にお配りしておりますので、必要に応じて御参照いただければと思います。
      よろしくお願いします。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
      それでは、ただいま事務局から説明がありました資料を参考としまして、第1回会議と同様に、第10次交通安全基本計画につきまして、それぞれのお立場から委員の方々に自由に御発言をいただきたいと思います。
      よろしくお願いします。
  • 久保田委員 埼玉大の久保田でございます。
      資料6の視点の議論のところで、3番目の生活道路ということを入れていただいて、この施策がこれからうまく進むということになると思いますので、私としてはありがたくうれしく思っております。
      それと、関連なのですが、同じ資料6の1ページの一番下のところにこの必要性を説明していただいているのですが、「生活道路(車道幅員5.5m未満とするデータによる)」となっていまして、もちろんこれは統計上のデータ、その定義でこうなっているという意味でここで括弧されているわけですが、何といいますか、生活道路とは何かという定義がほかに書いていないわけですね。確かに、生活道路とは何かということを説明し始める、あるいは議論し始めると、結局、抽象的なことを言わざるを得なくてすごく難しいというのが定説なのですが、定義がない中でこのような括弧が入るだけだと、人によっては施策の対象が5.5メートル未満の道路に限定されるように誤解する人が出てくるのではないかと思うのですね。
      つまり、先ほど御紹介いただいたような統計のときは、生活道路というのは5.5メートル未満ということで結構なのですが、施策の対象となるのは例えば6メートルだって8メートルだって、われわれの共通認識では生活道路であって、施策の対象になるわけですので、それが外れないようなうまい表現をどこかでぜひ入れていただいて、統計のときと施策のときは定義が違うのだということをうまく伝えていただきたいと思います。
      以上でございます。
  • 赤羽座長 久保田委員も参画された先ほど紹介があった基本政策等に係る調査でも、統計的な分析をするときに、実態として生活道路として使われている道路区間をもう少し端的に浮かび上がらせるような客観的な定義はないかといろいろ工夫していただきました。しかし、妙案が今のところ見つかっていません。例えば、市街化調整区域とかDID(人口集中地区)と重なっている道路区間に限定してはどうかと試してみたのですが、なかなか利用実態と合致しませんでした。今、御指摘のように、趣旨とするところは実態として生活に使われている道路である。しかし、いろいろな統計的な集計をする上では便宜上、
      5.5メートル未満の道路を対象としております。そういう注意をよく徹底をしていただくということだと思います。
      そういうことでよろしいでしょうか。
      どうもありがとうございました。
      ほかにはいかがでしょうか。
  • 三国委員 資料6なのですが、以前、自宅へ送られた資料とちょっと何か違うところがありまして、以前送られたものには、年齢層別の自転車乗用中の死者数とそれから年齢層別の自転車乗用中の負傷者数の円グラフが載っていたのですが、今回はないような気がするのですが、どうしてなのでしょうか。
  • 福田参事官 整理する過程のものをお送りしてしまったのだと思いますが、今回は割合シンプルに枚数は余り多くなくつけてきたところですので、特にその辺のデータは途中で外れたのだというぐらいでございます。
  • 三国委員 実は、前に家に送られていたものを見ていて、この円グラフはすごく重要ではないかと思ったのですね。なぜかと申しますと、自転車乗用中に亡くなるのは高齢者が多いのですが、若い、要するに自転車をよく利用するお子さんとか学生さんの場合は、負傷が40%も占めている。死者数を見るよりも、むしろこの負傷者数を減らすということが自転車施策では非常に重要ではないかと思うので、目標値としてもこういう若い人の負傷者数を減らすことを目標にもできるし、この円グラフは非常に重要ではないかと思って見ていたので、今回どうして外されたのかなというのが私には疑問でした。
  • 福田参事官 そうですね。特にこれだからというお話ではないのですが、そういう考えではなくて、今回につきましては自転車について視点の関係で交通事故情勢としてどういう位置づけにあるかという話と、前回の話の中で出会い頭ですとか、どういう交差点での事故情勢があるかというお話があったものですから、その辺の資料を今回整理したということでございます。
  • 赤羽座長 例えば、自動車乗車中に亡くなる方と、それから歩行中に主に自動車との衝突で亡くなる方と比較すると、今は大体3分の1ずつぐらいで同じなのです。しかし、死傷者に関しては、歩行中は自動車乗車中に負傷、死傷される方と比べると、10分の1ぐらいなのですね。
      自動車のいろいろな安全装置でドライバーや乗員は守られていて、かつては亡くなっていたケースで負傷にとどまるケースが最近は多くなっている。しかし、歩行中の方を守る安全装置というものは、開発あるいは普及途上のようです。そのため衝突すると亡くなる確率が、歩行者は自動車の乗員よりも非常に高いということの現れとの見方もあるでしょう。
      そういう視点からすると、自転車であっても、あるいは歩行者であっても、死者を減らすためには衝突自体を減らしていくということが重要だと思います。その中でも今、先ほど御指摘のあった生活道路で衝突を減らしていくということが一つの焦点になっていくのだろうと認識しております。
  • 松岡委員 コメントしたい事項が複数あるので、手短に述べさせていただきたいと思いますが、資料5の流れに沿ってコメントしたいのですが、まず、資料5の5ページですね。生活道路等における人優先の安全・安心な歩行空間の整備ということで、ここで生活道路というのは非常に大事だということと、生活道路における自動車の速度に不安を持っている人も非常に高いという調査結果もありますので、提案なのですが、歩行者、自転車優先ゾーンというものを設けて、ここには歩行者優先とは違って、車の進入は可としますが、自転車の追い越しを不可とするゾーンにしたらどうでしょうか。
      ということは、どういうことかといいますと、ここでは自転車が道の真ん中を走れる。そうしますと、歩行者と自転車がすれ違うというか、そういうことはなくて、自動車は自転車の後ろをゆっくりと通らざるを得ないということです。そうしますと、スピードが制限できるということと、あえて生活道路に入ってくる車が非常に減少するのではないか。この施策のためにはコストゼロでございます。ただで実施できるということです。それが一つです。
      それから、次にこの下に、ゾーン30という提案があります。30キロメートルのゾーンを設けよということで、これは海外の例にならったということなのですが、この生活道路における速度制限は20キロメートル以下にしたほうがいいのではないか。30キロメートルの根拠がどこにあるのかということをまずはちょっと調べていただきたいということと、それから衝突時の速度と死亡者と重傷者の割合のデータがITARDAにあるのですが、実はどのくらいの母数なのか、つまり事故のうちの死者になった割合の詳しいデータがないということで、その辺も精査していただいて、本当に何キロ以下にすると死に至るとか重傷になるという者が減るのかということをはっきりしていただいて、ゾーン30なのかゾーン20なのかを決めていただきたい。
      高齢者はちょっとしたことでも死に至ってしまう。それが先ほどの円グラフの例にありますように、若者は負傷で済むのですが、高齢者はちょっとしたことで死んでしまうということで、この辺高齢者保護になると思います。
      それから、同じく6ページのほうですね。高齢者ドライバーにも見やすいとか、それから9ページの正しい自転車教育ということもありますが、自転車の乗車マナーを見ますと、太い道に出るときに一時停止をしないということが、観察した結果によりますと実は90%ぐらいの人がそうらしいのですね。これは、ぜひとも一時停止させたいということで、一つ簡単にできることは、一時停止の路面上のペイント、標識を非常に見やすいカラフルなものにしていただく。そうすると、かなり効果があるのではないか。これはデザインを変更しろということなのですが、現状は非常におとなしい一時停止のマークだということです。
      それから、8ページの交通安全教育効果の一層の向上ということで、前にも申しました
      が、自転車運転に対して免許証を交付するシステムということです。まずは義務化ではなくて、任意の自転車免許というものをつくるということも一つの手ではないかなと思っています。
      いただきました資料7の58ページでは、京都府での自転車免許交付事例というものもあるということで、その辺は有効に働くのではないかなと思います。
      それから、自動車関係から飛んでしまいますが、踏切関係ですね。資料5の17ページ、踏切道の統廃合という割合がありますが、踏切道は鉄道による死者の4割ぐらいがあるということで、非常に重要なことである。この中で、いただきました資料8の2ページの表によりますと、4種と1種を比べますと、1種が3万カ所ぐらい、4種は3,000カ所ぐらいですが、10分の1ですね。事故発生率にしますと、1種に比較して4種は1.5倍から2倍ぐらいあると高いのですが、実は、これは1カ所当たりの死者発生ということですが、4種における電車の交通量というのは、圧倒的に小さいわけです。ローカルですから。
      ですから、事故発生件数ではなくて、交差する機会ごとに考えますと、四種は圧倒的に事故発生率は多いということが推察できます。ですから、ここの10次計画では、5年間でもって3,000ある4種踏切を全廃するという目標を掲げたらどうかなと思っています。つまり、年間600ぐらい統廃合で減らしていく。そうすると、4種がないという非常に安全な状況になるのではないかと考えています。
      それから、資料5の19ページですが、海上交通のほうなのですが、海上交通は御存じのように、死者200ぐらいでだんだんと減少傾向で非常に安全になっているのではないかと思うのですが、依然として小型の船舶、漁船とかプレジャーボートの転落事故が非常に多い。これが、ライフジャケットの着用義務があればいいのですが、今、1人乗りの場合には着用義務があるのですが、複数人ですと必ずしもしなくてもいい。ぜひしてくださいということ、それを何とか推進して、義務化までもっていければ一番いいのですが、最近は非常に装着のよろしいライフジャケットもあるということで、その辺も視野に入れてもらいたい。
      それから、あとは、小型船舶の大型船舶による衝突。つまり、漁船が漁労中にぶつかるとか、あるいは監視しないでぶつかる。これは、AISを導入すればかなりほとんど確実に防げる。しかし、AISの導入にはいろいろと難点があるということでなかなか難しいのですが、本当は5年間でもってAISを全船につけるということが可能なのが望ましいのですが、代替手段等を活用して、何とか衝突防止の方法を技術的に実現してもらえれば非常によろしいのではないかということです。
      それから、あとは海上漂流の問題で、燃料切れとか機関故障でもって海上漂流が小型船舶で起きてしまってどうしようもないということで、連絡もつかないということでありますので、機関の状態がうまく事前に検知できるような技術開発を推進していただければと思っています。
      多岐にわたって申し訳ないのですが、以上でございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
      最後から2番目に、AISの普及には難しい面があるとのご指摘でした。例えば、どんな理由があるのでしょうか。
  • 松岡委員 漁船ですと、漁場がばれてしまうということもありますし、それから費用もそこそこかかるということで、小さな船に全部積むというのはなかなか難しいらしいということです。あと、電波の割り当ての問題も将来的には問題になるのではないかということだそうです。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
      どうでしょうか。
      事務局からは何かこれに関して補足されたいことはありますか。ご指摘のすべてに対してではなくても結構です。
  • 福田参事官 多岐にわたる御意見をいただきましたので、また先生の御意見も踏まえていろいろ考えていきたいとは思いますが、踏切道と海上交通の関係はにわかにわかりかねるところもございますが、生活道路の関係で申しますと、どうやって流入交通を抑制していくのか、もしくはスピードを抑制していくのかということで先般出ていましたハンプですとかクランクですとかの話も含めいろいろなお考えがあるのかもしれません。ただ、にわかに通行規制という観点ならば道路交通法とかが出てきて私もすぐにお答えしかねるところはあります。いずれにいたしましても、そういった身近な道路でどうやって交通がコントロールされ、死亡者数、負傷者数というものを減らしていけるかということをしっかり考えていかなければいけないのだろうと思いますことで、視点でも挙げさせていただいていますので、取り組んでいくということですが、具体的な話がにわかに結論としてそのままこの間に出せるかというと、そこは正直、関係省庁さんともよくお話をしてみないとわからないことがございますが、先生の御意見は各省も聞いておりますので、いろいろ参考にさせていただけるとは思っているところでございます。
      先ほど、ゾーン30絡みでデータの話もちょっと出ていましたけれども、にわかにわからないものですから、関係部署に聞いてみたいとは思っています。
      自転車に関してのカラー舗装の話は何度も出ていました。先ほどの御意見の中でも自転車に限らず、自動車も含めてそういった御意見もいただいています。実際、いろいろな形でその自転車通行帯を色分けしてみるですとか、例えば右折レーンを自動車の話ですが、色分けしてみるとか。いろいろな試みは地区、地区の状況に応じてあるとは思っています。
      そういった中で、個々の話がどこまでできるかということは、その現地の情勢を踏まえてということにはなろうかと思いますが、そういったうっかりする人にどうやって知らせていくかというのは、今回、とても大切な観点として出させていただいているところでもございますので、事案、事案の対応として大事なお話であろうかと思って拝聴していたところでございます。
  • 赤羽座長 ゾーン30における規制速度が、その名の通り時速30キロメートルに設定されている根拠については、人体に対する衝撃が死に至る確率が、衝突時の速度が時速
      30キロメートル未満に抑えられると、それ以上の場合と比べて格段に下がると、私たちは伺っています。そういう類いのデータが根拠になって、規制速度が設定されていると思います。御指摘のとおり、例えば高齢者が多い地域でも同一水準でよいか、これから研究の余地があるかもしれません。
  • 松岡委員 20以下のほうがいいと言う方もいらっしゃるので、難しいのですけどね。データ等をちょっと吟味すればその辺ははっきりしたものが出てくるのではないか。
  • 赤羽座長 そうですね。ただ、より規制速度を抑えた場合に、どのくらい守ってくれるかということもあるでしょう。ほかの不都合も発生するかもしれませんから、そのバランスに基づいて、時速30キロメートルに規制速度が設定されているのでしょう。そのあたりは、総合的に検討する必要があると思います。
      どうですか。
      あともう一つは、一時停止ですね。もう少し路面標示の色を鮮やかにしたらどうかというご指摘でした。そもそも自転車に乗っている人たちが、例えば自動車のドライバーと同じように交通ルールを認識して守るという気持ちがあれば、もう少し状態が違っているのではないでしょうか。
      要するに、ルールの存在を知っていても、それが十分に遵守されているかどうかが問われていそうです。そのような状況を改善するために、交通のルールを守っていない自転車利用者に対して、最近は取り締まりが強化されているのではないでしょうか。
  • 松岡委員 そこそこですね。
  • 赤羽座長 そうですね。多分、それと安全対策は両輪なのでしょう。
  • 森本委員 何といいましょうか、ゾーン30より20というようなエリア、海外の特にヨーロッパでは今、随分増えてきております。ただ、すべてのエリアが20というわけではありません。私としてはぜひこれは今回の議論の中で、きめの細かい対策を考えて頂ければと思います。例えば、やはり町づくりの視点として、ここはゾーン30な場所、20な場所、場合によっては流入規制をかなり強くかけるような場所が必要です。もうちょっとメリハリ立てたような交通安全対策をエリアで実施していくということを、きちんと押さえておくべきではなかろうかと思っています。
      一方で、人口減少社会に対応するべく昨年、都市再生特別措置法ができて、自治体が立地適正化計画をつくって集約エリアをこれから決めていきます。居住誘導区域に決められたエリアがこれから出てきたときに、その居住誘導区域の中の交通安全はどうするのか。本当に人を集めて安全な場所なのか。そういう視点も実をいうと非常に重要な視点ですので、今後10次の立案をする上で考えて頂きたい。つまり、そういう安全な場所をつくって人を住まわせるという根本的な町づくりの視点も一方できちんと押さえながら進めていっていただければいいなと思います。
  • 水野委員 水野ですが、私は愛知県で交通事故の分析をしているのですが、愛知県というと道路がひたすら広い道が多くて自転車の事故もそういうものかというとそうではなくて、やはり生活道路で起きる。見てみると、生活道路なのですが、そのうちの半分は見通しの悪い道路で起きている。ですので、単純に生活道路ではなくて、見通しの悪い交差点で、そのまま自転車が飛び出してはねてしまう。学生に聞いたら、車の音で判断していますという感じですので、少しそういった生活道路であってもメリハリをつけながらそういった対策ができるような形で見ていただけないか。
      もう一つは、自転車というとやはり確かに自動車との衝突も半分占めているのですが、半分は単独事故でしょう。そうすると、ヘルメットの着用が一番有効だろう。生活道路ももちろんなのですが、そういったヘルメットも重要で、しかもヘルメットも正しくかぶってほしい。あごひもを締めてよく中高生がかぶっているようなおでこを出したような形ではなくて、きちんとかぶるような指導をしてほしいというのがもう一つと、最後に、やはり車の速度を下げるというのが死者数を減らすのに非常に有用です。そうすると、普及してきている自動ブレーキをいかに広めていくか、性能を上げていくかということが、今、すぐ対策できることとして非常に重要ではないかと考えています。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
      どうぞ。
  • 地藤委員 香川県の地藤でございます。
      私はきょう何点か提案なりさせていただこうと思ったのですが、その中に自転車のこともございます。
      先ほど事前の委員の中に男性しかいない。女性はいないのかという話がありましたけれども、まさに今の議論は男性中心の議論かと思います。男性はどうしてもハード面に力が入ります。私たち交通安全母の会の活動をしている者は、地域の住民、人間そのものと直接関わって、この地域ではどういうことが大事なのか、この地域ではどういう乗り物をどのように扱っているのか。都会と田舎では違います。そういった現場の状況、環境そのものを踏まえた上で安全活動、教室、啓蒙思想の内容を考えて日々活動しております。
      皆さんどうでしょうか。自転車はいつ手にします。人間の移動手段は最初、足です。二本足です。その次に乗り物としてまず自転車を手に入れるのですね。田舎ではもう幼稚園ぐらいからもう自転車をじいちゃん、ばあちゃんがプレゼントとして与えます。この移動手段の車という意味で与えていないのです。ある種おもちゃなのですね。自転車に関して、もう始まりがそうなのです。
      ハード面でこうしたらいい、ああしたらいいと全く同レベルで、自転車を手にするときにどういう教育をするか。これが全く日本ではなされていないのですね。この交通安全教育に関しては、文科省の問題も非常に大きいと思うのです。
      この最初に自転車を持つ、その自転車をどのような気持ちで第1回目に乗る、生まれて初めて乗るとき、どういう気持ちで乗っていると思いますか。買ってもらって楽しいという感じで乗るのです。道路を出るから気を付けて乗ろうという意識ではないのですね。それが三つ子の魂百までといいますが、ずっと続いているのですね。
      そういったところの安全教育の基本にとにかく手をつけないと、改革をしないと、交通事故は信号のある交差点で一番多いと思いませんか。ハード面でいくら整備しても人間の安全に対する意識をしっかりと植えつけていないと、いくらハード面で整備しても事故はなくならないのです。人間の教育のあり方なのですね。
      私は、交通安全で先手を打つということを自分自身が基本理論にしております。それは、幼児期の安全教育がいかに大事かということをもっともっと国を挙げて考えなければいけないと思っております。私はこれは交通安全母の会全国大会でも何度もお話ししたことがあるのですが、お話でずっと終わってきています。
      ドイツでは、幼児教育の中に危険予測というカリキュラムが必ずあります。例えば、横断歩道の前に立ったときに、すっと歩くのではなくて、ここに立ったらどういう危険が感じられるのか自分で考えてみましょう。何も書いていないのですよ。自分で考えましょうというそういった教科書がドイツでは既にあるのです。そういった危険予測、そういったものを幼児期にしっかりと学ばす、身につける、そういった想像力をつけてやる。そういった安全教育をまずは始めていかないと、高齢者問題ももうあれですよ、もぐらたたきと同じことなのですね。そういったところを文科省とかとしっかりと協議をして、カリキュラムのあり方、そういったものの見直しも交通事故撲滅につながる一番重要なキーポイントだと思っております。
      また、今回、資料6で3点、高齢者及び子供の安全確保、歩行者、自転車の安全確保、生活道路における安全確保とありますが、私は前回、ぜひ青少年の交通安全について特記してほしいとお願いしました。先ほどお話にもありましたが、北海道での青年の非常に重大な事故、香川県の1月末の事故も重大事故です。若者の交通事故は重大事故が非常に多いのです。そこのところは、今回この見直しの資料6のところで入っていない、これはなぜなのか、お聞きしたいところです。
      それと、交通安全思想の普及徹底のところで、段階的かつ体系的な交通安全教育を引き続いて推進していく。もちろん年齢に応じた段階的な交通安全教育は必要でございます。しかし、それだけでは地域で安全確保することはできません。
      私は昭和59年から地元で3世代交流交通安全教室を毎年7月の第1、第2日曜日を交通安全教室の日として2回に分かれて毎年しております。これは低学年から高齢者も含めて自転車の安全な乗り方指導を主にしております。この世代間がともに同一場所に集まって、安全教育の意識を共有することで、その地域全体の安全が確保することにつながっていくと思っております。そこに集った方が日々の生活の中で、危ないよ、そういう乗り方をしたら駄目よと、おじいちゃん、そこは危ないから気を付けて渡ってねといった声がけができる。段階的な安全教育プラス世代間交流の安全教育は必ず必要と思っております。
      それと、先ほどからお話には出ておりませんが、高齢者の交通事故は都会ではあまり見かけませんが、私たち香川県の地方ではシニアカーが非常に普及しております。シニアカーを御存じですか。歩行者扱いなのです。簡単に購入できて、もう見た感じは車と同じです。レバーを引っ張るとすーっと自動的に動きます。このシニアカーの利用が地方では問題になっております。シニアカーを利用するのに講習もなにもございません。義務化もされておりません。しかし、堂々と道路を車のごとくに走るわけなのですね。非常に危険です。それで、このシニアカー、カーとついておりますが、右側通行なのです。右側通行されていると、カーブのある左側から来ている車は、このシニアカーと正面衝突をする可能性は非常に大きいわけです。高齢者ですから、シニアカーを運転して、自転車に近いぐらいの速度が出ます。とっさのときにはどうにもならない。
      それと、このシニアカーが、メーカーによってレバーの調整が全く違うわけです。私どもは高齢者の世帯訪問活動をしておりますが、昨年した中で、高齢者の意見の中に、シルバーカーのひもが腕にひっかかって、慌ててそれを引っ張ると、シニアカーが急に猛スピードで走り出したのだ。そのレバーの扱い方が、メーカーによって非常に危険なものもあります。
      そういったシニアカーの機能についてもどこかで統一化する、安全な機能に統一化していくことが私たち地方の人間としては急務と考えております。
      また、もう一つ免許返納の件ですが、免許返納についても地方では道路交通網がほとんどありません。ですので、そういったところでのデマンド交通ですね。そういったものの充実も国を挙げて政策として持っていくべき大きな課題かと考えております。
      以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
      視点に関して一つ御指摘がありましたが、そのあたりはどうでしょうか。
  • 福田参事官 今のまず重点的な対象として挙げさせていただいた、特に高齢者、子供、歩行者、自転車というところ。特に高齢者がなぜ今ここに書かせていただいたかというのは、後ろでも資料をつけさせていただきましたが、その件数が非常に多い。ボリューム的なところを見ている。その高齢者をどうやって交通事故から守っていくのであろうかという観点で書かせていただいています。
      また、お子さんの話も同様でございまして、同様というか件数はだいぶ減ってはきているのですが、次世代を担うお子さんをどうやって交通事故から守るのかというところに視点を置きまして書かせていただいているところであります。
      一方で、高齢者の方々、お子さんがどういう原因で事故に遭っているかという観点はさまざま。
  • 地藤委員 いや、高齢者、子供は当然必要ですけど、私は若者がなぜ入らなかったのかだけのお答えでいい。
  • 福田参事官 その原因はさまざまでありまして、それは、一般の大人の方々が運転している車で事故が起こる場合もあると思いますし、若者が無謀な運転をすることもあると思いますし、お年寄りが操作を間違えてしまうこともあるかもしれませんが、そういったことをすべて含めまして、どうやってこういったいわゆる交通的に弱い立場にある方々を守っていくのかという観点で、現在の視点を設定させていただいておりますので、おっしゃっていただいていることは、とても大事な点を含んでお話をいただいているとは承知をしておりますが、それはどうやってそういった点も含めながら、こういった方々を交通事故から守っていくかという対策の中で検討をしていくことではないのかなと考えて、ここでは保護対象しての高齢者、子供さんというところを挙げさせていただいているところであります。
      あわせて、今回この交通事故が起きにくい環境をつくっていくということを一つ大きく打ち出させていただきました。この中で、どういうところに視点を置きながら考えていくかということも今回のこのスタイルでいきましたら、10次計画としてはその中身としてどういうものを見込んでいくかということもまた重要なところかなと思っています。
  • 赤羽座長 子供というと統計的には多分15歳未満ということなのですね。それ以上の25歳ぐらいまでの若年層が入っていないという御指摘だと思います。乗り始めの幼い頃から学校においても安全教育を徹底していただくことが、やがてはそれより上の年齢層にも効果を上げていく。それが安全教育の起点になってくるのではないかということも、子供というキーワードには含まれていると理解してはどうでしょうか。
      ほかにはいかがでしょうか。
      どうでしょうか。どうぞ。
  • 新保委員 新潟県の新保です。先ほど自転車の免許制度の話が出ましたが、私は前回のときも免許制度の話は賛成でなく反対させていただきたいということをお話しさせていただきました。この資料4の17ページで、実際に自転車運転免許制度を作ることが現実的であると思わないとありましたが、やはり子供達には個人差があります。自転車運転免許制度があると乗れない子が多く出ます。そういった意味も含めて地方では自転車での免許制度は考えられません。
      また、6月1日に自転車運転者講習制度が改正になりました。それは、都会での話、それとも地方も同様ですか。自転車に乗って2回違反した場合、講習ですかという問い合わせがありました。
      自転車運転者講習制度ではなく、先ほどの愛知県の方がおっしゃったように、今は、13歳以下は、ヘルメット着用は努力義務になっておりますが、努力でなく義務化にしていただきたい。自転車を買うと同時にヘルメットもセットで購入し、自転車に乗るときは必ずヘルメットを着用しないと自転車が乗れないという義務化にしていただければと思います。
      以上です。
  • 赤羽座長 新保委員の地域では、小学生が、例えば、自転車を乗り始めるころの子供たちが、自転車を使うに当たって学校から制限されているようなことはありますか。例えば、学校区外には乗って行ってはいけないとか。
  • 新保委員 はい、あります。3年生で自転車教室を受け、保護者の許可をもらってからやっと学校区内を自転車で乗ることができます。それまでは、保護者と一緒でなければ公園も一人では乗ってはいけません。それだけ保護者も学校も自転車は危ない乗り物だと認識しております。
  • 赤羽座長 そういう乗り方とか、あるいは学校があまり遠くに行ってはいけないというルールを課しているところも多分あると思うのですが、そういう使い方の実態を見て、免許制度という言い方がいいのかどうかは別にして、いろいろなルールを知った上で乗ってもらうということが発達の段階に応じて導入されるという工夫があればどうでしょうか。
  • 新保委員 20年前でしょうか。自転車運転免許制度をやっておりました。今は自転車教室を受講したという印で自転車の後ろに貼る反射材の自転車教室修了証を渡しています。町で特注し、3年生には黄色の反射シール。5年生にはオレンジ色で上の方に修了証、その下には自転車マークがそれぞれに描かれています。自転車教室を受けた児童が、自転車の後ろに反射シールとして必ず貼っています。
  • 赤羽座長 そういうことも含めて、免許制度という堅い言い方ではなくて、そういう安全教育の機会をだんだんとつくっていくというように、広めに理解してはどうでしょうか
  • 地藤委員 安全教育、自転車の安全教育は学校は3年生の3学期からでないとしないのですね。それでは、やはりとっさの事故のときの敏捷性といったものが養われないので、やはり本当に最初に自転車を持つ幼児期から徹底した教育が必要ですね。田舎では幼稚園、年長組ではもうほとんどの子が持っています。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
  • 益子委員 私は救助救急活動の充実という資料5の11ページですね。それと、次のページの8番の交通事故分析の充実というところで発言させていただきたいと思います。
      救急救助活動の充実については、前回のこの委員会でも発言しましたが、交通事故で24時間以内にお亡くなりになった方の6割は救急隊が現場へ行ったとき既に心肺停止状態なのです。ですから、この患者さんたちを少しでも早く医療の手に委ね、命を救うためには、事故が起こったことをいち早く医療機関、救助機関に通報する必要があるということで、事故自動通報システムの普及に今、取り組んでいます。この文章の中にも、緊急通報システム(HELP)、現場急行支援システム(FAST)、ドクターヘリを盛り込んでいただいているのですが、これは第9次でも同じように盛り込んで頂いています。つまりこの5年間の進化がここに盛り込まれていないのは残念です。
      と言いますのは、今、ヨーロッパではE-callが既に実用化といいますか、ヨーロッパで販売される新車には、事故自動通報システムが装備されなければならないという時代になってきていますし、ロシアでもそういう法律が可決しています。ですから、日本としては、この上をいく必要があると考えています。即ち、単なるE-callという事故自動通報だけではなくて、車両に搭載されたイベントデータレコーダ(EDR)のデータから乗員の傷害程度を予測し、重傷と判断された場合には、迅速に救急医療を起動する仕組み、言い換えれば、傷害予測データに基づいてドクターヘリを起動する仕組みを今つくろうとしています。今年3月には千葉県に於いて実働訓練を成功裏に実施しましたが、この秋から全国各地で
      AACNを活用した実働訓練を実施する予定でおります。
      日本でも既にAACN搭載車両が市場に出ていますし、この秋以降、市場にどんどん出てくる時代ですので、世界一の交通安全社会を目指す日本国政府として、救助救急活動のところもより一歩踏み込んでいただきたいというのが一つです。
      それから、二つ目の交通事故分析のところでありますが、この交通事故分析については御存じのように、交通事故総合分析センター(ITARDA)がわが国唯一の交通事故と人身傷害に関する分析組織ですが、このデータが個人情報の絡みでほとんど研究者が自由に研究できない問題があります。もちろん個人情報は絡んでいるところは削除しなければならないのですが、個人情報を削除して、誰のものかわからないような処理をしたデータは、あらゆる研究者が活用して、交通事故に由来する人身傷害の軽減に使えるようにしていただきたいと思いますので、そのような書きぶりにして頂けると有難いです。
      それから、今、申し上げた事故自動通報システムについては、HELPNETという会社が担当しているわけですが、これからは傷害予測機能のついたデータがどんどんHELPNETに蓄積していくようになります。これまでは、HELPNETデータを分析した研究は全くなかったわけですが、そこにさまざまなEDRデータが集積されていきますので、その事故データと医療データをマッチングさせることによって、交通事故と人身傷害の研究は飛躍的に発展すると思います。その様な訳ですので、HELPNETを活用した研究体制についても言及していただきたいと思っています。
      以上です。
  • 赤羽座長 大久保委員、どうぞ。
  • 大久保委員 少し違った視点からお願いしたいと思います。
      交通安全対策とか、各種施策というのは究極のところ被害者を出さないということに目的があると思います。いただきました資料の中では道路交通と公共交通の中にだけ被害者支援の推進という形で入っていますが、海とか空につきましても当然入れていただきたいと思いますし、目次にもしっかり入っていますと、実施内容もふくらんでいくことだと思います。
      それと、資料3の水色の冊子ですね。46ページのデータによりますと、交通安全について普段から考えている方というのが、36.9%から28.2%に減少しつつありますので、それは大変不安ですし、交通安全意識を高めるためには情緒面だけではなくて、工学的な手段も今後はどんどん先んじて利用すべきなのではないかと考えます。
      これにつきましては、各関係団体からの意見にもありますので、また次回検討ということで、期待をしたいと思います。
      それと、あとは、同時に、実は被害者支援が充実をして、被害に遭った方たちがしっかりとサポートをされて、また社会復帰できるようになれば、支援を受けた被害者は新しい被害者を出さない安全な社会づくりに自分自身の被害体験を生かして協力をしていきたいというように回復ができるものなのです。
      ですから、例えば、交通安全週間になりますと、私はメディアで見るだけで実際にその現場には行ったことはございませんが、交通に全く関係のないようなものを配って交通安全を意識してくださいという催しがあちこちで行われていますが、果たしてそれで効果が上がるのかどうかいつも大変疑問に思っております。そういう意味もありまして、被害に遭った被害者がしっかりと回復をすれば、その方たちが、幼稚園とか小学校、中学校等に行って、交通事故に遭うとこれだけひどい目に遭うのだから絶対に遭わないようにしようと思えるような語り部になるように回復していただけますので、各項目に被害者支援は入れていただきたいと思います。
      それと、もう一点。視点のイメージなのですが、資料6のところに、損害賠償の適正化をはじめとした被害者対策の推進となっておりますが、損害賠償は当たり前のことですので、別個に被害者支援、それも単なる推進ではなくて、充実と推進というものを、今の時代は入れなければいけないときが来ているのではないかと思いますので、また御検討いただけたらと思います。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
      どうぞ。
  • 福田参事官 ありがとうございました。
      今の大久保委員のお話で、前回も御指摘いただいて今回、前回と同じ資料をお出ししているものですから変わっていないのですが、被害者支援のお話は、今の資料のどこでしたか。確かに道路しか書いていないのですが、本文の中では、各項目にわたって記載をされておりまして、目次にもその旨を書いているところでございますので、そういった形には引き続き10次計画でもなっていくのかなと思っているところであります。
      内容につきましては、また今後の御議論かなと思っているところでございます。
      ありがとうございました。
  • 赤羽座長 被害者の方の経験を活かしていただくということも、新しい取り組みかもしれないですね。
  • 大久保委員 被害者の方もお話をしたい、ただ、自分の大変な被害体験を人に話すということは、もう一度自分を傷つけながら話をすることですので、なかなかそこまで決意を固めてくださる方が少ないのですね。だからこそ被害者支援を充実して、やはりこれだけお世話になったなら自分も何か社会にできることをしようというような思いを持てるように、被害者の方たちをサポートしていただければと思うわけです。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
      それでは、河内委員、いかがでしょうか。
  • 河内委員 一つ気づいたことがあるのですが、航空事故発生件数及び死傷者の推移という資料8のところです。少数ですが、死亡者、負傷者が毎年出ているのですが、多分、航空関係の方は御存じだと思いますが、ほとんどが突風で機体が揺れて乗員、乗客にけが人が出るという事故です。ここを何とかすれば、かなり減らせるように思えます。飛行中にシートベルトさえしていればいいのです。常時シートベルトを緩くしているというのはとても大事で、これを徹底する方法をお考えいただけたらありがたいと思います。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
      では、2分でお願いします。
  • 三国委員 2分でやります。自転車のことについて自転車の安全確保ということで、先ほど教育の話が出ましたが、実は、これはオランダの教育システムなのですが、0歳から4歳では、プレイ、遊びの中でやります。そして、12歳から18歳では、責任とか安全とか、それから社会での振る舞い(社会性)ということをちゃんと教育しています。そして、その中間は、学校で実際に外の車道に出て警察と一緒にやっている教育をきちんと毎年やっています。このように実践と理論を段階を追って学ばせている、なぜでしょうか。私は自転車というものは、車と比べて不完全な乗り物であり使いこなす技術を要する乗り物であると思います。私も車を運転しますから、バックするときとか後ろ確認のときにはバックミラーを見ます。でも、自転車は、バックミラーはほとんどないし、あったとしても非常に小さいもので後ろ確認はできません。
      アメリカは右側通行ですので、左側の肩越しに後ろが見える技術がなければ、親は子供を公道、外を走らせてはいけない。それからオランダでは、子供、幼稚園でも手信号ができる技術を持たないと、自分のおうちの敷地内から出てはいけないと教えています。それだけ自転車は車の中では非常に機能がない、ついていないものなので、人間の技術というのが非常に大事なのです。だから、教育というのはすごくシステマティックにしなければいけないのです。
      金沢で車道に自転車専用レーンを新設した後に、私たちは住民参加で街頭指導などいろいろとやっていますが、歩道を走る自転車は本当は後ろ確認して自転車専用レーンに出なければいけないのに、後ろも見ないで歩道からレーンに出る自転車の多いこと。このままでは、必ず事故が起きる可能性はあると心配しているのです。
      だから、そういう後ろ確認をする技術とか、自転車特有の技術をちゃんと指導できることは大切です。まだ警察官の方もそういう指導はできていないと思いますので、そういうきちんとした指導ができないで、ただ連携すればいいとか、教育を充実すればいいという言葉だけでは駄目だと思います。自転車の特性とそれに必要な運転技術というものを正しく身につけるように教育システムを確立しなければいけないと思います。
      以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
      これで時間が来てしまいました。申し訳ありません。次の議事に移りたいと思います。
      続きまして、議事(5)自転車交通安全に関する行政評価・監視結果につきまして、事務局より御説明をお願いします。
  • 福田参事官 それでは、最後の資料でございます。資料7をごらんください。
      こちらは、総務省さんのほうで自転車交通安全に関する行政評価というものをおやりになられました。この中で幾つか御指摘の事項があるのですけれども、計画に関するものの意見がございまして、この場でお示しするという御約束になっていますので、御説明をさせていただくものでございます。
      ほかにも自転車関係で交通環境のお話ですとか、情報の話ですとか幾つかございますのですが、今回御説明をさせていただくのは、その勧告を受けました4項目のうちの1項目という位置づけでございます。
      先に、結論を先に見ていただいてから、中身の御説明に入りたいと思うのですが、ページをめくっていただきまして、下に62と書いてあるところをごらんくださいませ。
      ここで総務省さんからいただいた「所見」が書いてございます。ここに至る過程はこの後御説明をさせていただきます。
      内閣府として自転車交通安全対策を総合的に推進する観点から中央交通安全対策会議における次期交通安全基本計画の検討過程というのは、この場のことでございますが、こういった場におきまして、公共団体の目標設定、これは自転車に関する目標の設定だと認識しておりますが、これに資するように、自転車乗用中死傷者数との交通安全対策に関する目標のあり方、示し方について論点を示して御議論をいただくようにという趣旨の御意見でございました。
      それでは、57ページに戻っていただきまして、内容の御説明をさせていただきます。
      この総務省さんの報告書の中に、現行計画上の位置づけなどいろいろ書いてございますので、まずはそちらを御紹介させていただきます。
      まずは、四角囲みに書いている部分。現行の9次計画での目標でございます。数値目標として27年までに死者数を3,000人以下、それから死傷者数を70万人以下にするというのが現行計画の目標になっております。
      自転車の関係につきましては、その枠囲みが下にございますが、諸外国と比べて死者数の構成率が高い歩行中、自転車乗用中の死者数についても、道路交通事故者数全体の減少割合と同程度、またはそれ以上の割合で減少させることを目指す。こういったことが9次計画上記載されているところでございます。
      9次計画を策定するに当たりまして、自転車だけではないのですが、ほかの部分的な目標ということも当時検討されたところですが、先ほどごらんいただいた基本施策等の調査の5年前の報告でございますが、9次計画の検討の段階では、高齢者、歩行者、自転車利用者の交通事故死者を減少させることに重点を置く必要があるが、対象別の死者数等について推計モデルを用いて科学的根拠を要する形での目標設定は困難であるという検討の中で、最終的には先ほどのような記述を計画の中に位置づけるということになったところでございました。
      57ページの下2行からは総務省さんのほうで実際の目標設定の状況を調査されたものでございます。都道府県10団体、市町村20団体についての調査と伺っております。
      58ページをごらんいただきますと、例えば東京都、新潟県、京都府といったところで、自転車による死者数ですとか、事故発生件数ですとかこういった目標を独自でお立てになっているところでございます。ほかに市町村ベースでも鎌倉市ですとか、豊橋市、堺市など幾つかこういった目標をお立てになっているところがあるというところでございます。
      一方で、自転車に関する特段の目標を設けていないというところもあったということでございまして、60ページをごらんいただけますでしょうか。
      この中で10件ほど、どこの都道府県かということは明らかにされておりませんが、こういった声があったということを示しでございます。
      最初のところは、国や都道府県で自転車の目標がないので、特段独自に設定することは予定していない。
      2番目は、都道府県や国で目標が設定されるなら自分のところも設定する可能性はあるけれども、生徒数や市の人口も減少している中でなかなか目標が立てづらいという話。
      それから、3番目のところは、国の目標が決まればおのずと割り当てが見えてくるだろうから、それが目標になるのかなというような話であります。
      4番目は、国の目標もないので、公共団体だけでどういう目標を設定しているのかよくわかりません。特に合理的な方法もないので、設定していませんというお話でございます。
      5番目のところも、同様の御意見でございました。
      6番目のところは、数値目標を設定していないのは、特に設定するという議論も上がっていないので、今まで検討したことがなかったというもの。
      7番目は、自転車の具体的な目標を設定しようとすると、全体の合理的な算定の方法の設定ですとか、いろいろな割り当て調整と実務的にいろいろな難しい面があるので設定していないし、今後設定を予定していない。
      8番目は、自分のところは常に自転車事故の発生件数がゼロになることを目標としているので、数値目標を設定すると逆に対策の制約になってしまうという御意見。
      9番目は、特に意識していなかった。
      10番目は、現在それがなくても特に足りているというさまざまな御意見があったということが書かれているところでございます。
      こうした中で、60ページの下のほうでございますが、総務省さんとしては、国が方針を示せば数値目標の設定があり得たのではないかという御判断でございます。
      積みあげ式の数値目標ばかりではなくて、多数のさまざまな方向を持つ取り組みがあるときに、一つの究極的な目標、例えば、自転車だけはゼロにするとかそういった目標を上げることによって、多数の関係者に示して自転車に対する取り組みの総合性、まとまりができて、施策が進展するのではないかというお話が書かれています。
      61ページの中段にかけてでございますが、交通安全の死者数目標なども積みあげというよりは、取り組み全体に総合性を当てることが効果があったのではないか。非常に幅広い関係の取り組みが必要な自転車というものについて目標設定というのを考えていく必要があるのではないか。ただし、その際には、全体の目標のほかにあえて自転車に絞った目標を設ける必要があるのか。その場合の問題はないか。こういったことについても考察が必要であるということをまとめられて、先ほどのような所見を出されたというところでございます。
      まずは、その御所見の御紹介でございます。
      勧告をまとめていただくに当たっては、総務省さんともいろいろお話をさせていただいたところ、最終的には総務省さんの御意見としてこうおまとめになって、今回、勧告を出されたということで、この場でお示しするということでございましたので、お話をさせていただいているところでございます。
      ただ、私どもとして少し思いますのは、例えば自転車交通安全対策に総合性を与えるという点につきましては、本日の資料にも書かせていただきましたが、自転車の安全対策というものについては、一つ基本計画の視点として大きく取り上げさせていただいているところでございます。
      そういう意味では、自転車が重要だということはもちろんでございますし、計画上もそういった位置づけを従来よりさせていただいていると考えております。
      自転車について、特に数値目標を設定すべきかについては、先ほどの総務省さんの御報告にもあったように、いろいろ推計をする中での困難性がある中で、道路交通死者数の全体の減少と比べて、同程度、またそれ以上の割合で減少させることを目指す。こういった方向性で取り組んだところでございます。
      地域における交通環境や交通事故の状況というのはさまざまでございますので、もちろん自転車がとても重要な地域であって、それをいろいろ目標設定などして取り組まれるという地域もあると思いますし、ほかにももっと優先度の高い、もしくは重要な課題をお持ちの地域というものもあると思いますので、それは、地域の特性に応じてそれぞれの地域でさまざまな取り組みをなさっておりますし、どこにしても自転車対策というのを一つの大事なポイントとしては恐らく捉えた中で、さまざまな取り組みをなされていると思っています。
      事故の形態というのは、自転車とぶつかりますのは自動車が一番多いところでございますし、例えば、自転車の交通安全を考える場合、自転車だけを見ていればいいということではございませんので、やはり自転車の安全をしっかり考えるに当たっても、その地域の交通の状況、さまざまな交通機関の状況というものを、総合的に見ていく必要があるのではないのかなと考えるところでございます。
      また、交通安全運動自体も交通に関わるさまざまな方々がそれぞれのお立場を超えて、御専門の分野を超えて全体として交通事故死者減少という共通の目標の下で活動されていると思いますので、そういう中で、自転車に限って個別の目標を置かれるということは、地域でも少し困惑があるのではないかなと心配をするところでございます。
      8次計画期間中と9次計画期間中で実際にどういう状況であったかというものが、今、見ていただいた資料の最後の表「参考」というところでつけさせていただきました。
      上の2つの四角が9次計画期間中の推移、下の2つの四角が8次計画期間中の推移でございまして、それぞれ上段が全体の死者数と自転車乗用中死者数の9次計画期間中、8次計画期間中の推移。下の四角が負傷者数の推移でございます。
      下の2つの四角からごらんいただきますと、それぞれ上の段の全体の死者数の減少が8次計画期間中は29%に対して、自転車という部分を切り出した場合には22%の減少にとどまった。それから、8次計画期間中の下の四角ですが、負傷者数は8次計画期間中、全体ではマイナス23%でしたが、自転車乗用中の負傷者数はマイナス18であったということでございます。
      一方、上に目を転じていただきまして、第9次計画期間中はどうかと申しますと、この27年の水準はまだ出ていませんので、26年の数字をごらんいただきたいと思います。死者数でいいますと、全体の死者数がマイナス16%に対して、自転車乗用中死者数の減少はマイナス19%。全体負傷者数がマイナス21%に対して、自転車乗用中の負傷者数がマイナス28ということになっているところでございます。
      9次計画において、先ほど御紹介したような全体の減少割合と同程度、またはそれ以上の割合で減少することを目指すとしたことについては一定の効果がこのように結果として表れているのではないかと思っておりまして、10次計画においても同様な形がよろしいのではないかと事務局としては現在考えているところでございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
      ただいまの事務局からの御説明に関しまして、御質問、御意見等ございましたら、お願いします。いかがでしょうか。
      どうぞ。
  • 三好委員 短めに。今日、私は群馬のほうから車で運転してきて、都内入ったらもう自転車で怖い思いをいっぱいして、今日の話題にぴったりと思っていたのですけれども、事故3件ぐらい起こりそうなところを見ながら来まして、本当に3車線のうちの2車線車が遠慮しながら走って、左は本当は走れるのですが、自転車がもう全部携帯持ちながらぶつかりそうになりながら、もう本当に私が打っていいのだったら打ちたかったぐらいのね。多分ああいう人が事故を起こすというのを全部見せてくれたような感じだったのですね。偶然、事故にはならなかったのですが、こういうことがいっぱいあるのでしょうけれども、特に都会は多いのかなという気がしましたね。
      地方とか都会とか、いろいろやり方があるというのもわかるのですが、車も自転車も生きるのも全部楽しくてすばらしいことなのに、みんな弱者にもなり、悪者にもなり、本当に立場が代わればそれこそ交通刑務所に入るのが自分なのかもと思うこともしょっちゅうあります。これがないようにするためには、本当にインフラを東京のとかルールとか変えるものはどんどん変えて、新しい道路とかはどんどんきれいに自転車も走れるようになったりするのですが、自分はもう東京を自転車で走るという気持ちがしないのですね。わからないですよ。みんなも車道走ったかと思ったらきゅっと歩道走れるところもあるし、マークとかはさっぱり実はわからなくて、自分の町しかもう走れないという状況です。これがもっともっと国際的に、オリンピックもあって運転する人も歩く人も、レンタルサイクルとかがはやってきたときに、もっと事故がふえるのではないかなという気がとてもします。
      本当に、先ほども幼児教育もありましたが、ヘルメットはやはり義務にしたほうがいいですね。これは、本当にそういう気もしますし、防ぐことができるのではないかということも思いつつ事故の現場を、なりそうな現場をきょうも見せていただいたので、皆さんの意見をぜひ取り入れてほしいなと思いました。
  • 赤羽座長 ほかにはどうでしょうか。
      どうぞ。
  • 新保委員 私は今回、千葉のほうに立ち寄ってきました。その時に、都会と地方の違いを感じ取りました。バスに乗車中、警察本部からの案内で交通安全啓発の呼びかけテープと、県知事の案内でオレオレ詐欺防止対策の案内もされていてすごいと思い、啓蒙啓発はどこでもできることを知りました。
      道路標示のラインはわかるようなラインがいいのではないかという話がありましたが、以前、私どものほうでは、一時停止は止まれまで表示されていたのですが、新たなところはもう止まれが表示されない状態になりました。でも千葉では、止まれ表示があり、おまけに自転車通行帯の青い線が所々にありました。狭い道路にも青い線があると、運転しにくい場所もありましたが、そういった道路状況も踏まえて、私は今回、よその県もちょっと立ち寄り勉強になりました。次回は都会と地方の違いの道路状況と環境の話が聞ければと思います。
      ありがとうございました。
  • 赤羽座長 自転車に関しては、特に地域性が高いようです。自転車乗車中の死者数にわが国全体として数値目標を設定すると、地方においても一律に設定されてしまう恐れがありそうです。その不都合のほうが、目標の設定効果より大きそうです。文言は不正確かもしれませんが、自転車乗車中の死者数の減少速度が総死者数と同等か、それ以上になるように目指すことでよろしいでしょうか。
      (「異議なし」という声あり)
  • 赤羽座長 どうもありがとうございました。
      それでは、これで定刻を5分ぐらい過ぎてしてしまったのですが、本日の議論はこのあたりで終わりにしたいと思います。
  • 福田参事官 熱心な御議論どうもありがとうございました。
      本日の議事につきましては、速やかに要旨を作成いたしまして、座長に御確認をいただいた後、会議資料とともに内閣府のホームページに公開させていただきます。また、議事録につきましては、第1回目同様に委員の皆様にも御確認をいただいた上で最終的にはホームページに掲載をさせていただきます。
      次回の日程でございますが、お忙しい中申し訳ございませんが、できましたら8月上旬までの間にぜひとも調整をさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
      場所は、この8号館の会議室を予定しておりますが、後ほど御案内させていただきます。
      以上でございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
      そのほかには、何かご発言がございますでしょうか。
      よろしいでしょうか。
      それでは、以上で第2回「中央交通安全対策会議専門委員会会議」を終了したいと思います。
      本日は御多忙中にもかかわらず、長時間にわたりまして御議論いただき誠にありがとうございました。これをもちまして、閉会とさせていただきます。