中央交通安全対策会議専門委員会議(第5回)議事要旨
日時:平成28年1月26日(火)
10:00~12:00
場所:中央合同庁舎8号館623会議室
10:00~12:00
場所:中央合同庁舎8号館623会議室
出席者
【委員】赤羽座長、河内委員、久保田委員、古関委員、古笛委員、地藤委員、新保委員、藤森委員、益子委員、松岡委員、三国委員、水野委員、三好委員、森本委員、山内委員、蓮花委員、渡邉委員
【内閣府・事務局】
加藤内閣府特命担当大臣、安田大臣官房審議官、福田参事官(交通安全対策担当)、金子調査官(交通安全対策担当)
【オブザーバー】
警察庁交通局早川交通企画課長、警察庁交通局稲盛交通規制課理事官、文部科学省初等中等教育局髙井健康教育・食育課課長補佐、消防庁上條救急企画室課長補佐、厚生労働省医政局地域医療計画課救急・周産期医療等対策室酒井病院前医療対策専門官、国土交通省総合政策局西村交通安全対策室長、国土交通省道路局上野道路交通管理課長、国土交通省道路局酒井道路交通安全対策室長、国土交通省鉄道局村田安全監理官、国土交通省自動車局久保田国際業務室長、国土交通省自動車局内山安全監理室長、国土交通省海事局長安全監理室長、国土交通省航空局安全部松本安全企画課長、海上保安庁交通部企画課西主任企画調査官
概要
○加藤内閣府特命担当大臣挨拶・1月15日に長野県で発生したスキーバスの事故の被害者や御遺族の皆様に弔意を表すとともに、負傷された方々の1日も早い御回復をお祈り申し上げたい。
・第9次交通安全基本計画を振り返ると、交通死亡事故死者数の減少、年間の死傷者数の減少など一定の成果を上げた。一方で、昨年の交通事故死者数は4,117人となり、平成27年度までに死者数を3,000人以下とするという目標には残念ながら及ぶことができなかった。
・現在、政府においては一億総活躍社会を目指した取り組みを進めており、その実現のためにも全ての方々が安心して、安全で快適な生活を送ることができる交通社会の基盤の構築が大変大事である。
・第10次の交通安全基本計画案では、5年後の交通事故死者数を2,500人以下とし、世界一安全な道路交通を実現するという大変意欲的な目標を掲げている。その目標達成のため、これまでの交通安全対策を一層充実することはもとより、先端技術を
活用した安全運転システムの開発、情報の効果的な活用といったことを進んで取り入れていく必要がある。
・一たび交通事故が発生した場合には、甚大な被害をもたらす公共交通等の一層の安全確保、あるいは2020年には東京オリンピック・パラリンピックも控え、政府もテロ対策等とも相まった公共交通等の安全対策を、この5年間で強力にしっかりと推進していく必要がある。
○提出資料説明
・事務局からは、内閣府提出資料1、3~6、警察庁からは資料2についてそれぞれ説明を行った。
○委員からの主な発言
~計画案について~
【基本理念】
・障害者が自分で移動するとき、道路交通だけではなくて、鉄道交通もあわせて安全かつスムーズに利用できるということが、今後はもっと求められてくるのではないか。
【道路交通の安全についての対策】
・交通実態を踏まえたきめ細かな対策について、人口当たりの死者数などの視点から事故統計を出せば、新しい知見が得られて、交通安全対策の新たな方策が出てくるのではないかと思う。
・自転車乗車中の死者数についても、目標値を設定してもらったほうが、目標に向かってどのような指導をすればいいかわかりやすいのではないか。
・24時間死者数2,500人という高い目標を達成するためには、国民全体の協力も必要なことから、10次計画そのものを広く認識してもらう戦略的な広報も必要。また、交通安全に関する施策実施後の検証を実施し、PDCAを回す必要がある。
【道路交通環境の整備】
・「通過交通の排除と交通の効果的な分散により、都市部における道路の著しい混雑、交通事故の多発等の防止を図るため、バイパス及び環状道路等の整備を推進する。」では日本語として誤解を与える表現なので、「通過交通の排除と交通の効果的な分散を促進するため、バイパス及び環状道路等の整備を促進する。」などとした方がいい。
・雪国では雪道対策は切実なので、検討をしてほしい。
【交通安全思想の普及徹底】
・チャイルドシートの着用を促進することが必要である。今回、よりしっかり記述されたことはよかった。
・6歳以上の子供に対するチャイルドシートの着用について、身長からするとほぼ
全ての小学生がチャイルドシートを使用する必要があるのではないか。
・小学生の時期から自転車で車道を走る際のことを勉強しておかないと、子供たちは正しい走り方がわからないと思う。
・将来的には日本でも4歳から18歳までの一貫した交通安全教育システムをつくる必要があるのではないか。
・事業用車両の運転手教育について、規制を強化する必要があるのではないか。
・バスなどでのシートベルトの着用率の向上が大事である。
【安全運転の確保】
・大型車などの初心者あるいは未熟練者に対する指導や教育の充実というものを入れたほうがいいのではないか。
・災害に対するリスクマネジメントやシミュレーションといったものを学校やいろいろなところで学ばせてほしい。
・事業者団体等を通じて安全運転、コンプライアンスの確保というのは非常に重要なことではあるが、その前にまず事業者団体に入ってもらうべきであり、加入率を上げることが大事である。
・労働災害等の防止の観点で、車両整備スタッフへの安全技術に関する教育も必要。
・公共交通の事故については、監査の充実ということ以外にはない中で、実のある対策をするためにも、どうやって当事者をやる気にさせるかが重要である。また、昨年発生した航空機のパイロットが飛行機ごと自殺をするようなことは自動車でも起こり得るので、運転者への医療によるバックアップが大事である。
【車両の安全性の確保】
・交通事故防止のため、自動運転は大変大事な技術である。導入後も事故は起きるかもしれないが、導入前より効果があるのなら、導入した方がいい。
【救助・救急活動の充実】
・事故自動通報システムについて、よりしっかり記述されたことはよかった。
・乗員の障害程度を推定する先進事故自動通報システム(AACN)の実用化もとても大事である。
・災害派遣精神医療チーム(DPAT)とクライシスレスポンスチーム、または心のケア緊急支援チームのようなものが盛り込まれていると、被害者支援が事故直後だけでなく中長期支援につながっていく。
【研究開発及び調査研究の充実】
・ナビゲーションシステムに関する記載について、スマートフォンの経路情報もかなり詳細なため、スマートフォンの経路情報等も含むという解釈が必要。
【被害者支援の充実と推進】
・自動運転の技術がどんどん進むにつれ、今の法律の枠組みでは被害者救済という
ものが十分できなくなるのではないかという問題が指摘されており、医と工だけではなくて、法もその連携に入れるべき。