中央交通安全対策会議専門委員会議(第2回)議事録

日 時:令和2年9月2日(水)13:00~15:00
場 所:中央合同庁舎8号館第1階講堂

  • 寺本参事官 定刻でございますので、ただ今から第2回「中央交通安全対策会議専門委員会議」を開催させていただきます。
     本日は、皆様、御多忙中にもかかわらず御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
     私は、今回から担当となりました内閣府政策統括官付交通安全対策担当参事官の寺本と申します。
     初めに、大臣官房内閣審議官の難波より御挨拶申し上げます。
  • 難波審議官 内閣府で交通安全を担当しております難波でございます。8月1日付で着任いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。会議の開催に当たりまして、一言御挨拶をさせていただきます。
     本日は、大変お忙しい中、また、残暑厳しい中、専門委員の皆様方には第2回の専門委員会議にお時間を割いていただきまして、心より感謝を申し上げます。
     さて、昨今の道路交通情勢につきましては、8月末現在の交通事故死者数というものがちょうど出たところでございます。1,745名という数字で、これは前年比マイナス180名となっております。特に7月の交通事故死者数が191名ということでありますが、これは月別に統計が残っている昭和31年以降、月当たりの数字としては一番少ない数字であったということであります。これにつきましては、交通安全への取組、また、安全性能の向上などに加えまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う外出自粛などの影響も考えられるところでありまして、この状況が推移しますと、年間の死者数の推計としては2,822名という予想が出ております。と申しましても、今後新たな生活スタイルが確立されて、人の移動が増加するということもございますと、交通事故の発生可能性がまた高まるといったことも考えられます。道路交通をはじめ、各分野の交通事故対策を検討する上で、引き続き情勢を見守っていく必要があると思っているところであります。
     本日は第2回目の会議ということで、お手元には第11次の交通安全基本計画の骨子(案)、また、道路交通の目標に関する資料などを提示させていただいております。委員の皆様におかれましては、それぞれの分野における知見から忌憚のない御意見を出していただきまして、計画作成に向けて議論を深めてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
  • 寺本参事官 今回の会議の開催に当たりまして、第1回の会議における資料でもお示ししておりましたけれども、本来であれば8月中下旬に開催を予定していましたが、会場の確保などで都合がつかず、本日の開催となりましたことをまずもっておわびいたします。
     続きまして、議事に入らせていただく前に、前回御欠席でした中土委員を御紹介させていただきます。公益社団法人被害者支援都民センター犯罪被害相談員の中土委員でございます。
  • 中土委員 本日はどうぞよろしくお願いいたします。
  • 寺本参事官 よろしくお願いいたします。
     次に、本日の出席状況です。本日は、赤羽座長、伊藤委員、川端委員、久保田委員、古関委員、古笛委員、服部委員、守谷委員、李家委員におかれましては、会場にお越しいただいております。守谷委員は少し遅れるという情報が入っているところでございます。
     また、北島委員、中土委員、三国委員、水野委員、三好委員、山内委員、蓮花委員、渡邉委員におかれましては、スカイプでの御出席となります。
     なお、藤森委員、森本委員におかれましては、本日御都合により御欠席でございます。
     続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。スカイプ出席の皆様は、先日送付させていただきましたものを御確認ください。
     資料1中央交通安全対策会議専門委員会議(第1回)議事録(案)
     資料2警察庁の今後の交通安全施策
     資料3文部科学省の今後の交通安全施策
     資料4国土交通省の今後の施策について
     資料5第11次交通安全基本計画の目次(新旧対照表)(案)
     資料6第11次交通安全基本計画の骨子(案)
     資料7第11次交通安全基本計画の目標値について -道路交通を中心に-
     資料としては以上でございます。
     資料に漏れなどございましたら、事務局までお知らせいただければと思います。よろしいでしょうか。  スカイプ出席の委員の方々は、資料がお手元にございますか。よろしいでしょうか。何かございましたら、事務局に御一報いただければと思います。
     なお、資料1「中央交通安全対策会議専門委員会議(第1回)議事録(案)」につきましては、各委員の皆様に御覧いただいた上で、本日まとめてお出ししているものでございますので、特段御異存がなければ、資料1を前回会議の議事録として内閣府ホームページに掲載したいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
    (「異議なし」と声あり)
  • 寺本参事官 ありがとうございます。
     それでは、資料1につきましては、前回会議の議事録として内閣府ホームページに掲載させていただきます。
     それでは、議事に入らせていただきます。
     以降の議事進行を赤羽座長にお願い申し上げます。
  • 赤羽座長 皆さん、こんにちは。よろしくお願いします。
     それでは、早速本日の議題に入ります。議題はお手元の議事次第のとおりとなっておりますので、まずは議事(1)「関係省庁による今後の交通安全施策の説明」につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
  • 寺本参事官 関係省庁からということで、本日は警察庁、文部科学省、国土交通省の順で今後の交通安全施策について御説明をさせていただきます。
  • 佐野課長 警察庁交通企画課長の佐野でございます。どうぞよろしくお願いします。
     私から警察における今後の交通安全施策について御説明させていただきます。全体像はお手元の1枚紙のとおりでございますが、そのうちの主なものについて御説明いたします。
    まず第1点が、「高齢者及び子供の安全確保」の施策のうちの未就学児を中心に子供が日常的に集団で移動する経路の安全確保ということでございます。大津などで幼い子供が犠牲となる悲惨な交通事故が発生したということなどを受けて、現在これに力を入れているところでございます。ほかの関係する省庁と連携をして、お散歩の道などをしっかりと安全点検をし、それに応じた必要な対応を取るという形で今、取り組んでいるところでございます。これには今後とも力を入れていきたいと思っているところであります。
     また、その中のバリアフリー対応型信号機、見やすく分かりやすい道路標識・道路標示等の整備ということについても、高齢者の方々、障害者の方々の安全・円滑な移動に資するように、音で信号表示の状況を知らせる音響式信号機とか、また、待ち時間とか青時間の残り時間を表示する機能つきの歩行者用の信号機などの整備に努めてまいりたいと考えております。
     次の大きい項目「歩行者及び自転車の安全確保」という点につきましては、歩行者が自動車との関係で被害者となる交通事故の7割が道路横断中に起きているということでございまして、それについては、運転者の方々に歩行者が優先であるということをしっかりと認識していただけるような広報啓発活動、さらに指導取締り活動に力を入れていきたいと考えているところでございます。
     また、歩行者の方々に対しても、道路を渡るときは横断歩道を渡りましょうと。ある意味当然のことなのですけれども、それについての認識を深めていただけるよう、理解を深めていただけるようにしっかりと広報啓発活動に力を入れていきたいと考えております。
     さらに、「その他重要施策」の中になりますが、AI等や新たな技術を活用した交通管制システムの導入ということで、自動運転技術の導入なども見据えた上で、ビッグデータやAIなど、そういった先進技術を活用した信号情報、または規制情報、その他の交通に関する情報をいかに提供していくかということを、調査研究などを通じて探っていきたいと考えております。
     さらに、交通安全施設等の戦略的な維持管理ということで、摩耗した道路標示などは、非常に重大な事故を招きかねない状態だと認識しておりますので、それについての適切な維持管理をしていきたいと考えております。
     以上でございます。
  • 寺本参事官 次に、文部科学省、お願いいたします。
  • 粟井室長 文部科学省でございます。私どもからも文部科学省の交通安全施策について御説明申し上げたいと思います。着座にて失礼いたします。
     まず、大きく「交通安全教育の推進」というものでございます。学校におきましては、学習指導要領や幼稚園教育要領などに基づきまして、体育科や保健体育科、特別活動、いわゆる学級活動や学校行事なども使いながら、それを中心に児童の発達の段階を考慮して、学校教育活動全体を通じて交通安全教育を実施してきているところでございます。
     その内容といたしましては、日常生活の中で危険な状況というものを適切に判断し、回避するために最善を尽くそうとする「主体的に行動する態度」を育成するとともに、危険に際して自らの命を守り抜くための「自助」、自らが進んで安全で安心な社会づくりに参加し、貢献できる力を身につける「共助、公助」の視点からの安全教育というものを展開しているところでございます。
     また、教職員向けの安全教育資料の作成・配布ということで、これはおおむね学習指導要領の改訂などのタイミングも見ながらでございますが、こういった冊子を昨年3月に改訂いたしましたし、その下にあります児童向け安全教育資料の作成・配布ということで、小学校1年生、新入生全員に「くいずでまなぼう!たいせつないのちとあんぜん」というリーフレットを配布させていただいているところでございます。例えば信号が変わるのを待つときに、車道から離れて待つのか、車道の近くで待つべきなのかといった二択式のクイズで子供たちに選択させる。そういったものが8問程度含まれているというリーフレットでございます。
     また、交通安全教育に係る指導者研修の充実に関する支援ということで、1つ目のポツは、今年の4月から新たに導入されたものでございますが、初任者の先生や若手の先生、中堅の先生、管理職クラスということで、先生方のキャリアステージに応じてe-ラーニング、パソコンで自ら学ぶことができるということで、これまでは限られた先生方が研修を学ぶ機会がございましたが、全教職員がインターネットを通じて研修を学ぶことができるようなものを新たに入れたものでございます。
     また、全国の先生方から安全指導者養成研修会、これは例年1週間、教職員支援機構にて行っているものでございますが、今年はコロナの影響で3日間に短縮するとともに、インターネットを通じた研修という形にはなりましたけれども、そういったものなどを行っているところです。
     あとは、各都道府県における交通安全教室など、教職員を対象とした講習会に対する支援なども行っているところでございます。
     また、「地域における通学路の交通安全の確保」ということでございまして、1つ目の丸は「通学路交通安全プログラム」等に基づく取組の推進ということで、これは平成24年、亀岡市で起こりました通学中の交通事故を契機といたしまして、警察庁、国土交通省と連携いたしまして、地方自治体における通学路の交通安全の取組を推進するということで、1、2、3のとおり策定、公表を行うことによって徐々に推進を図ってきているところでございます。
     2つ目の丸になりますが、コミュニティ・スクール、これは学校運営協議会とも言いますけれども、それに加え、地域学校協働本部という、地域と学校をつなぐコーディネーターの方々と連携した取組というものも交通安全に係って推進をしてきているところでございます。学校が抱える課題も多様化、複雑化してきているところでございまして、学校だけでは対応できないものも出てきていることから、こういった家庭や地域との連携、協働を推進することによって、子供たちの通学路の交通安全の確保に努めているところでございます。
     文部科学省からは以上でございます。
  • 寺本参事官 続きまして、国土交通省、お願いいたします。道路交通、鉄道交通、海上交通、航空交通の順番でお願いします。
  • 濱田室長 国土交通省道路局道路交通安全対策室の室長の濱田と申します。道路関係について御説明させていただきたいと思います。座って失礼いたします。
     分厚い束の資料4の1ページをお開きいただけますでしょうか。私ども道路関係につきましては、交通安全につきまして3つの柱で進めてきておりますし、今後も進めてまいりたいと考えてございます。1つ目が、より安全な道路の交通分担率を高めるということでございます。2番目が、普通の道路に比べて安全な自動車専用道路とか幹線道路の安全性を一層向上していくということでございます。3番目が、身近な生活道路の安全性・価値を高めていく。この3つの柱で進めてきておりますし、これからも進めてまいりたいと考えてございます。
     1ページを御覧ください。左方の表の黄色の線です。自動車交通の需要については、この15年間、大体7,300~7,500億台キロぐらいで、大体横ばいである一方、青とか灰色の線を見ていただきたいのですが、道路の延長というのは増えてきております。特に、いわゆる高速道路、自動車専用道路の延長というのは4割増えてきてございます。
     この結果、どういうことが起こっているかというのを2ページ、3ページで御説明させていただきます。2ページを御覧ください。高速道路が整備され、料金施策等でお使いいただく車の量が増えてきておりまして、全交通需要の大体15%ぐらいをこれで担えるようになってきております。あと、国道1号とか、そういった普通の幹線道路で6割ぐらい。残りを生活道路で仕方なく車が走ってしまっているという状態でございます。
     生活道路の分担率をこの15年で3%ぐらい下げてきているのですが、今後も一層用のない車が身近な生活道路を通らなくていいような環境を整えていきたい。1つ目の柱というのはこういう趣旨でございます。
     イメージが湧きにくかったかもしれませんけれども、具体の事例を3ページで示しますと、例えば東京外かく環状道路がございます。これは千葉の市川市付近の事例でございますが、東京外かく環状道路が開通いたしますと、当然そちらの高速道路を通っていただく車が増えて、結果、仕方なく下道を通っていた車が減っている。交通量が減ると、当然事故も減るということで、安全な本線を通る車が増えるということと併せて、沿道の車も減って安全性が高まるということが起こっておりまして、このようなことが起こる地域をこれから増やしていきたいし、増えていくということでございます。
     4ページを御覧ください。1キロ車が通過する当たりに事故に不幸にして遭ってしまう確率というのは、自動車専用道路が最も低いのですけれども、その自動車専用道路をさらに安全にさせていくということも引き続き進めてまいりたいと思っております。
     自動車専用道路というのは、いわゆる高速道路は4車線ぐらいあるのが理想なのですが、暫定的に2車線しかできていないところがありまして、こういったところで事故がよく起きております。当然可能なところは4車線にしてまいりますし、間に合わないところは中央分離帯を設けたりして事故を減らしていきたい。
     それから、最近高齢化に伴いまして逆走事故の事案なども増えておりまして、これに対する対策についても充実させてまいりたいと考えてございます。
     5ページは、自動車専用ではなくて、例えば国道をイメージしていただければいいと思いますけれども、こういった幹線道路の事故を減らしていきたいと思っております。死亡事故の6割ぐらいは幹線道路で起きております。これは交通を分担する率が最も高いので、件数も多くなって、仕方がないのですが、ここにつきまして、死亡事故率や死傷事故率等のデータを照らし合わせるのと、あと、地域の皆様のお声をしっかり踏まえて、効果が上がることが強く望まれるところから引き続き重点的に進めてまいりたいと考えてございます。
     6ページを御覧ください。だんだんと自動車専用道路のネットワークとか国道のネットワークができたことで、用のない車が生活道路に入ってこなくていい条件が整いつつありまして、そういった空間を車ではなく、人中心に使っていくような施策メニューをそろえてまいりましたし、これからもそろえていきたいと思っております。
     具体的な事例でございます。7ページを御覧ください。これは昨年度認められました予算制度なのですけれども、京都の久御山というところを事例にしてございますが、生活道路に抜け道交通が入って困っているという地域でございまして、ここに車が通っていただく道路を拡幅してきちんと整備するとともに、入っていただきたくないところを警察等と連携して、地域と道路管理者と警察の合意の下でエリア対策をしていく。そのことを応援できるような補助制度を創設させていただきました。このようなものの展開を図っていきたいと思っております。
     8ページを御覧ください。文部科学省からの御説明にもありましたが、通学路プログラムです。8年前の亀岡の事故以降、一過性で終わりにせず、継続的に取り組んできております。このような取組を引き続き継続していきたいと思っておりますし、できれば関係する方、ほかの方にも入っていただいて、この枠組みの中で地域の道路を安全に、さらに、にぎわいとかの価値を発揮するように、いろんな使い方ができるような枠組みにしていけないかと考えています。
     9ページ、10ページでございます。10ページを御覧ください。現計画にもございますような参加協働型の交通安全対策を特に生活道路において進めていきたいと思っておりますが、その際必要となりますのは、使い方の合意のベースとなる事実認識、データだと思います。例えばETC2.0というシステムにより得られるビッグデータなどをこういった合意形成にもっと容易に活用できるような新技術の導入とかも積極的に進めたいと思っています。
     以上でございます。
  • 石田課長 続きまして、国土交通省の自動車局でございます。同じ道路を使った交通の関係で御説明をさせていただきます。日頃より自動車行政につきまして、委員の皆様方には御理解、御協力いただきまして、本当にありがとうございます。この場をお借りして感謝申し上げます。
     まず、自動車局の関係については3点ほどございます。自動車の安全を考えると、車両の安全そのものと、それから自動車を使って事業を行う運送事業者の安全対策、3つ目が不幸にも自動車で事故に遭われた方への支援、この3つの観点で資料を用意させていただいてございます。
     それでは、1枚めくっていただきまして、まず事業用自動車、いわゆるバス、タクシー、トラックの安全対策でございます。こちらは中段にブルーで囲ってございますが、自動車局におきまして自動車総合安全プランというのを過去からつくって、安全対策を進めているところでございます。現在、プラン2020といって、軽井沢のスキーバスの事故を踏まえ、先進技術の進展とか少子高齢化、オリンピックの開催等を踏まえて安全対策をまとめたものを進めています。これは計画期間がちょうど本年度で切れてしまうということで、国土交通省におきまして検討会を持ち、次期プランを今、検討している最中でございます。
     観点といたしましては、一番下の灰色の網かけで書いてございますが、主に3点ございます。飲酒運転とかあおり運転、そういった悪質な運転をどうやって根絶していくか。それから、運送事業者に運行管理者を置いて安全を担保するというのが一つの大きな施策になっているわけでございますが、運行管理の高度化。コロナの影響等も踏まえて、どうやってやっていくのかということも考えているところでございます。そして、高齢化が進んでいる観点ではユニバーサル対策が引き続き重要だということで、今、そのプランの見直しを行っているところでございます。
     続きまして、2ページ目、自動車事故の被害者への支援事業でございます。たくさんあるわけでございますが、大きい点といたしましては、重度後遺障害者に対する救済事業でございます。所管の独立行政法人自動車事故対策機構と一緒になりまして、重度後遺障害者、そういった方への病院を用意すること、運営すること、それから介護者に対する介護料の支給、もしくは前回中土委員のお話にもございましたが、被害者の心のケアも行う必要があるということで、訪問支援の際に情報提供を行ったり、悩みをお聞きするということも実施しているところでございます。
     続きまして、車両対策でございます。
  • 久保田課長 引き続きまして、自動車局から、先ほど申し上げました3点のうちの車両の安全対策について、資料を3ページほど使って説明させていただきたいと思います。
     まず、車両の安全対策をどういう仕組みで進めているかということでございますが、それを3ページに書かせていただいております。車両の安全対策につきましては、こちらの交通安全基本計画に合わせまして、それを落とし込む形で車両安全対策を5年ごとに見直すということで、我々のほうで審議会にお願いして御審議いただいて、目標を立てるということをやっております。今回も第11次のこの御議論を踏まえて、我々のほうでも車の安全対策というものを立ち上げていく。そういう枠組みでやっています。
     具体的な話は、次のページ「車両安全対策①」と書いてあるところでございます。1つは開発・実用化普及の促進ということで、車両の安全対策というものということで、自動運転に絡むようなドライバー異常時対応システムといったものとか、新しい技術の開発・促進。それから安全な自動車を普及するためのアセスメント。あるいは高齢者対策としてサポカー、あるいは様々な認定制度を使うということ。それと並んで、自動運転についていろんな実証実験を通じたり、自動運転の基準がこの4月にできましたので、それをどうやって検査していくか、あるいは自動車事故の分析をどうしていくのか。これは警察庁と連携しながら進めていく。
     その根っこにあるのが基準・認証。自動車は国際商品ですが、日本でいろいろ考えた基準などを国際的に整合性を取りながらつくっていくということをやってございます。
     次のページでございます。具体的には車が技術開発されて、それが売られてだんだん広まって、最後標準搭載されるというところについて、それぞれの場面でこちらに書いてありますような施策を通じて安全対策を講じていくということで、一番下の「保安基準の策定」というところで「貿易上の障壁とならないよう」と書いてございますが、この4月に自動運転の安全基準というものを世界に先駆けてつくっております。これは国際議論を横目で見ながら世界で初めて自動運転用の安全基準を、貿易の障害にならないように最大限配慮しながらつくるということもやってございます。
     自動車につきましては以上でございます。
  • 森監理官 続きまして、鉄道交通の安全について御説明させていただきます。鉄道局の安全監理官の森でございます。
     鉄道の1ページ、2ページは私が説明し、3~5ページは施設課から御説明させていただきます。座って説明させていただきます。
     鉄道におきましてもソフト・ハードの両面から安全対策を進めているところでございますが、まず最初に発生状況、現状について御説明をさせていただきます。1ページ目、鉄道運転事故の発生状況でございます。一番左上のものが全体の事故の件数、死者、負傷者でございます。これにつきましては徐々に減ってきており、長期的に低減させていくことができているのではないかと思っております。
     令和元年につきましては、死者数は減っておりますけれども、負傷者が増えたのは、京浜急行電鉄の踏切でトラックとぶつかるということ、ニュースでも出たものですけれども、あれで負傷者の方が非常にたくさん出られたということもあって、1年前、2年前よりは増えておりますが、全体の傾向としては減ってきているというところだと考えております。
     鉄道事故の大きなものは、交差するところということで、踏切の事故が非常に多くなっております。全体の3割ぐらいが踏切ということになっておりますけれども、踏切につきましてもいろいろと対策を講じておりますので、これも長期的には低減させることができているのではないかと思っております。これにつきましては、中身は後でもう一度御説明させていただきたいと思います。
     これ以外に、人身障害事故という言い方をしておりますが、鉄道と接触したり、轢いてしまったり、そういった事故でございます。基本的に鉄道は通常の交通とは分離されておりますので、そういうことは起こりがたいことなのですけれども、起こり得るとすると、踏切と駅のプラットホーム上ということになってまいります。人身障害事故のうちのホームで起こったものについて切り出したのが右下でございます。こちらについては、数としては長期的に減っているとは言えないと考えておりますが、ホームから落ちたり、通過する列車と接触したり、これをどうやって防いでいくかというところで、1つにはホームドアの整備を進めてきております。こういったハード面での対策も今後進めていく必要があると考えております。
     その他の人身障害事故については、そもそも列車の線路内に立ち入るということは、なかなか原因が難しいところがございまして、いろいろ調べてはおりますけれども、今、抜本的にこれはという対策を取れていないというのが正直なところかと思いますが、まずやれるところを順番にやって、数を少しでも減らしていこうと考えております。
     2ページ目でございます。そういった意味で、事業者側の努力も大切なのですけれども、利用される方、周辺にいらっしゃる方々にも注意喚起をして、鉄道で事故にならないようにということを訴えかけていくことも大切であると考えておりまして、各種の事故防止キャンペーンをさせていただいております。これが2ページ目に書いてあるものでございます。全国交通安全運動の中での周知、それから、先ほど申しました事故の多い踏切とプラットホームにつきましては、特出しをいたしましてキャンペーンを打たせていただいており、これによって意識を高める。ソフト面の対策としてこのようなことを進めさせていただいております。
     その次のページからは踏切関係ですけれども、これは施設課から御説明をさせていただきます。
  • 東課長補佐 施設課の東と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
     それでは、3ページから踏切について御説明をさせていただきます。3ページを御覧ください。こちらは踏切道改良促進法、名前のとおりでございますけれども、踏切道の改良を促進することによって、交通事故の防止や交通の円滑化を目的とした法律でございまして、これが昭和36年に施行されたところでございます。施行後60年経過してございますが、施行時には7万強ありました踏切が、現状で3万3,000箇所に半減しているところでございまして、踏切事故につきましても長期的に減少傾向にあるというところでございます。
     しかしながら、令和元年度につきましても踏切事故が211件ということで、80人以上の方が亡くなられてございますので、引き続き対策を進めていく必要があると認識をしておるところでございます。
     4ページは、踏切事故の状況について少し詳しく整理をしたものでございます。左上は、先ほど森から申し上げましたとおり、踏切事故につきましては、鉄道事故の3割を占めているという状況でございます。
     そして、踏切道の種類別でございますけれども、グラフだけ見ると、第1種がかなり多いところでございますが、これは3ページでもお示しをさせていただきましたとおり、第1種が全体の9割を占めているところでございますので、左下に記載をさせていただいているとおり、踏切道100箇所当たりの発生件数に直しますと、第1種は0.59件、第3種が0.88件、第4種が1.11件。遮断機、警報機がなくなることによって発生件数が増加してございますので、やはり第3種、第4種の第1種化というものを我々としては進めているところでございます。
     右側の衝撃物別で見ると、自動車と歩行者が大半を占めているところでございまして、真ん中の原因別で見ますと、列車が接近をしているときの直前横断によるものが半分を占めているところでございます。年代別につきましては、65歳以上の高齢者が5割以上を占めている状況でございます。
     次のページを御覧ください。先ほど申した状況を踏まえて、踏切道における交通の安全についての対策というところについて御説明をさせていただきます。まず、踏切道における対策を考える視点でございますが、踏切道につきましては、より効果的な安全対策というところや、先ほど事故の半数を占めていると説明した高齢者等の歩行者対策を積極的に推進していく必要があると考えているところでございます。
     また、開かずの踏切について、総合的な対策を推進するとともに、直近の社会を取り巻く環境の変化を見据えまして対策を検討する必要があると考えてございます。
     具体的には踏切道の立体交差化、構造の改良、立体横断施設の整備先ほど申し上げた第4種、第3種踏切の第1種化といった踏切保安設備の整備、及び交通規制の実施、さらには踏切道の統廃合による4種の廃止を進めてまいります。
     4ポツ、その他でございますが、踏切通行安全カルテと申しまして、これは平成28年に作成いたしました、緊急に対策の検討が必要な踏切約1,500箇所につきまして、諸元、事故の発生状況、対策状況、今後の対策方針をまとめたものでございます。こういったカルテに基づきまして必要な対策を進めていくところでございます。
     鉄道関係は以上でございます。
  • 山倉室長 続きまして、海上交通の安全につきまして御説明させていただきます。海事局の安全政策課、山倉と申します。よろしくお願いいたします。
     まず、1ページ目でございます。海上交通分野に関係する国土交通省関連の部局でございます。海上保安庁をはじめとしまして、外局も含めて7つの部局がございます。これら関係機関が平素から連携いたしまして海上交通の安全確保に取り組んでいるところでございます。本日は、私ども海事局と常に連携を取っております海上保安庁がこの席におりますので、初めに海事局、続きまして海上保安庁から御説明させていただきたいと思います。
     2ページ目を御覧ください。海事局の取組を簡単に御紹介いたします。船舶の構造・設備に関する規則、また、運航事業者に対する規則、船員に関する規則など、ハード・ソフトに関する法令を所管しておりますので、日々これらの法令の適切な運用など、各種の取組を行っているところでございます。
     続いて、3ページ目、昭和30年からの船舶事故や人身事故の件数の推移でございます。青い棒線の船舶事故のほうでございますが、昭和の昔に比べますれば右肩下がりではございますけれども、ここ数年2,000件前後で推移しております。一進一退といったところでございます。一方、赤い折れ線、人身事故の件数は、昔に比べて大幅に減少している傾向がございます。
     4ページ目を御覧ください。船舶事故の主な原因と種別でございます。左側の円グラフは船舶事故の原因別のデータです。全体の約7割がヒューマンエラーに起因するものとなっております。右側のグラフは船の種類ごとの事故の割合ですが、小型船舶の事故が全体の約8割以上を占めているところでございます。こうした状況を踏まえまして、海事分野における新しい取組について御説明いたします。
     5ページ目を御覧ください。「自動運航船への関心の高まり」とありますが、先ほど事故原因の7割がヒューマンエラーと御説明いたしましたけれども、ヒューマンエラーに関する取組として、自動運航船への取組について説明させていただきます。ヒューマンエラーによる海難事故の減少等を目的としまして、現在自動運航船の実用化に向けて、技術面につきましては、海上技術安全研究所をはじめとする関係の機関、民間企業において開発を進めており、安全に係る基準づくりにつきましては海事局で行っており、2025年までに実用化を目指しているところでございます。
     自動運航船については、自動車の分野ではGPSや高度な監視機器を利用して自動運転を可能にするというものと同じように、船にもレーダー、GPS、電子海図、そしてAISと言う船の位置情報や進路、速力、船の名前、大きさ、出発地、目的地、積荷等、いろいろな情報を発信できる装置でございますが、こうした高度な航海用の機器が多数ございまして、これらの機器の情報ソースとIoT、AI技術、これらを組み合わせていくことによりまして人による操船をサポートすることで、事故を減らすための自動操船や遠隔操船、また、桟橋への自動離着桟を可能とする自動運航船の開発を進めてまいりたいと思っている次第でございます。
     6ページから8ページも当方の施策に関するポンチ絵をつけているのですが、お時間の関係がありますので、今日は割愛させていただきます。後ほど御覧いただきたいと思います。  続きまして、9ページ目から海上保安庁へバトンタッチします。よろしくお願いします。
  • 上山室長 海上保安庁でございます。
     引き続き9ページの小型船舶に対する取組から説明させていただきます。左側の円グラフのように、小型船舶の事故の内容としましては、プレジャーボートは「機関故障」、ミニボートは「転覆・浸水」、漁船・遊漁船は「衝突」が突出して多い状況にございます。このような特性に応じまして、右側に記載しておりますように、船の種類ごとに各種安全対策を推進していくこととしております。
     次に、10ページ、大規模海難の防止として、激甚化する自然災害への対応でございます。近年の頻発、激甚化する自然災害により、海上交通の分野におきましても、船舶が走錨して橋梁に衝突し、社会的に甚大な影響を及ぼす事故等が発生しております。このため、海上施設の種別や社会的影響など固有の諸事情を勘案しまして、海上空港をはじめとした全国45か所を重要施設に選定し、走錨事故防止対策を実施してまいります。また、ホームページやスマホサイトを活用した情報提供の強化や、走錨防止に関するシステムの開発も進めていくこととしております。このようにハード・ソフト両面の対策を一体的に推進していくこととしております。
     11ページ、救助・救急活動の充実でございます。海上保安庁、緊急通報用電話番号「118番」等の活用に関する啓発活動を実施しますとともに、世界的に導入が進められている新たな通信システムを導入し、迅速かつ的確な海難情報の早期入手体制の構築を進めてまいります。さらに、ヘリコプターの活用や、救急救命士等によります救急救命体制の強化により、目標の救助率95%以上を引き続き確保していくこととしております。
     以上でございます。
  • 小熊課長 続きまして、航空交通の安全につきまして御報告させていただきます。航空局の安全企画課長でございます。
     資料につきましては、航空交通の安全ということで、1ページから大きく3点ございます。1つは航空安全プログラムというもの。こちらは国が主導して取り組んでいるものです。その次に、乗員、機体、管制、こういったところの最近の取組を御報告します。最後にドローンとか「空飛ぶクルマ」という新しい分野の安全の確保の取組を御報告したいと思います。
     まず、1点目、航空安全プログラムということで、1ページを御覧になっていただきますと、これは国際民間航空条約に基づきまして、いわゆる国、航空当局と、実際その業務を提供しているエアライン、空港、管制といったところのPDCAを回しながら安全を確保していくという取組で、航空安全プログラムというものを国が策定してございます。
     具体的には、国は航空法規の策定とか監査といったものを行いまして、実際の業務提供を行うエアラインとか空港といったところは、自ら安全管理システムを整備して実際の安全確保の取組をしていただき、いろいろな事故とかインシデントについて報告等を行い、これをしっかり分析して、安全文化の醸成といったところまで取り組んでいくという取組でございます。
     続きまして、2ページのところから、実際の乗員、機体、管制、こういったところの最近の動きでございます。乗員につきましては、操縦士・整備士の安定的な確保、技能の維持・向上が課題でございます。特に操縦士の日常の健康管理、アルコール摂取の関係の適切な教育といったところが含まれますが、こういったことをしっかりやっていくための普及啓蒙が必要でございます。
     その下の図のところでございますが、操縦士については、LCCにおける高齢の機長の退職が大分増えてきているところです。そういう意味では短期的な操縦士の不足、また、構造的にも団塊世代等が引退していく中で、中長期的にも操縦士の不足のおそれがございます。このために、右側のところで、短期的には自衛隊とか外国人操縦士の活用といった形での操縦士の確保と、中長期的には自社での養成、航空大学校の活用もあり、様々な形で若手操縦士の供給拡大をする取組を進めてございます。
     健康管理の観点では、平成30年以降操縦士の飲酒問題が発生してございましたので、健康に関する基準の改正、アルコール教育の徹底といったことに取り組んできている状況でございます。
     3ページは航空機の機体の部分でございます。新規国産ジェット旅客機の開発と安全性の審査でございますが、国産のジェット旅客機の開発に伴いまして、安全性の審査を今、しっかり行ってきている。具体的には2015年に初飛行を行いまして、2021年度以降の実用化を目指して、安全性の審査の部分につきましては、米国ですとか欧州と連携をしながら研修等を行い、安全審査につきましてもしっかり進めていく状況でございます。
     続きまして、4ページ、管制の部分でございます。航空交通の安全確保、さらに効率的な交通といった観点での具体の取組でございますが、左からデータリンク通信ということで、これは管制官の言い間違いとか聞き間違い、こういうヒューマンエラー防止に役立つような仕組みを取り入れてきている。
     真ん中の航空路監視機能の高度化というのは、レーダーを高度化していくということで、高精度な新型の監視装置を導入することで安全性を高めていくといったところでございます。
     一番右のところは滑走路への誤進入対策ということで、これは視覚的にパイロットに滑走路の状態を表示するようなシステムを入れながら、管制の高度化、安全確保に取り組んでいるという状況でございます。
     最後に、最近の新しい、いわゆる次世代の航空関係の取組でございます。5ページのところは無人航空機、いわゆるドローンです。ドローンにつきましては、一番下にあります「空の産業革命に向けたロードマップ」というものをつくりまして、今年も航空法の改正を行いまして、ドローン登録制度というものを新しく導入しました。さらに、この先はドローンが、有人地帯で目視外でも運航して、様々なユースケースが期待されています。物流ですとか、インフラの点検ですとか、いろいろなものがありますけれども、そういった有人地帯での目視外飛行を目指しまして、今、制度の検討を進めてきているところでございます。具体的には、機体の認証ですとか、操縦者のライセンス、運航管理体制、こういったところのルール整備を行う方向で今、準備を進めているところでございます。
     最後に6ページのところで、これは「空飛ぶクルマ」というものでございます。こちらも「空の移動革命に向けたロードマップ」ということで、出来上がってございますが、「空飛ぶクルマ」というのは電動かつ自動操縦で、垂直離着陸が可能な、人を乗せて運べるようなクルマ、空を動くものでございますけれども、こちらにつきましても、今、官民の協議会での議論を踏まえて、実務者の会合というものをつくって、こちらも機体ですとか操縦の関係の基準、安全確保に向けた取組を進めているところでございます。
     航空局からは以上でございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     ただいまの各省庁からの御説明につきまして御質問、御意見等がございましたら、御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。どうぞ。
  • 蓮花委員 蓮花です。
     高齢運転者対策に関していろんな形で対策が練られていて、とてもよいことだと考えております。例えばサポートカーの開発とか、警察庁でも例えばサポートカー関係の限定免許制度の導入もありますので、そういう政策は非常に大切だと思います。ありがとうございます。
     ただ、高齢ドライバーの死亡事故の場合、正面衝突とか単独事故で自分が亡くなるというケースが非常に多いものですから、どこかでドライバー保護の一層の改善を図る対策が必要と考えております。一つは車両の改善で、もちろんサポートカーでもある程度そういう効果はあると思いますけれども、例えば非常にベーシックなもので言うと、身体の脆弱な高齢者でも受け止められる、そういう改善がされているシートベルトもあろうかと思いますが、導入できるようにしたらいいのではないかなと考えました。
     それから、今の国土交通省の御説明の中にあったように、ワイヤーロープというのが自動車専用道路の対策であるのですけれども、正面衝突事故を防ぐためにも、下り坂とかカーブ、一般道路とか幹線道路、あるいはもう少し狭い道路でもいいと思うのですが、そういうところでも使えるように、事故が起こりやすいところでは事前に設置するような方向をぜひ考えていただいて。言いたいことは、工学的な、あるいは自動車技術的な対策も併せて取っていただければいいなと感じております。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     どうぞ。
  • 久保田課長 御意見ありがとうございました。
     自動車局でございますけれども、今、蓮花先生からシートベルトの改善とか、そういうことはできないのかというお話がございました。おっしゃるとおりで、車に乗っている高齢者の方が、普通の状態であればけがとかしないのだけれども、だんだん年を取ってくると骨がもろくなってきたりして、普通なら軽傷だったのが骨折になるとか、そういうケースが実際にございますので、今、どういうことをやっているかというと、車をぶつけて、それでどれだけ体に傷害があるのかを測るために、ダミーというマネキン人形を乗せて、それで車をぶつけて、そのマネキン人形にどれだけ傷害があるかを測るということをやるのですが、このマネキン人形を例えば助手席に高齢者を模した、要は、小さくて、きゃしゃなマネキン人形を乗せて、その傷害値を測るとか、例えば170センチ、70キロの男性のマネキンでなくて、150何センチ。専門用語で言うと95パーセントタイルと言うのですが、全人口の95%、小さいダミーでやって、それでも傷害のないようなものをするとか、そういうのを基準にどんどん入れていって、アセスで試験するとか、そういうことをやっております。
     その結果、車側でどういう対策をするかというと、シートベルトが細くて硬過ぎると、鎖骨とか肋骨を折るということになるので、そういう対策を自動車メーカーもしていかないといけないという流れにはなってございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     ほかには御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。どうぞ。
  • 久保田委員 埼玉大の久保田でございます。御説明ありがとうございました。
     資料2について少しお話ししたいと思います。警察庁から生活道路のことに触れていただきまして、「ゾーン30と生活道路対策エリアを組み合わせたゾーン・エリア対策」と書いていただいているのは、非常にすばらしいことだと思いまして、特に生活道路対策エリアという国土交通省の施策をこの資料で説明していただいているというところが極めてすばらしいところだと思いますので、ぜひ両省庁で御相談いただいてシステム化をしていただきたいと思います。
     できれば分かりやすいネーミングまで考えていただくといいのではないか。平成8年にはこれを「コミュニティ・ゾーン」と呼んだわけです。あれは時代が早過ぎたのかもしれませんけれども、今ならできるということがこの資料を見てはっきり分かりました。コミュニティ・ゾーンのときは、交通規制についてもエリア速度規制だけでなくて、一方通行とか、外周の幹線道路の中央線変移とか、交通規制もいろんな対策を組み入れていただいていましたので、そういう総合的なことをやる時期がついに来たというふうに力強く思いましたので、よろしくお願いいたします。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     ほかに委員の皆さんから御発言ございますでしょうか。どうぞ。
  • 川端委員 川端と申します。詳しい御説明を各省庁からいただいてありがとうございます。
     この前に内閣官房のIT推進室のフォローアップ会議に出ていた関係もあって、いわゆるSIPと内閣官房のIT推進のほうでモビリティ関連、それは割と地上を走る車側中心の自動運転などの検討会なのですが、そちらでもデータ連携の必要みたいなものをかなり詳しく話されていまして、10ページにあるETC2.0の利用などもその中に含まれているのですけれども、データ連携というのは、こちらの検討会は陸海空、地上をはうものだけに限らず、全体の移動というのを見る委員会という位置づけで、交通安全を最終的にゴールとして目指しますが、その中に自動運転のような技術とか、コネクティッドと言って、車なり飛行機なり、船もそうなのですが、つながることで得られる大きな情報というのが、いわゆるオペレーションの設計であったり、個人の移動を制限という言い方はあまりよくないと思うのですが、例えば危険な地域とかヒューマンエラーが発生しやすいことへの警告なども含めて、全体の行動の指針となるような情報を再配信するようなことが、ビッグデータを使ってまとめができるという時代が来る。そんな検討会を別途しています。
     そういったこともあるので、先端技術の積極的活用というところは、従来報告の部分がとても多いと思うのですが、今後の動向としては、特にドローンなどが入ってきた場合の移動というのは、かなりいろいろなデータが出てくると思われるので、そういったデータ連携であったり、それを活用してどういったメリットがあるか、そのメリットの中に交通安全というものが含まれていくという形の議論もできたらいいのではないかと考えました。
     ありがとうございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     まだ御発言されたい方もいると思うのですけれども、今日はこの後、大きなテーマが待っていて、全員の方に御意見を伺いたいと思っておりますので、もし各省庁の御説明に関してまだ御発言したいという方がいらしたら、事務局を介して連絡していただきたいと思います。
     それでは、続きまして、議事(2)「第11次交通安全基本計画の骨子(案)」につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
  • 寺本参事官 御説明申し上げます。議事(2)の関係では、資料5と資料6を使って説明をさせていただきます。資料5は、第10次交通安全基本計画の目次と、今回の第11次交通安全基本計画の目次の改正点を表したものでございます。
     1枚目の第1部第3節のアンダーラインを引いてあるところが改正点でございます。第1部の「第3節 道路交通の安全についての対策」の「Ⅰ 今後の道路交通安全対策を考える視点」の下に、10次は「交通事故による被害を減らすために重点的に対応すべき対象」、2として「交通事故が起きにくい環境をつくるために重視すべき事項」。2つ項目立てをしていたのですけれども、今回これをまとめまして「重視すべき視点」とする予定です。
     また、2の(3)で「地域ぐるみの交通安全対策の推進」を「地域が一体となった交通安全対策の推進」と改正を予定しています。
     第2章、鉄道交通の安全の第2節の「II 講じようとする施策」のところで、7番目の「鉄道事故等の原因究明と再発防止」の「再発防止」を「事故等防止」にという改正です。
     「海上交通の安全」の部分、「航空交通の安全」の部分につきましても同じ改正を予定しています。
     資料5は、以上でございます。
     続けて資料6をご覧いただければと思います。こちらも事前にお配りしているということもあり、議事の都合もございますので、簡単に説明をさせていただきます。1ページ、「まえがき」の部分でございますが、これまでの計画の策定状況、交通事故の死者数の状況などを説明いたしまして、今回の計画期間を令和3年度から7年度までの5か年の計画としているところです。
     次に「計画の基本理念」。最初の括弧書きレベルで書いていますけれども、「交通事故のない社会を目指して」。次に「人優先の交通安全思想」。2ページ目「先端技術の一層積極的な活用」「高齢化が進展しても安全に移動できる社会の構築」という見出し、項目立てをつけているところでございます。
     その後、1、2と続きますが、3ページ目のところでは「これからの5年間において特に注視すべき事項」を設けております。「人手不足への対応」「高まる安全への要請と交通安全」「新型コロナウイルス感染症の影響の注視」、こういった項目をまとめています。
     その下の3番目には「横断的に重要な事項」ということで、まとめています。
     続きまして、5ページ目「陸上交通の安全」です。「第1章 道路交通の安全」につきましては、少々詳しく説明をします。「第1節 道路交通事故のない社会を目指して(基本的考え方)」というところでございます。最初の丸は、子供や高齢化に関する事項。2番目の丸は、交通事故のない社会を目指すべきであるとしております。3番目の丸では、死者数の一層の減少、事故そのものの減少に取り組むとし、4番目の丸は、より一層交通安全対策を充実していく。5番目の丸では地域における活動を強化していくことが重要と記述しています。
     「第2節 道路交通の安全についての目標」といたしまして、Ⅰの下「1 道路交通事故の現状」について記載し、6ページ目の2のところは、「道路交通事故の見通し」ということで、予測値を記載しています。
     「II 交通安全基本計画における目標」につきましては、資料7、議事(3)で議論したいと思いますので、こちらはPとさせていただいているところです。
     続きまして、「第3節 道路交通の安全についての対策」。Ⅰにつきましては「今後の道路交通安全対策を考える視点」ということ。
     7ページは、括弧書きで「重視すべき視点」と記載しておりますけれども、黒丸で「高齢者及び子供の安全確保」。8ページ、黒丸で「歩行者及び自転車の安全確保」。9ページでは「生活道路における安全確保」。続いて、「先端技術の活用推進」「交通実態等を踏まえたきめ細かな対策の推進」。10ページ目「地域が一体となった交通安全対策の推進」を項目立てしています。
     11ページ「講じようとする施策」につきましては、「1 道路交通環境の整備」では、丸で項目立てをしていますが、「生活道路等における人優先の安全・安心な歩行空間の整備」といったものを挙げています。こちらは各省からの説明と重複になるかもしれませんけれども、それぞれ対策を記載しています。
     大きな項目立てとしては、15ページから「2 交通安全思想の普及徹底」として、「段階的かつ体系的な交通安全教育の徹底」といった項目を置いています。
     以下、18ページ「3 安全運転の確保」という項目。20ページでは「車両の安全性の確保」。22ページでは「道路交通秩序の維持」。23ページでは「救助・救急活動の充実」。24ページでは「被害者支援の充実と推進」。26ページでは「8 研究開発及び調査研究の充実」。こういった項目立てをしています。
     27ページからは「鉄道交通の安全」です。「第1節 鉄道事故のない社会を目指して」は、「II 交通安全基本計画における目標」ということで、「乗客の死者数ゼロを継続する。また、運転事故全体の死者数を減少させることを目指す」としています。
     続く「第2節 鉄道交通の安全についての対策」というところで、「II 講じようとする施策」で「鉄道交通環境の整備」など8項目を入れています。
     続きまして、29ページの下で「第3章 踏切道における交通の安全」を挙げております。第1節で「踏切事故のない社会を目指して」としておりますが、30ページの上で「II 交通安全基本計画における目標」として、「踏切道における交通の安全と円滑化を図るための措置を総合的かつ積極的に推進し、踏切事故の発生を極力防止する」としています。
     以下、「第2節 踏切道における交通の安全についての対策」の「II 講じようとする施策」ということで、1、踏切道の立体交差化など4項目を挙げています。
     続きまして、32ページから「海上交通の安全」について記述しています。第1節から「海難等のない社会を目指して」と項目を置いていますけれども、33ページのIIのところにおきまして「交通安全基本計画における目標」を置いています。最初の丸は、数字はまだ黒丸で入れています。
     2番目の丸は「ふくそう海域における航路を閉塞するような社会的影響が著しい大規模海難の発生数をゼロとする」、3番目の丸は「海難等における死者・行方不明者を減少させるためには、高い救助率を維持確保することが重要であることから救助率95%以上とする」としています。
     こちらにつきましても、「第2節 海上交通の安全についての対策」の「II 講じようとする施策」で「海上交通環境の整備」など10項目を挙げています。
     続きまして、39ページ「航空交通の安全」です。「第1節 航空事故のない社会を目指して」ということで、第2節で「航空交通の安全についての目標」を置いています。
     40ページに「II 交通安全基本計画における目標」を置いています。「①本邦航空運送事業者が運航する定期便について、死亡事故発生率及び全損事故発生率をゼロにする」。「②航空事故発生率、重大インシデント発生率及び人の死傷又は航空機が損傷した事態の発生率に関する21の指標で」ということで、5年間での具体的な数値はまだ黒丸で置かせていただいています。
     こちらにつきましても第3節以降「航空交通の安全についての対策」ということ。41ページ「II 講じようとする施策」で「航空安全プログラムの更なる推進」など9項目を挙げています。
     私からの説明は以上でございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     ただいまの事務局からの御説明を踏まえまして、委員の方々から御意見や御質問の御発言をお願いいたします。なお、大変申し訳ございませんが、時間の都合上、お一人2分程度でお願いいたします。なお、渡邉委員はこの後御予定があり、退席されますので、先に御意見を伺いたいと思います。渡邉委員、お願いします。
  • 渡邉委員 渡邉です。
     私からは1点だけです。今、御説明いただいた中で、15ページの「交通安全思想の普及徹底」と26ページにあります研究開発のところ、両方にまたがるお話になります。今、安全教育は、例えば16ページにも書いてありますが、ICTの普及であるとか、シミュレーターを利用するとか、そういう方法で行われていると思うのですが、26ページにバーチャルリアリティを利用するというのがあるのですけれども、技術としてはもうかなり使われている部分もあると思います。そこでこれをどうやって普及していくのかということが課題だと思います。例えば学校で教えるとなると、従来の指導とあまり変わらないようなことになってしまいますし、せっかく非常にいい技術があっても、それが利用できる場があまりないのではないか。それがちょっと心配になるところです。
     海外の例になりますけれども、例えばイギリスにはセーフティーセンターといって、交通安全だけではないのですが、道路交通、鉄道交通、ほかには火災であるとか水の事故、あるいは防犯なども含めて総合的にまとめる、言ってみればテーマパークみたいなものが幾つかあります。日本ですと、そういう体験型のものというと、防災はすごく進んでいるのですが、それ以外、交通安全にしても、ドライバーを体験するというところはありますけれども、子供が学べるような体験的な施設はなかなかないのです。交通安全だけでつくるのは難しい部分があるかもしれませんが、優れた技術を使った指導、学べるような施設をつくるなり、そういった普及の工夫を今後考えていただければと思っております。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     それでは、ここからはどなたからでも御自由に御発言いただいて結構ですので、お知らせ願います。よろしくお願いします。いかがでしょうか。どこからでも結構ですので。では、守谷委員、どうぞ。
  • 守谷委員 自治医大の守谷と申します。
     24ページの「被害者支援の充実と推進」というところに関して、先ほども国土交通省の方が御説明されていましたが、その発言の中で「施設の数が多くあります」というような内容をご説明されていたように聞こえたのですが、私は現在の病院の数では少ないのではないかと考えています。ですので、もっとこういった支援をする施設を拡充していただくことを希望します。歴史的には、こうした交通外傷による重症の患者さんが長期間入院できる施設に関しては、非常に少なかった状況から増やしていただいているというプロセスなので、それは非常にうれしいことです。困った方を助けてあげる本事業は大変素晴らしいことなのですけれども、それでもまだ足りないといったところがあるので、さらに充実させていただきたいということを申し上げさせていただきたいと思います。
     あとは、こういった事業があるのにもかかわらず普及や相談窓口がなかなかうまく機能していないことがポイントとしてあげられます。例えば、家計を支える働き盛りの方が交通事故に遭われて、重傷であるという話になると、行政のサービスの説明を聞いたり書類を準備するために、日常の家族を支える生活を維持しながらいろんな部署に出かけ、掛け合って対応しなくてはいけないということに関しては、非常に労力のいる作業になります。こうした作業を一手に引き受けてくれたり、相談ができる方、患者さんの側に立って親身に考え積極的に支援できる部門があったらいいのではないかなと思います。
     それと、最後に補足ですが、こういった療護施設の病院というのは、最終的には自宅で療養するための施設です。そうしたことから、病院退院後のフォローもしっかり継続していただきたいと思います。つまり、退院した後もリハビリテーションは非常に大切ですので、在宅でもリハビリテーションが継続できるようにもっと力を入れていただきたいなと思います。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     続いて、画面で手を挙げていただいているようですので、三好委員、お願いいたします。
  • 三好委員 三好です。
     一応、ライダーなので、「二輪車」という言葉を一生懸命探してみました。16ページの下から6行目ぐらいに「二輪車運転者のプロテクター等」というのを見つけたのですけれども、交通安全という中に、四輪車だけではなくて二輪車ということも含まれていろいろ書かれてあると思いながら読んでいるのですが、コロナになって二輪車が改めて見直されたり、周りでも乗っている人がとても増えてきたのですね。でも、リターンの人もいっぱい学ばなければいけないことがあったりして、私の周りでも講習会。去年は講習会を物すごく開いたりしていたのですけれども、今年は新型コロナの影響でそういうこともちょっと省略することになっているのですが、ただ、17ページに「交通安全に主体的に携わる民間団体等の活動の推進」とありますけれども、これが本当に重要だなと自分では思っておりまして、これを具体的にどうやって二輪業界でも広めていこうかなというところをすごく考えております。
     ここには具体的な何かということはもちろんないのですが、地方地方で、どういうところでそれが補助なのか、指導員の育成にプラスアルファの何があるのかとか、いろんなことが考えられるのですけれども、それが今から一番大事ではないかなと。二輪車の事故を減らすためにはその辺りがすごく重要なのではないかと思います。ニュースでも55歳以上のライダーの事故率が増えたと書かれるのは本当であるように、高齢者の二輪車事故がとても増えておりますので、危惧しております。ただ、頑張ってしていくしかないので、四輪と二輪と併せてこういうことを啓蒙していければなと思いながら読みました。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございます。
     現状でスカイプ参加の三国委員、中土委員、水野委員から手が挙がっているようですので、この順番で御発言いただきます。三国委員、お願いいたします。
  • 三国委員 三国です。よろしくお願いいたします。
     私からは2点お話ししたいと思います。7ページから10ページに関わるお話です。1番目、市内生活道路と郊外農村集落を貫く道路の時速30キロから20キロの速度規制を提案したいと思います。その理由としましては、高齢者の問題はこれから5年間ますます重要になってくると思いますが、身体能力の衰えに伴って視覚や判断能力も弱くなっています。石川県で道路横断中に亡くなる方のニュースを聞いていますと、市内でもそうなのですが、郊外の農村地帯では朝とか畑帰りの高齢者の方が犠牲になるような事故が結構聞かれます。海外のデータを見ましても、やはり時速50キロ以上のスピードで車が人にぶつかりますと、死亡者も重傷者もかなり多くなりますので、自動車の適材適所のスピードコントロールは必要だと思います。  2点目は、地域のきめ細やかな交通事故調査分析からシステムとして事故を防止する対策を取ることについて、提案したいと思います。会場に資料をお送りしたのですが、金沢自転車ネットワーク協議会の10年史「連携と協働で歩んだ10年の軌跡」というものを一例としてお話ししたいと思います。
     まず、「金沢自転車ネットワーク協議会」というのはどういうものかといいますと、理念に書いてあるのですが、国・県・市の道路管理者と学識者、警察が協議会をつくりまして、自転車関連事故に関しましては、2008年から10年間にわたって65%減少しました。令和元年になると72%減少しました。しかし、2016年に若干増加したことをきっかけに、このネットワーク協議会内で事故対策研究会をつくって、事故多発地帯のきめ細やかな情報を収集して、個別に対策を取りつつあります。
     踏み込んだ話になると思うのですが、スウェーデンで1995年に始められたプロジェクト「ビジョン・ゼロ」、交通事故による死亡者と重傷者をなくすことを目標に掲げたものですけれども、それをお手本にしています。ビジョン・ゼロの考え方としては、交通事故は起きてしまうものから事故は防げるものとして、個人の注意すべきことからシステムとして防止することを実行するには、国・県・市道路管理者と警察、有識者などの連携が必要だと思っています。
     今のところ、「第11次交通安全基本計画の道路交通における目標」では死者数の目標値は未定ですが、例えば2,500人以下を目指すとすれば、地方でそれぞれ事故調査・研究など踏み込んだ対策と、それから金沢市内では、この概要版にも書いてあるのですけれども、道路整備をした後に街頭指導というのをやっています。地域の方と一緒にやっているのですが、その関係者が高齢化も含めてどんどん代わっていきますので、その方々が継続して取り組めるように自転車交通安全のための「街頭指導マニュアル」をつくっています。この中で、子供については、自律した交通行動をする機会を奪わないように保護者に知らせることとか、高齢者については、免許返納に関して、健康寿命を維持するためにアクティブモビリティの考え方にも触れています。そのように、これからは、地域で個人というよりはシステムとして事故を防止する対策を取ることが必要ではないかと思っております。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     続きまして、中土委員、お願いします。
  • 中土委員 どうぞよろしくお願いいたします。今、被害者支援についてもお話が出たということで、私も幾つか気になるところをお伝えさせていただきます。
     今、三国先生からも「ビジョン・ゼロ」という言葉が聞かれたと思うのですけれども、まず1ページ目の基本理念のところですが、「交通事故のない社会を目指して」と書かれています。私も前回お手紙でお伝えさせていただいたのですけれども、「ゼロ」という言葉が交通事故被害者の当事者からも、あるいは国民の方からも聞かれるということで、どこかに「ゼロ」を入れてほしいという思いがありまして、「交通事故のない社会を目指して」というのであれば、「交通事故ゼロ社会を目指して」というような言葉にならないかなと思いました。
     被害者団体のアンケートとか国民のアンケートにも「ゼロ」という言葉があったり、「被害者の支援」ということがありますので、やはりその部分を入れていただきたいと思います。
     基本理念の中に被害者の救済ですとか、あるいは支援ということがうたわれていなくて、交通の被害者、犠牲者を追悼するような、そういった精神の醸成をするということは、交通安全の基本理念の基となる、本当に基本となる思いではないのかなと思います。一つの例として、2005年には国連で「世界道路交通犠牲者の日」というのが11月の第3日曜日に定められています。そういったことを国民がもっと意識してもらうような、そういった取組、あるいは慰霊をするような機会があるといいなと思っております。
     ページが進みまして15ページの安全教育のところです。私も子供が何人かおりまして、感じているところは、幼児、小学生、中学生ぐらいまでは交通安全教育というのが段階的にあると思うのですけれども、高校に入ると、特に東京近郊ですと、自転車を使って通学する機会が増えるにもかかわらず、そういった指導があまりないような印象を持っているのです。加害者になってしまう可能性、被害者になってしまう可能性を含めて、被害者側の思いであるとか、あるいは賠償、保険、そのことを含めて総合的に行うような講習があるといいなと感じています。
     あとは、16ページ、18ページにも載っているのですけれども、昨今問題になっていますあおり運転とか飲酒運転についての処分者講習というところです。やはりそこは力を入れてやっていただきたいのですが、アンガーコントロールであるとか、依存症とかの治療的なアプローチも必要になってくるので、そこは1回の講習でやるということは難しいのかなという印象を受けました。
     あと、23ページの「救助・救急活動の充実」の中で、随分進んできたなと思いますし、最近お子さんが被害に遭ったケースですと、ドクターヘリの出動もあったということを東京でも聞いていて、そこは心強く思っているのですが、その中にそういった医療者、ケア者による精神的・心理的なケアも含まれていると、当事者、支援者としてはありがたいかなと思っています。
     ちょっと長くなってしまうので、御提案を終わらせていただきます。
  • 赤羽座長 進行に御協力ありがとうございます。
     それでは、水野委員、お願いします。
  • 水野委員 まず最初に、1ページの基本理念のところですけれども、先ほどから委員の先生方からお話があったように、ビジョン・ゼロはスウェーデンが1997年に最初に出したもので、当時は現実的ではないと思いましたが、死亡者についてはそれが徐々に見えてきたという気もしまして、ここで何らかの形でビジョン・ゼロを入れるのもそれほど間違っていないのではないかと感じました。
     20ページの4番目の「車両の安全性の確保」になるのですけれども、これについて、2ページ目では「新しいタイプのモビリティの安全性」というのを言っていまして、「新しいタイプのモビリティ」に何が入るのかという定義がなされていないのですが、例えば超小型車などを考えますと、安全性をいかに確保するかというのも重要な問題だと思います。小さい車であること、高齢者が利用するだろうということを考えると、安全は非常に重要な問題だと思いますので、これを加えたほうがいいのではないかと考えます。
     それから、運転支援システム、ADASなどを充実させて、その後、自動運転で死亡者数を減らしていくというのが一般的に考えられる流れではないかと思います。ここではASVという形で書かれているのかもしれませんが、その流れをもう少し分かるように書いていただいたほうがいいのではないかと感じました。
     最後に、26ページ目の研究開発の部分ですが、そろそろコンピュータシミュレーションを認証試験とかアセスメントなどに入れて、それで多様な衝突とか事故での安全性を見ていく、あるいは認証試験のコスト削減をするといったことも考えていいのではないかと思います。
     以上です。ありがとうございました。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     そろそろ会場の方はいかがでしょうか。どうぞ。
  • 古笛委員 リモートのほうからも御意見があったところですが、交通安全教育についてです。今の子供たちは、いろいろ忙しいこともあり、学校で、交通安全教育にそれほどたくさん時間をとることが大変な状況にあります。交通安全教育については、子供たちだけではなくて、保護者に対しても同じように、家庭の役割が大切なのだということを何らかの形で示すようなものがあればいいなと思いました。
     もう一つ、8ページの自転車のところでは書いていただいているのですけれども、高齢者にしろ子供にしろ、被害者になるだけではなくて、加害者になってしまうということもありますので、交通事故教育に関してはそういった両面のところを入れていただけたらと思いました。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     ほかにはいかがでしょうか。では、伊藤委員、どうぞ。
  • 伊藤委員 海上技術安全研究所の伊藤でございます。
     海上交通の安全についてのお話が出ておりましたので、他の交通モードと比較して聞いていたところ、少々気になったことがありましたので、お話をさせていただきます。交通安全ということですので、全体の目標としましては、人命ですとか、けがをしないといったところを守ることが目標になっている扱いかと思います。
     それに対して、船舶の場合、確かに難しいところがあるのですが、船舶の事故の隻数といったものが33ページに目標として記載されているというところが気になる点でございます。目標の3番目のところに、死者数・行方不明者数を減少させるということを目的として、救助率を95%以上維持するといったことが明記されているのですが、救助率も一つの手段かと思います。どういった方々の命を守ることを想定されるかということを中心に少し整理されたほうがいいのかなという印象を受けました。
     海の交通と申しますと、フェリーや渡し船などに乗る乗客の方や船員さんですとか、プレジャーボートで遊ばれる方、漁業のための漁船の方など、関わる方の種類が非常に多岐にわたっておりますので、それを踏まえた上で、最終的に何を失いたくないのか、人命なのか、けがをすることも防ぎたいのか、あるいはそれ以外にも陸上の施設など、先ほどお話にあったようなものを守りたいのかというところを整理できるといいと思いました。
     目標を人命にするといったような設定ができた場合には、次にその目標を達成するために、例えば、事前の教育だったり、交通環境の整備、あるいは万一事故が発生してしまったときの救命、復旧作業、周辺の環境を保護するための手段などの総合的な対策が整理できるのではないかと思います。
     関連して、「新しいタイプのモビリティ」というお話が、資料4の海上交通の5ページのところで「自動運航船への関心の高まり」としてありました。同じように最終的な目標として交通安全を考える場合、ヒューマンエラーのどのような問題がどういった事故につながり得るかということに対して、自動運航についても同じように、考えられるかと思います。これは一気に大型の船が丸ごと自動になっていくということを想定していくというよりは、色々な船で船員さんのひとつひとつの作業のサポートという観点から、例えばどんな機能がついたら安全になっていくのかという議論として進められるのではないかと思います。
     自動運航の安全に関しては、フェリーや渡し船といった船舶では、一般の方が交通手段として使われることがあるでしょうから、やはり安全面が重要と思います。自動化によって新たな危険が発生しないかとかいった面も考えていけたらいいと思います。
     ありがとうございます。
  • 赤羽座長 では、川端委員、どうぞ。
  • 川端委員 川端です。
     先ほどオンライン参加の委員の方から幾つかお話が出た、スウェーデンで95年に始まったビジョン・ゼロのお話ということですが、それが国際的に発展したのが2000年で、そこから10年置きに各ディケードごと交通安全の指針を発表して、どれぐらい達成できたということで、国際会議を10年に1回ずつやっていらっしゃるのです。今年の2月のGlobal Ministerial Road Safetyでしたか、その会議に参加しまして、国際協調のところでは、今回日本国内の施策なので直接関係はないとは思うのですけれども、ただ、そこに日本からの参加者が非常に少なかったのと、ほかの諸外国は国交省大臣級とか次官級の方が結構いらしていて、その枠組みというのは、グローバルで「ビジョン・ゼロ」という言葉を皆さんがこれほど。委員の方もよく御存じで、深く浸透しているのであれば、国際連携とか枠組みというのは我々日本ももう少し深く関わっていくかというのは今後決めなくてはいけないのですが、深く理解していくべきではないかなと思いました。
     そういったところに関して、例えばWHOというのは、今、病気のことで話題になっているのですけれども、パブリックヘルスという英語ですと、自然死以外は病気で死ぬか、交通事故等の事故で死ぬかなので、事故の部分というのも実はWHOの管轄でして、この次官級の会議というのは、WHOがかなり大きな、交通事故データも国際的にはそこが取っているので、そういった枠組みの中で行われていました。
     この中で大きな話題というのは3つに分けられて、1つはヨーロッパのEuro NCAPとかアメリカのNCAPに準ずるような自動車メーカーとか、それに関連する部品メーカーがどういった技術を持って車そのものというか、システムを含めて商品として安全にしていくかというのが一つ大きな枠組みであります。これ自体は日本で基幹産業なので、かなりよく話し合われていて、日本独自のJNCAPというのをやられていて、進んでいるかと思うのですが、もう一つ、FIAというのは、日本だとモータースポーツの振興と捉えられがちなのですけれども、一番有名なのはフォーミュラ1、F1のレースをやっていたり、ラリーなどもやっているのですが、実は彼らが大きなスポンサーシップになって若者向けのプログラムというのをしています。ユースの会議というのをしていて、若者に自分たちで安全を考えさせるプログラムです。それは強制的とか義務ではなくて、モビリティというか、移動自体の非常に有効な面をきちんと理解しながら、とはいえ、135万人が亡くなっているという結構暴力的な産業でもあるので、そこのデメリットの部分をどのように自分の世代として解決していくかというのをきちんとつくる場所というのがあります。
     こういった国際の場に新興国の子供たちも出てきていまして、日本としてもこういったところに代表を送るということができていくと、目標があると若者というのはそこに対して非常に勉強する気になるので、危ないからこういうふうにしなさいとか、自動車自体、昔は多分楽しいものだったのでしょうけれども、運転すると事故に遭って大変な目に遭うよというところから入るよりは、そういった交通と交通安全について積極的に考えるようなプログラムを考えたほうが、若者に強制するよりもいいのではないかなと思います。
     私自体、若い世代の話を聞いていると、随分怖いものと思いながら免許を取りに行っているなと思いまして、私の頃になかった恐怖心というのを最初から植えつけられるよりは、積極的な。
     10代の子たちに何が楽しいのと聞くと、SDGsとテクノロジーに興味があるというふうに言うので、であれば、こういった国際会議の場というのは、SDGsというのも交通安全と関連しながら扱っているのです。交通安全というテーマだけではなくて、そこにSDGsをきちんとはめ込んで勉強するような機会もあるので、その世代に必要とされる知識に合わせた交通安全指導が必要だなと感じます。なので、国際性だったり、SDGsを盛り込んだ交通安全の勉強のプログラムというのがない限り、若者が積極的に興味を持つというのはなかなか難しいかなと思うので、逆に言うとそこをきちんとやっていけたらなと思います。
     もう一つ、エキップメントというか、これは技術のほう寄りになってしまうのですが、将来のそういった安全技術というのを社会システムとどのように協調していくかということに結構なお話、時間を割いていました。そうすると、新興国がそれに関しては社会システムをつくっていくのが非常に有効だというので、やっている部分があるのですけれども、例えば道路もこんなふうに白線を引いたほうが安全ですよみたいなレベル、非常にプリミティブなところからやっているのですが、逆に言うと、日本は一度整備したものが今、保守・保全の段階にあるので、そういった社会インフラの再構築に当たって、一旦そういったところを見直していくというのも重要かなと思いました。国際会議に日本の方が数えるほどしか出ていなかったので、これが政府の中でもし共有できていなかったらと思いましてお話しさせていただきました。よろしくお願いします。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     それでは、スカイプ参加の北島委員、お願いします。
  • 北島委員 基本理念を読んでおりまして引っかかったところが、交通ボランティアの高齢化が進んでいるというところと、高齢化が進んでいるので、若者を含んだ地域住民の参加を促すという文言です。大変すばらしいことだなと感じました。高齢化は勝手に進んだわけではありません。私たち交通ボランティアの意義を、次世代に理解していただき何とか一緒に加わってもらえないかとあの手この手を考えましたけれども、結局、若い人というのは圧倒的に働いておられます。特に母の会などはそうなのですが、活動の中心が平日の昼間ということで、まず働いている人が啓発に参加できないという実情がございます。そういった面でどうしても既存の会員さんだけに頑張っていただくことになってしまって、私が始めた頃は小学生の保護者たちがほとんどだったのですけれども、今は皆さん、孫持ちの世代になっております。
     そういった実情があるのですが、若者をどんなふうにして取り込んでいくのか、具体的にどんなふうに考えておられるのか。実際問題といたしまして、私たちはどれだけ頑張っても若い世代の取り込みが難しいのです。2年前、うちの地域で見守り隊を募集したのですけれども、そのときも参加申込みをしてくださった方は御高齢の方ばかり。いわゆる壮年期、50代とか40代は全く皆無でした。できないから申し込まないというのが実際なのですが、休みだったら少しの時間でも参加するよという気持ちを持っていただけるためには、どのようにしたらいいのか。具体的に促すとおっしゃいますが、どんなふうにして促すのか。具体案があるのか。もしあるならば教えていただきたいなと思いました。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     それでは、会場からいかがでしょうか。李家委員、お願いします。
  • 李家委員 李家でございます。
     航空関係のことについて少しコメントさせていただきます。3つありまして、まず最初が、41ページの下のほうに「アルコール摂取」という文言が書かれています。パイロットの飲酒問題というのがここ1~2年問題になって、それに対する対策はかなり取られているのですけれども、今回の計画が今後5年間続くということで、この問題が5年の間に徐々に忘れられるようなことにならないように、しっかりとウオッチしていく必要があるかと思っております。
     2番目は、同じく41ページの一番下のほうに「小型航空機等に係る安全」というのがあります。同様のことがこの資料の1ページの基本理念の真ん中から少し下に書かれています。小型航空機の事故が大型機に比べますとかなり多くなっていまして、小型航空機の事故を減らすということをかなり注意して取り組んでいかなければいけないと思っています。どのように安全を確保していくかというのは、いろいろな議論があるところですけれども、ここも引き続き積極的に考えていくべきだと思います。
     3点目は、43ページの5番目の「無人航空機等の安全対策」ということです。ドローンもそうですし、「空飛ぶクルマ」のことも書かれていますが、こういった新しい航空機が今後有人地帯で飛ぶようになると、安全確保ということは非常に重要な問題になると思います。また、これまで航空機を飛ばしたことのない方、新たにこの分野に参入してくる方が無人航空機を飛ばすようになるということで、そういった方への安全文化の醸成、教育といったところも積極的に行っていくべきかと思っております。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     ほかにはいかがでしょうか。古関委員、どうぞ。
  • 古関委員 今、李家先生が航空のことに限定されてお話をされたので、私からは28ページから30ページぐらいまでの鉄道に関して申し上げます。1つは、前報告書と同じように踏切道について特出しをして、高齢者のこと、直近の事故のこと、それから重点的に対策を施すというふうに書かれたことは非常にすばらしいことであると思います。
     あと、3つお願いがあります。1つは27ページ、人身障害事故と踏切障害事故が非常に重要であるということは言うまでもないことでして、ただ、もう一個、私、いつも「お客様は神様ではない」と言っているのですが、旅客の行動というのも安全を考えるときには非常に重要だと思っています。なかなか表面には出てきませんけれども、酔客が落ちるとかそういうことがあって、それでホームドアを対策するとか、いろんなこともあるわけですが、これも前回の報告書から共通ですけれども、スマホ見ながら歩きみたいなことに対してもいろいろキャンペーンを張られて努力はされていますが、この問題は実はますます広がってくる。今、オンライン会議をやっていますけれども、オンライン会議に出ながら移動するということ。自分自身も含めてそういう新たな日常が出てきてしまっていますので、そこは少し注意をして、ぜひキーワードとして書いていただきたい。正しい旅客行動を促すための広報とかそういうこと。ここにも「広報」と書いていますが、それを少しキーワードとして加えていただくほうがいいかなと思います。
     2つ目は、最初の原案でインバウンド云々ということが書いてあって、今、これを見るとちょっと違和感がありますねと申し上げたのですが、結果的に国際化とか外国の方に対する対策みたいなことが今は全部消えてしまっている気がします。今の時間断面では確かに日本人しか動いていないような社会になっていますけれども、3年、4年、5年、さらに中長期のことを考えれば、国際化とか外国人の方にどう対するかということは非常に重要な問題であるということは否定できないと思いますので、例えば外国の方にも分かりやすい安全な行動の情報提供とか発信とかというキーワードは、やはり入れておいていただくほうがいいのかな。これはもしかすると鉄道だけの問題ではないかもしれません。
     3つ目は、29ページの8項目で「研究開発及び調査研究の充実」で、「鉄道の安全性向上に関する研究開発」と。これで全てを網羅していると言えると思うのですが、あえて申し上げるとすると、運転の自動化を実現、推進する中での安全性の確保・向上みたいなことを入れておいていただくのが、今の報告書としては非常に重要ではないかなと思います。ここはいろいろ御意見があるかと思いますが、検討のお願いとして、運転の自動化を実現する中での安全性の確保ということを、この研究開発項目の中でキーワードとして加えていただければありがたいと思います。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     それでは、服部委員、どうぞ。
  • 服部委員 前回に続きまして現場からというか、そういったことしか自分には説明できないのですけれども、交通事故に関して地域ぐるみということで、私も一応交通指導員をやりながら地域の交通安全協会にも参加しているのですけれども、安全協会と警察、双方が一緒になって、春と秋と年末にある交通安全運動に参加し、普及活動も行っております。
     少子化でありながら、老人が増えていくということで、安全協会では3S運動というのを推進しております。3Sというのは、最初のSはSee。次のSはSlow。見たら止まるということで、StopのS。3S運動をやっております。
     また、これは栃木県の重点的なこととしてやっているのですけれども、夜間走行中の原則ハイビームの徹底ということで、我々は地域住民の方に対して、約10日間それを推進しているのです。高齢者に対して正しい歩行とか言うのは簡単でありますけれども、実際やってもらうのは大変であります。引き続き、交通安全対策を頑張っていきたいと思います。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     スカイプ参加の山内委員、いかがでしょうか。
  • 山内委員 ありがとうございます。
     皆さん、いろいろ御発言されたので、つけ加えるところはないのですが、交通教育のところで1点だけ。先ほども御指摘がありましたけれども、最近あおり運転とかそういうことが話題になって、法改正をされたわけですが、あの手の類いということは、特にこの場合は道路交通ですけれども、それに対する安全の意識みたいなものがかなり低下しているとか、そういう印象を持つのです。ここでこれからの交通安全の教育の計画を立てているのだけれども、そういったところを反省しつつ、どこに重点を置いていいかというのをもう少し考えていただきたいなと思っています。
     ある意味では、先ほど高校の教育という話もありましたが、かなり年齢の高いところまで道路交通の安全の意識とか教育というのを徹底させないと、ああいったことの危険性とかそういうものが伝わってこないのではないかと思っています。そんなところを御配慮いただければなと思います。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     お待たせしました。久保田委員、お願いします。
  • 久保田委員 時間がなさそうなので簡単に言いますけれども、先ほどからビジョン・ゼロのお話が出ているので、私も一言。私も賛成なのです。ただ、スウェーデンでビジョン・ゼロが言われた段階のことを見ると、10万人当たりの死者が大体6人台です。人口約1000万人ですので、年間600人ぐらいが亡くなっているときに、国としてビジョン・ゼロを言ったということです。
     ですから、言ってみれば、数百人のレベルになると、ゼロということが非常にリアリティーをもって議論できるということだと思うのです。まだ三千数百人の日本でビジョン・ゼロということを掲げにくいというのが実情だと思う。そういう意味では、基本理念のところに「究極的には、交通事故のない社会を目指す」ということがずっと書いてあるということだろうと思うのです。
     少しターゲットを絞ってビジョン・ゼロを言う。順番にやるべきだというのが私の意見で、それで「通学路Vision Zero」ということを言っているのですが、次の資料7は多分次回回しになると思いますけれども、資料7に、そうは言ってもそこだけゼロを目指すというのはいろいろ問題があるということも書いてあるので、であれば、例えば計画理念のところに子供の事故は根絶するのだと。数字は難しいとすれば、特に生活空間を歩いたり、自転車に乗ったりしている子供の事故は根絶を目指して、国中であらゆる力を結集してこの5年間でやるのだという意思を示す。そういうことでこの5年間の施策のターゲットがくっきりと絞られるのではないかと思っています。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     まだ御発言いただいていない方は、会場、スカイプでいらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。
     それでは、私も一言だけ発言させてください。今、久保田委員からお話があったとおり、実は日本でも基本的な考え方、基本理念としては「究極的には、交通事故のない社会を目指すべきだ」という文言があるのです。それをどういう表現にするかということです。それと、次にこの資料は説明だけしていただくことになるのかは時間との相談ですが、目標設定です。どういう道筋でゼロを実現していくのか。あるいはマイルストーンをどこにどういうふうに設定するのかと、基本理念とは分けて考えたほうが良いのではないかと思います。
     ありがとうございました。
     それでは、資料だけ説明していただけますか。
  • 寺本参事官 はい。
  • 赤羽座長 議事(3)「第11次交通安全基本計画の道路交通における目標」につきまして、まずは説明をお願いいたします。
  • 寺本参事官 時間が押している中、簡単に説明させていただきます。資料7「第11次交通安全基本計画の目標値について -道路交通を中心に-」ということでございます。1ページ目の表は、これまでの目標値と現状を示したものですし、第1回の会議資料の中からの抜粋的なところでございます。道路交通のところでございますが、今、「死者数」と「死傷者数」を置いています。死者数につきましては、24時間死者数を2,500人以下。世界一安全な道路交通を実現。死傷者につきましては、平成32年までに死傷者数を50万人以下という目標値を掲げています。
     続きまして、2ページ「目標値とする事項について」です。表の下の「死者数」というところです。24時間死者数という数値です。10次計画では目標値を2,500人以下と定めています。現状は、令和元年の24時間以内死者数が3,215人。目標達成のためには1年間の間にさらに715人減ということで、大幅な死者数減が必要だという状況です。
     今後の24時間以内の死者数につきましては、最後のページにもう少し詳しく書いていますけれども、2,214~2,578人という推計をしています。
     続きまして、3ページの30日以内死者数という数値です。欧米などとの比較におきましてこちらの数値を設けています。先ほど申し上げました、世界一安全な道路交通を実現という目標値を定めているのですが、先ほどの推計値の最小値2,214を達成したとしても、この後、人口10万人当たりで比較しても、ノルウェーのほうがさらにまだ低いという現状があるということでございます。
     続きまして、3ページの下に「死傷者数」というものを置いております。こちらにつきましては、令和元年時点では50万人以下というのは達成している状況です。ただ、もう少し詳しく見てまいりますと、軽傷者の数につきましては、自動車損害賠償責任保険審議会におきましては、さらに保険金の支払いを行っている事例もあるという指摘がございます。こちらは、死傷者数に代えて、より正確に数値を把握でき、かつ命に関わり優先度が高いと考えられる重傷者に関わる数値目標を設定してはどうかということでございます。
     重傷者の現状につきましては4ページでございます。平成30年(2018年)の重傷者数につきましては、3万4,558人です。
     続きまして、「その他特定の対象について目標を設定する考え方等」というところでございます。委員の中からも御発言いただいていますけれども、例えば登下校中の小学生を対象にということもございますが、一方で、事前に合理的な範囲内の対策で防止困難と考えられる事故も起きている点にも留意という御指摘もあるというところでございます。
     6ページ目は、先ほど申し上げました推計値の関係でございます。次期計画におきまして、最初の「目標値の設定」の説明文のところにも記載しておりますが、「次期計画においては、交通事故死者数とともに、死傷者数に代えて重傷者に関わる数値目標を設定することとしたい」ということでの提案でございます。
     「道路交通事故の長期予測」ということで、こちらは長期予測を立てておりますけれども、その場合におきましては、交通事故後24時間以内死者数2,214~2,578人という間の推計が出ています。同じように30日以内も出していますし、重傷者につきましては2万3,407~2万3,727人という幅を持った形でございますが、予測値を出しています。
     目標値を決めていく必要がございますけれども、目標値につきましては、今回、残念ながら時間がないかと思いますので、また追って御意見などを頂きながら、次の第3回の会議におきまして案をお示ししたいと考えているところでございます。
     私からの説明は以上でございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     ということで、今日御説明の範囲で何か御意見や御質問があったら、事務局にメール等でお寄せいただいても結構だと思います。次回本格的に議論していただきたいと思いますけれども、時間はほとんどないのですが、これだけは確認しておかないと次回までによく考えられないということがありましたら、質問していただければと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
     それでは、申し訳ありませんが、この資料に関する議論は次回送りということで、本日の予定を全て終了したということで、進行を事務局にお返ししたいと思います。
  • 寺本参事官 赤羽座長、ありがとうございました。
     本日の議事につきましては、速やかに議事要旨を作成し、座長に御確認いただいた後、会議資料とともに内閣府のホームページにおいて公開をさせていただきます。
     また、議事録につきましては、作成後、各専門委員の皆様に御確認いただき、次回専門委員会議にお諮りした上で、内閣府ホームページに公開をさせていただきます。
     次回の専門委員会議の日程でございますが、皆様お忙しい中、大変恐縮ではございますが、当初の予定から少し遅れておりますけれども、10月下旬から11月上旬で調整をさせていただければと思います。
     また、開催方法につきましては、状況を見つつ、できる限り今いるこちらの8号館講堂で開催をしたいと考えております。
     議事としましては、第11次交通安全基本計画の中間案につきまして御議論をいただく予定でございます。後ほどまた御案内をしたいと思います。
  • 赤羽座長 それでは、本日の会合はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。