中央交通安全対策会議専門委員会議(第3回)議事録

  • 福田参事官 それでは、何人かまだお見えでない先生もいらっしゃいますけれども、定刻を過ぎましたので、これから第3回「中央交通安全対策会議専門委員会議」を開催させていただきたいと思います。
     私、内閣府で事務局をさせていただきます福田でございます。よろしくお願いいたします。
     本日は大変お忙しい中、また、お暑い中、皆様お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。本日御出席いただきましたことに御礼を申し上げたいと思います。
     それでは、初めに私どもの大臣官房審議官の安田より御挨拶を申し上げます。
  • 安田審議官 内閣府で交通安全を担当しております、大臣官房審議官の安田でございます。会議の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
     本日は、御多忙の折にもかかわらず、また、大変お暑い中、専門委員の皆様方には御出席をいただきまして、心より感謝を申し上げます。
     さて、昨今の交通情勢でございますけれども、昨日現在の交通事故死者数は2,298名ということで、前年比マイナス7名と大変小幅ながら減少傾向で推移をしているところでございます。しかしながら、先月7月14日におきましては、東名阪自動車道でバスがダンプに追突し、お亡くなりになった方こそいらっしゃらなかったものの、23名の重軽傷者を出す事故が発生をしております。また、航空交通におきましても、7月26日には東京都調布市で小型飛行機が住宅街に墜落し、3名の方がお亡くなりになるという事故が発生しており、道路交通を初め各分野の交通事故対策は、まだまだ多くの課題を抱えているところと改めて感じた次第でございます。
     今回は、第3回目の会議ということで中盤に差しかかってまいりましたが、第10次交通安全基本計画の骨子(案)や道路交通の目標に関する資料等を提示させていただいております。委員の皆様におかれましては、それぞれの分野における知見から忌憚のない御意見を賜り、本会議での議論を深めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  • 福田参事官 それでは、議事に入らせていただく前に、本日御出席いただいたお二人の先生の御紹介をさせていただきたいと思います。
     まず、座長の左手にいらっしゃる古関委員でございます。
  • 古関委員 古関でございます。よろしくお願いします。
  • 福田参事官 それから、反対側にお座りでいらっしゃる山内委員でございます。
  • 山内委員 山内でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 福田参事官 どうぞよろしくお願いいたします。
     なお、大久保委員、小浦委員、古笛委員、蓮花委員、4名の先生方につきましては、本日は御都合により御欠席と伺っております。
     続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきたいと思います。上のほうの座席表などをめくっていただきますと、まず、資料1でございます。こちらが前回の議事録でございます。
     資料2、一枚紙ですけれども、こちらが警察庁さんの施策の資料。
     資料3が文部科学省さんの資料。
     資料4が国土交通省さんの資料でございます。
     資料5が10次計画の目次の新旧対照表でございます。
     資料6が本日の中心課題の骨子でございます。
     資料7が前回、前々回いただいた御議論に対する対応ということでまとめました資料。
     資料8が前回も見ていただきましたけれども、各関係機関からいただいた御意見に対して、各省からの回答を記載した資料。
     資料9が、10次計画の道路交通の目標に関する資料ということでございます。
     それから、本日、松岡委員からも資料をいただいておりまして、席上に配付させていただいております。後ほど御説明があると思いますので、よろしくお願いいたします。
     お手元の資料で漏れなどがございましたら、お知らせくださるようにお願い申し上げます。よろしいでしょうか。もし、途中でお気づきの点がございましたら、いつでもおっしゃっていただきたいと思います。
     まず、資料1でございますけれども、この議事録につきましては、各委員の皆様にごらんいただいた上で、本日まとめてお出ししているものでございますので、特段御異存がないようでしたら、これで議事録として内閣府のホームページに掲載していきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
    (「異議なし」と声あり)
  • 福田参事官 では、そのようにさせていただきたいと思います。
     議事に入りたいと思うわけでございますけれども、実は、本日はいろいろ内容が盛りだくさんになっております。全体で2時間でということで先生方にはお願いしておりますし、いろいろ御都合の点で非常に厳しい中、御出席いただいているところでございます。申しわけございませんけれども、議事の進行に引き続き御協力をお願いしたいということと、時間が2時間でおさまらない場合もございますので、可能な範囲でぜひ御協力のほどをお願いしたいと思います。また、その上で、どうしても本日お話し切れないというお話がございますようであれば、また別途後ほど御意見をお伺いするといったことも考えたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
     それでは、以後の議事進行を赤羽座長にお願いいたします。
  • 赤羽座長 皆さん、こんにちは。
     それでは、本日の議題に移りたいと思います。議題はお手元の議事次第のとおりとなっております。
     まず、議事1「関係省庁による今後の交通安全施策の説明について」事務局より説明をお願いいたします。
  • 福田参事官 それでは、本日は警察庁、文部科学省、国土交通省の各省庁さんから御説明をお願いしたいと思います。まず、警察庁さんからお願いします。
  • 警察庁早川課長 警察庁の交通企画課長の早川でございます。
     それでは、お手元の資料2に基づきまして、次期計画を見据えました「警察における今後の交通安全施策」につきまして、御説明を申し上げたいと思います。
     説明は、次期計画の重点となると思われます項目に沿って、御説明をしたいと思います。まず、第一は「高齢者及び子供の安全確保」でございます。今後の交通事故抑止ということを考えた場合に高齢者人口が増加していることを踏まえ、事故に遭った際の致死率が高い高齢者の安全確保、また、次代を担う子供の安全確保が大変重要なことでございまして、警察におきましては、幼児から高齢者まで発達段階や各年齢層に即した段階的、体系的な交通安全教育を推進しているところでございます。
     特に高齢者につきましては、加齢に伴う身体機能の低下等を自覚していただいて、適切な交通行動をとっていただくよう促すということが大変重要でございますことから、できるだけ多くの安全教育の機会を確保いたしまして、シミュレーター等のいろいろな機材を用いた参加・体験・実践型の教育を実施いたしますほか、夜間や薄暮時間帯の事故を防ぐための反射材製品の普及、着用促進に今後一層力を入れていきたいと考えております。
     また、子供の安全確保を図るために、引き続き通学路におきます交通安全施設の整備等を推進いたしますほか、音響式信号ですとか、歩車分離信号などのバリアフリー対応型信号機、あるいは高齢者にも見やすく、分かりやすい大型高輝度の道路標識・標示の整備も進めていくことといたしております。
     それから、高齢者の関係で、高齢の免許保有者につきましても、今後さらに増加することが見込まれておりまして、高齢運転者による事故の防止ということも今後の大きな課題となっております。本年6月、75歳以上の免許保有者につきまして、臨時の認知機能検査を行って、その結果に応じた講習を行う制度の導入、あるいは認知症の疑いのある方には早期に医師の診断を受けていただくといったことを内容とした、道路交通法の改正が行われたところでございます。これらの規定は、これから2年以内に施行されることとなっておりますので、それらとあわせまして、高齢者講習の高度化、合理化を図るなど、高齢運転者に対する安全運転支援の充実を図りますとともに、さらには、認知症の高齢者の見守りといった施策につきましても、福祉、医療部局との連携も強めてまいりたいと考えております。
     2つ目の項目「歩行者及び自転車の安全確保」でございます。これにつきましては、人優先の思想に立ちまして、歩道が整備されていない道路について路側帯を設けたり、カラー舗装を行うなど、道路管理者と連携をいたしまして、歩行者の安全な通行空間の確保を図りますほか、自転車専用の走行空間の整備もさらに進めていきたいと考えております。
     また、自動車のドライバーに対しまして、高齢者を始めとする歩行者、あるいは自転車に対する保護意識の徹底をさらに図っていきたいと考えておりまして、歩行者妨害等の交差点違反の取締りを強化したり、あるいはドライバーに対する広報、啓発といったことを推進してまいりたいと考えております。
     さらに、自転車の運転者に対しましても、一層のルール遵守の徹底を図っていく必要があると考えておりまして、子供はもちろんですけれども、高齢者、大人を含めまして、自転車安全教育を推進いたしますとともに、悪質、危険な違反に対しては、指導、取締りを徹底してまいりたい。また、本年6月から自転車運転者講習制度が開始されておりますので、これらの的確な運用ということを含めまして、ルール遵守の徹底を図っていきたいと考えております。
     3つ目の「生活道路における安全確保」でございます。生活道路につきましては、ゾーンを設定しまして、最高速度30キロの区域規制や路側帯の設置、拡幅などを行いますゾーン30の取組を推進しておりまして、これまでに約1,800カ所を整備しておりますけれども、平成28年度までには約3,000カ所まで整備を進めてまいりたいと考えております。
     その他の生活道路につきましても、速度抑制や通過交通の抑制、排除を図る対策を積極的に推進することといたしておりまして、特に従来、生活道路における速度違反の取締りというのは、取締りをする場所とか時間の制約ということがありまして、なかなか実施が難しいというのが実態としてあるわけですけれども、現在、新たな自動取締り装置の導入に向けた作業なども進めておりまして、これらによりまして、生活道路における取締りの強化を図ってまいりたいと考えております。国土交通省さんの施策と連携をいたしまして、こうした取組を進めることで、生活道路における交通事故の防止が図られるのではないかと考えております。
     「その他重要施策」といたしまして、何点か申し上げたいと思います。
     まず、今後の事故防止を図る上では、さまざまな対策の前提となります交通事故分析の高度化を図る必要があると考えておりまして、現在、各都道府県警察でGIS等を活用した分析システムの整備を推進しているところでございまして、これらとともに国民にとってわかりやすい、あるいは関係機関にとっても活用しやすい事故情報の提供、発信にも努めていきたいと考えております。
     2つ目といたしまして、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けまして、今後訪日外国人の一層の増加が見込まれるところでございます。外国人に対しまして、我が国における交通ルールの広報、啓発をしたりとか、あるいは外国人にとっても分かりやすい道路標識の検討なども、今後進めていきたいと考えております。
     3点目でございますけれども、最先端の情報通信技術を活用いたしまして、例えば安全でゆとりある運転を行うために、必要な情報を車両に提供するシステムの導入といったことなど、警察におきますITSの推進を引き続き図ってまいることとしておりますほか、近年、政府においても取組を強化しております自動運転の技術がかなり進展しておりますけれども、これにつきましても、それが安全を確保した形で普及をしていくという限りにおいては、大変社会にとって有効といいますか、今後の事故防止にも大いに寄与するものとなると考えられますことから、警察といたしましても自動運転システムに関しまして、その実証実験を安全に行うための環境整備でありますとか、将来完全自動運転のようなシステムが実現した場合の、事故に対する責任、義務のあり方の検討といったことも今後進めていくこととしております。
     そのほか、信号機等の老朽化が進んでいることも踏まえました、戦略的な交通安全施設の維持管理に努めてまいりたいと考えておりますほか、事故分析を踏まえまして、事故抑止に効果が高いと認められる悪質・危険な違反などに対する指導取締り、また、飲酒運転など悪質な違反を伴う事故等につきましては、厳正な捜査を推進して、的確な行政処分を行うことによって、危険な運転者を早期に排除するといったことなど、広報、啓発、交通安全教育、あるいは法執行力の発揮、適切な交通規制や安全施設整備など多面にわたる取組によりまして、交通事故の抑止に警察として貢献してまいりたいと考えております。
     以上でございます。
  • 福田参事官 続きまして、文部科学省さん、お願いします。
  • 文部科学省竹林室長 文部科学省でございます。お手元の資料3に基づきまして説明いたします。
     学校における交通安全教育でございますけれども、各学校、小学校、中学校、それぞれ少なくとも年に1回は警察の方に来ていただいて、交通安全教室を開催されて、そこで子供たちに対する安全教育が行われております。また、いわゆるホームルームといったところで子供たちに交通安全について、教員のほうから指導を行っているところでございます。文部科学省としましては、そういった学校における交通安全教育を推進するために、教職員向けの安全教育資料を作成し配付する。また、児童、生徒向けの安全教育資料を作成して、配付しているところでございます。
     また、それぞれの学校における交通安全教育の指導者といった方々を対象にした研修会も開催しております。子供によっては通学、そのほか生活上、交通事故に巻き込まれることがないようにというだけではなくて、特に中学生以上になりますと自転車で通学したりしますので、自分自身が加害者にもならないという観点も含めまして、各学校におきまして、交通安全教育が徹底して行われていると考えております。また、最近では、万が一事故に遭った場合の応急手当ての方法であったり、そういったことも教職員に対してさまざまな研修の機会を設けております。
     学校における交通安全教育は、学校の外の地域の方々の協力がないと、なかなか学校だけで十分できない面もございますので、特に平成24年の京都府亀岡市の事故を受けまして、各地域で学校、市町村教育委員会、そして、それぞれの警察、国道を管理している国道事務所とか、県道を管理している道路管理者の方々とも一緒に協力しまして、通学路の緊急合同点検を実施しました。こういった地域の方々の協力を得て子供たちの通学路、交通安全を確保するために、さまざまな取組を文科省としても今度とも支援していきたいと考えております。
     以上でございます。
  • 福田参事官 国土交通省さん、お願いします。
  • 国土交通省西村室長 国土交通省でございます。
     資料4のほうに「国土交通省の今後の交通安全施策」ということで取りまとめてございます。内容的に道路交通、鉄道交通、海上交通、航空交通と分かれてまいります。担当の局並びに海上保安庁から御説明いたしますので、どうぞよろしくお願いします。
  • 国土交通省酒井室長 道路局の酒井と申します。
     まず「1.道路交通の安全」ということで御説明をさせていただきます。
     1ページ目をごらんいただきたいのですが、交通事故の現状の推移ということで左側に示してございますけれども、昔という言い方はおかしいですが、1万6,000人ぐらいから現在は4,000人ということで、こういった経緯があるということで、大体4期にわたって皆様方の知見とか、あるいは私どもが関係省庁と協力しながら、こういったものが実現されてきたのかなと思っています。
     他方、現状を分析したものが右にございます。「人口10万人あたり死者数」ということで、自動車乗用中につきましては、ほぼ先進国の中でトップということで今言っているわけですけれども、実は歩行者・自転車乗車中のところが先進国でも人口10万人当たりで考えると最下位ということで、ここら辺のところを何とかしないと、世界一の安全ということを目指すことはできないのかなと思っております。特に歩行者、自転車乗車中の死者数の半数が約500mの身近な道路で発生しているという現状もございます。この辺のところを取り組まなくてはいけないのだろうと考えています。
     他方、生活道路というものに、今まで何でそんなに取り組めていないのかというところの部分について御説明をしたいと思いますが、2ページ目ですけれども、日本と欧米の市街地の形成の形態が突出的に違います。日本は農村的な、自然発生的な住宅街といった形になっていますので根本的に道路の構造が違います。そういった中で私どもも道路整備を通じて、できるだけ安全な高速道路というものにできるだけ通過交通を変えていこうと思っておりました。ここにもありますように、高速道路は約10分の1一般道路に比べて安全性が高いということがわかっております。しかしながら高速道路の利用数を見ると、先進国の中を比べれば半分ぐらいという状況です。将来はできるだけ欧米並みの高速道路利用数に上げていくことが必要ではないかと考えています。
     3ページ目ですけれども、他方どのぐらいの整備が進んでいるのかということですが、10年ほど前には、例えば首都圏で考えますと3環状道路の整備は約3割でした。昨年、平成26年までで7割、今年度中には8割ぐらいまで達成するということで、おおむね幹線の通過交通を排除する幹線道路が整備されていく。
     ミクロ的な話をしますけれども、右のほうに例えば圏央道の神奈川県側がさがみ縦貫と言われておりますけれども、そこがつながりました。そこでは圏央道が開通いたしまして、そこの交通量が純増するわけですけれども、その近くの国道の交通量は5%程度ということでそんなに減りません。さらに、その下にある県道とか市道といったところを見るとかなりの交通量が減るという形になります。このエリア的なところで見てみると、6カ月間の比較ではございますけれども、事故件数も1割程度減っているという形で、できるだけ安全な高速道路に移管していったほうがいいのではないかと考えている。こういったことができたがために、まさしく生活道路に対しての安全対策というのは、本格的に取り組めるのかなと考えております。
     その取り組み方ですけれども、ビッグデータという形で自動車の走行データがいろいろなところで把握することが可能になっております。そういった細かい例ではございますけれども、どこでブレーキを踏んだのかとか、どこで速度が出ているのかといったところが結構細かくわかるようなことになりましたので、そういったものを使って分析をしていきたいと思っています。
     さらに、5ページ目ですけれども、そういった形で生活道路の危険な箇所がわかりますと、そういった部分の対策をしていきたいと思っています。先ほど警察庁さんからもお話がございましたけれども、ゾーン30という形で規制がされている。そういう生活エリアみたいなところになりますけれども、そこら辺の危険箇所を道路側からも入りにくい対策とか、あるいは速度が出にくい物理的なものをセットしていける形の取組というものも、今後やっていかなくてはいけないと思っております。この辺は各省庁と連携しながらやっていきたいと思っております。このような形で国土交通省としても、道路の交通安全対策について取り組んでいきたいと思っております。
     以上です。
  • 国土交通省久保田室長 引き続きまして自動車局から、自動車から見た安全の話を少し説明させていただきます。資料は7ページからになります。
     きょう、簡単に御説明させていただく点は3点でございます。1つはトラック、バスの事業用の車の安全、車そのものの安全、最後は被害者救済の立場での安全という3点、自動車局で取り組んでいるということでございます。
     1点目のトラック、バスといった事業用の自動車の安全については、前回の平成30年までに2,500人以下とする目標に対して、事業用の分野でも死者数半減、特に飲酒運転事故はゼロにしようということを目標に活動しております。事故あるいは死亡事故件数が減ってはいるものの、なかなか減っていかない。特に飲酒運転等では、まだまだゼロという目標には届いていない状況がありますので、さらなる事業者の安全意識の向上、あるいは関係者が一体となった安全対策の推進といったことを含めて、施策を実施しているという状況でございます。
     2点目の車両安全対策は、資料が8ページから14ページまでいろいろついております。これを一つずつ説明すると時間も足りませんので、簡単にどういったことが中に入っているかということをざくっと説明させていただきたいと思いますが、車側でも、毎回の第8次、第9次といった交通安全目標に対しまして、このうち車の安全対策でどれぐらい死傷者数を減らせるかという目標を掲げて、それに対して、実際に車の安全対策を進めることでどれぐらい達成できたかというPDCAを回しております。それが8ページのほうに書いてあります。
     それから、このPDCAを回して今までのところは、おおむね車両安全対策による効果というものは我々が計算しているわけでございますが、実際にそれを達成するための施策が9ページ以降に書いていますが、一つは車をぶつけたり、最近でありますと自動ブレーキの性能評価といったものをして、どれぐらい安全な車かというので個々の車の点数化をして公表していく。あるいはチャイルドシートについても同じような評価をして、特にチャイルドシートについては、車の販売店あるいは市町村の窓口のみならず、小児科、産婦人科といった子供が集まるところに50万部ほどパンフレットを置いておいて、こういった普及、啓発に努めているという状況がございます。
     それ以外に、新しい将来の安全な車の開発というものを、産学官で協力して推進していこうという活動もここ20年ほどやっておりまして、最近でありますと資料12ページのほうになりますが、自動運転ということも出てきております。先ほど警察庁さんからもお話がありましたが、関係省庁と連携しながらより安全な自動運転の普及、あるいはこういったことができるならば、運転者のミスによる事故を減らしていきたいということで、国際的な取組、国内の取組、両面からいろいろやらせていただいております。
     車両安全対策は、あと2つありますが、車から事故が起きれば自動的に医療機関等に通報するということやリコール制度等について、今年に入ってタカタのリコール等が問題になっておりますが、ああいった場合も含めて、いろいろ我々が調査できる場所を法律上で広げていって、より充実したリコール制度をやるといったこともやっております。これが2点目でございます。
     最後の3点目でございますが、安全運転の推進、あるいは被害者救済ということで取り組んでおりまして、主に事業用の運転者中心になりますが、あなたはどれぐらいの安全運転の能力がありますかと。こういうところに時々注意散漫になることがありますねという評価をしてあげたり、実際にどういったときに事故が起きやすいのか体感してもらう安全運転教育、あるいは実際の事故現場等に遭遇したときに、救急の応急手当てができるようにするための講習会、あるいは被害者救済ということで関係医療機関等に対する救急医療設備の整備、あるいはそもそもの医療機関の被害者救済の拠点の整備といったことも取り組んでいるという状況でございます。
     雑駁でございますが、以上でございます。
  • 国土交通省村田監理官 引き続きまして、鉄道関係について御説明をいたします。
     19ページをごらんいただければと思いますが「鉄道運転事故の発生状況」でございます。左のグラフのところを見ていただけるとわかると思いますけれども、鉄道運転事故の件数は長期的に減少傾向という状況でございまして、平成26年は773件という件数でございます。それから、平成3年のところと平成17年のところで死傷者が多い年がございますけれども、この年は大きな事故が起きた年ということでございまして、このように鉄道の場合、一たび衝突とか脱線といった事故が発生しますと、多くの死傷者が生じるおそれがあるということで、総合的にいろいろな安全対策を講じる必要があると考えてございます。なお、ちなみに平成18年以降、乗客の死亡事故は発生しておりません。これが鉄道最大の目標ではないかと思っております。
     右のほうのグラフでございますが、運転事故の種類ごとにどういった状況にあるかということでございます。まず、一番上の踏切事故が全体の約3割を占めてございますが、長期的には減少傾向にあると考えております。それから、2番目の人身障害は全体の約6割を占めておりまして、このうちの半数が一番下にありますホームの人身事故でございます。これにつきましては横ばいという状況でございまして、あと、ホーム事故について特徴的なことにつきましては、赤い点線で書いてございます。酔客によるものが約6割を占めているという状況になってございます。ちなみにホーム事故以外の人身障害事故としては、線路内立ち入りといった事故が該当するというところでございます。
     20ページ以降で、3点ほど施策について御紹介をさせていただきたいと思います。1点目は20ページでございますけれども「鉄道交通の安全に関する知識の普及」でございます。先ほど御説明しましたように、鉄道の運転事故の多くはホーム上での列車との接触、転落して列車等と接触、あるいは踏切の無謀な横断、線路内に立ち入るといった原因で多く発生しているという状況でございまして、鉄道事業者も安全対策を推進しておりますけれども、鉄道事業者だけではなかなかこういった事故を防げないということで、利用者あるいは踏切通行者、鉄道の沿線の住民の方々の協力が不可欠と考えているところでございます。
     こういった観点から、例えば鉄道の安全利用に関する手引でありますとか、児童向けの映像のコンテンツといったものを作成いたしまして、公表をしているという状況でございます。それから、各種のいろいろなキャンペーンとか啓発活動を行っておりまして、下の3つの箱がありますけれども、左から春、秋の「全国交通安全運動」でありますとか、あと「プラットフォーム事故0運動」「踏切事故防止キャンペーン」といった活動を関係機関、例えば踏切事故で言いますと国交省、鉄道事業者に加えて、関係自治体あるいは警察の方とも連携をしながら行っているという状況でございます。こういった対策は引き続き行ってまいりたいと考えているところでございます。
     2点目が21ページでございますが「鉄道輸送の安全確保に係る保安監査の体制強化」ということですが、保安監査といいますのは簡単に言いますと、鉄道事業者の現場に入って、安全確保の取組ですとか、法令の遵守状況を確認するという制度でございまして、これについて見直しを行ったということでございます。
     見直しのきっかけとなりましたのは、上のところに書いていますけれども、いわゆるJR北海道問題ということで、JR北海道で軌道の変位を補修せず放置していたとか、あるいは検査データの改ざんが見つかったという話がありまして、私どもとしては、平成26年1月24日に事業改善命令等を発出したということがございまして、こういった問題を受けまして、保安監査の中身について見直しを行ったということでございます。
     見直し結果が一番下の箱のところでございますけれども、幾つか御紹介させていただきますと、例えば過去の監査結果とか、事故の発生状況から事業者の体質等を体系的に分析して、それに基づいて方針を立てて、それに基づく監査を行う。より効果的な監査を行いたいということでございます。
     それから、例えば今までは重大な事故等が発生した際に、臨時に事業者に立ち入って保安監査を行うということがありましたが、重大な事故に至る前の段階で、トラブルの発生状況とかを踏まえて機動的に監査に入るでありますとか、あるいは監査のやり方の部分、一番下の部分でありますけれども、現場を重視するということで多くの現場に入るとか、あるいは一般職員クラスから個別に話を聞く。あるいはなかなか本監査につきましては、サンプルで抜き取って状況を調べるわけですが、そういった数を増やすでありますとか、改ざんという状況もございましたので、元データまでさかのぼって確認するとか、こういったことの取組を今年度から始めておりまして、来年度以降も引き続きこういった対応を行いたいというところでございます。
     最後は22ページでございますが、踏切関係でございます。踏切関係につきましては、事故の状況で御説明したとおり、長期的には減少という傾向でありますけれども、まだ改良すべき踏切道が残されているという認識をしておりまして、ここに掲げております対策を引き続き講じていきたいと思っているところでございます。
     3点ありますけれども、1つが踏切の立体交差化、歩道拡幅などの構造の改良、歩行者等の立体横断施設の整備の促進でございます。
     2点目ですけれども、遮断機を設置するとか、あるいは検知能力の高い障害物の検知装置を設置するとか、視認性をよくするということで全方位型の警報装置を設置するとか、こういった事故防止効果の高い踏切保安設備の整備を促進する。
     あるいは、一番下のところでございますが「踏切道の統廃合の促進」ということで、例えばでございますけれども、これは遮断機も警報機もない踏切でございますが、これが複数あった場合に、一つを1種という遮断機、警報機のついている踏切に整備、拡幅をして、周辺の4種の踏切を廃止するといった、統廃合の促進を進めてまいりたいと考えているところでございます。
     右下のところですけれども、高齢者ということでも対策を講じてまいりたいと考えておりまして、歩行者の年齢別の踏切事故の件数のグラフでございまして、ごらんいただきますと、65歳以上を高齢者と考えますと36%ということで、約4割を占めているという状況にございますので、高齢者の歩行者対策も重要な対策と考えております。
     具体的な中身ですけれども、例えば踏切の保安設備の整備のところに書いております。高齢者の方でも認識しやすいように、見やすい全方位型の警報装置を設置するでありますとか、あるいは踏切に取り残された高齢者に対する対策ということで、非常押しボタンの表示を見やすくするでありますとか、非常押しボタンを操作して、操作の内容について周知徹底、この非常ボタンを押すと列車に踏切で何かあったということを知らせて、運転士が列車を止める。事故を防ぐことができますので、こういった対策を講じていきたいと考えてございます。
     鉄道関係は以上でございます。
  • 国土交通省黒田室長 続きまして、海上交通の関係でございます。資料の23ページ以降でございます。
     まず、海上交通につきまして、どのような形で安全対策を講じているかという体制を少し御説明させていただきますと、23ページでございますが、国土交通省海事局というのがございまして、ここでは船や船員の関係などを担当しております。また、事故が起きた場合の原因究明などでは、運輸安全委員会というところもございます。事故が起きた場合の海難の救助でありますとか、あるいは海上交通を管制するということになりますと、右上にございます海上保安庁が役割を果たしてございますし、このほか港湾局、気象庁、あるいは水産庁とそれぞれいろいろな部署が連携をしながら、海上交通の安全対策に取り組んでいるという状況でございます。
     24ページでございますが、後ほど海上保安庁さんの関係については、別途御説明を申し上げたいと思いますけれども、私ども海事局の関係では船の安全確保ということで、大きく「船舶検査」でございますとか、あるいは「運航労務監査」という形での監査を行っているところでございます。「船舶検査」につきましては、船舶の構造や設備がきちんと基準どおりになっているかというものを確認するものでございますし、「運航労務監査」につきましては、運送事業を行っている事業者に対しまして、船員や運航の状況などがちゃんと規則にのっとって行われているかということを監査するものでございます。
     このほか、左下でございますが、外国の船舶に対しましてもPSCという形で、国際規則にのっとっているかどうかという観点から立入検査を行っているところでございます。また、右下にございますように「運輸安全マネジメント」ということで、事業者の自主的な安全対策の取組についても推進をしているところでございます。このほか「安全総点検」でございますとか「小型船舶の安全キャンペーン」ですとか、普及啓発的な活動も行って、ハード、ソフト両面からの安全対策に取り組んでいる状況でございます。
     25ページでございますが、このような対策をこれまで継続して取り組んでまいっておりまして、少し長期的な事故の動向を示したものでございますが、戦後非常に大きな事故も起きまして、多数の死者等が発生することもございましたが、近年では、大体2,000隻台前半ぐらいの事故隻数、死者等も減少してきているという状況になってございます。
     26ページでございますが、今後事故の件数等を減らしていくに当たっての課題と考えてございますのが、プレジャーボートを始めとする小型船舶に対する対策であろうと考えております。一番左にございますようにプレジャーボート、あるいは漁船という小型船舶が事故全体の7割を占めるという状況でございます。また、この原因を見ますと見張り不十分でありますとか、操船不適切等々、いわゆる人為的な、ヒューマンエラーの要因によるものが7割、8割を占めているという状況でございます。
     こういうことを受けまして、27ページでございますが、今後海事行政として取り組んでいく大きな課題としては、ヒューマンエラーの防止対策を進めていく必要があると思っております。大きく分けますと「技術の活用と普及」「自主的な安全対策の促進」「効果的な情報提供・注意喚起」という3つの柱を書いてございます。技術の面では、AISの普及などもこれまで取り組んできたところでございますが、今後スマートフォンの普及なども踏まえた対策を講じていきたいと思っております。また、自主的な点検あるいはトラブルシュートということによって、自主的に安全を確保していただくことも重要でございますし、特に救命胴衣の着用促進なども推進していくべき課題だと考えております。
     効果的な情報提供としては、先ほど申し上げた運航労務監理官でありますとか、船舶検査官といった職員による訪船指導なども実施をしてまいりたいと思っておりますし、また、免許については更新がございます。この更新の機会などを捉えて、講習の内容を充実させていきまして、情報提供等を充実したいと思っているところでございます。
     本日は時間もございませんので、このうち2つほど主なものを御紹介させていただきますと、まずは、28ページでございますが「スマートフォンを活用した船舶衝突事故の防止対策」とでございます。衝突防止についてはAISという機器もございますけれども、これも普及が必ずしも十分ではないということでございまして、他方でスマートフォンのような機器は非常に今普及をしてございます。これの通信機能を活用するとか、あるいは自船の位置情報を発信する、ほかの船舶の情報を入手することによりまして、安全を確保していくことができるのではないかということで、今後こういったものについて、開発などを進めていく必要があるのではないかと考えているところでございます。
     29ページでございますが、ライフジャケットにつきましても、近年さまざまな普及活動を行っておりまして、着用率が向上してきているところではございますけれども、毎年100人前後の海中転落による死者も発生をしているところでございます。ライフジャケットを着用しますと、生存率が高くなるということが左下の図にあるように明らかでございますので、この着用については、平成15年から一部の船舶について義務を課しているところでございますけれども、海中転落者の着用率が5割前後であるという状況に鑑み、今後、着用義務のあり方なども検討していく必要があるのではないかと考えているところでございます。
     続きまして、海上保安庁からです。
  • 海上保安庁安尾室長 海上保安庁です。
     海上保安庁からは、今回の10次の目標に掲げようと考えております目標に沿って、3つの施策を紹介させていただきます。
     まず、30ページになりますが、小型船の安全対策ということで、海難の約7割を占めていますのが小型船であるということに着目いたしまして、当庁では10次の計画の中で小型船の安全対策として、ここに書いてあるのですけれども、海難防止講習会等のあらゆる機会を通じて意識づけを強調、強化するということで、交通ルールの遵守等についての指導の積極的な推進を進めていきます。また、小型船につきましては航海計器等が非常に貧弱でございますので、特にスマホを活用しまして、先ほど海事局からもございましたが、当庁では既にスマホを使った情報提供を開始しておるところでありますが、7月1日からここに絵に示しておりますように、利便性向上を図るために、スマホ専用のウエブ画面を使って情報提供を開始しております。引き続きまして次の計画期間中には、浅瀬であったり、水深といった海図に記載のある情報のデータの重畳化も図っていこうと考えております。
     31ページですけれども、一たび海難が発生した場合に、多大な被害が発生するおそれのある輻輳海域におきまして、この安全対策を図る、強化するということで、まずは東京湾におきまして、東京湾全体を一帯に捉えて今は4つの港内管制室というのと、東京湾海上交通センターという船舶の管制を指揮する組織があるのですが、これを1つに統合しまして、東京湾全体を一元的に管制する体制を構築することとしております。
     32ページですけれども、一たび海難が発生した場合に、人命を迅速に救助するというところを目指しまして、絵に描いてあるとおりではございますが、遭難信号の即時探知を可能とする新型衛星へのシステムの移行、航空機等の代替整備に合わせた高性能化、特殊救難隊潜水士等の技能の向上、ライフジャケットの活用としまして、自己救命策確保に重点を置いた指導啓発を行っていくということで、こういったことに取り組んでいくこととしております。
  • 国土交通省松本課長 最後でございますけれども、航空分野、航空交通の安全につきまして御説明申し上げます。
     第10次計画期間中の対応すべき新規の事項及び重点的に取り組む事項につきまして、4点御説明申し上げます。  まず、33ページで1点目「航空安全プログラムの更なる推進」でございますけれども、ICAOの国際的な取組の中で進められております「航空安全プログラム(SSP)」と申しておりますけれども、これを着実に進めていくということでございます。具体的には安全に関する指標、目標値を設定いたしまして、この目標値を管理する形で安全対策を進める。また、監査等も行っていくわけですけれども、その際の基準をきちんとつくっていく。そして業務提供者については航空運送、管制、空港、3つの分野がございますけれども、こういった業務提供者に対して、この基準に基づきまして監査を強化していく。それから、安全情報を収集、分析し、それをもとにして予防的な安全対策を進めていく。さらには、安全文化というものをつくり出していくということを、このSSPを通じて進めてまいります。
     2点目が新規の国産ジェット、MRJへの対応でございます。MRJにおきましては、現在開発が進められているところでございまして、平成29年度中での実用化に向けまして、ことしの秋ごろの初飛行も含めまして、現在進めているところでございますけれども、これに対しまして私ども安全当局といたしましては、製造国としての責任というものを世界的に負っていくことが必要になります。したがって、そういった新しい立場に基づきまして、安全性の審査をきちんとして、安全性の高い航空機として、このMRJを世に送り出していくことについて、対応してまいりたいということでございます。
     35ページでございますけれども、引き続き国際も含めまして、航空交通が拡大をしている傾向にございます。この中で新たな技術の導入も含めて、航空交通の安全の確保のために、10次の計画期間中につきましても着実に施設整備等を進めまして、安全を高めてまいりたいと思っております。
     具体的な例として、3つほど挙げさせていただいておりますけれども、一番左側のデータリンク通信を使うことによりまして、通信の聞き間違い、話し間違いといったヒューマンエラーのファクターを軽減することが可能になり、より信頼性の高い通信が可能になるというものでございます。
     真ん中のところの「航空路監視機能の高度化」でございますけれども、現在二次レーダーで行っております航空路監視につきまして、より精度の高いさまざまな技術を活用いたしまして、信頼性の高い高度な航空路監視ということを進めてまいります。
     3つ目は空港のほうでございますけれども、滑走路誤進入というのが空港で起きる大きな安全上の懸念でございますが、これに対応するために警告灯でありますとか、そういったものを使いまして、ハード、ソフト、あわせて対策を進めてまいります。
     36ページ、これも新しい話題でございますけれども、無人航空機でございます。最近、技術の発達に伴いまして、ドローンと言われているマルチコプターのようなものも含めて、急激に普及が進んでまいっております。こういったものに対しまして、適切にルールに基づいて運航していただく。それによりまして、さまざまな分野での活用を進めて、新たな成長戦略にも結びつけていくということをやっていきたいと思っております。
     具体的には、7月14日に航空法の一部を改正する法案を閣議決定しておりますが、これが緊急に実施すべき第1ステップでございます。言ってみれば、無人航空機における最低限の交通安全ルールといったものをつくらせていただくということでございます。
     具体的な中身としては(1)として、国土交通大臣の許可を受けなければ、空港周辺でありますとか、あるいは人家が密集している地域におきましては飛行することを認めないこととし、安全を確保する場合に許可をするという形でございます。
     (2)でございますけれども、基本的には日中目視の範囲内で飛ばすといった安全に配慮した飛ばし方をしていただきますけれども、これについても安全をきちんと担保できるという方については、承認という形で柔軟に飛行させていくことにより、さまざまなニーズに対応していくということでございます。
     また、第2のステップとして、こういった安全ルールの上に利用促進と安全確保ということの両立に向けて、関係者の意見もきちんと聞いた上で、全体的な制度構築を図ってまいりたいと思います。さらに一番最後でございますけれども、国際的にもこういった無人航空機が運航していくという場面が近い将来想定されており、2019年を目途に国際的な検討が行われておりますので、これに積極的に参画していくということでございます。
     以上でございます。
  • 福田参事官 関係省庁からの説明は以上でございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     ただいまの各省庁からの御説明につきまして、御質問、御意見等がございましたら御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。後でお気づきになったことがありましたら事務局にメール等で御連絡ください。質問と回答につきましては、次回以降に、この場で共有させていただけるそうです。
     続きまして、議事2「第10次交通安全基本計画の骨子(案)について」事務局より御説明をお願いいたします。
  • 福田参事官 資料5、6、7、8でございますけれども、資料7は前回、前々回に委員の皆様からいただいた御意見等に関しまして各省の対応を簡潔に記載したもの。資料8は前回も見ていただきました、関係機関からの意見等についての各省の回答を簡潔に記載したものでございますが、こちらは時間の関係上、御説明を省かせていただいて、適宜御参照していただきたいと思います。
     まず、資料5でございます。10次計画の目次の新旧対照表でございますけれども、ほとんど同じになっていますので、変わったところだけを指摘させていただきます。
     まず、1ページ目の道路のところでございますけれども、第1部第1章第2節の安全の目標についてのところでございますが、現状について、小見出しで「1 道路交通事故の現状」「2 道路交通を取り巻く状況の展望」という小書きをしておりますが、この辺は少し簡潔にいたしまして「1 道路交通事故の現状」ということで、まとめさせていただきたいと思っております。
     第3節が、大分御議論いただきました視点の部分でございますけれども、9次計画との関係で、一つは「Ⅰ 今後の道路交通安全対策を考える視点」の「1 交通事故による被害を減らすために重点的に対応すべき対象」のほうが「幹線道路」が抜けまして、今回は「生活道路」に特化されるということでございます。
     もう一つ「2 交通事故が起きにくい環境をつくるために留意すべき事項」が、丸々10次で新規ということで挙がっておりまして、3つほど「(1) 交通実態等を踏まえたきめ細かな対策の推進」「(2) 地域ぐるみの交通安全対策の推進」「(3) 先端技術の活用推進」を追加させていただいております。
     「II 講じようとする施策」の8本立ては変わっておりませんが、被害者支援の記述の仕方につきまして、前回の御議論も踏まえまして、損害賠償の適正化というところを省きまして「被害者支援の充実と推進」と置かせていただいております。
     2ページ目は、鉄道、踏切がございますけれども、こちらは柱立てとしては変更箇所がございません。
     3ページ目の海上も変更がございません。航空の部分につきましては「II 講じようとする施策」のところで、いろいろ順番が変わっておりますけれども、変わったところは2点でございまして、前回の1番が「総合的な安全マネジメントへの転換」でございますが、今回は「航空安全プログラムの更なる推進」。それから5番目に今ほど御説明もございましたが「無人航空機の安全対策」が新規で入っているという状況でございます。  続きまして資料6、骨子について御説明を申し上げます。
     1ページ目「まえがき」の部分でございますけれども、死者数の状況などを御説明しながら、4番目の丸のところで「本計画は、平成28年度から平成32年度までの5か年の計画とする」としております。
     「計画の基本理念」は、現状同様8本の柱を立ててございますけれども「1 交通事故のない社会を目指して」ということで、4番目の丸として「究極的には、交通事故のない社会を目指すべきである」としております。
     「2 人優先の交通安全思想」でございますが、高齢者、障害者、子供等の交通弱者の安全を一層確保する必要があるとしております。
     「3 交通社会を構成する三要素」。人間、交通機関、交通環境という3つの要素でございますが「(1) 人間に係る安全対策」として、知識・技能の向上、交通安全意識の徹底などを書いております。裏側の2ページ目をごらんいただきますと、教育、普及啓発活動、住民の関与といったことを記載いたしました。
     「(2) 交通機関に係る安全対策」として、新技術の活用や不断の技術開発を挙げております。
     「(3) 交通環境に係る安全対策」の分野につきましては、人間と交通機関との分離を図る。接触の危険の排除、高齢化、国際化を踏まえ、また、防災の観点にも配慮するとしております。
     4番目が「情報通信技術の活用(ICT)の活用」。
     5番目が「救助・救急活動及び被害者支援の充実」。
     6番目が「参加・協働型の交通安全活動の推進」。
     7番目が「効果的・効率的な対策の実施」。
     8番目が「公共交通機関等における一層の安全の確保」としております。
     3ページ目からが、陸上交通についての記述でございまして「第1章 道路交通の安全」でございます。
     「第1節 道路交通事故のない社会を目指して」としておりまして、この事故のない社会を目指してという表現は、各交通機関共通で触れられている表題でございます。3番目の丸のところで「究極的には、交通事故のない社会を目指すべきである」。次の丸のところで、死者数の一層の減少に取り組むとともに、事故そのものの減少についても取組を行っていく。5番目の丸のところで、安全義務違反に起因する事故の抑止、生活面、環境面などを含め、あらゆる観点から交通事故が起きにくい環境をつくっていくとしております。7番目の丸のところで、地域の交通実態を踏まえて関係者が連携を強化し、住民が参加・協働していくということを記載しております。
     「第2節 道路交通の安全についての目標」でございまして、Iの1のところで「道路交通事故の現状」を記載させていただいておりまして、4ページ目の冒頭2番でございますが「道路交通事故の見通し」で長期予測の結果を記載させていただいております。3パターンの試算をいたしましたけれども、結果として、死者数については一番少ないものが2,500人、一番多いものが3,600人、死傷者数につきましては、一番少ないものが51万人、一番多いものが61万人でございました。目標値につきましては、現行の9次計画と同様の記載をしていきたいとは思っておりますが、数字については伏せております。この後、資料9に基づきまして、別途、この目標値については御意見を賜りたいと思っておりますので、そこでの御意見をぜひお願いしたいと思います。また、4番目の丸といたしまして、前回御審議いただきました歩行中、自転車乗用中の死者数につきましては、交通事故死者数全体の減少割合と同程度、またはそれ以上の割合で減少させることを目指すと記載させていただきました。
     「第3節 道路交通の安全についての対策」として「I 今後の道路交通安全対策を考える視点」でございますが、こちらは前回または前々回、いろいろ御議論いただいた結果を書いておりますので柱だけを御紹介いたします。5ページ目で「1 交通事故による被害を減らすために重点的に対応すべき対象」といたしまして「(1)高齢者及び子供の安全確保」。そして、中段ですが「(2) 歩行者及び自転車の安全確保」。次のページに参りまして「(3) 生活道路における安全確保」としております。
     もう一つ、10次計画で新たに入ります「2 交通事故が起きにくい環境をつくるために留意すべき事項」といたしまして「(1) 交通実態等を踏まえたきめ細かな対策の推進」「(2)地域ぐるみの交通安全対策の推進」「(3)先端技術の活用推進」という3本を置いております。
     7ページ目からが道路交通についての「II 講じようとする施策」でありまして、環境整備の点につきましては生活道路から入っておりまして、2番目の丸の2ポツ目ですと通過交通の排除、交通事故の多いエリアでの対策を推進していくですとか、5番目のポツですと通学路の安全対策、下から2番目の丸ですと、先ほども御説明がありました「高速道路の更なる活用促進による生活道路との機能分化」。
     一番下の丸からが幹線道路に入ってまいりますけれども、8ページ目に移っていただきますと、最初のポツのところで歩車分離信号の運用などが入っております。8ページ目の最初の丸のところで「自転車利用環境の総合的整備」。次の丸のところで「交通安全施設等の整備と戦略的な維持管理等」。この中では地域住民の参加のもとでの交通安全施設の点検などが記載されております。
     9ページ目は、2つ目の丸のところに「災害に備えた道路交通環境の整備」で、いろいろと記述をさせていただいております。また、一番下の丸のところで「道路交通情報の充実」。一番下の行でございますけれども、系統的でわかりやすい案内標識の整備ですとか、次のページに続きまして、案内標識の英語表記改善の推進、国際化の進展といったことも書かせていただいております。
     最初の丸のところは「交通安全に寄与する道路交通環境の整備」でございまして、2ポツ目では過労運転ですとか、高齢者の増加といったものに対応しまして、追い越しのための付加車線ですとか「道の駅」等の休憩設備といったことを記述しております。
     中段に「2 交通安全思想の普及徹底」というものがございます。最初の丸のところで、心身の発達段階や、ライフステージに応じた交通安全教育の徹底ということを書いております。2つ目の丸では高齢化の進展への対応、地域ぐるみでの高齢者の安全確保といったことを記載いたしました。
     11ページ目に移りますと、3行目ないしは6行目で、交通事故被害者の視点を踏まえ、または被害者等の声を取り入れるなどといったことを記述しております。中段の6つ目のポツなのですけれども、自転車利用者に対して交通ルールの遵守を徹底するなど、自転車の安全利用の推進、その次として、チャイルドシートの正しい使用方法の周知徹底といったことを記載させていただいております。
     12ページに移りますと、例えば上から3つ目のポツですが「大学生・専修学校生等に対する交通安全教育を推進し、若年層に対する教育活動の充実を図る」といった記述もございます。
     中段からが「3 安全運転の確保」でございます。最初の丸で運転者のみならず、これから運転免許を取得しようとする者までを含めた、運転者教育の充実ということがございます。3つ目の丸のところでは、高齢者対策の充実ですとか、免許の自主返納に絡んだ対策の充実ということも記載をしております。
     少し飛びまして、14ページの冒頭が「4 車両の安全性の確保」でございまして、2番目の丸の中で先ほども御紹介がありました先進安全自動車(ASV)の普及促進、自動運転技術の普及のための環境整備、その次の丸のところで、自動車アセスメントによる安全な自動車等の普及促進などを記載しております。
     15ページに「5 道路交通秩序の維持」。下のほうに「6 救助・救急活動の充実」という部分がございまして、めくっていただきまして16ページに参りますと、3番目のポツでドクターカーの活用促進、ドクターヘリの推進といったことが書いてあります。また、最初の丸のところで、事故自動通報システムの活用拡大といった記述もさせていただきました。中段の「7 被害者支援の充実と推進」ということで、内容をさまざまに記載させていただいております。
     17ページの下のほうからが「8 研究開発及び調査研究の充実」ということでございまして、18ページのところの上から5番目の丸で「交通事故分析のためのデータの充実・活用」ということでございました。前回、事故データと治療データのマッチングという御意見がございましたが、これにつきましては、病院が保有するカルテ等の診療情報には多くの個人情報があるので、その提供には慎重な検討が必要だという関係省庁さんの御意見も踏まえ、その辺についての記載は今していないところでございます。
     「第2章 鉄道交通の安全」でございます。「第1節 鉄道事故のない社会を目指して」となっておりまして、一番下のところに「II 交通安全基本計画における目標」がございます。乗客の死者数ゼロを継続する。運転事故全体の死者数を減少させるということでございます。
     19ページに参りまして「I 今後の鉄道交通安全対策を考える視点」でございますけれども、2番目の丸のところで、一層安全な鉄道輸送を目指し、重大な列車事故の未然防止を図る。また、3つ目の丸で利用者等の関係する事故の防止といったことを踏まえまして、さまざまな施策を記載させていただいております。
     21ページが「第3章 踏切道における交通の安全」でございまして、こちらも「第1節 踏切事故のない社会を目指して」としております。中段の「II 交通安全基本計画における目標」でございますけれども、こちらの数値目標はないのですが、交通事故の発生を極力防止すると立てております。「I 今後の踏切道における交通安全対策を考える視点」につきましては「開かずの踏切」の対策、踏切道の立体交差、統廃合の促進など、さまざま記載をさせていただいております。
     23ページが海上交通の分野でございます。下のほうに目標数値がございますが、海難隻数を平成32年までに2,000隻未満とするとなっております。また、輻輳海域での大規模海難の発生数をゼロとするという目標になっております。また、3番目の海難等における死者・行方不明者を減少させるために救助率の向上ということで、これを95%以上とするということにしています。「I 今後の海上交通安全対策を考える視点」につきましては先ほどもございましたが、ヒューマンエラーの防止、小型船舶に対する対策、旅客船の事故防止などを記載しております。
     少し飛ばさせていただきまして、最後に29ページ「航空交通の安全」でございます。こちらも「第1節 航空事故のない社会を目指して」ということでございますが「Ⅱ 交通安全基本計画における目標」につきましては、本邦航空運送事業者が運航する定期便について、死亡事故発生率及び全損事故率をゼロにする。もう一つが、今回非常に子細な表もついておりますけれども、14の指標につきまして、過去5年間の平均値から年率7%の削減を図っていくということにしております。航空安全プログラムとの関係につきましては、整合を図っていくという記述を一文加えております。
     30ページに「I 今後の航空交通安全対策を考える視点」が書いておりますけれども、航空安全プログラムのさらなる推進、増大する航空需要への対応及び航空交通システムの安全維持・向上といったことを記載しておりまして、32ページの5番のところで御説明のありました「無人航空機の安全対策」についても、新たな柱立てを書いているということでございます。
     非常に簡単でございますが、説明は以上でございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     前回までの委員からの御提案、御指摘に対応している部分に、特に焦点を当てて御説明いただいたようです。これを踏まえまして、委員の皆さんから御意見や御質問をお願いいたします。
     なお、時間の都合上、一人2分程度でお願いしたいと思います。松岡委員はこの後に御予定があって、すぐに退席される必要があるそうですので、最初に御意見を伺いたいと思います。松岡委員、お願いします。
  • 松岡委員 それでは、前回、私が申し上げたことに対しまして、大分一覧表でもって対応していただいておりまして、どうもありがとうございます。
     参考資料で配付しておりますのが、簡単に紹介しますと、さいたま市での「小学生の自転車免許制度について」ということで、実はさいたま市の全小学校において、4年生を対象に自転車の免許証を配っている。その後ろのほうにどういう実技をやるかということと、小学生にやらせる試験問題でこんなことを教育で学習しなさいということでやっています。非常に効果的なことで、既に10年以上やっているということだそうです。
     聞きましたら、三鷹市でも同じようなことをやっているということで、かなり全国規模で展開しているのではないかということで、交通知識の普及とか安全意識の醸成に役立っていると思われますので、今後の全国展開を図っていただくとともに、将来的には非強制でもよいので、自転車免許のようなものを少し導入していただければということを視野に入れて、第1章第3節のIIの2でもって記述を書くということもおっしゃっていただいておりますが、IIの1の施策のほうでも具体的に少し書いていただければと思います。
     あと、前回は言えなかったのですが、電動アシスト自転車が大分普及段階になってきていると思いますが、この際、ヘルメットの着用義務を少し言ったらどうかなと思います。普及してしまった後だとなかなか言いにくいと思います。
     それから、前回発言しました歩行者・自転車優先ゾーンということで、このアイデアを多くの安全工学の専門家に話したところ、多くの方に強く賛同していただいたということで、ぜひとも第1章第3節のIIの1に具体的な記述を書いていただければと思います。先ほど説明をいただきました国交省さんの5ページでも、ゾーンのようなお話がありますので、もう一歩という感じで考えています。
     速度制限30キロという件につきましては、既に20キロメートルということも言われているということで、このようなことでよろしいのではないかということです。それから、一時停止のペイントは法規則でもって、なかなか法定外のものを書くことは難しいということですが、安全性を考えた場合には法のほうも柔軟に考えて、改正すること等も考えていただければと思います。  自動車のほうは以上です。
     あと、鉄道の踏切のほうですが、第3章第2節のIIの3のほうで「踏切道の統廃合の促進」という記述がありますが、国交省さんの資料の22ページもこの辺のことが書いてありまして、4種の廃止を目標とするような文言を少し入れていただければと。廃止といってもなくすのではなくて、3種化というか警報機をつけるということでもって、非常に不便なところの踏切をなくされてしまうと、住民の方は困るということです。
     ライフジャケット、AISの記述については、ここで対応していただいている記述でオーケーではないのかなと思います。
     ちょっと言い忘れたのですが、歩行者・自転車優先ゾーンというのはぜひ試験的にでも結構ですので、実施できる体制にしていただきたい。実施するかどうかはもちろん地域の住民の方の賛同が必要なわけで、その賛同があった場合のみに試験的にやるということであれば抵抗感が少ないのではないかと。恐らく賛同するあるいは希望する地域、住民も結構あるのではないのかなと予想はしておりますということで、一方的に言わせていただきましたが、以上のような意見でございます。どうもありがとうございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     小学生の自転車運転免許制度に関しては、前回、新保委員からも新潟県の様子をお話しいただきました。特に事務局からありますか。よろしいですか。
     それでは、ほかの委員の方からお願いします。どうぞ、森本委員。
  • 森本委員 30分で退席しなければいけないので、先に言わせていただきます。  前回発言した内容を、資料に入れていただきましてありがとうございます。ただ一点、前回もう一つの提案は安全なエリアをつくって、人を住まわせるような根本的なまちづくりとの因果関係を考えていただきたいという発言をしたのですが、残念ながらそれは資料7に反映されておりません。見たところ、資料6の7ページに「1 道路交通環境の整備」という項目があります。安全なまちづくり、道づくりをするというのは非常に重要な視点でありますが、一方で財源にも限りがございますので、エリア全体を安全な空間に仕上げていくというのは極めて難しい話でございます。
     一方で、人口減少社会でコンパクトなまちづくりを目指しているわけでございますから、事故が発生した場所をシラミ潰しに、モグラたたき的にやるのではなくて、かなり効率的に安全施設を町の中のしかるべきところにきちんとつくっていくという戦略的な方向性を、きちんと打ち出していったらどうかなと思っております。  8ページのほうにも「交通安全施設等の整備と戦略的な維持管理等」と書いてあって、こういう戦略的というところの意味合いからすると、全域的に、広域的にやるということではなくて、現存する施設を上手に使いながらという意味だと思いますので、ぜひともそういう視点を入れていただければと思いました。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     川端委員、どうぞ。
  • 川端委員 私も、実は会議が重なってしまって出なければいけないので、僭越ながら、とうが立った新人ということで早目に発言させてください。
     私は、自分に子供がいるのでどうしても気になってしまうのですが、国交省さんの資料の10ページにある「チャイルドシートアセスメント」を50万部も刷っていただいていて、幅広い配布場所ということなのですが、妊婦の友人とかがチャイルドシートのことがわからずに随分質問を受けるのです。実は的確に届いているかというと、置いてあるけれども、ちゃんと見ているかというのはわからない状態になっているのではないかと思います。そういう意味では、例えば母子手帳と一緒に配るということで、私、実は母子手帳と一緒に配られたものというのは、結構くだらないものも含めて大分よく見たのです。大したことない生活指導なども入っているのですけれども、すごく繊細な時期でよく見たので、できれば母子手帳と配るということで、かなり50万部の活用というのはできるのではないかと思います。
     特にチャイルドシートは、取りつけの仕方を間違っていたりとか、買っても意味がないという方も随分いたりとか、中古で済ますという方も大変まだいるのです。なぜかというと、必ず新米の親が発生するということなので、幾ら教えても砂に水をまくのと一緒で教え続けなければいけないという作業になると思います。2人目、3人目という方が大変少ないので、新米の親が毎年毎年いると思った教育が必要だと思うので、せっかく50万部も刷っていらっしゃるということなのでもっと的確な、一番いいのは母子手帳と一緒に渡すということで、それは薄くして半分の値段でつくって、100万部にしてみんなに渡すくらいで私はいいと思っているのですけれども、そういったことができたらと切にお願いしておきます。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     これは、私の発言時間に加えていただいて結構です。フィンランドでは、産婦人科医院でスタッフが、これから子供を持つという親に対して、そういう情報を提供して、相当効果を上げているという話を伺ったことがあります。フィンランドの専門家から直接伺いました。いろいろな方面から御提案のように、そういう情報を流していただくことが、これから重要になってくるのだろうと思います。
  • 川端委員 実はスウェーデンですと、その講習を受けないと産婦人科から退院できないというくらいになっていて、京都でそういうことを手弁当でやっていらっしゃる先生がいらっしゃるのですけれども、手弁当だとなかなかつながらないので、こういうことこそ国がやるべきかなとは思います。お願いいたします。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     ほかにはいかがでしょうか。久保田委員。
  • 久保田委員 2点ほどございまして、資料6の4ページのIIの白丸の4つ目です。諸外国に比べて死者数が高い。歩行者、自転車の話なのですけれども、この死者数全体の減少率と同程度にするということは、いつまでも追いつかないというか、今、自動車乗用中とかほかの状態別に比べて危険度が高いわけですから、それと同じ減少率にするということはずっとそれを追っかけ続けることになってしまうので、今の段階ではドラスチックに歩行者、自転車を減らすと打ち出していただいたほうがよいのではないかと思う。または「それ以上の割合で」という、ここをもっと強調する言い方にしていただくほうが、歩行者問題をかなり強く打ち出すことになるのではないかと思います。
     もう一つが、同じ資料の6ページの2の(1)です。「交通実態等を踏まえたきめ細かな対策の推進」というところで、今回地域ということを取り上げていただいたのは非常にいいと思います。全国一律の考えではなくて、地域を見ていくということなのですけれども、実はこの地域というのは大きく分けて2つぐらいのレベルがありまして、1つは都道府県ぐらいのレベルで、例えば県民性みたいなことを分析すると、かなり同じ日本でもびっくりするぐらい運転の仕方とか、横断のくせとかが違ってくるのです。そういう地域性を捉えて、例えば交通安全教育を県民性に応じてやっていくということもあるのです。
     一方で、もっと狭いもの、この道路のこの交差点はちょっと木がはみ出ていて危ないよというポイントのくせです。そういうものについては、ここに書いてあるような詳細な分析、情報でもって、そこでぎちぎちやっていく。
     ですから、最初のほうで、例えば県民性とか、言葉はどう選ぶかはわかりませんけれども、そういう大きなほうも考えるということを、ぜひここで取り上げていただきたいと思います。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     いかがでしょうか。益子委員、どうぞ。
  • 益子委員 ドクターカーやドクターヘリの事業の推進、ACNの活用拡大というところを盛り込んでいただいて、大変感謝しております。
     ただ、次の18ページのところの交通事故分析のところになると、医療データは個人情報だからといって腰砕けになっているというのが私は残念でして、アメリカでも、ドイツでも医療データの個人情報の部分を削除した上で、研究に活用するという仕組みなので、個人情報だからだめだというのではなくて、個人情報をどう削除したら使えるかということをぜひ考えて、盛り込んでいただけると本当にうれしいなと思います。
     きょうは、もう一点追加させていただいて、32ページの航空の「8 救助・救急活動の充実」でありますけれども、今、成田空港の中で急患が発生した場合には、北総のドクターヘリ、君津のドクターヘリ、千葉市の消防ヘリ、災害のときには自衛隊というのは、迅速に駆けつけて治療を始めるという態勢ができております。
     ところが、残念ながら羽田空港はまだそれが未整備の状態であり、千葉県、埼玉県、神奈川県のドクターヘリが迅速に駆けつける体制が出来ていません。空港というのは非常に特殊な環境ですので、救急隊が救急車で走っていって患者さんにアクセスするのにとても時間がかかります。そこから病院まで1時間以上かけて運ばなければならない。こういうのが現状であります。起こってはならない事故が万が一空港で起こったときには、救急車だけではどうしても対応しきれませんので、そういうときにはヘリコプターを使った救急医療が絶対に必要です。君津中央病院のドクターヘリであれば、羽田空港まで僅か10分で駆けつけられるのです。
     空港における事故時の救助・救急に関しても、ドクターヘリ、消防防災ヘリ、そして、自衛隊ヘリ等も活用したヘリコプター救急を活用するということを、ぜひここに盛り込んでいただきたいと思います。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     いかがでしょうか。山内委員。
  • 山内委員 2回欠席しましたので、具体的な内容ではないのですけれども、私がこれから申し上げることはどこかに入っているのかもわからないのですが、先ほどの御説明でもう一つ考えておかなければならないかなと思ったのは、施設の劣化とか老朽化等の安全問題で、ここのところ5年間ぐらいで、インフラの劣化・老朽化の問題というのが取り上げられていて、そのことが新しいこの計画には反映されるべきではないかなと思います。
     具体的に言うと道路については、これはインフラ部分の道路としての劣化はこれからどうするかという議論を随分やられていますし、鉄道なんかも施設の老朽化によって事故が起こったというケースもある。航空とか港湾などもそうなのだと思うのですけれども、具体的にこうだと書かなくても、その辺の起こってきている意識とか問題点をどこかで触れていただいたらいいかなと思います。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     どうぞ、三国委員。
  • 三国委員 どこに書かれているかというのはわからないので、私が気づいたことを申し上げたいと思うのですが、自転車の安全教育に路上大型スクリーンを活用してはいかがでしょうか。実は先週新幹線で大宮駅に着いたときに、駅構内からも見えたのですが、向かい側のビルに設置してある路上大型スクリーンに小学生ぐらいの女の子たちが映っており、その子供たちが自転車の安全教育を広報していました。自転車の安全教育の広報というと通常は自転車に興味のある人とか、関係がある人しか見ないし、テレビもある程度限られた番組でしか取り上げられません。ですから、先ほどのような路上大型スクリーンを活用し、このような広報映像を政府で作って各自治体に貸し出せばいかがでしょうか。金沢市でも自転車交通に関わる職員に話したところ、交差点にある路上大型スクリーンを活用すれば横断歩道で待っているときとか、かなりたくさんの人の目に触れるので、教育効果があるのではないかと話していました。
     第二に高齢者の免許の返納についてなのです。石川県警の方に強く言われたのですが、免許返納するのは簡単なのだけれども、実は、地方では高齢者の足の確保がないとそれができないから、そこを何とかしてほしいということで、「交通安全基本計画」のどこかにそういうことを書いてほしい。
    第三に、自転車専用信号についてです。「第9次交通安全基本計画」で、道路交通の安全対策の重点項目に「歩行者および自転車の安全確保」が掲げられており、以来各地で自転車走行空間の整備が進んでいます。限られた道路空間で自動車と自転車を安全に走行させるためには、自転車専用通行帯の整備の他にも、交差点での安全で円滑な交通制御のためには、自転車先進国で見られるような、2灯式自転車専用信号が日本でも必要ではないでしょうか。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     いかがでしょうか、次の方、どうぞ。
  • 古関委員 私も初めての参加ですので、既に議論されたこと等と重複があるかもしれないのですが、第10次として今までと違うことは何かと考えたときに、多分個々のところではいろいろな対策が書いてあると思うのですけれども、一つは情報携帯端末をみんなが持っていることで、ながら歩きだとか、ながら自転車というのがあって、これが危険を増しているということはここ数年間で非常に顕著なことで、それは横通しの議論として、どこかに書いてあってもいいかなと。それが交通安全教育になるのか、ルールの問題なのかはわかりません。答えはわかりませんが、問題意識としてはそこがあってもいいかなと。
     高齢者が増えたということで、体力、判断力が衰えて、免許返納という話もありましたけれども、鉄道局では具体的に踏切をどうするかということを議論しておりますので、体力、判断力が衰えることによって、いろいろな問題が出てくるという点が横通しの問題意識としてあってもいいのではないか。
     次が書けるかどうかわからないのですけれども、一個間違うと差別になってしまうのですが、実は外国からのお客さんが増えるということに対して、英語でいろいろな標識を出すとか、日本語がわからなくてもわかるような標識にするということが書かれていると思うのですが、実は言葉の問題だけではなくて、ルールの考え方とか、安全の考え方が違うことによって出てくる問題というのが多分あって、私は大学にいて、留学生がふえることはグローバリゼーションということで、大学としてはどんどん推進する方向なのですけれども、結果的に例えば、変な話ですと研究室の水回りが荒れてくるとか、そういう現実的な問題というのはあります。
     これは、多分交通というのも非常に日常の中であることなので、外国の方を差別することにはなってはいけないと思うけれども、しかし、多分の普通の日本人の常識とルールを守ることへの厳密さだとか、安全性に対する基本的な考え方が多分違うお客さんが、鉄道の場合だとお客さんだし、歩行者ということもそうだと思いますけれども、特にオリンピックでお客さんがたくさん増えるときに多分あると思うので、そこをマイルドな表現でも明示的に意識しておけるといいなということを、今、全体を見渡したときに書かれていないこととして、以上3つのことを思いました。
  • 赤羽座長 確かに交通というのは地域性が高いですね。それをきちんと認識して、対策していただくことが、肝要ということでしょう。ありがとうございました。
     いかがでしょうか。どうぞ。
  • 水野委員 まず、11ページ目のチャイルドシートに関するところなのですけれども、先日、私の家の近くで小学2年生の児童さんが車外放出で亡くなったという事故がありまして、全体を通して6歳児以降の子供たちに対しての安全が抜けているのではないか。そういった子供たちに対しても、きちんとチャイルドシート、ブースターになるのかもしれませんけれども、そういった着用ないしは安全性を進める施策を織り込んでいただきたいというのが1点目です。
     2点目が、14ページのASV関係ですけれども、今、盛んにテレビの宣伝などでも自動ブレーキが出ていますが、そういった効果に対してぜひ検証していただいて、義務化が必要でしたらしていただく検討をしていただけたらと思います。
     最後に、17ページの上から2個目の丸の2ポツ目の自動車事故対策機構による療護施設の設置・運営を適切に推進するとあるのですけれども、私も先日この療護施設に行ってまいりまして、被害者の方が大変重篤なのですが、3年間で出なければいけなかったり、そういったところもあって、ある意味こういった交通事故での一番の被害者に対して、単純に適切に推進ではなくて、もっと充実させるとか、そういった文言が入れられないのかと感じました。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     自動ブレーキに関しては、現状で車両の安全性に関していろいろな試験が行われています。ただ今の御意見は、例えば、飛び出してきた歩行者の回避性能に関して、もっと現実に近い環境で評価した結果を示すべきだということなのでしょうか。
  • 水野委員 事故データに基づいて有意性を出していただいて、かなり減少すると思うのですけれども、もしそうでしたら、法規で対応していただけないかという意味です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     次の方、どうぞ、三好委員。
  • 三好委員 私も2、3あるのですが、軽井沢で先ほどおっしゃっていたことが全くあったのですけれども、今、軽井沢という町はアジアの観光客が多くて、どんどん変わってきて、日本中そうだと思うのですが、ちょうど警察の方が町中に全て配布をして、海外の方に日本の交通はこうなっていますというのをちょうどやっている日だったのです。みんなでこんなに広がってからでは遅いというのは言っていて、もっともっと早くやるべきだったのになと言いながらやっていたのですけれども、そういうことがすごく必要になってくるのだなと改めて思って、確かにこの中には書かれていない気がしたので、ぜひ織り込んでほしいなと思いました。
     書けるかどうかというのがわからないのですけれども、今はどこに行っても異常気象で、自然がこれだけ変わってしまった世の中で、どんどんそういうことでの交通、空も、陸も、海もそういうことですごく被害があって、事故も変わってきているところがあると思うのですけれども、自然災害とか、地球規模で何かが変わっていることの不安感みたいなものがこの中にはない気がするのですけれども、何か言葉でそれを織り込めないのかなという気はしたのですが、難しかったら全然あれなのですけれども、私たちが地球の上で、自然の中で動いているわけだから、これは自分たちのつくっていくものに感じるのですけれども、それが大自然の上に成り立っているというのが感じられない気がして、そういうものでもいいのかなという気はしているのですが、自分でも言葉がまとまらないのです。
     あと、11ページに、川端委員がおっしゃっていた母子手帳のことなのですけれども、真ん中よりちょっと下に、これはそれに当たるのか当たらないのかと思ったのですが「母子健康手帳等を通じ、チャイルドシートの正しい使用方法の周知徹底を図る」とはイコールではないのですか。これは川端さんがおっしゃっていたことなのかなと思ったのですが、違うのかなと思いながら、もう既に書かれていたのかなと思ったのです。
  • 福田参事官 厚生労働省さん、何かありますか。
     どうぞ。
  • 厚生労働省 厚生労働省の杉浦でございますが、そちらに関しては、直接の担当者が本日出席しておりませんので、後ほど改めて解説させていただければと思います。
  • 赤羽座長 よろしいですか。ありがとうございました。
     次の方、どうぞ、地藤委員。
  • 地藤委員 11ページに、3世代交流の事業を推進するという内容が入っていることには非常にうれしく思っております。
     また、12ページの「大学生・専修学校生等に対する交通安全教育を推進し」となっておりますが、私は知識的にわからないのですが、学校と表示する場合は義務教育のところでしょうか。私は、自動車免許取得前の高校生の安全教育は絶対的に必要と思いますので、ここに大学生以前の高校生を入れていただけたら、非常にうれしいかなと思っております。
     先ほど、出ておりました劣化問題で、香川県でもさきの台風で丸亀市内の橋が通行できなくなっておりますし、西讃地方の橋のさびでコンクリートが60センチほど落下したという事故が起きております。地方では、もう50年以上たっている橋、鉄道の橋脚といったものがありますが、そういったところの安全点検の徹底が急務ではないかと感じました。
     それと、高齢者の移動手段として、田舎では、なかなか免許返納という問題はつらいところがあります。ただ、前回もお話ししましたが、シニアカーの普及が非常に広がっております。昨日、私の近所のスーパーから帰る途中で、シニアカーが前に1台走っていたために十数台の車の渋滞が起きました。車の方は皆さん、それを追い越すことが怖くてできないのです。そして、シニアカーの人は必死なのです。必死で走るのも怖いし、追い越すのも怖いしということで、シニアカーの取り扱いについては、法的にも講習等のことについても今はどうなっているのでしょうか。シニアカーを使うための事前の講習の義務というのがあればうれしいかなとか、シニアカーについては問題点をクリアできる方法を考えていただけたらうれしいかなと思っております。
     香川県では、死亡事故が前半で3倍近く起きて、昨日ですが、67日ぶりにまた死亡事故が起きました。67日間死亡事故がなかったのですが、実は香川県の浜田知事は異常な死亡事故の発生件数を考え、数ある会合に出ますと最後に交通安全について「強い強いお願いをしたい」という挨拶で必ず締めくくられます。知事だけではなく、私が関係しているところでの会議、JAさんというところでも、県から挨拶に来られた部長さん、課長さんの方は全員が、挨拶の締めくくりは交通事故撲滅に向けて「交通安全には十分注意してください」という言葉で必ず締めくくられているようです。私は地方自治体の情報提供等の義務というのも大切ですが、地方自治体の長は地方自治体の交通安全対策協議会の最高責任者でございます。そういった人がそういう交通安全についての内容を言葉として、寄ってきている人に話すということは非常に効果があります。
     私どもの地元の町長さんは、国からこういうものはこういうふうにしなさいと言ってきたら忠実に守ります。首長さんは上からの指令には非常に忠実ですので、ぜひ地方自治体の交通安全対策協議会の責任者である長の方は、あらゆる会合で交通安全についての推進に関する話を常にすることを義務づけると言ったらおかしいのですが、私は、これは非常に効果があるのだなというのを地元で実感しております。ぜひそういったお願いを組み入れられたらと思います。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     特に補足等がありますか。いいですか。
  • 国土交通省(久保田室長) 国土交通省自動車局です。
     先ほどのチャイルドシートと母子手帳ですけれども、1回目の会議のときに同じことを委員がおっしゃられたのです。それをもとに入れさせていただいていますので、三好委員がおっしゃるとおりです。対応させていただいています。
  • 赤羽座長 意見が反映されているということですね。ありがとうございました。
     それから、シニアカーは「カー」という名前がついていますけれども、法律上の位置づけがあるのですね。
  • 警察庁(早川課長) シニアカーは道路交通法上の電動車いすということになりまして、扱いとしては歩行者になります。電動車いすの利用に関して、何か教育を受けなければならないといった義務のようなものがあるわけではないのですけれども、御指摘のとおり使用方法等には十分気をつけなければいけませんので、これは警察庁からもガイドラインのようなものを示しまして、販売店において販売の際にしっかり安全教育をやっていただくことになっております。
  • 地藤委員 一言お願いしてもいいですか。
     前回もお願いしたのですが、歩行者扱いということで、左カーブのところへシニアカーがこう来るときに、こちらから車が来る場合、ちょうど正面衝突する形になるのです。左ですか、右ですか。ちょうど車と正面衝突するカーブのところです。ですから、歩行者扱いが大切なのか、もっと別の扱いが考えられるのか私にはわかりませんが、非常にカーブのところで危険です。車と正面衝突しそうになります。
  • 赤羽座長 その転回のところは、後で詳しい御説明を補足していただきます。
  • 地藤委員 御検討をお願いします。
  • 赤羽座長 新保委員、どうぞ。
  • 新保委員 今ほど免許証の返納とシニアカーのお話がありましたが、私もこの二つについて話をしたいと思います。
     私が、通勤途中にシニアカーに乗っている方と出会いました。その方は左側通行をしており、とても危なかったので「歩行者と同じく、右側通行ですよ。」と声をかけました。でもその方は、この先に行くと歩道があるからと、そのまま左側通行で走行して行きました。先ほど、警察庁さんの話にもありましたが、シニアカーに乗っている方は頭の中では車扱いだと思っているようです。都会は歩道が整備されていますが、地方では、道路が狭く、歩道が無いところが殆どです。
     また、先ほど地藤さんがおっしゃったように、シニアカーはとても危ない乗り物です。免許証の返納とともにシニアカーに乗る人が増えてくると思います。今後はシニアカーに対する安全対策も考えていただきたいと思います。
     もう一つは、運転免許証の返納についてです。割引制度を考えているようですが、地方によっては対応ができないところもあると思います。私どものほうは割引制度ではなく、エコバスがあり、75歳以上の高齢者には、無料パスの交付をしております。運転免許証を返納した場合、割引になる制度は特別に実施しておりません。運転免許証を返納したら割引制度ではなく、認知症の方が車の運転をした場合の対策の方が大事なのではないでしょうか。この2つを今後の高齢者の事故防止対策として考えていただきたいと思います。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     藤森委員、どうぞ。
  • 藤森委員 済みません。風邪をひいていてお聞き苦しいと思います。
     実は私は3月27日に交通事故に遭ってしまって、横断歩道でタクシーにはねられて骨折して、今はリハビリ中なのですけれども、タクシーの運転手はとても高齢の方だったのです。とてもというか80歳近い方だったので、プロのドライバーさんの年齢に対するものと、スキルというのがどのぐらい民間の人とはまた違ってされているのか。個人タクシーだと好きなだけできるというところもあるでしょうし、その辺がどうなっているのかというのは、被害者になってみて初めていろいろ考えさせられたというところがありました。
     あと、外国人の方への教育ということで、観光客の場合と、留学とか日本に長く住もうという方と、いろいろなタイプの外国人の方がいらっしゃると思うのです。それを考えていくときには、例えば観光バスのツアーで来る人は、ツアーガイドさんが日本はこうですよというのが観光のときにきちんとインフォメーションしてくださるようなことを、バスの中でやっていただくというのもとても有効だと思うし、長く住むのであれば、それこそ子供たちが小学校に行ったり中学校に行くところの、学校教育の中で先ほどの免許証制度みたいなところに親御さんも入ってもらって、一緒にお母さんもお父さんも外国人の方たちと勉強していただくというのは、ひとつ大きなステップになるのではないかと感じました。
     もう一つ思ったのは、地方と首都圏は違うので、一緒くたになかなか語れないというのが、大きな日本の中で施策を打っていくときの問題となるのだと思います。どこに照準を合わせるかというところを、うまく総論の中で、基本方針の中であらわすのはとても難しいと思うのですが、その辺にもう少し配慮していただければと思いました。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     渡邉委員、どうぞ。
  • 渡邉委員 気づいた点は2つほどなのですが、一つは、きょうの資料6は骨子案ということなので、これから詳しく書き込まれると思うのですけれども、幾つか表現で気になった点があるのです。例えば6ページの2の(2)の上から2番目のところで、最後のほうの文章で「行政、関係団体、住民等の協働により形成していく」。
     7ページに移りまして「1 道路交通環境の整備」の2つ目の丸の、上から5番目「警察、教育委員会、学校、道路管理者等の関係機関が連携し」。その上にもありましたね。2番目もありました。
     この協働とか連携という言葉が何カ所も出てくるのですけれども、非常にいい言葉なのですが、逆に流して見ると、こういったことが誰かがやってくれるだろうという無責任体制につながりかねないということがあります。ですので、これはまだ骨子の段階だと思いますが、もう少し書き込まれるときは、それぞれの役割といいますか、住民の役割はもちろん入れて構わないと思いますけれども、それぞれが責任を持ってということが明らかになってこないと、自分はやらなくてもやってくれるのではないか、守ってくれるのではないかということになってしまうような話かなというのが気になりましたので、これは具体的に書き込むときに、その辺を注意していただければと思いました。
     もう一つは、先ほどからもう何度も出ています自転車のヘルメットの件なのですけれども、これはできるだけ強調していただきたいと思います。
     2、3年前に日本スポーツ振興センターのほうで、学校の通学路の安全についての調査研究の報告が出たのですけれども、その中で中学生と高校生で、自転車で通学中に事故に遭って重いけがをする確率を見ると、高校生のほうが2倍ぐらい高いのです。いろいろ理由は考えられるのですけれども、一つは高校生が余りヘルメットをきちんと着用していないのではないかという考察になっていたのです。ヘルメットをかぶると、頭部の外傷の重大なけがは10分の1ぐらい減るだろうと言われています。ですので、ヘルメットの着用は少しずつ広がってはきていますが、まだまだ普通は余りかぶらない人が多いので、できるだけその辺は強調していただければと思います。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。  河内委員、どうぞ。
  • 河内委員 拝見したところ、骨子案は私の感じとよく合っていたので余りコメントはありません。残念だったのは、この間、小型機の墜落事故が調布飛行場で起こってしまったことです。
     理想的には確かに、予防的安全対策というのは非常に重要で、予防的にデータから危険箇所を推定できればとてもいいのですが、出てきたデータだけから次の事態を確実に予想することは、多分不可能だと思います。事前に予想される危険箇所に対して安全対策を全部片端からやると、今度は限られたソースが分散してしまって、膨大な人と資産がかかるので、それも難しい。骨子案で「安全情報の収集・分析、予防的安全対策の推進」と書かれていますが、それをおやりになるのは非常に大変だろうと思います。
     調布の小型機の事故も、傾向として後から見れば、平成26年には17件中13件の小型機の事故が起こっていて、骨子案にも「特に多い」と書かれているのです。書かれていながら、やはり対策が打ちきれていなかった。しかし、それはほかにもいっぱいデータから読み取れる特色があるので、事故の後になって、対策を打っていなかったのはけしからんというのは簡単に言えるのですが、誰が現場にいてもなかなか事前の対策は打ち切れなかっただろうと思います。このように予防的安全対策というのは難しいところが非常に多いと思います。ただし、何らかの小型機の安全対策は必要だろうと、今になって思います。
     骨子案にも「操縦者の技量維持」とか「整備点検の確実な実施」と書かれていますが、誰が点検して、誰がチェックするのかというところを、多分局の方はもうお考えになっていると思いますが、具体的にどうやってPDCAサイクルを回すのかということを、きちんとお考えになっていただきたいと思います。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     ひとあたり御発言はいただいたと思いますが、まだ1回も発言されていない方はいらっしゃらないでしょうか。
     ありがとうございました。皆さんに御協力していただき、ご発言を短目にしていただきましたので、まだ何か発言が足りないことがありましたら、先ほど申し上げたようにメール等で事務局に御連絡をお願いいたします。  続きまして、議事の「(3)第10次交通安全基本計画の道路交通における目標について」事務局より御説明をお願いいたします。
  • 福田参事官 どうもありがとうございました。
     今、たくさん御意見をいただきましたので、これにつきましては、次回は中間案ということで書き下したものを御提示しようと、これから準備をしてまいりますが、その過程で関係省庁さんにもいろいろ御検討いただきながら整えていきたいと思います。
     本日は個別の施策、各論にわたるお話が多かったものですから、その意味で各省さんにいろいろ御検討いただくこともあると思います。また、次回も先生方の御意見について、こういうふうに考えますという資料もつくらせていただきたいと思います。
     できれば後ほど、もし関係省庁さんからきょうの段階で先生方に御確認しておきたいことがありましたら、御発言をまた手短にいただければありがたいと思ってまいります。
     最後の資料、申し訳ありません。もうかなり時間も迫っておりますが、資料9の御説明をさせていただきたいと思います。
     道路交通の安全の目標についてでございます。9次計を検討したときの状況と現状を踏まえて、今回は幾つかの選択肢を御提示させていただきながら、委員の皆様のお考えなり感じ方を教えていただければと思って資料をつくりました。
     「1 交通事故死者数」について、9次計画をつくったときの状況のお話でございます。まずアのところで、9次計画をつくる段階です。まだ8次計画の最後の状況でございますが、5年前の死者数はほぼ5,000人をようやく下回ったという数字でございました。
     この時期に今回同様、当時も長期予測というものをいたしまして、5年後の平成27年の死者数を検討した結果、それはおおよそ3,000~4,800人の間ではないかという予測を当時立てたところでございます。そうした中で9次計画の目標を3,000人以下とすると決定をいたしました。
     現実はと申しますと、あと1年残しておりますが、昨年の26年の死者数は4,113人ということで、目標にはまだ1,000人ほど届いていないという、非常に厳しい状況でございます。
     もう一つ、当時この目標を検討するに当たりまして、今の計画にも書いてございますけれども、頭にありましたものが政府方針というものでございまして、5カ年計画とは別の場面でございますが、平成21年ないし22年ごろですね。ちょうど死者数が5,000人を下回るか下回らないかといったころに出た当時の政府の談話でございます。その後の10年間を目途にいたしまして、交通事故死者数を半減させて2,500人にするということです。時期的には平成30年目途というものを挙げてございました。
     実はこの前にも、5,000人に向けての長期の政府の方針というものがあったのですけれども、それがクリアされるころに、では、次の10年間でまた半減というものが打ち出されていて、こういったことも頭に置きながら、9次計の最終年の27年に向けては3,000人という目標を立てたところでございます。
     このときに、世界一安全な道路交通の実現を目指すということも加わったわけでございますけれども、この国際比較の表でございますが、9次計画で立てました平成27年で3,000人というものは、実は9次計画を立てる時点では世界で一番の数字でございましたが、現時点では2.6という数字が出ておりまして、3,000人、10万人当たり30日死者数2.8という数字がもし実現しても、現在では世界では2位という位置づけでございます。
     ちなみに、2,500人という死者数が仮に実現すると、10万人当たりの30日死者数が2.4になりまして、これは過去においても現在においても、現時点であるデータの前提では、引き続き世界1位の数字になっているというところでございます。
     10次計画の目標についてでございますが、ここからが4つのパターンを書いたところでございます。長期予測が2,500~3,600人であるということを前提にいたしまして、4つのパターンとしまして、一番多い数字としての予測値の最大値である3,600人をベースにするパターンが1つ。
     もう一つは、1つ飛んでウのところですけれども、下限である2,500というもの。間のイのところは、その中間値である3,000、エのところは予測値からは外れたところではございますが、現状4,000人の半分ということで、2,000人という4つを挙げてみたところでございます。
     3,600人についてでございますけれども、これは現行9次計画の目標値が3,000人でございますので、これよりも2割ほど多い目標数字となってしまうということであります。
     9次計画中は、減少がなかなか思いどおりに進んでいない厳しい状況ではあるものの、それでもこれまで1,000人ほどの減少がある中で、仮に次の5年で3,600人ということは、あと400人ぐらい減らすという目標になってしまうということであります。当然世界一にもならないということでございます。
     2番目のイのところでございますが、3,000人という目標を仮に設定したとした場合でございますけれども、こちらでいうと9次計画期間中と、次の10次の5カ年でほぼ同じぐらいのペースで死者数が減っていくことになるのではないかということでございます。
     一方で、人口10万人当たりの死者数が2.9ということで、先ほどの2.4には至らないので、世界一安全だという話にはならないということでございます。政府方針とも少しずれてくるということです。
     3番目の2,500人以下とした場合でございますが、これは現行9次計画よりもさらに500人減らしていこうという目標値でございます。ただ、現行の9次計画よりは削減ペースを1.5倍ほど早めていかなければいけないことになります。仮に2,500人になりますと、先ほど申し上げたとおり10万人当たりで2.4人ということで、現時点のデータベースにすれば世界最小ということでございます。
     それから、2,000人です。これは長期予測の範囲外でございますので、実現可能性という意味では、今は非常に低いということではございますけれども、当然小さな数でございますので減少数も大きいし、ただ、減少幅が現行の2倍ということで、非常に大変な数字であるというところでございます。  こういった幾つか選択肢が考えられる中で、皆様方がどういうふうにお感じになるかということをお聞かせいただければということでございます。
     「2 交通事故死傷者数」のほうは、これほど複雑な状況はないのでございますけれども、同様に9次計画のときの状況を申し上げますと、当時の死傷者数が90万人余りという数字でございました。このときに立てた5年後の長期予測が72万~140万人です。この死傷者数は、この9次計画を策定する数年前まで上昇基調になったこともあって、非常に大きな数字も出てきているわけであります。こういう幅の中で、目標値としてはその下限に近い70万人という目標を設定いたしました。
     現状はと申しますと、昨年の死傷者数が71万5,000人ということで、あと1万5,000人ほどで目標に達するということでございますので、今までのペースでいけば、こちらは目標達成するのではないかと感じております。
     10次計画に向けて同様に長期予測をいたしました結果、先ほど御説明しましたように、今回の幅は50~60万人の間ではないかと予測を立てておりまして、そこで60万人と50万人と、現在70万人ですので、そのおおよそ半分ということで40万人という数字を今、3本ほど立てておりますけれども、40万人については予測の範囲を外れているというところでございます。
     こちらについても、もし御意見がありましたらお願いしたいということでございます。よろしくお願いいたします。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     ここに参加されている中ですと、久保田委員も私もこの長期予測を検討した委員会の委員でして、何で3つも結果が出ているのだということを補足させていただきます。
     資料6の4ページの上のほうの「2 道路交通事故の見通し」に表が掲載されています。「タイムトレンドによる分析」は、車の行き来が多くなれば、事故もそれなりに増えるでしょうという予測の仕方です。
     真ん中の「年齢階級別人口の大きさに着目した分析」は、若年層とか高齢者、あるいはその間の年齢層によって交通事故に関する危険性が違いますので、それを統計的分析によって評価し、将来の年齢別人口の予測値に投影した予測です。
     「世代毎の事故率に着目する方法」は、同じ高齢者でもこれからの高齢者と今までの高齢者は、例えば自動車の運転経験も違いますし、免許保有率も違ってくるということを取り入れた予測の仕方です。結果的には、3番目の予測が一番悲観的になっています。それだけ補足させていただきます。
     事務局から全委員にコメントしていただき、見方を教えていただくようにということですので、もう次の予定があってすぐ出なければいけないという方から手を挙げて御発言いただきたいと思います。
     どうぞ。そういう方はいらっしゃらないですか。御都合があるという方はいらっしゃいますか。
     そうしましたら、もう時計回りにお願いしてしまいます。渡邉委員からお願いします。
  • 渡邉委員 急で、まだ多分理解していないのですけれども、1点だけお伺いしたいのですが、交通安全の場で24時間死亡者で出していますが、最近30日以内のものを併記するようになりましたね。この骨子案のほうにも、30日以内ということでも出すみたいなのですけれども、これも24時間死者数でずっといくのでしょうか。
  • 福田参事官 基本的にはデータの継続性なども考えて、24時間死者数は引き続き続けていきたいと思いますが、現在の9次計画の中でも24時間死者数で3,000人を目途とします。これは30日死者数に換算すると、大体比率がほぼ一定でずっときているのですけれども、そうすると3,500人ぐらいに当たりますということでございますので、そこは両方との数字が計画上も、今回も出ていくのがよいのではないかとは考えております。
  • 渡邉委員 海外はどうなのですか。
  • 福田参事官 海外と比較をする場合には、30日死者数に換算した値で比較をしておりますので、そこはベースを共通にしております。
  • 赤羽座長 大体、24時間に対して30日が15%増しぐらいでしたか。
  • 警察庁(早川課長) 1.18倍ぐらいです。
  • 赤羽座長 1.18倍ぐらいで、大体時系列的にも安定していると分析されていたと記憶しています。
  • 渡邉委員 わかりました。それだけ確認したかったのです。
  • 赤羽座長 では、時計回りにお願いします。
  • 三好委員 これは、どれがいいかという感じで言っているのですか。
  • 赤羽座長 一応、この資料で説明されていること、提案されていることに関してコメントをいただければと思います。
  • 三好委員 私は大分昔に、本当に15年ぐらい前に、ゼロはないのですかなんて感じで言ったのですけれども、適当に言っているわけではないのですが、2,500人以下とか50万人以下とか、何かそれぐらいがすごくいいななんて思いながら、見ながら思っていました。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
  • 水野委員 前回の目標が3,000人以下だったということを考えると、今回は2,500人とか50万人というように出すと、今回の意義があるような感じがするのですけれども、この場合責任とかは。
     自動ブレーキとかASVとか進んだ車が出てきて、どんどん減ってくるとは思うのですけれども、車の普及率がそこまでいくかなという、入れかわるかなという心配と、あと、自転車のマナーとかが非常に悪いので、それがどんどん押し上げる、下がらない要因になり得るかなという2つの懸念事項で、2,500人は厳しいかもしれませんけれども、目標としては2,500人がいいのではないかと思います。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     もう少し補足させていただくと、この場での皆さんの御意見は、いろいろな分野の専門家としての、この御提案に対する考え方を御提示していただくということです。それに基づいて政策的に目標が設定されるということで、この場で直接目標値を設定するという趣旨ではないそうです。
     もう一つ、予測に関して補足させていただくと、これは今までにとられている交通安全対策がそのまま継続して実施されたらこうなりますという見通しです。これから新しい施策を打ったり、努力をしたりして減らせる分は、もちろん盛り込まれていません。そういう位置づけです。「このままいったらこうなります」というふうに解釈していただければいいと思います。
     どうぞ。
  • 三国委員 1つ気になるのは、3,000人以下を目標にしていたのに4,113人ということで、1,000人以上上回ったということです。その1,000人を上回ったことをきちんと分析するというか踏まえて、そして次の目標を考えなければいけないと思いますので、そこはしっかりと考えてほしいということで、3,000人以下を目標にしていて、その1,000人がどうしてふえたかということをきちんと分析した結果ならば、3,000人以下より1つでも減る数字でいってほしいと思いますし、60万人より50万人のほうがいいと思うというぐらいの、私の意見です。
  • 益子委員 益子です。
     前回申し上げましたように、ACNを普及したら絶対に世界一の交通安全社会ができると私は確信していますので、今のままで2,500人はきついと思いますけれども、ACNが普及したら絶対に2,500人を切れると思いますので、世界一の交通安全社会を目指すということで、2,500人ということを提案します。
  • 赤羽座長 どうぞ。
  • 藤森委員 前回3,000人と目標を設定したときに、本当にできるのだろうかとすごく心配していたのです。こういうふうにオーバーしても、特にそれがペナルティーになるわけではない。ペナルティーというか、すごい高い目標をあげて、それを達成できないことに対する罪悪感のようなものがあって、ですから施策上、それこそもし何か具体的に、これが何人ぐらい減らせますということであればいいと思うのです。
     第11次とかになったときに、また違う想定していない要因で交通事故がふえてしまうとかというのが出てくる可能性もあります。例えばスマホをいじりながら歩くというのは、ここ数年で物すごくふえてしまった案件だったと思うし、非常に高性能な自転車が出てきたというのも、スピードを出して車道をぐいぐい走るみたいなのも、ここ数年出てきたのだろうと思うので、防げる要因も予測はできるのですが、防げない要因も実はある程度予測しての数を出していて、できれば達成したいというのがあるので、余り高く要求を置くのは、私は罪悪感にさいなまれると感じます。
  • 赤羽座長 これは確認なのですけれども、この第9次計の3,000人以下という目標は、専門委員会議における議論で決まった目標でしたでしょうか。どうも何か違う場で決まって、それをどうやって実現するかという肉付けの議論が、ここで行われたと認識しています。そうであれば、逆にいうと今回のほうが、ここでの議論は重たいのです。先ほどとは逆のニュアンスになってしまいましたが。
  • 新保委員 これからは認知症の方もふえてきます。そこで2,500人だとすごくレベルが高いかと思いますので、私は、3,000人そのままいったほうがいいのかと思います。
  • 地藤委員 ずっと以前に小泉内閣さんのときに、1万人以上だったのが半分の5,000人にするとおっしゃられたときに、私たち交通安全ボランティアに従事している者は、とんでもないことを言うのだなとあきれたという感じだったのですが、そういった目標をいただいたら、それに向かってみんな一生懸命になるのです。目標は厳しいほうがいいかなと思います。交通事故で1人の命も亡くしたくないなと、そういう思いで厳しい目標で結構かと思います。
  • 古関委員 極めて論理的ではないのですが、私も「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」という気持ちが、エンジニアとしては大事だと思っておりますので、少し高目の目標設定で、なおかつ手が届くかもしれないというところに設定するという意味で、この2,500人を個人的には支持したいと思います。
  • 久保田委員 予測と目標が違うわけなので、目標という場合には、例えばあと5年後に評価ができるような出し方のほうが、私はいいのではないかと思うのです。
     例えば状態別で見て、ここはこうするとか、例えば歩行者は今、ヨーロッパの倍亡くなっているのですけれども、それを半減するとか、そうすると、そういうのを積み上げて合計幾らというほうが、後で施策の評価もしやすいと思うのです。
     しかも歩行者半分というのは今、まさにこれからやろうとしているいろいろな施策をヨーロッパ並みにやれば、十分可能な数字だと私は思っているので、積み上げ型を提案したいと思います。
     以上です。
  • 河内委員 私は専門外なので余りよくわからないのですが、目標値と言うからには、前よりも減らしたほうが良いのではないかと思います。皆さんの御意見だと、やってやれないというわけではなさそうなので、2,500人がよろしいのではないかと思います。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     私もこのままいったらこのぐらいになるという予測の一番楽観的なものに近いので、2,500人というのは努力目標として適切ではないかと思います。
     それから、久保田委員から積み上げという御提案がありました。一方で、先ほどどなたかから、「日本といっても、地域によっていろいろ状況が異なる。どの地域に焦点を当てて、この場でいろいろなことを言っているのか、必ずしも明確ではない。」とのご指摘がありました。私は、地域ごとに焦点を当てざるを得ないと考えます。そうすると、ここで積み上げた結果が、地域によっては何か違う効果が出てしまう。つまり、自転車や歩行者が本当に焦点のところもある。特に自転車が焦点のところもある。ほかに焦点を当てたほうがいいところもある。そのあたりを各地域でうまく受けとめてくれるかという部分もあります。積み上げのデメリットとメリットを両方考えて、決めるべきだろうと考えております。
     以上です。
     それでは、これで一応今日の御発言をいただく内容が終わったのですけれども、先ほど、もし時間があったらと申し上げましたので、もう終了予定時刻を大分過ぎていますが、各委員からの今日の御発言・御提案に関して、次回に向けて各省庁から確認されたいこと等がありましたら御発言いただいて結構です。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
     それでは、これで本日予定された議事は全て終了いたしましたので、進行を事務局にお返しいたします。
  • 福田参事官 長い間、どうもありがとうございました。また、皆様からコメントをいただきまして本当にどうもありがとうございました。また、座長も全体の進行を統括していただき、ありがとうございました。
     本日の議事につきましては速やかに議事要旨を作成いたしまして、座長に御相談の上で、会議資料とともにホームページに公開をさせていただきます。
     また、子細な議事録につきましては従来同様、作成後皆様に御確認をいただきまして、最終的にはホームページに掲載をしたいと思います。
     次回の日程につきましては調整を始めさせていただいているところでございますが、9月の下旬ないしは10月のごく早い時期で、ぜひ調整をさせていただきたいと思っておりますところです。できましたら2日ということでお願いをしたいと考えておりますので、またきちんと御連絡はさせていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  • 赤羽座長 10月2日で決定なのですか。
  • 福田参事官 まだ皆様方の御希望も全部そろっていませんので、最終確定ではありませんが、事務局としてはできる限り、そこで調整していきたいという気持ちを持っているということでございます。ありがとうございました。
     それでは、これをもちまして第3回の専門委員会議を閉会させていただきます。本日はどうもありがとうございました。