中央交通安全対策会議専門委員会議(第1回)議事録
日 時:令和2年6月26日(金)13:00~15:00
場 所:中央合同庁舎8号館第1階講堂
場 所:中央合同庁舎8号館第1階講堂
- 近藤参事官 定刻でございますので、ただいまから第1回「中央交通安全対策会議専門委員会議」を開催させていただきます。
本日は、皆様御多忙中にもかかわらず御出席いただきまして、誠にありがとうございます。スカイプにより御出席いただいている委員の方々もおられます。
私は、内閣府政策統括官付交通安全対策担当参事官の近藤と申します。
今回は第1回の会議ですので、議事に入るまでの間、事務局で進行役を務めさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
本来ですと、冒頭に交通安全対策担当特命担当大臣の衛藤から御挨拶申し上げるべきところ、所用のため、内閣府政策統括官共生社会政策担当嶋田が代読及び御挨拶申し上げます。 - 嶋田統括官 それでは、衛藤大臣から頂きました御挨拶を代読させていただきます。
交通安全を担当する内閣府特命担当大臣の衛藤でございます。
中央交通安全対策会議専門委員会議の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
皆様、中央交通安全対策会議の専門委員に御就任いただき、また本日は御多忙の中、第1回の専門委員会議にお時間を割いていただきまして、誠にありがとうございます。
昭和45年に交通安全対策基本法が制定されてから50年、10次にわたり交通安全基本計画が作成されてきました。現在、第10次の計画に基づき、様々な対策に取り組んでいるところでございます。
新型コロナウイルス感染症の影響で遅くなりましたが、令和3年度からの第11次計画を検討するため、本日、第1回目の会議を開催する運びとなりました。
委員の皆様には、緊急事態宣言解除後も様々な制約が残る中、御参集いただき、またリモートで御出席いただいている委員もおられると聞いております。御不便をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、交通事故死者数は、道路交通については令和元年の死者数は3,215人と、過去最悪であった昭和45年の1万6,765人の5分の1以下となっておりますけれども、いまだ厳しい状況が続いております。
昨年は幼児が犠牲となる事故、高齢運転者による事故が続いたことを踏まえ、総理の指示の下、緊急対策を決定し推進してきたところです。また、鉄道、海上、航空関係の事故も、近年着実に減少してきておりますけれども、一たび発生すれば多くの人命が失われる危険も否めません。
安全で安心して暮らせる社会を実現することは国民全ての願いです。交通安全は国民の日々の暮らしに直結しています。昨年末の関係閣僚会議において総理より、家族や地域、国民の皆さんのニーズをしっかり捉えた未来志向の対策が求められている旨の発言がありました。
この会議では、道路交通、鉄道、海上、航空にわたる総合的な計画として、これからの時代のニーズや課題に的確に応える第11次の交通安全基本計画を作成するため、委員の皆様から幅広い観点から忌憚のない御意見を賜りたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
以上でございます。 - 近藤参事官 続きまして、議事に入らせていただく前に、委員の方々及び本日出席の関係省庁の紹介をさせていただきます。
お手元に資料1、委員名簿をお配りしてございます。
まず、会場にお越しいただいている委員を御紹介させていただきます。
千葉工業大学創造工学部都市環境工学科教授の赤羽委員でいらっしゃいます。
国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所、海上技術安全研究所海洋リスク評価系副系長の伊藤委員でいらっしゃいます。
自動車ジャーナリストの川端委員でいらっしゃいます。
埼玉大学大学院理工学研究科教授、久保田委員でいらっしゃいます。
弁護士の古笛委員でいらっしゃいます。
栃木県交通指導員連合会副会長、服部委員でいらっしゃいます。
早稲田大学理工学術院社会環境工学科教授、森本委員でいらっしゃいます。
自治医科大学大学院医学研究科教授、守谷委員でいらっしゃいます。
次に、スカイプで御出席の委員の方々を御紹介申し上げます。
まず、和歌山県交通安全母の会連絡協議会会長、北島委員でいらっしゃいます。北島委員は、和歌山県庁に御協力を頂き、出席いただいております。
続きまして、東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻教授、古関委員でいらっしゃいます。
武蔵野大学人間科学部教授、藤森委員でいらっしゃいます。
地球の友・金沢の三国委員でいらっしゃいます。
名古屋大学大学院工学研究科教授、水野委員でいらっしゃいます。
エッセイスト、元国際ラリーストの三好委員でいらっしゃいます。
一橋大学大学院経営管理研究科特任教授、山内委員でいらっしゃいます。
東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻教授、李家委員でいらっしゃいます。
帝塚山大学学長・心理学部教授、蓮花委員でいらっしゃいます。
東京学芸大学大学院教育学研究科教授、渡邉委員でいらっしゃいます。
なお、公益社団法人被害者支援都民センター犯罪被害相談員の中土委員は御欠席です。
続きまして、会場にお越しいただいている関係省庁出席者を紹介させていただきます。
初めに、先ほど御挨拶申し上げた、内閣府政策統括官、嶋田でございます。
内閣府大臣官房審議官の田中でございます。
続きまして、委員の皆様から御覧になって左側、海上保安庁交通部企画課海上交通企画室の上山室長でございます。
運輸安全委員会事務局総務課、松澤課長補佐でございます。
国土交通省航空局安全企画課細川主査でございます。 - 英課長(代理) 英が緊急の対応で来られなくなってしまったので、代理で出席いたします。よろしくお願いいたします。
- 近藤参事官 同じく、国土交通省海事局安全政策課安全管理室、山倉室長でございます。
自動車局技術環境政策課、野津課長でございます。
自動車局安全政策課、石田課長でございます。
鉄道局施設課、林地下施設安全企画調整官でございます。
鉄道局安全管理官室、酒井安全管理官でございます。
道路局道路交通管理課、岸川課長でございます。
総合政策局総務課交通安全対策室、神田室長でございます。
警察庁交通局交通企画課、早川課長でございます。
消防庁救急企画室、神谷課長補佐でございます。
文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習安全課安全教育推進室、粟井室長でございます。
厚生労働省医政局地域医療計画課救急・周産期医療等対策室、新井専門官でございます。
同じく、厚生労働省政策統括官総合政策担当付政策統括官室の阿部室長補佐でございます。
経済産業省商務サービスグループ物流企画室、柴田係長でございます。
以上でございます。
座って説明させていただきます。
続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。スカイプ出席の皆様には、先日送付させていただきましたものを御確認ください。
資料1といたしまして、ただいまの専門委員の名簿。
資料2「交通安全基本計画について」。
資料3「中央交通安全対策会議専門委員会議について」。
資料4-1「第10次交通安全基本計画に関する評価書(案)(概要)」。
資料4-2「第10次交通安全基本計画に関する評価書(案)」、大部な資料でございます。
資料5「交通事故発生状況」。
資料6「第11次交通安全基本計画作成のための主な議論事項試案」。
資料7「今後、2025年までに国に期待する交通事故対策に関する関係団体等からの意見への対応」。
以上となります。
会場の皆様の卓上には、もう一つ追加資料が配付されています。これにつきましては、御説明の折に随時御確認させていただきます。
資料に漏れがございましたら、お知らせください。
スカイプ出席の委員の方々、資料はお手元にございますでしょうか。そのほか、会議出席について問題があれば、事前にお願いした方法で事務局に御一報ください。
よろしいでしょうか。
それでは、議事に移らせていただきたいと思いますが、本会議の座長につきましては、事務局からは、前回、第10次交通安全基本計画作成のための専門委員会議においても座長を務めていただいた赤羽委員にお願いしたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり) - 近藤参事官 それでは、以降の議事進行を赤羽座長にお願いしたいと思います。
よろしくお願い申し上げます。(赤羽座長、座長席へ移動)
- 赤羽座長 赤羽でございます。
皆様方の御協力で活発な議論の場としたいと希望しております。何とぞ、よろしくお願い申し上げます。
以降は座って、司会をさせていただきます。
それでは、早速、本日の議題に入ります。
本日は、本来3月に予定されておりました第1回会議と、2回目の会議で予定していた議事等を併せて御議論いただきますので、非常に盛りだくさんな内容となります。
まず、議題1として、今回は第1回でございますので、中央交通安全対策会議専門委員会議の進め方につきまして、事務局より御説明をお願いします。 - 近藤参事官 それでは、まず資料2を御覧ください。
交通安全基本計画は、交通安全対策基本法の中で作成することが定められており、最終的には内閣総理大臣を会長とする中央交通安全対策会議で決定いたします。昭和45年に基本法が制定され、翌昭和46年からの第1次の基本計画が作成されました。この後、現行の第10次計画に至るまで、いずれも5か年の計画が続いてきております。現行計画は本年度が最終年度となっておりますので、令和3年度以降の第11次計画をこれから作成する必要がございます。
次に、資料3を御覧ください。
中央交通安全対策会議におきましては、専門の事項を調査するために必要がある時は、専門委員を置くことができるとされており、計画の作成に当たり、第1次計画以来、専門委員の皆様にお集まりいただき会議を開催し、御意見を伺いながら計画を作成してきたところです。
今般、第11次計画作成に当たりましても、本日お集まりの皆様をはじめ19名の方に3月1日付で専門委員に御着任いただきました。
次に、会議の基本的事項について確認させていただきます。
まず、この専門委員会議は、従来から非公開で行ってきております。一方、議事の透明化のために会議終了後、速やかに議事要旨を作成いたしまして、資料とともに内閣府ホームページに掲載したいと考えております。
また、詳細な議事録、御発言者のお名前も入った議事録につきましては、各専門委員に確認をしていただいた上で、後日、内閣府ホームページに掲載したいと考えております。
次のページ、今後のスケジュールを御覧ください。
本日、6月26日第1回に続きまして、第2回は8月を予定しており、骨子案を御議論いただきます。秋口、第3回会議では中間案をお示ししたいと考えております。中間案につきましては、公聴会及びパブリックコメントの手続を踏みます。これを踏まえ、年明けに予定しております第4回会議で基本計画案を御議論いただきます。
この計画案を、年度末に開催予定の中央交通安全対策会議に提出し、基本計画を決定するという流れとなります。
以上でございます。 - 赤羽座長 ただいまの事務局からの御説明につきまして、御質問、御意見等がございましたら、御発言をお願いいたします。
会場とスカイプで分かれていますので、御発言のある方はお名前を教えていただけたらこちらから御指名いたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
続きまして、議事2「第10次交通安全基本計画の評価について」、議事3「第11次交通安全基本計画作成のための主な議論事項について」、議事4「交通事故対策に関する関係団体等からの意見一覧について」の3つの議事について一括して、恐れ入りますがポイントを絞った説明をお願いします。 - 近藤参事官 御説明申し上げます。
第10次計画作成の折には、第1回会議で前の計画の評価について御説明し、次期計画作成のための「主な議論事項試案」を参考に意見交換をお願いしました。第2回会議では、いま一度、「主な議論事項試案」も参考に御議論いただくとともに、関係団体等からの意見を御紹介いたしました。
本日は、この2回分を併せて、ポイントを絞り御説明申し上げるよう努めたいと思います。
まず、第10次交通安全基本計画の評価についてでございます。資料4-1、概要を御覧ください。
まず、道路交通につきましては、1ページにございますとおり、第10次計画は令和2年までに死者数2,500人以下、死傷者数50万人以下という目標を置き、対策に係る視点について、まず第1に、<重点的に対応すべき対象>ということで、高齢者及び子供の安全確保等の3点を整理してございます。評価につきましても、これをはじめ様々な観点から横断的な評価を昨年度、赤羽座長の下に開催した検討会において実施いたしました。
次のページを御覧ください。
まず、全体として、24時間以内の死者数は3,215人と、平成27年より21.9%、年平均6%減少いたしましたが、仮にこの率で減少したとしても、今年、目標に達するのは困難と考えられます。一方、死傷者数については、昨年、目標を達成しております。
3ページを御覧ください。
「重点的に対応すべき対象」のうち、高齢者を例に見ますと、平成27年から平成30年の間、人口10万人当たりの死者数は16.7%、高齢者の免許保有人口10万人当たりの交通事故件数は11.2%と、各々減少しており、これは改正道路交通法の施行をはじめとする対策が貢献していると考えられます。
4ページでは、子供について示しています。
子供の人口10万人当たりの死者数は、平成27年から平成30年にかけて2.4%増加していますが、平成25年から平成27年の3か年平均に対する平成28年から平成30年の3か年平均では、11.4%減少しています。通学路を含む区域のゾーン30の整備等の対策が貢献してきていると考えられます。
なお、昨年度は、子供が犠牲となる事故が相次いで発生したことを受けて、総理の指示の下、関係閣僚会議を開催し、幼児の散歩経路の緊急安全点検などを進めてきたことも申し添えます。
続いて、8ページを御覧ください。
第10次計画では、今後の対策を考える視点として、ただいまのような高齢者、子供といった重点的対応の対象に加え、「交通事故が起きにくい環境をつくるために重視すべき事項」として、先端技術の活用推進などの3点を位置付けており、この評価について紹介しています。
まず、「先端技術活用推進」につきましては、車、人、道路に関わる主な技術、資料の例では、衝突被害軽減ブレーキの普及について書いてございますが、各々関連施策を整理し、アウトプット、アウトカムに係る指標を用いて評価いたしました。
また、「きめ細かな対策」、「地域ぐるみの対策」については、都道府県の御協力を得て、このような取組の事例を200件程度収集し、成功要因や課題を分析しました。
分析結果として、対策を進めるに当たって専門家の知見、ノウハウといったものを、一層地域において生かしていくことが必要、などといった知見が得られたところでございます。
続きまして、11ページを御覧ください。
鉄道でございますが、鉄道交通においては乗客の死者数ゼロ、運転事故全体の死者数減少を目指すという目標を置いています。計画期間中の運転事故の発生件数と死亡者数は減少しており、かつ乗客の死亡者数もゼロとなっており、目標は達成されています。
一方、一たび事故が発生すると、多数の死傷者が生じるおそれがあり、また、踏切障害事故、ホームからの転落などの人身障害事故を合わせると、運転事故全体の約9割を占め、長期的には減少傾向とは言い難い状況であります。
このため、引き続き、総合的な視点からの対策推進が必要と考えられます。
12ページでは、先の2つの目標について、運転事故による乗客の死者数は平成18年度以降ゼロで推移していること、計画期間中、鉄道交通の安全の総合的な取組によって、運転事故の発生件数及び死傷者数も減少傾向にあること、よって、計画の施策は重大な列車事故の未然防止に寄与しているとしております。
14ページを御覧ください。踏切事故でございます。
目標といたしましては、令和2年までに事故件数を平成27年と比較して約1割削減することを目指すとしております。
15ページに見るとおり、事故の発生件数は減少傾向であるものの、計画期間の件数は平成27年と比較しほぼ横ばいです。目標達成は困難と思われます。
とはいうものの、16ページにございますとおり、計画期間中、関係機関連携による取組によって、事故件数、死傷者数も減少傾向であることから、現行計画の施策は事故の減少に寄与していると言えます。
一方、踏切事故は、鉄道運転事故の約4割を占め、改良すべき踏切道もまだ残されており、引き続き総合的視点から対策を推進していくことが必要と整理しております。
19ページを御覧ください。海上交通でございます。
3つの目標について見ますと、第1に、我が国周辺で発生する船舶事故隻数を少なくとも2,000隻未満とすることについては、第10次計画期間中は第9次計画期間中と比べて約9%減少していますが、目標値達成には至っていません。
第2に、ふくそう海域における衝突、乗り上げ事故の発生率を維持確保、大規模海難の発生数をゼロとする目標については、目標値の低発生水準を維持しており、大規模海難の発生も平成22年からはゼロとなっています。
第3の救助率95%以上とする目標について、要救助海難に対する全体の救助率は、目標値救助率95%以上を達成しています。船舶事故隻数の減少に向けて、より一層関係省庁と連携した取組が必要と整理しております。
24ページを御覧ください。
最後に、航空交通につきまして、2つの目標を見ますと、まず、本邦航空運送事業者が運行する定期便について、死亡事故発生率及び全損事故発生率をゼロにするとする目標は達成されています。
次に、航空事故発生率及び重大インシデント発生率に関する14の指標で、直近5年間の実績の平均値について、年率7%の削減を図るという目標については、定期便を運行する本法空港運送事業者及び航空管制分野については、両者ともに目標を達成していますが、その他の運航者については未だ目標に達していない、あるいは発生率が増加する結果となっています。
一方で、増大する航空交通量に対応するための統合管制情報処理システムについて順次整備を進めたほか、首都圏空港の年間発着枠が平成30年度には約74.7万回に達するなど、交通環境の着実な整備等が図られてきていることから、全体としては目標を達成していると評価できますが、引き続き、目標が達成された状態を継続するとともに、さらなる対策を推進することが必要と整理しております。
評価については以上でございますが、この評価書案について先月末に委員の方々に事前送付し、御指摘を頂きました。
その結果について、資料番号のない、「第10次交通安全基本計画評価書案に関する意見」という、3、4ページの資料にまとめて配付させていただきました。
道路交通につきましては、三国委員、伊藤委員から御指摘を頂いたほか、藤森委員からは評価書全体についての御意見を頂きました。
踏切道に関して古関委員から頂いた御指摘、海上交通について伊藤委員から頂いた御指摘についても、国土交通省におかれて既に修正などの対応をしていただいております。
また、航空交通につきましては、李家委員に丁寧に見ていただきました。
膨大なデータを検証してきたわけでございますが、先日、赤羽座長からは、具体の施策なり課題を検討する際に、これら評価書案の中の数字や分析に関連づけて議論ができると有用ではないかという御示唆を頂き、今後の検討を通じても折に触れてデータに立ち返ることで、EBPMの推進の趣旨にもかなうものと考えております。
続きまして、資料6、「主な議論事項試案」について御説明申し上げます。
表紙にございますとおり、議論の素材として作成したものです。第9次計画の際は、最初の回の会議で自由討論いただく機会がございましたが、今回は5月に資料を委員の方々に郵送し、これも参照いただきながら様々な形で御説明の機会を頂きました。既に、多数の御意見を頂いております。
頂きました御意見につきましては、資料番号のない「参考」という資料を配付させていただきました。これについては、委員の方々の既に頂いた御意見を事務局のメモとして便宜的に「主な議論事項試案」の関連する箇所に記載させていただいたものでございます。記載箇所について、委員の方々の確認を取っていない部分もございます。ですので、あくまで参考として、このような形で、時間も限られる中ですので、議論に生かしていただきたいと思い配付させていただきました。
何点かかいつまんで御説明しますと、まず、計画の基本理念につきまして、この計画は陸海空の交通横断の計画であり、今回は初回の会議でございます。基本理念を御議論いただきたいと思います。
第10次計画は横断的な理念として、交通事故のない社会を目指して、人優先の交通安全思想、先端技術の積極的活用の3つを示しています。
議論の素材として、今回はこれらに加え、高齢化が進展しても安全に移動できる社会の構築を加えました。
これは、昨年度の道路の検討の中で、次期計画の期間中、団塊の世代が後期高齢者になるという御指摘を座長から頂き、また、高齢化は道路の歩行者、自動車の運転者はもとより、鉄道、船舶、航空など各分野でも直接間接に関わってくることを多くの委員から教えていただきました。それを踏まえたものでございます。
2番目に、先端技術につきまして、超高齢化やこれに伴う人手不足という背景も踏まえますと、現行計画でも先端技術の活用を取り上げていますが、また別の重みが加わる面もあるのかもしれません。
自動化の進展について、陸海空それぞれの分野での取組について、伊藤委員、古関委員、李家委員から教わりました。
交通安全との関わりをどう考えていくべきなのか、李家委員からは、自動化には安全性向上と安全性を阻害する両面があるとの御指摘も頂いています。
水野委員からは、最新技術をどう見ていくのか。第10次計画作成のときと比べると、自動運転など新たな技術の進展や課題、将来を見通すのが難しい状況にあるのではないかという御指摘いただきました。
また、技術の進展に関わる交通安全教育が大事だという御指摘、渡邉委員から頂いています。
それから、全体に関わる事項といたしまして、三国委員からはアクティブモビリティ、森本委員からはSociety5.0、お話を伺っていた中では、三好委員からは、移動することは楽しいということではないか、といったような観点、古関委員からは、移動できることは希望である、との御指摘なども頂きました。高齢になって活発に移動を楽しめる社会を実現する中での交通安全について、幅広く御議論いただきたいと思います。
また、この資料は3月初旬に作成しましたが、その後、新型コロナウイルス感染症の影響につきましても御指摘いただきました。
山内委員からは、国際的な議論が既に始まっていることを教わりました。様々な安全が課題となっている中で、交通安全をどのように確実に図っていくのか、感染症の影響が交通分野にどのように及び、交通安全の観点から留意すべきことがあるのかどうか、などもお聞かせいただきたいと思いました。
次に、道路交通関係で目標値、個別の施策について、御意見もたくさんいただいております。
第2回には、関係省庁の施策の紹介とともに、目標値に関して深めていただくお時間を取る方向で検討しておりますが、大きな方向づけに関わる議論をよろしくお願い申し上げます。
また、交通安全教育の推進に関しましても、基本法制定50年を経て、交通事故死者数は減少しましたが、交通に関わる状況も大きく変化し、地域や家族、国民の暮らしの変化、時代のニーズを捉え技術の進展も生かして、どのように交通安全の普及の取組もさらに重要になっていくのかどうか、地域の現状や交通ボランティアの委員の方々からもお聞かせいただきたいと思っております。
以上は、幾つかの観点を例示させていただいただけのものですが、基本計画の論点は多岐にわたります。御議論すべき事項試案にとどまらない、幅広い視野からの御議論をお願いしたいと思います。
最後に、資料7、関係団体等からの意見についてです。
これは計画作成に当たって都道府県、政令指定都市の交通安全対策担当部署、それから、関係団体から、第11次計画に盛り込むべきと考えている事項等を、昨年、調査票形式で調査したものです。また、赤羽先生の検討会の下、交通事故被害者団体からの御意見も聴取いたしました。
その結果、43都道府県、これは県下市町村を含むものですが、43の都道府県、65の交通安全に関する団体からの御意見をここに取りまとめてございます。
このような「今後、2025年までに国に期待する主な交通事故対策に関する意見」について、今日御出席の省庁をはじめ、各々の省庁の御協力を得て現在の取組、回答を頂き整理いたしました。議論の参考としていただきますようお願い申し上げます。
概況を申し上げますと、道路交通については、意見が多かったものとしては、例えば生活道路対策、未就学児の対応、高齢者について公共交通の利用や免許制度、サポカーといった論点、また、あおり運転、自動運転などに関する御意見も頂いております。
鉄道については、ホームドアや自然災害について、複数意見が寄せられました。
航空については、無人航空機につきまして複数意見が寄せられました。
御審議いただく中で、適宜参照いただきたいと思います。
私からは以上でございます。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
ただいまの御説明にありました、3つの議題について、次のように議論させていただきたいと思います。
議事2「第10次交通安全基本計画の評価について」及び議事3「第11次交通安全基本計画作成のための主な議論事項について」につきましては、あらかじめ委員の方々に資料をお配りし、既に主なコメントを頂いております。
また、議事4「交通事故対策に関する関係団体等からの意見一覧について」は、非常に大部な資料となっており、これからの議論を通じて参照し、次の計画に反映していく趣旨のものです。
本日は最初の会議でもあり、これからの数年間、陸海空を通じて交通安全を進める上で重要と考えられる事項、各々の分野で重要と考えられる変化や取組につきまして、あまり項目を細かく区切ることをしないで、自由に御発言をお願いしたいと思います。
それでは、「第11次交通安全基本計画作成のための主な議論事項試案」につきましても参照しつつ、大きな方向づけに関わる点を中心に御発言をお願いしたいと思います。
なお、緊急事態宣言期間中に頂いた詳細な御意見と、これへの対応の確認や字句、数字の精査につきましては、適宜次回までに事務局に対応していただくことにさせていただきまして、本日は、委員の方々のこれ以外に対する御意見をできる限りお聞かせいただきたいと思います。
そういう方式でいかがでしょうか。(首肯する委員あり)
- 赤羽座長 それでは、誠に恐れ入りますが、全体の時間の制約の関係で、御発言はお一方、2分か3分というオーダーでお願いしたいと思います。
まず本日は、前半で退室されます古関委員と蓮花委員からお願いしたいと思います。
まず、古関委員からです。本日は、最初の陸海空横断的な議論と、それから、委員の御専門の鉄道分野について御発言をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 - 古関委員 古関でございます。
全体をとおして、やはり高齢化ということに対して、技術でこれをどう乗り切っていくかというところがポイントだと思っておりまして、少し、全体というより鉄道に関わることとして運転の自動化というのが現在、具体的に検討が始まっています。そこを重視していくという点が大事だと思います。
それと、李家委員からの御発言であったという御紹介がございましたが、自動化の推進には安全性を高めるものと、安全性に懸念が出てくるところとありますけれども、懸念が出てくるところに別の安全対策を施すということで、全体としては安全性は高まるという解を導いていくのが技術者としての責任であると感じています。
以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
それでは、蓮花委員、お願いいたします。 - 蓮花委員 一つは、事故とかそういうこの行動とかの情報を収集する体制について少しだけ意見を述べます。前から希望を出しているのですけれども、航空分野では航空事故の調査委員会がありますし、鉄道もあるし、道路でも(業務用車両事故の一部では)導入されているのですけれども、例えば子供の事故であるとか、高齢者の事故というようなのはかなり国民的な関心も高いし、非常に重要な課題に対しては、ある程度、期間限定でもいいのですけれども、そういう事故調査の体制という、要するにミクロ分析の体制を立てていただきたいなというのが希望です。また、ETC2.0などのように、事故ではないけれども様々なリスク行動の分析体制というのが必要ではないかというのが1点目です。
それから、高齢者の問題で、特に高齢ドライバーなどに対する支援ということで教育とかいろいろ介入手法がありますけれども、やはりサポカーというのは一つのトピックスでもあるし非常に重要だと思うのですけれども、このサポカーの研究のところにやはり高齢者というのを対象にした行動分析とか、高齢者に優しい仕組みづくりですね。人間工学的なレベルでもそうですけれども、そういうものを取り入れていってもらって、教習所等の教育の中にどう組み込むかというのを、この次の5年間の中で集中的に分析していただきたいと考えております。
取りあえず以上です。お願いします。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
それでは、以降は私からの指名ということではなくて、御発言の希望がある方から教えていただきまして、発言をお願いしたいと思います。ある方の御発言に関して、続けてそれに関連して御発言されたいという方は積極的に私に教えていただければと思います。
それでは、森本委員、お願いします。 - 森本委員 早稲田の森本でございます。手短に2点ばかりお話をさせていただければと思います。
既に資料にも記載をしておりますけれども、新型コロナウイルスの影響で皆さんが自粛をされたということにも関連をして、交通行動が大きく変わっております。これから、ウィズコロナ、ポストコロナに合わせて、社会の新しい生活様式が変わっていく中で、交通行動自身も大きく変わるということが想定されています。
すなわち、今までの我々の交通安全対策に加えて、これからのウィズコロナ、ポストコロナというのを十分に考えていく必要があるかと思っております。
その中で、日本政府が出しているSociety5.0、スマートシティというのは一つの方向性ではなかろうかと思っております。実際に、フィジカルな空間で動くのに加えて、サイバー空間の中での情報通信というのは、運転の技術に自信のない高齢者の交通行動を変容させたり、医療機関への通院の仕組みを変えたり、安全な交通行動を起こすための方向にもなると思っておりますので、ぜひそういった視点で考えていただければいいなというのが1点です。
もう1点は、これも13ページに少し書かせていただいているのですけれども、日本の国内の中の交通事故を我々は議論してきたのですが、第10次まで50年間かけて、我々は非常に大きな成果を上げてきたのも事実でございます。世界に目をやると年間135万人の方が亡くなられていて、そのうちの9割は途上国だということで、これを我々が蓄積した知見をぜひ世界に向けて情報発信をしながら、世界と共通の目標を持ちながら進んでいくこともこれからの大きな方針の一つではなかろうかと思っております。
そういった意味で、少しグローバルな視点も入れて御議論いただければと思っております。
以上でございます。 - 赤羽座長 森本委員、ありがとうございました。
続いて御発言を希望される方はいらっしゃるでしょうか。
川端委員、お願いします。 - 川端委員 ありがとうございます。川端と申します。
前回も参加させていただいてからの5年を遡ると、非常に変化が激しいと感じました。さらにこれからの5年というと、かなり社会システムが変容するようなことが起きてくると思うのです。ですので、個々の技術とか、一つ一つの技術を子細に検討するということも大事なのですけれども、社会システムの変化がこれからの5年の中でどれくらい起きるかを考えた上で、社会システムが変化し、移動の行動などが変容していくといったところを、順番をもって考えていけたらなと思っております。
例えば従来、自動車だったり飛行機だったりとか、そういう機械は制御できましたけれども、今後、5Gとかが入ってきてIoTが進むと、人間自体にいろいろなデータが出てきたり情報が出てきたりするので、今度は人間も、制御はできないかもしれませんけれども、人間の行動変容というものがそれで出てきたりすると思います。この5年間は非常にコネクテッドが進むと言われていて、そういった社会システムの変化で個人の行動が変化するということも交通安全にも影響を及ぼしそうです。従来の第10次の御報告を見ると、ヒューマンエラーのところというか、人間による交通事故というのはシステム変化だけではなくてやはりなかなか減らなかったということがあったと思うのです。ですので、そういったことも考えていかなくてはいけないなと思います。
あと、従来なかったもので、例えば今回、先生もおっしゃっていましたけれどもポストコロナで、例えば自動配送みたいなものが新たに登場しそうです。従来、人間を運ぶということを検討してきたと思うのですが、物を運ぶことに対して、自動化やコネクテッドが加わることで、非常に大きな変化が生まれそうです。従来なかったようなモビリティが、新しいサービスに伴って出てくるということが起こり得るので、そういった従来なかったものを考えられるような仕組みがこの委員会では検討できるといいなと考えました。
また、グローバルの流れの中で、海外と日本の法規の違いによって日本に入ってくるものと入ってこないものというのが多分あるので、そういったバリアが国内であるべきものか、あるいはそれは取り払って考えていくかというのを、ここで取り払うことを決めることはできないと思うのですけれども、そういったグローバルとの差分が交通安全を検討する上で適正かどうか見ていくというのが必要ではないかと考えています。
以上です。 - 赤羽座長 川端委員、ありがとうございました。
ほかに、次に御発言いただける方はいらっしゃるでしょうか。スカイプの方もマイクをオンにされて、お名前を教えていただければ御発言いただけますので、よろしくお願いします。
久保田委員、お願いします。 - 久保田委員 久保田尚といいます。よろしくお願いします。
まず、感じていることを1つだけ申し上げますと、確かに交通事故の死者数でいうと、最悪に比べれば少なくなってきたという話が先ほどございましたけれども、例えばマスコミに出るニュースの大きさ、あるいはそれに対する国民の反応ということから考えると、今、極めて大きいですよね。あるところで子供が犠牲になったということが、非常に大きなニュースになります。つまり、国民は交通安全ということに非常に敏感であるということを我々は強く認識をした上で、今後の5年間についても考える必要があるということを、まず肝に銘じたいというのが1つでございます。
それから、ちょっと具体的な話で言いますと、5年前と今とを比べたときに何が変わってきたかということは、今、川端委員がおっしゃったとおりなのですけれども、5年前にはちょっと考えられなかったような移動の仕方、あるいはものの運搬の仕方というのが出始めてきているのがちょうど今で、これから5年で多分かなり本格化してくるだろうということであります。
したがって、これまでとちょっと違う、予防のような形の交通安全対策を先立って考えていく必要がある。つまり、そういう新しいものを、道路あるいは道路交通の中にどう位置づけるかという議論を先立ってやるのが新しい役割になってきているというのが、認識しているところであります。
それから、高齢者の話については、前からすごく言われていることなのですけれども、特に歩行者について焦点が当たっていたことについて、第10次のときにかなり運転者にも焦点が当たってきました。この5年間で考えると、非常に大きいと思っているのが事業用自動車でありまして、かなりの業界で運転手の高齢化というのが大きな問題になってきている。第10次のときには、たしかバスの運転手の高齢化の問題が少し出ていたと思うのですけれども、これはかなり一般的に議論すべき状況になってきているということで、第11次においてはかなり大きなテーマの一つになるのではないかと思います。
最後に、先ほど資料7で各省庁さんが生活道路について随分重点を置いて御発言いただいているので、私も非常に心強く思っているところなのですけれども、この5年で物すごくいろいろ進めていただいたわけです。ゾーン30や技術基準、その他。ですから、この次の5か年こそ、まさにこれが日本の生活道路はヨーロッパに比べて全く遜色ないというところに持っていくべき5年だと思っておりますので、ぜひこの点も重点的に議論していきたいと思っています。
以上です。ありがとうございました。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
いかがでしょうか。次に御発言いただける方、いらっしゃるでしょうか。
三好委員、お願いします。 - 三好委員 お話の中にも新型コロナのことがいっぱいあったのですが、本当にそのことが今後5年間の中にうまく含ませていただけたらいいなと思います。
私の周りでも、実は事故がちょっと増えていて、なぜかなと思ったらこれはライダーに限ってなのですけれども、自粛していて、それから乗り始めてわっとみんな走り始めてくれたのはいいのですけれども、走っていいのかなとか寄っていいのかな、何か買っていいのかなと、どきどきしながら皆さん乗っていらっしゃって、かえって前よりも事故が増えているのかなというのが、私の周りなのですけれども印象的にあるのです。
車で移動するとか、車ではなくても何かで移動するというときは、人間の心も一緒に移動しているのだなというのが私はつくづく分かったのですけれども、なぜ増えたんだろうかと思うと、やはり肯定否定をこの間から数か月にわたって私たちはしているわけですけれども、そうすると何か躊躇するようなことが移動の中であるのかなというのをちょっと思いました。
そういうことがあったとしても、何かインフラであったり車のことだったり、いろいろなものがヘルプしてくれればいいのですが、やはり人間は移動するときに人が動くので、この50年になかったような変化がやはりすごくあるのかなと思います。
去年1年のことでいえば、高齢者がオートバイと、この松本の田舎に住んでいるだけでもお1人、高齢者の方が自分で車にぶつかって自分が死んでしまったというのがございまして、全部、原因が分からないのです。はみ出してしまったみたいな感じなのですけれども、でもそういう事故があって、そういうときに全部の車に、バイクに、自転車にもドライブレコーダーがあったらいいなと思うようなことがとてもありました。町中にも防犯カメラとか監視カメラ、ETCにもいろいろなことがあって、いろいろな角度で監視することができるにせよ、起こってしまって最後に被害者の方がとても泣いているという姿も見ていたので、そういうことが起こらないといいなと思いました。
ただ、本当に移動するというのは、先ほどもちょっと言っていただいたのですけれども、希望を持って夢を持って移動するということは、太古の昔から人間にとってとても大事なことで、そこからまた突破口があると思うので、未来につながるようなそういう言葉も、ぜひとも表示していただけたらと思います。
2分を過ぎてしまいました。取りあえず、以上です。 - 赤羽座長 三好委員、お気遣いありがとうございました。
本当に自粛の期間は、私たちが移動で得ていたものを再発見する機会になったと思います。
それでは、スカイプのチャットの機能で三国委員から発言の希望が来ているようです。お待たせしました。三国委員、よろしくお願いします。 - 三国委員 三国です。よろしくお願いします。
私の発言内容ですが、「交通安全の思想の普及徹底」のことに関連します。地方では、子供を自動車で送り迎えすることがだんだん当たり前になっています。そしてこのことが子供の自立した交通安全行動をする機会を奪っていることに保護者自身が気づいていない。結果として、交通安全のために保護者が子供の行動を制限していることになるのではないでしょうか。子供の成長にとって必要な、交通に対する社会的意味を保護者に理解してもらうことが大切ではないかと思います。
次に、今回コロナのことも含めてですが、自転車に乗る方が増えました。そして、高齢運転者の免許返納後に自転車に乗る方も増えたのですが、しかし実際、かつては乗れたかもしれないのですが、高齢になって自転車にいきなり乗っても、もう体幹も弱っていて乗れないということがあります。やはり自動車も乗るけれども、場合によっては自転車にも乗る、そういういろいろな交通モードを普段から活用する考え方を自動車しか利用しない方に知ってもらうことも大切なのではないでしょうか。
そしてもう一つは、ヨーロッパに昨年行って感じたのですが、あちらでは「アクティブモビリティ」という考え方が強く出ていて、動力に頼るだけではなく自分自身の身体を使うモビリティを大事にしていくのも必要ではないかということです。日本ではまだそのような考え方が一般の皆さんにはないような気がしますので、その辺も交通安全の思想の中に入れられたらどうかと思います。
以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
同じ方法で、山内委員から御発言の希望が寄せられております。山内委員、お待たせしました。お願いします。 - 山内委員 ありがとうございます。
今、出たのですけれども、さっきから将来どうなるかということを今回の計画に盛り込むべきだということで、そのとおりだと思います。
そして、具体的には、今はコロナの話が出て、これは事務局にも以前、お話ししましたけれども、世界交通学会というのがあって、そこでコロナに対応した交通のあるべき姿というのをいろいろ提言しているのですが、今まさにおっしゃったアクティブ・トランスポーテーションというのが非常に重要になってくるということで、個別の行動、パーソナルモビリティの中でも自転車の移動、こういうものが重要になってくるので、そういったところをやはり見逃さずに、将来にどう変わるかという中に具体的な例として挙げたらいいと思います。
時間がないのですごく早口になりますが、自動車についてです。
最近、道路交通法が改正になって、いわゆるあおり運転の話がありましたが、資料6の中には13ページにそのことが書いてあるのですけれども、私はこれは結構重要な問題だと思っていまして、ここに書いてあるようにあおりをやめましょうと啓発しましょうというだけではなくて、交通の指標というか、それの基本的なところにこういうものを組み込んでいくことが必要ではないかと思っています。
11ページで交通安全教育の話が書いてありますけれども、そういったものを見直すというか、必要なことを入れていくということはあると思います。
13ページの下には歩行者優先の話も、最近テレビなどで話題になっていますけれども、このこともまさに今のあおりの話と同じルーツだと思うのです。だから、教育をやはり考え直して、根本的に見直すという姿勢が必要ではないかと思っています。
さっきの古関先生以外には、皆さんからはあまり鉄道のことが出ていないので、鉄道について1つだけ申し上げたいのですが、これも最近話題になっているディスエイブルドのハンディキャップの人たちが、鉄道事故に巻き込まれるということがあるわけです。そのときに一番ポイントになるのは、ホームドア、ホーム柵なのだけれども、資料6の18ページのところにそのことがちょっと書いてあります。やはりこれは、もちろん進んでいる事業者さんもいるのだけれども、まだまだ遅れている事業者さんもいるし、それからこれは費用負担の問題とかいろいろあるのです。そういったものまで含んでこれを推進すべきであると考えています。そういったことを取り込んでいただければと思っています。
以上でございます。ありがとうございました。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
同じくスカイプ参加の渡邉委員、お願いいたします。 - 渡邉委員 渡邉です。2点ほどお話ししたいと思います。
私は学校の交通安全に関わっておりますけれども、先ほどから少し話題になっていますがコロナの件で、最近、ある報道で子供たちが登下校のときに距離を保つように、また、話をしたりするのを控えるようにということで、雨が降っているわけではないのだけれども傘を差しながら登校しているという報道が出たのです。なかなか面白い工夫だなとは思ったのですけれども、傘を差しますと当然のことながら視野は妨げられるわけですよね。そうすると今度は逆に交通事故のリスクが高まるということも考えられるわけです。今は中止しているという話ですけれども、どうしても交通安全だと交通のほうに目が行ってしまいますが、実際のところ例えば自然災害ですね。最近だったら水害が非常に多い。そういった水害によって当然、交通網が遮断されたりとか、車が動けなくなったりとかそういうこともありますし、通学路でいうと、例えばブロック塀が崩れたケース、あるいは、防犯でいうと、下校中に犯罪被害に遭うということで、登下校防犯プランというのも行われたりしています。
ですから、交通安全だけではなく、それに関わる例えば自然災害であるとか犯罪被害であるとか、そういったことも視野に入れつつ考えていただくとよいのかなというのが1つあります。
もう1点なのですが、これはつい今週ですけれども、文科省のほうで、中学生がスマホを持って登校することを認めるという方針のことが報道に出ておりました。スマホを持って登校しますと、学校では使わないということなのですけれども、当然のことながら登下校中は恐らく、ながらスマホをやる可能性がありますよね。そうしますと、また新たな事故の可能性が高まってくるということがあります。既に高校生では結構そういうケースがありますし、自分が怪我をするだけではなくて加害者になってしまうということもあるわけです。大学生では実際、ながらスマホで自転車に乗り、接触した歩行者を死なせてしまったということがありました。
ですから、そういうことも含めて、中学校の交通安全も少し見直していかなければいけないかなということを感じました。
以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
スカイプが続きましたので、そろそろ会場からはいかがでしょうか。
守谷委員、お願いします。 - 守谷委員 守谷と申します。
私は今、救命救急センターの責任者をしておりますが、日本の交通事故に対する救急医療体制がこれでいいのか。よくなってきているのは分かっているのですが、やはり先ほどから意見が出ていましたように、世界基準でどのレベルなのかということを考えなくてはいけない時期に来ているだろうと思います。
例えばドイツですと、高速道路での交通事故に対して事故後すぐにヘリコプターが降りて対応するとか、交通事故ではありませんが、スイスではスキーで事故に遭った方をすぐにヘリコプターでフランスなどほかの国まで搬送するとか、そういった素晴らしい患者搬送システムの話を耳にします。あのようなシステムと比較して日本のシステムがどうなのかということを含めて、やはり客観的な評価をしておかなければいけないかなという時代になってきているのかなと思います。
そうした中では、先日の部会のときにも少しお話ししましたが、交通事故による外傷の損傷の重症度を世界基準で測る方法がありますので、そうしたデータを少しずつ出していくようにしたらいいのではないかなと思います。そうすると、世界の中の日本における交通事故に対する医療体制の評価ができるのではないかと思います。そうした準備をするべきではないかと思います。
以上です。 - 赤羽座長 今の最後のほうのお話は、議論すべき重要事項の中にも入っていると思いますけれども、交通安全対策の目標値の設定に重傷者数を適用したらどうかということと結びついています。守谷委員には、その点に関してまた詳しくお話を伺う機会もあろうかと思います。よろしくお願いします。
ほかにはいかがでしょうか。
伊藤委員、どうぞ。 - 伊藤委員 海上技術安全研究所の伊藤でございます。
私は、海上交通を主に専門としておりまして、道路交通等との共通点はあまりないかと考えておったのではございますけれども、この先、5年、10年といったスパンで考えていくときには、やはりどちらに対しても大きな社会的な動きというのが影響してくるのではないかなと思っております。
一つは今、何度もお話に上がりましたようなコロナウイルスといったような伝染病の拡大によって人々の生活様式が大きく変わってくるということがございますし、その前に大きな話題になっておりましたのは、近年の自然災害の激甚化といったことが上げられると思います。大地震ですとか、台風も地球環境の変化によってよりひどい激甚災害になるという想定外の事態がございます。
そういったときに、それぞれの分野での対策はあろうかとは思いますけれども、分野間の連携も重要かと思います。例えばコロナウイルスの初期に横浜沖でクルーズ船が停泊し、その中に非常にたくさんの方がおられ、病気の対策と予定外の停泊における船内の取り回しという2つの側面があったと思います。
私どもが心配したのは、クルーズ船には当然たくさんの乗客がいるのですが、実際にはそれと同じぐらいの船員さんがいることに関して、あまり社会では着目されていなかったことです。病気の問題と、クルーズ船の中の取り回しの問題といった大きく異なる2つの分野で、どちらにおいても想定外の状況の中、両分野がもっとうまく連携していくことができたら、もう少し違った結果になったかなと考えております。
同じように異なる分野をまたがる非常事態はどこでも起きておりまして、例えば今、コロナウイルスで自宅にいなければいけない中で大きな台風が来たら避難のための移動はどうしようかとか、いろいろな問題が起きてくるでしょうから、想定外の事態における分野間の連携といったものが今後ますます重要になっていくのかなと考えております。
以上です。 - 赤羽座長 伊藤委員、ありがとうございました。
国際的な移動あるいは輸送を担っているという意味で共通するところがある航空分野に関して、李家委員はいかがでしょうか。 - 李家委員 ありがとうございます。
陸海空横断的な総論部分については先ほど御紹介いただいたとおりですので、航空に限って発言させていただきます。
資料6にも書いてあるのですが、基本的に航空分野ではこれまで3つの重要な要素があるかなと思っていました。まず、航空需要が大幅に伸びるであろうからパイロットが不足する恐れがあるということ。
それから現在、国産航空機の開発等行われていますので、その安全性を証明し続ける体制の重要性。
3番目は、先ほどもお話がありましたアクティブ・トランスポーテーションというのに関連するかもしれませんが、現在まだ構想段階ではありますが、空飛ぶ車という、個人で小さい飛行機を飛ばそうというものですとか、または無人機といった新しい飛行体の概念が出ていますので、その安全確保というのが非常に重要な要素になるかなと思っておりました。
ただし、先ほど来、いろいろと議論がされてきたことに関連しますが、新型コロナウイルスの影響で現在、航空関係では、旅客数が大幅な減少になっています。ですから、先ほど申し上げたような新しい機体ですとか操縦士に関する需要の見通しが変わってくるであろうと思われます。
国際的なエアラインの団体によりますと、多分2024年頃になってようやく旅客需要が元のレベルまで回復するのではないかということです。国内線のほうは徐々に回復していくのですが、国際線は出入国の制限もありますので、回復には時間を要するのではないかと、今は言われています。
そういうことで、先が見通せないところもあるのですが、今申し上げた2024年というと、ちょうど今回の計画の5年の中に入ってしまいますので、これらの影響を考慮する必要があるかなと思っております。
最後に、航空関係ですと安全確保というのが一番重要なものなのですが、それ以外に環境適合性というのも非常に重要なトピックスで、地球温暖化関連とも関係づけられてきました。これらの2つにこれまでは重点が置かれていたのですが、今後は感染症の関係で、飛行機に乗っても健康を維持できることが重要視されるようになり、すなわち、「安全・安心」というのが航空では、安全だけに限らず重要になってくるのかと、そのように思っております。
以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
先ほど、空飛ぶ車が構想されているというお話でしたけれども、車という名前がついていても、これは航空の分野で安全に関してもいろいろ考えていただけるのでしょうか。 - 李家委員 はい。名前は車とついておりますが、完全に飛行機の一種ということで、現在、国交省航空局やほかの省庁の中でそれに関する検討が民間も交えて始まっておりますので、自動車とは全く別のところで議論していくことになると思います。
- 赤羽座長 よろしくお願いします。
会場からの御発言はいかがでしょうか。
それでは、私からちょっとお願いしたいと思います。
交通ボランティアを長年続けていらっしゃるお立場から、まずは会場の服部委員、いかがでしょうか。お願いします。 - 服部委員 交通指導員をしている服部と申します。よろしくお願いします。
今の意見を聞いていますと、話が自分にしては世界水準などすごく大きな話ばかりです。
でも私たちはこういう立哨をしていますと、交通戦争というか本当に死と隣り合わせのような状況なのです。それもマナーの悪いドライバー、例えば今でいうスマホを片手に運転しているとか、ごみのポイ捨てとかです。そんな人にマナーを守れというのはなかなか難しいもので、でもこれも教習所なり今まで学校などでそれなりの教育を受けて今に至ったと思うのです。
でも自分らはドライバーに対してそれを止めることができないし、また注意することもできないのです。けれどもこれは、交通指導員としての最低のできるものとして、笛を吹いて取りあえずその場を去ってもらうしかないものでありますから。
そして、交通事故の状況とかいろいろありますが、我々交通指導員は、数字で消せるもんならそれをまた、それをやってもらいたいと、そういうものがあります。
これからまた雨の日もありますので、そのときはまた視界も悪くなりますし、我々も雨合羽を着たりとかそんなことをやっているのですけれども、これからもまた交通事故のないように、我々も春の交通安全、秋の交通安全、年末の交通安全等でドライバーにリーフレットを配ったりしてそのような啓発活動をしているのですけれども、なかなかうまくいかないのが現状であります。
以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
それでは、同じお立場で活動を続けられている、本日はスカイプ参加の北島委員、いかがでしょうか。 - 北島委員 北島です。
私たちも、先ほどの服部委員と同じで、母の会ですので注意はできても取り締まったりとか罰則を与えたりとかそういったことは全くできないのです。だから、啓発でいろいろやっていても全く無視されたりとか、そういった思いもたくさんしてきました。
今はしかもコロナの影響で、小学校の交通安全教室もほとんど中止状態、様々な啓発活動も中止状態で、本当に手も足も出ないという状況になっております。
でも、7月の和歌山独自のものだと思うのですが、夏の交通安全運動からは規模を小さくしながらも啓発活動をやっとスタートできる運びとなってきました。
そういったふうにいろいろな問題はあるのですけれども、徐々にウィズコロナで付き合っていきながら、できる範囲内の啓発をしていかないと仕方がないのかなと思っている今日この頃でございます。
母の会自体が、それこそ高齢者の啓発、毎年、高齢者訪問というものをしているのですけれども、高齢者の家庭を回るのが高齢者という実態もございまして、新たな会員さんの募集という点でも非常に困っているというのが母の会の現状です。
以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
古笛委員、お願いします。 - 古笛委員 ポストコロナということで、いろいろ先生方から御意見が出ているのですけれども、本当にこの不要不急の外出を自粛するという期間に、普通に外出できることがこんなにありがたいことだったのだと実感するのですが、それと同時に、どうしても私たち弁護士は事故が起きてからの交通事故事件を扱うということで、少なくとも、交通事故の法律相談ですとか自動車保険の事故受付とかを通じてですけれども、あらためて、移動しなければ事故は減るのだなということも感じています。
この自粛の期間中、交通事故の相談は目に見えるぐらい減りました。実際のところどれぐらい減ったのかというところは、今後また統計とかを確認しなければとは思うのですけれども、当たり前のように移動がなければその分事故は少なくなるではないかとも感じているところです。
そして、自動車を使わない代わりに自転車を利用する機会が増えたという話もあるのですが、そのためか、自転車事故の相談は逆に増加傾向にあります。移動自体がいけないとか移動をやめるべきだということではないのですけれども、やはり自己にとっても他者にとってもリスクの低い移動手段というものを選択するというアプローチ、そういう視点も必要なのではないかなということを、この期間に考えた次第です。
以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
それでは、スカイプ参加の水野委員、よろしくお願いします。 - 水野委員 水野です。
今回の第11次に当たりましては、今まさに、車の情報化技術が大きく進展しているといった状況下にあると思います。例えば運転者支援とか車車間通信、自動運転などの技術をさらに進めて、交通事故をどう減らしていくか考えていく必要があると思っています。
このような技術をさらに発展させるために、開発環境をメーカーあるいは研究者、技術者にいかに整えていくかというのが、交通事故死傷者数ゼロを目指すために重要ではないかと思います。
例えば自動運転などではレベル3を超える実用化というのは、かなりコストもかかって難しいとともに時間もかかること,あるいは現在の自動運転車だと事故率が高いという指摘もありますので、やはり特区とか、専用道路などを使って自動運転車を走らせるのが、利便性や技術の開発にとって一つの方向性ではないかと考えています。
技術開発のためには、先ほどお話もありましたが、事故における映像データというのが人的要因を見るために非常に有用なツールになっています。ただこれはプライバシーの問題があって非常に使用が難しいのですけれども、こういったものをデータベース化して研究者や開発者が使うことができれば、交通事故防止のための技術開発に役立つと思います。
それから、先ほどから自転車事故の問題が出ているのですけれども、今回の資料を見せていただくと、ヘルメットの使用という観点が抜けているように思います。自転車はヘルメットの着用率を上げれば、かなりの重傷者数が減ると思います。車のシートベルトと同じように自転車のヘルメットの着用促進というのも考えていただけたらと思います。
以上になります。ありがとうございました。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
レベル3を超えるのは難しいというお話をされましたけれども、レベル3というのは通常時は完全自動運転で、自動運転が状況に対応し切れなくなったときには運転者が運転を引き継ぐという方式だと思うのですけれども、そのレベル3までは行けるけれども、その先の完全自動運転のレベル4以上が難しいという意味でしょうか、それとも、レベル2からレベル3に移るのが難しいという意味だったのでしょうか。 - 水野委員 今回のはレベル3から4という意味で申し上げましたけれども、それは運転者が介在しなくていいという意味で申しましたけれども、やはりレベル2からレベル3も完全に実用化していくのは困難だと思いますので、限られた区域で使うことでその辺を解決していけるのではないかと思っています。
- 赤羽座長 ありがとうございました。
まだ藤森委員には御発言いただいていなかったでしょうか。お願いできますでしょうか。 - 藤森委員 藤森です。たくさんの御意見ありがとうございました。
私も大学で授業をしておりまして、特に都心の大学ですので、大学生が最近は運転免許をもう取らなくなってきているというところで、大学生に聞いてみましたら、運転免許を持っている学生は小中学校以来、交通安全についてきちんと教育を受けるのはやはり免許を取得するときである。免許を取らない学生たちは全くそういう面では交通安全について改めて、または新しい交通規則についてきちんと学ぶ機会がないということが言われていました。
これは、ある意味で交通安全の教育が青年期にぷつっと切れてしまうのだなということを感じることができましたので、少しそういう面では、高齢者だけではなく青年期の人たちにもきちんとそういう教育が入るような仕組みができたらいいなということが一つあります。
もう一つは、家族支援をしているところで、高齢者の家族の問題、認知症を抱える、または予備軍の方たちが、家族が免許を返納してくださいとお願いしてもなかなかそれを受けてくれない、怒ってしまう。特に、実子ではなくて息子の嫁であったり、義理の関係の子供たちがお願いしたら余計に怒ってしまってトラブルになってしまったということがあるので、何か免許返納に関するもっと積極的な問題というところは少し、家族を支える意味でもサービスが提供できればいいのかなと感じております。
以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
私も、大学で交通工学を講義していて、20年くらい前の学生と今の学生とでは、やはり車に対する関心は大分違ってきたなと思います。
先ほどのどなたかの御発言で、小学校に送り迎えしてしまうのでというお話がありました。各年代で交通社会に参加する機会をどうやって維持するかということは、これから考えていかなければいけないことですね。ありがとうございました。
私のチェックですと、今日御参加の方には全員に発言していただいたと思いますが、いかがでしょうか。スカイプの皆さんも含めてまだ御発言されていない方はいらっしゃるでしょうか。ありがとうございました。
もし、まだ御発言されていなかったら、この後でも結構です。
そして、今日、御欠席の中土委員から、被害者支援の観点からメッセージをお預かりしておりますので、この場で御紹介いただきたいと思います。
事務局、よろしくお願いします。 - 近藤参事官 公益社団法人被害者支援都民センターの中土委員のメッセージを読み上げます。
第1回会議欠席に当たり、資料を拝見し、感想等を幾つか書き記したいと思います。
航空や鉄道に関しては、死亡事故等大きな事故は近年発生がなく、国土交通省や各会社の努力を感じます。しかし、運転士のスマホ操作なども問題になったことがあったかと思いますし、航空機のパイロットの方の飲酒問題なども報じられています。先日、鉄道に関しては、劣化による脱輪なども報じられました。パイロットや運転士の安全意識はもちろんのこと、メンテナンスをされる方々の安全意識の教育・醸成は引き続きお願いしたいところです。
道路交通に関してです。国が施策として様々な取組をした結果、第10次計画に掲げた死傷者数50万人以下という目標が達成できたことは、一国民としては大変喜ばしいことです。一方で、交通事件遺族当事者及び被害者支援に携わる者として、心情的には人の生死が数値化されての目標値設定は、複雑な思いを抱かざるを得ません。
自動車メーカーのCMでは、トヨタやスバルが既に「交通事故をゼロに」というワードを出しているのを耳にします。具体的な数値目標を立てることも大切ですが、大まかなスローガンとして「交通事故ゼロ」もしくは「交通死ゼロ、被害者ゼロ」をうたうことは、国民の交通安全意識を高めるに当たり重要ではないかと改めて感じました。
国土交通省が報告されている「被害者支援の充実と推進」に、損害賠償や救済措置だけではなく心理的ケアという項目が入ることを望みます。死亡や重篤な交通事件については、被害者支援センターも対応はさせていただいていますが、対応数には限りがあります。交通事故センターなどで、交通事件事故の被害者の心情の特性を捉えて、心理ケアが提供できればさらに被害者支援の充実につながると思います。
自動運転システムについては、さらに開発研究が進んでいくと思われますが、今年6月、台湾でテスラのモデル3が、横転したトラックを検知できず自動ブレーキがかからなかったということもあります。そんな中で、今年の4月からレベル3のスマホ操作が解禁になったことは痛恨の極みでした。この事態に対応する安全施策が必要だと思います。
また、2018年3月7日に日刊工業新聞で報道されていた、居眠りや心停止の際に自動運転で制御されるというシステムがありましたが、それはその後の活用が進んでいるのでしょうか。
ゾーン30は、大変効果があったものと思います。目標の3,000か所は達成しているとのことですが、さらなる必要な箇所があれば増やしていってほしいです。
16年前に次男の命が奪われた道路は、当時は歩道整備もなく横断歩道もありませんでした。同じ道路上で、場所は違いましたが、その数年前も死亡事故がありました。現場は一級河川沿いの道路で、管理は市と国に分かれていて、その両方に現場の整備を訴えました。その中で急場になされたのが、「子供飛び出し注意」の看板設置で、まるで息子が飛び出しをしたかのように扱われたようでとても悔しい思いをしました。ただ、市の道路課の方からは、将来的には必ず整備がなされること、市としても急いで対応したいと思っている、という話のとおり、今現在では歩道整備、周辺整理がなされ、安全化が図られていることを感じました。環境整備、歩道の拡充など、「人優先」の思想はそのまま継続し、深めていってほしいと思います。
「メールけいしちょう」の注意喚起について、呼びかけの工夫をしてほしい、ということです。先日、コロナ禍において子供が犠牲となる交通事件が頻発した際、「保護者へのお願い」というメールが数回発せられました。歩行者への注意喚起はもちろん必要ですが、交通事件事故において責任を一番に負っているのはドライバーのはずです。メール情報登録者の中には多くのドライバーが含まれます。まずは、その人たちに運転態度への戒めや注意喚起があってしかるべきかと思います。 高齢者の免許返納の施策はさらに進めていってほしいところですが、特に地方では返納した後の生活の足の喪失という側面があるかと思います。代替の交通手段や新しい生活様式の提案などの工夫も並行して進めていってほしいと思います。
子どもの事故が増加傾向というのはとても残念です。子供への交通安全教育は必須ですし、今後も家庭教育、学校教育の中で成長段階に合わせ継続するべきだと思います。その中で、まず第一に伝えてほしいのは、大前提としてあくまでも「ドライバーに責任があること」ということです。そして、もし事故に遭ってしまっても「自分が悪いのではない」ということを伝えないと、軽微な事故は親や学校に申告しないということが出てくるかと思いますし、何より子供自身の自責感を深めてしまうことになりかねません。
一般のドライバーへの交通安全教育をさらに深めることはできないかと思います。業界によって、安全意識が高い会社、低い会社の差があると思います。夜のサービス業等で飲酒運転があったりするというのを交通刑務所で見聞きした経験があります。
コロナ禍で、さらに配送業の方の負担が増大している中で、配送業に特化した安全対策が必要ではないかと思います。ソーシャルディスタンスやマスクの着脱なども、各運送会社で工夫したりしていますが、ガイドラインなどは提供されているのでしょうか。某企業では「当日到着」や「翌日到着」を売りにしていますが、それほど急ぐことが必要でしょうか。
昨今、バス会社や生活協同組合、関東交通共済等から遺族の講演依頼が増えています。講師をしてくださる方には限りがあるため、お話ししてくださる方をさらに尊重してほしいと思います。
ほか、多々思うところはありましたが、読んでいただくのも負担があるかと思いますので、今回はここまでといたします。
このたびは急な欠席で、大変御迷惑をおかけいたしました。
以上でございます。 - 赤羽座長 代読ありがとうございました。
本当にまだ発言されていない方はいらっしゃいませんか。大丈夫でしょうか。ありがとうございました。
非常に多岐にわたる御意見を頂きました。全ての御指摘に回答するのは難しいと思いますけれども、関係省庁から各々関連する事項につきまして、恐れ入りますがポイントを絞ってお答えいただけないかと思います。絞っていただく場合に、先端技術だとか高齢化等の課題が一つの選択だと思います。よろしくお願いします。
どうしましょうか。私からお願いしたほうがよろしいですか。大体順番でやっていただけるでしょうか。
では、鉄道関係からお願いします。 - 酒井管理官 鉄道局安全管理官の酒井です。
鉄道関係は私から一括してお話をしたいと思います。
最初に古関委員から自動運転の話がありました。自動運転に関しまして、都市鉄道、地域の鉄道でそれぞれ目的が違うと。また、技術レベルも違うということで、そういったことを意識しながら、今、検討を進めているところであります。
それから、山内委員からハンディキャップのある方、特にホームドアの設置をさらに整備をという話もありました。これは私たちの中でも、例えばホーム転落の話も、やはり一番聞くのがホームドアの整備だということで考えておりまして、これは鉄道局としても、鉄道事業者と一緒に整備を今、進めているところでございます。
あともう一つ、最近、自然災害激甚化がされているということの中で、今は関係者がどれだけ協力し合いながらということの話がありました。事故というのとは少し違うのかもしれませんけれども、昨年、新幹線の基地の水没みたいなこともありました。ということで、今、鉄道事業者の水没に対しての対策とか、計画運休と言われるような事故の未然防止というようなことに今、力を入れているところでございます。
それに当たっても、鉄道事業者と鉄道局だけではなくて、今は、気象庁とか水管理保全局だとか、そういう気象情報も含めてのネットワークというか、関係者が集まって一緒に進めていくということをやっておりまして、そんなことの効果が進められているのかなと思っているところです。
最後、コロナの話もありましたので少し話させていただきますと、コロナの場合の関係ですと、やはり医療従事者などの足の確保ということもありまして、鉄道に関しては維持をするということで進められておりまして、ホームページ等でその辺の考え方を示させていただいているところです。
私たちのほうでは教育訓練はやはり重要だということの中で、コロナ対策とともに鉄道事業者さんの中での教育ということも同時に両立させていただきたいということで説明してきたところでございます。
私からは以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
それでは、海上交通、お願いいたします。 - 山倉室長 海事局の山倉と申します。お世話になります。
海事関係ですけれども、伊藤委員からも御意見がありましたけれども、この5年から10年のスパンではいろいろ社会が変わっていくと思われます。
船舶の運航関係につきましては、自動運行船というようなことも、今、大変社会的にも話題になっていますし、国土交通省としても手を入れているところでございますので、この辺は協力しながら進めていきたいと思っています。
近年、自然災害につきましてもやはり台風での船舶事故がありますので、こちらについての対策等については引き続きやっていきたいと思っています。
コロナ、伝染病関係での横浜でのクルーズ船も大変な被害が出ましたけれども、これにつきましても国土交通省だけでなく、関係省庁と連携をしながらいろいろな対策を立てていきたいと思っている次第でございます。
以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
航空交通、お願いいたします。 - 英課長(代理) ありがとうございます。
李家先生からも御意見いただきましたように、国産機の安全性の確立をはじめとして、航空分野における安心安全を検討していくことは重要と認識しております。また、空飛ぶ車、無人航空機等の関係については、官民協議会等において議論しているところでございまして、これらの安全性の確保についても今後、検討を深めていければと考えております。
また、御意見いただきました(ドローンを活用した)物流の自動化であるとか、配送業の関係での安全性を高めることは重要である一方、利活用との兼ね合いも考慮する必要があるところ、それらの両立を十分担保できるよう努めてまいりたいと思います。
以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
それでは、国土交通省道路局からは何かありますでしょうか。 - 岸川課長 道路局の岸川と申します。
道路交通の、特にインフラという観点から申し上げさせていただきたいと思います。
本日もいろいろ意見を頂きました。社会変容のお話、コロナのお話もございました。手前みそになりますけれども、道路局のほうもちょうど今週、2040年を見据えた道路ビジョンというものを出しました。昨年の秋ぐらいから議論をしていたのですけれども、例えば通勤ラッシュがなくなるとか、道路が公園のようになるなどと言っていて、本当にそうかなと言っていたらこのコロナで通勤ラッシュがなくなるという事態があったということで、先の話だと思っていたものが、このコロナによって今、起きつつあるということがあります。私たちも、そのビジョンでは2040年ということを念頭に置いておりますけれども、本当に社会の変化というのは分からないというところで、いろいろやはり考えておくことが必要だなと、本日の先生方の意見も伺って、まさにそうだなと思ったところでございます。
その中で、生活道路の関係で久保田先生などからもたくさん頂きました。こちらにつきましては、去年の大津の事故もあって警察あるいは文科省さんなどと一緒になって緊急点検をしていろいろ対策を、昨年度の補正予算ですとか当年度の予算でしっかりと対応しているところでございますし、また世界基準でというお話もございました。ヨーロッパと比べて遜色のないようにというお話もございましたので、どのような目標を立ててやっていけばいいのかを、また御知見を頂いてやっていきたいなと思っております。
また、自転車につきましても、自転車の推進計画といったものをつくりまして、自治体のほうでもお願いをしているところです。また、標準条例を国でつくりまして、例えば自転車の賠償責任保険に入っていただくことを条例で義務づけるところもあれば努力義務化ということもありますけれども、そういったことを積極的に盛り込んで加入を進めていくようにという形で、これもまた進めているところでございます。
自動運転につきましては、インフラ側といたしまして、水野先生からも専用道路というお話がございました。こちらにつきましても、特に自動運転はこれから普及するであろうということをにらんで、道路空間の在り方の検討会といったものを道路局でもやっております。その中で昨年の中間的な意見でございますけれども、特に物流につきましてはいろいろ自動化が進んでも、特にコロナのときもそうですけれども、トラックの需要というのは大きく減ったわけではなく変わらないぐらいありましたので、特に物流に関しては専用道路の必要性といったものを進めていく必要があるのではないかという話も、既に出ていたりとかはしておりますので、またこちらでの議論、そしてまた局内での議論も踏まえて、新しい交通基本計画に反映できたらいいなと思っております。
今日はたくさんの意見をお聞かせいただきまして、本当にありがとうございました。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
それでは、国土交通省の自動車局からいかがでしょうか。 - 野津課長 自動車の関係、車両の関係について申し上げます。
高齢ドライバー、サポカーについて、2つポイントがあると思っております。1点目は運転支援装置の改善向上を図ることが当然必要かと思っています。既に、衝突被害軽減ブレーキで衝突事故が減ったという実績もありますので、機能をさらに高めていく必要があると思っています。
2点目は、これと並行いたしまして重要なのが、こういった装置は決して万能ではなく、過信をしてはならないので、過信防止対策であります。昨年、池袋で大変痛ましい事故があって、今年の4月に御遺族の方が実名で動画を公表されていましたが、その中で、不安のある上での運転はしないでほしいというメッセージを出されていました。自身の運転に不安があっても装置を過信することで運転するようなことはあってはならないので、こういったことも十分対策をしながら進めていきたいと思います。 - 石田課長 続きまして、自動車局でございますが、車両安全に加えて運送事業者の安全というのも自動車局では担っております。その観点からちょっとお話をさせていただきます。
久保田委員からお話がございましたが、事業用自動車のドライバーの高齢化が進んでいる。これは先生がおっしゃるとおりでございまして、ここ10年、ほぼ一貫して平均年齢が上がっていると。バス、トラックでは平均年齢は大体50歳ぐらいですが、タクシーが60歳ぐらいになっている。やはりこういう高齢化の問題は非常に重要だという認識をしてございます。
また、自然災害とかコロナの関係でも、社会の在り方が随分変わってきている。それも認識してございます。例えば、先の台風19号では荷主があの台風の豪雨の中でトラックの会社に物を運べとか、そういうような話もあったりしてございます。そういったことに対してはガイドラインを出させていただいて、こういうときには車両は止めてくださいというようなお願いもしてございます。
コロナでは、具体的にはマスク着用の話も中土委員からの御意見にもございましたが、事業用自動車のドライバーに関しては熱中症等の兼ね合いもあるので、人と離れている最中にはマスクを外してくださいと。こういうようなこともガイドラインにさせていただいてございます。
こういった様々な高齢化とか自然災害、コロナの対応についてどうしていくかというのは、当局でも大変関心が高いところでございまして、従来、事業用自動車に関しましては5年計画で安全のプランというのをつくってございます。この交通安全基本計画と年度を合わせてございまして、ちょうど今年度で終わるので、今、策定中でございます。本日もそのための会議を午前中やっていたというところでございますが、今日頂いたような議論をしっかり反映いたしまして、高齢化とか自然災害、コロナ、そういったことに対応した事業用自動車の安全対策の議論を進めて、しっかりとした対策を取ってまいりたいと思ってございます。
以上でございます。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
それでは、警察庁からはいかがでしょうか。 - 早川課長 警察庁でございます。
今日は6月26日で、ちょうど昨日なのですが、道路交通法が1960年、昭和35年に公布されていますので、60年を迎えました。そういう中で、まず情勢ですけれども、コロナの関係で交通事故死者数は4月は全国で、前年の4月と比べますとマイナス19.9%、5月はマイナス7.6%という数で減ってはいるのですけれども、6月25日時点での6月中の交通事故死者数は、前年の同期と比べると増加に転じているという状況にあります。
また、都道府県別では交通事故死者数が増加している県もありまして、必ずしも交通量の減少によって交通事故死者数が一律に下がっているという状況ではないというのが、今の現状になっていると思います。
5月末の状況でちょっと気になる点を申しますと、横断歩道を横断中の死者とか、車両単独での交通死亡事故の件数が増加しているという状況が見られます。
高齢化の関係では、ちょうど6月に改正道路交通法が成立いたしました。運転技能検査の高齢者の関係とか、サポカー限定免許の導入とか、あるいは別の観点でいいますと事業用のバスとか大型トラックのドライバーの高齢化、逆に言うと若年ドライバーの不足という点で、第二種免許の受験資格の見直しという内容の改正道路交通法が成立いたしまして、基本計画の年度期間中のこれから2年間のうちに施行が予定されています。
それから、先端技術の関係で申しますと、一つは自動運転ですけれども、レベル3に対応するための改正道路交通法が本年の4月1日に施行されまして、一応制度的にはレベル3の法的な制度は、国土交通省さんと一緒に整備がなされているという状況であります。今後、限定領域とかのレベル4の状況に関して検討を進めていく形になります。
それからもう一つ、先端技術の関係ですと、最近いろいろな形でのパーソナルモビリティといいますか、例えばですけれども低速で動く小型の配送ロボット。あるいは、いわゆる電動キックボードと言われる小さなものがいろいろな形で技術開発がなされて移動手段として出てきています。そういうものをいわゆる道路交通の中でどういう形で位置づけていくのかというところが、一つのテーマになっていると思っていまして、今後、こういうことに関しても関係省庁の御協力を頂きながら、様々な意見を伺って検討していく必要があると考えております。 以上であります。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
消防庁からいかがでしょうか。 - 神谷課長補佐 消防庁の神谷でございます。
本日は、委員の先生から貴重な御意見等を伺うことができ、大変勉強になりました。
ありがとうございました。
年間を通じて、消防車両の出動の中で、救急車の出動が最も多いことから出動中の事故のリスクは高い状況にあります。しかしながら、傷病者の方を搬送しておりますので、事故無く出動を終えることが大変重要です。
消防庁として、今後も皆様から御意見をいただきながら、消防機関に対して交通事故防止の徹底を周知してまいりたいと思います。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
厚生労働省には、特に守谷委員から御指摘があったようですけれども、それも踏まえていかがでしょうか。 - 阿部室長補佐 厚生労働省でございます。まとめて私から。
厚生労働省の関係では、委員の方から御発言がありました子供の関係で申し上げますと、いろいろ昨年、保育所の周りにキッズゾーンをつくったりとか、いろいろ対策を講じてきたと聞いております。
あと、高齢者の関係で申し上げますと、免許の自主返納が講じられてそれで生活支援が必要だという話があるので、そういうものを介護保険制度内で移動等の介助を支援していくということが可能となったと聞いております。
医師会との関係で、まさに我々は救命救急を持っていますので、救命救急の関係で救命率の向上をできるように研修を医師会さんでやっていただいたりということを実施しておりますので、厚労省としましては本日、様々な御意見を頂きましたので、引き続きその意見を踏まえながら対策を取ってまいりたいと思います。
以上でございます。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
文部科学省から、いかがでしょうか。 - 粟井室長 文部科学省でございます。
私のほうからは、子供の交通安全全般についてでございますけれども、やはり今回のコロナ禍におきまして、学校が長期休業に入ってしまったということで、4月からの入学式等を踏まえた小学校低学年の交通安全というところについては、ちょっと時期を外してしまったところでございますけれども、学校の再開も始まったところでございます。
また、子供たちが分散登校したりとか、なかなか子供の登下校については防犯の観点からも危険な部分が見られる可能性があったり、それからまた不審者からの声かけといった事案なども起こっていることを考えますと、特に注意をしていかなければいけないということでございます。
交通指導員の派遣などにもいろいろと警察庁様とも御連絡を取りながら、その派遣に御尽力を頂いたりということで、子供の特に小学校1年生、2年生の交通事故が多いものですから、留意をしていきたいと思っております。
また、中学生、高校生になりますと、今度は登下校中になりますけれども自転車の事故がやはり多くなってまいります。これは脇見をしてしまったり、例えばスマートフォンを見てしまう、スピードを出しすぎて停止のタイミングが遅くなるといったような事故が増えてきているところでございます。
スマホの持ち込みなどの対応につきましても、渡邉委員からもお話がございましたけれども、現在検討中ではございますが、もし、ながらスマホによる交通事故といった新たな事象などが考えられるようになってくれば、また丁寧な指導などを考えていきたいと思っております。
子供の交通安全、それから防犯対策に絡めまして、スクールガード・リーダーといった警察官OBの方々が子供の登下校の見守りをしてくださっておりますけれども、令和2年度の予算におきましては、そのスクールガード・リーダー、見守りをしてくださる方々の配置というものを大幅に拡充いたしましたので、こういった方々の尽力が得られるように私どもも働きかけをしていくということ。
それから、中土委員からはゾーン30の効果のお話もございましたけれども、スクールゾーンの整備につきましても、教育委員会等、現場等の声を頂いて、尽力をしてまいりたいと思っております。
また、これは交通安全、防犯、災害など全体を含めた安全になりますけれども、このたび、この春から初任者、中堅教員、ベテラン管理者クラスに分けたインターネットによる研修ができるようなシステムなども導入しましたので、特に交通安全も含め学校の先生の指導者の資質能力向上にも努めてまいりたいと思っているところでございます。
以上でございます。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
そのほかに、省庁から御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
皆さんの御協力で、ほぼ時間内に全ての方の御意見を伺うことができました。また、非常に貴重な御発言を頂きまして、これからの議論の糧にもなると思います。
それでは、これで本日予定された議事は全て終了いたしました。
そのほかに、事務局から何か連絡事項等はございますでしょうか。 - 近藤参事官 本日の議事につきましては、速やかに議事要旨を作成し、座長に御確認をいただいた後、会議資料とともにホームページで公開させていただきます。
また、議事録につきましては、作成後、各専門委員の皆様に御確認いただき、これも公表させていただきます。
次回会議の日程でございますが、8月中下旬から9月上旬で調整させていただきたいと思っております。開催方法は状況を見つつ、できるだけこの会議室で開催したいと考えております。
以上です。 - 赤羽座長 それでは、以上で第1回「中央交通安全対策会議専門委員会議」を終了したいと思います。
本日は御多忙中にもかかわらず、長時間にわたりまして御議論いただき誠にありがとうございました。
また、スカイプで御出席くださった委員の方々、どうもありがとうございました。
これをもちまして、閉会とさせていただきます。