中央交通安全対策会議専門委員会議(第4回)議事録

日 時:令和3年2月4日(木)10:30~12:00
場 所:中央合同庁舎第8号館1階講堂

  • 寺本参事官 ただいまから、第4回「中央交通安全対策会議専門委員会議」を開催させていただきます。
     本日は、皆様、御多忙中にもかかわらず、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
     初めに、大臣官房内閣審議官の難波より御挨拶申し上げます。
  • 難波審議官 皆様、おはようございます。内閣府で交通安全を担当しております官房審議官の難波でございます。
     会議の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
     本日は、お忙しいところ、専門委員の皆様方には第4回の専門委員会議にお時間を割いていただきまして、心より感謝を申し上げます。
     御案内のとおり、道路交通につきましては、昨年、交通事故の発生から24時間以内でお亡くなりになった方が5年連続で減少して2,839人となりまして、初めて3,000人を下回ったところであります。しかしながら、現行の第10次交通安全基本計画には令和2年までに死者数を2,500人以下とするという目標を掲げておりまして、これを残念ながら達成することができませんでした。依然として交通事故情勢は厳しいものがあると認識しております。
     こうした状況の中で、交通事故のさらなる減少を推し進めていくためにも、皆様方に御議論いただいております第11次交通安全基本計画の作成が大変重要なものとなっておりまして、本日の会議でも忌憚のない御意見をいただければと考えております。
     なお、皆様の助言等を踏まえながら形づくられてきた計画案でありますが、内閣総理大臣を長とする中央交通安全対策会議におきまして、いよいよ来月には正式決定の運びとなります。
     赤羽座長をはじめ、中央交通安全対策会議専門委員の皆様には、昨年6月29日の第1回の専門委員会議以降、御意見を頂戴してまいりました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響もあり、これまでの計画作成時よりも限られた回数での会議開催を余儀なくされる中、リモート形式による御検討をもお願いすることとなりましたが、皆様の御理解・御協力によりまして、充実した御議論を重ねていただくことができたと考えております。
     専門委員としてお集まりいただく会議は本日が最後となりますけれども、委員の皆様方には、このお立場を離れた後もそれぞれにアドバイス、御指導などを賜れればと思っております。
     終わりに、これまでの会議に御出席いただきまして、基本計画案の作成に御尽力を賜りましたことに改めて感謝を申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。
     本日もどうぞよろしくお願いいたします。
  • 寺本参事官 続きまして、本日の出席状況です。
     本日は、赤羽座長のみ会場にお越しいただいております。
     伊藤委員、川端委員、北島委員、久保田委員、古関委員、古笛委員、中土委員、藤森委員、森本委員、守谷委員、三国委員、水野委員、三好委員、李家委員におかれましては、スカイプでの御出席となります。
     御都合により、古関委員におかれましては11時から、李家委員におかれましては11時30分からそれぞれスカイプにて参加される予定です。
     なお、服部委員、山内委員、蓮花委員、渡邉委員におかれましては、本日御都合により御欠席でございます。
     続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。先日送付させていただきましたものを御確認ください。
     資料1「中央交通安全対策会議専門委員会議(第3回)議事録(案)」。
     資料2「令和2年中の交通事故死者数について」。
     資料3「第3回専門委員会議資料2第11次交通安全基本計画(中間案)からの主な修正箇所」。
     資料4「第11次交通安全基本計画(案)」。
     資料5「『第11次交通安全基本計画(中間案)』に対する意見及び対応等一覧表(専門委員)」。
     資料6「『第11次交通安全基本計画(中間案)』に対する意見募集の結果について」。
     資料7「『第11次交通安全基本計画(中間案)』に対する意見及び対応等一覧表(公聴会及びパブリックコメント)」。
     以上となります。資料に漏れなどございましたら、お知らせください。
     資料はお手元にございますか。その他、会議出席などにつきまして何か問題等ございましたら、事務局まで御連絡をお願いいたします。
     資料の関係はよろしいでしょうか。
     なお、資料1の「中央交通安全対策会議専門委員会議(第3回)議事録(案)」につきましては、各委員の皆様に御覧いただいた上で本日まとめてお出ししているものでございますので、特段御異存がないようでしたら、資料1を前回会議の議事録として内閣府ホームページに掲載したいと思いますが、よろしいでしょうか。
     特段ないようでございますので、資料1につきましては、前回会議の議事録として内閣府ホームページに掲載させていただきます。
     それでは、議事に入らせていただきます。以降の議事進行を、赤羽座長にお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。
  • 赤羽座長 赤羽です。皆さん、おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。
     それでは、早速本日の議題に入ります。議題はお手元の議事次第のとおりとなっておりますので、まずは議事(1)「第11次交通安全基本計画(案)」につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
  • 寺本参事官 それでは、まず資料2につきまして警察庁交通企画課の佐野課長から説明をしていただき、それに続きまして、資料3から資料7を内閣府から説明させていただきます。
  • 佐野課長 警察庁交通企画課長の佐野でございます。
     先ほどの難波審議官の御挨拶の中にもおありでしたように、昨年の交通事故死者数は2,839人ということで、前年に比べて376人のマイナス、11.7%減少いたしまして、警察の保有する昭和23年以降の統計で最も少ない数字となりました。他方、全死者数に占める65歳以上の高齢者の方の割合が56.2%ということで非常に高い数字を記録しております。
     よく指摘される新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、速報値ではありますけれども、事故の件数や負傷者数につきましては、昨年4月、5月の緊急事態宣言が発出されていた期間、連動する形で相当な落ち込みを見せておりまして、月別の交通量も非常に少なくなっていたところでございます。しかしながら、死者数に限って申し上げますと、今年の減少率11.7%は昨年の9.0%という減少率に比べて特段急激に減少したというわけでもなく、ほかの数値に比べると、それによって著しい影響を受けたとは言えないと思っております。ただ、現在最終的なそのほかの数字を確定中でございまして、それに基づいて必要な分析を行っていきたいと考えているところでございます。
     以上です。
  • 寺本参事官 ありがとうございます。
     それでは、資料3以下を説明します。
     昨年11月に第3回の専門委員会議を開催したところですが、その後、パブリックコメント、オンライン公聴会を開催いたしました。パブリックコメントにかけるに当たりまして、専門委員の皆様からいただいた御意見とそれらの対応につきましては、資料5として整理をしております。
     その後、資料6になりますけれども、パブリックコメントにつきましては、11月25日から12月20日までの間で意見募集を行い、提出が43件ございました。オンライン公聴会では、こちらに記載の9人の方から御意見をいただきました。これらの御意見とその対応につきましては、資料7として整理をしております。
     以上の御意見を踏まえ、また、私ども事務方でその後検討を深めた点、文言上整理した点などを含めまして、今回計画案本体として資料4を用意したところでございます。
     私からは、こちらの見え消しになっている資料3を用いまして、11月の委員会に提出した中間案からの内容に関わる主な変更点につきまして説明をさせていただきます。
     資料3はそれぞれ括弧書きでページ数を記載しておりますが、こちらは資料4の計画本文中のページになります。
     資料3の説明に入ります。
     まず「まえがき」の部分におきまして、令和2年の交通事故に関するデータが出ておりますので、その関係で修正をしております。1ページ目、9ページ目、14ページ目でも同様の修正をしているところでございます。
     続きまして、計画の基本理念、4ページとございますけれども、社会的受容性の醸成について記載をしているところでございます。
     横断的に重要な事項、5ページでございますけれども、EBPMの推進ではデータの整備・改善について、また、知見の共有では世界レベルでの年間の死者数を修正し、「国際的な連携や協力を推進する」と記載しております。
     続きまして、目標に関します12ページのところでは、減少させる点を「歩行中及び自転車乗用中の死者数」と明記しております。
     16ページ、17ページにおける重視すべき視点の(2)の見出しでは「遵法意識の向上」を追加し、自転車利用者に対する街頭における指導啓発活動について記載をしております。
     18ページの生活道路では、生活道路における交通死亡事故の状況を説明し、その下では住民の関わり方の重要性を記載しております。
     19ページ、先端技術の活用推進では、自動運転の交通ルールなどの検討について記載しております。
     25ページ、事故危険箇所対策の推進では、交差点改良で隅切りを例示としております。
     27ページ、見出しのところ、改築の前に「道路の」と追記し、その項目で環状交差点についても記載しております。
     30ページにつきましては、次の無電柱化推進計画に合わせた記載をしております。
     31ページ、自転車利用環境の整備では、多様な自転車の開発・普及について記載しています。
     39ページ、冬期積雪・凍結路面対策といたしまして、広範囲で躊躇ない予防的・計画的な通行規制や、大雪が予想される場合における情報提供について記載しております。
     40ページの交通安全思想の普及徹底では、高齢者、障害者と並べて子供を明示しております。
     43ページの中学生に対する交通安全教育では、自転車事故における加害者の責任を記載し、歩行者の心得につきましては「安全な歩行の仕方」と修正しております。こちら、小学生対象の箇所でも同様の修正をしております。
     同じページで、高校生に対する交通安全教育では、「二輪車等を必要とする生徒がいることにも考慮」と記載しております。
     45ページ、高齢者に対する交通安全教育の推進では、安全運転サポート車などの先進安全技術を体験できる機会を設けることを記載しております。
     48ページ、自転車の安全利用の推進では、損害賠償責任保険について、「加害者になった場合への備え」と記載し、自転車を用いた配達業務中の事故防止のための指導啓発などについても記載しております。
     54ページでは、飲酒運転の防止を「根絶」に修正しています。
     56ページ、運転免許制度の改善では、交通事故被害者の心情に沿った対応を行うことを記載しております。
     57ページの事業用自動車の安全プラン等に基づく安全対策の推進では、現在検討されております次の事業用自動車総合安全プランに合わせた修正をしております。指導講習につきましては削除しておりますが、「自動車総合安全情報」ホームページによる情報提供を記載しております。
     次に、イといたしまして、「抜本的対策による飲酒運転、迷惑運転等悪質な法令違反の根絶」と見出しを修正し、薬物使用の根絶やながら運転、あおり運転について記載をしています。
     ウでは、「ICT・自動運転等新技術の開発・普及推進」とし、ICT技術を活用した運行管理や運行管理の質の向上について記載しています。
     エでは、「追加で超高齢社会におけるユニバーサルサービス連携強化を踏まえた事故の防止対策」という項目を置きまして、高齢運転者の事故防止、乗合バスの車内事故の実態を踏まえた取組の実施について記載しております。
     オでは、運転者の年齢、健康状態をも踏まえた事故防止を行うこと、軽井沢スキーバス事故を踏まえた対策についてフォローアップを行い、対策を推進することを記載しております。
     キでは、運転者の健康起因事故防止対策として、主要な疾病の対策ガイドラインの周知徹底について記載しております。
     クでは、前はイとして記載しておりましたコンプライアンスの項目を置き、IT活用による効果的な監査・監督を行うことなどを記載しております。
     ケでは、貸切バス事業者安全性評価認定制度について記載しております。
     59ページ、(5)交通労働災害の防止につきましては、交通労働災害防止のためのガイドラインに合わせた表記としております。
     61ページ、車両の安全性の確保では、自家用自動車及び事業用自動車双方における先進安全技術のさらなる性能向上と記載しております。
     63ページ、道路運送車両の保安基準の拡充・強化では、衝突被害軽減ブレーキの前に「特に衝突した際の被害が大きい大型車にも搭載する」を追記し、その性能向上を図るとしています。
     76ページ、交通事故被害者の方についての表現として、「深い悲しみやつらい体験をされて」と修正しています。
     79ページ、交通事故被害者などの心情に配慮した対策の推進では、不起訴処分につきまして「不起訴処分について、犯罪被害者等の希望に応じ、検察官が、捜査への支障等を勘案しつつ、事前又は事後に、処分の内容及び理由について十分な説明を行うよう努める」と記載しています。
     83ページ、長期予測の箇所では、交通事故に係る統計・データについて充実改善に取り組むこと、被害者などの視点に立った交通安全対策に関する研究では、交通事故被害者に加えて地方公共団体、交通完全に関わる団体などの視点からの検討を行うことを記載しております。
     次に、鉄道交通関係です。
     89ページ、鉄道交通施設等の安全性の向上では、ホームドア整備の加速化について記載しています。
     90ページ及び91ページでは、訪日及び定住外国人と記載しています。
     91ページの事故の原因究明、事故防止では、新たな調査手法の構築について記載し、こちら、海上交通、航空交通についても同様の修正をしています。
     次に、海上交通関係です。
     99ページのフロー図中、海上における人命の喪失を防ぐことを追記し、「経済や自然環境への甚大な悪影響を防ぐため、海上交通の安全を確保する」と修正しています。
     105ページでは、航路標識につきまして強靭化、高度化を図ると整理しています。
     115ページでは、見出しを「放置艇削減による安全対策の推進」と目的を明確化し、ア、イ、ウの表記を合わせております。
     次に、航空交通関係です。
     124ページでは、国産ジェット旅客機についての記載を修正しております。こちら、128ページ、133ページでも同様に修正しております。
     126ページでは、操縦士の飲酒について記載をしております。
     127ページ、小型航空機などに係る安全対策の推進では、これまでに実施した対策の検証をした上で、より効果的・効率的な施策を実施することを記載しております。
     私からの説明につきましては以上でございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     ただいまの事務局からの説明を踏まえまして、委員の皆さんから御意見や御質問をお願いいたします。また、この会議に対する感想等も併せていただければと存じます。
     それでは、どなたからでも御自由にお願いします。時間の都合上、お一人3分以内でお願いいたします。いかがでしょうか。
     北島委員、お願いいたします。
  • 北島委員 おはようございます。いつもお世話になりまして、どうもありがとうございます。
     基本計画全般に関しましては特に意見等ございません。大変よくまとまっているなというのが私の素人ながらの受けた印象でございます。お疲れさまでございました。
     それで、この委員会に参加させていただきました感想を述べさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
     私がこの委員会に参加させていただいた目的は、現場の声というものを少しでも計画に反映することができたらなという思いでございました。果たして本当に目的が達成できたのかどうか、言葉足らずで本意が伝わらなかったのではないかという反省も今しているところでございます。
     最近、私が思うのは、鉄は熱いうちに打てという言葉。交通ルール、マナーのみならず、ルールとかマナーといった意識づけは低年齢のうち、幼児への意識教育の重要性を再認識するとともに、現在していることをもっともっと充実させていく必要があるのだなと感じています。
     また、信号機のない横断歩道での歩行者優先に関しても、調査上、和歌山県では最初は1.何%。今、10%を超えているというのですが、実感としてはそんなことはないのではないかという感じが本当のところです。交番付近の横断歩道では止まっている。でも、ほかのところでは止まらない。また、止まっている車があるのに横をすり抜けていく。さらには、1車線のところだと後ろからクラクションを鳴らす。そういった車もまだまだたくさん見られています。そして、歩行者の側からも言うと、今までの長い長い経験で、車というものは止まってくれない。だから、車が切れるまで待ってから渡ろう。和歌山県では車が止まってくれるという意識がまだまだ低いのです。だから、ドライバーの側も歩行者側も、どちらの側もこういったことを周知徹底。分かっているのだけれども、実行に移すにはまだまだ時間がかかるのだなと思っています。
     余談ですけれども、うちの娘たちは転勤族で、10年ちょっと前ぐらいに福岡にいたことがあるのですが、その当時、福岡では完全に歩行者優先ができておりまして、歩行者万歳の世界でございました。だから、地域によってはできているのだから、そのうちできるのではないかなと期待しているところです。
     また、自転車のルール違反、マナー違反などに対しても、誰でも手軽に購入でき、小さい子でもお年寄りでも乗れる大変便利な存在なのですけれども、最初に乗る技術は習得しても、マナーとかルールの習得はなかなかできていないというのが現状で、小さい時に一旦身についてしまった自分勝手な乗り方というのはなかなか修正が難しいのですよね。だから、これもできるかできないか分からないのですけれども、自転車購入時にちゃんと乗り方のルールの講習を受けないと売れないというぐらいの強さでいかないとできないのかな、そんな方法はないのかなと最近思っています。
     本当に勝手な感想ばかり申し上げて、申し訳ありませんでした。このような機会を与えていただいたことに大変感謝しております。ありがとうございました。
     以上です。
  • 赤羽座長 北島委員、ありがとうございました。
     関係省庁から何かコメントはありますか。どうぞ。
  • 寺本参事官 内閣府でございます。
     コメントありがとうございます。今回の計画でも幼児への交通安全教育について記載をしておりますけれども、きちんと徹底をしていきたいと思いますし、また、歩行者、自転車に関わるルールも、いろいろな機会を捉えまして交通安全教育を実施していくよう努めていきたいと思っております。
     もし警察庁さん、文科省さんで追加のコメントがございましたらお願いしますけれども、よろしいですか。
  • 佐野課長 北島委員、貴重な御指摘、コメント、ありがとうございました。
     福岡について言及されていらっしゃいましたけれども、福岡県警においても歩行者妨害に対する対策ということで非常に強力に進めてきた経緯もございまして、それが今、結果に結びつきつつあるのかなと考えているところでございます。
     地域、社会が一体となって取り組む問題ではあると思いますけれども、警察としても、いかに歩行者優先であるということを車のドライバーに認識させるかということについては、これからまた力を入れて取り組んでいきたいと考えているところでございます。
     また、自転車についても、まさに自転車に関連する事故の7割ないし8割は自転車側に何らかの落ち度またはルール違反、法令違反があるという結果も出ているところでございまして、歩道を疾走する自転車というのが典型的な例、または、最近はこういったコロナ禍において自転車がさらに活用されるようになっているという状況もあり、自転車の乗用者に対してルール、マナーをいかに理解、認識させるかということについても、他機関と連携して今後取り組んでいかなければいけない一つの重点だなと考えております。
     以上でございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     それでは、中土委員、お願いいたします。
  • 中土委員 どうぞよろしくお願いいたします。
     最初に、今回の専門委員会議に参加させていただいた感想と、その上で、これだけ検討して追記というのは難しいかもしれませんけれども、修正箇所について幾つか質問と意見をお伝えさせていただきます。
     今回、私、被害者支援をする立場と交通の遺族という2つの立場で参加させていただいたのですけれども、被害当事者が参加するのは今回が初めてだということを伺いました。陸海空ともに被害当事者は必ずいますので、今後は多くの当事者が参加できたらいいなと感じました。
     それと同時に、委員会の皆様が本当に真摯に検討されている様子もうかがえましたし、事務方の皆様は本当に日夜忙しく、膨大な量のこういった資料をまとめてくださって、本当に真剣に仕事に取り組まれているということも肌で感じて、感謝を申し上げたいと思います。
     その上で、先ほど言ったように幾つか今回の変更案のことについてお聞きします。
     まず、31ページの自転車利用環境の総合的整備のところの「多様な自転車」というのは、子供乗せだとか、あとは電動自転車のことなのか、多様な自転車というのがどのようなものか質問させていただきます。
     あと、58ページなのですけれども、対策ガイドラインと書いてありまして、これは上段にある「事業用自動車の運転者の健康管理マニュアル」というものに含まれているものなのでしょうか。周知・徹底というのが2回繰り返されているのですけれども、このマニュアルにもし含まれているのであれば要らないのかなと感じました。
     それと同時に、周知・徹底という言葉で言えば、お隣の59ページにも「周知徹底」という文言があるのですけれども、そちらには「・」がなくて、どちらかに表記を合わせたほうがいいのではないかなと思いました。
     あと、79ページなのですけれども、交通事故被害者支援の充実強化という項目で「交通事故被害者」とあるのですが、「等」が入ると遺族が含まれるということで、「等」が入るといいのかなと感じました。
     こちらも私の意見をくみ取っていただいたのかなと思うのですけれども、不起訴案件について追記してくださって本当にありがとうございます。こちらの文章で「犯罪被害者等」となっていまして、私自身は交通被害は犯罪の一つだと思っているので、かえって喜ばしい表現なのですけれども、表記の統一というところ、バランス的には「交通事故被害者等」のほうが適しているのかなと感じました。
     ページが戻るのですけれども、39ページです。この冬、新潟、北陸でいろいろ交通渋滞が起きたことを反映しているのかなと思うのですけれども、私は食糧だとか物品の配布もしていたような印象をニュース等で受けました。もしそういった物品の提供等もやっているのならば明示してもいいのかなと思いました。
     56ページ、運転免許制度の改善なのですけれども、「心情に沿った対応」と入れていただき感謝しております。こちらも「等」と入れていただいて、遺族を含む意味合いを入れていただきたいなと思いました。
     あと、57ページなのですけれども、「軽井沢スキーバス事故を踏まえ」のところ、「乗客の死傷事故低減」と書いてあるのですが、低減となると、オンライン公聴会の意見でも幾つか出ましたように、多少の犠牲がやむを得ないみたいなニュアンスがちょっと入ってしまうのかなという印象を受けましたので、低減ではなくて「防止」とか、もう少し表現を変えたらいいのかなと感じました。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     それでは、関係省庁からコメント等ありましたらお願いいたします。
  • 石和田課長 国土交通省道路交通管理課長の石和田でございます。
     中土委員から御質問がありました点につきましてお答えさせていただきたいと思います。
     1つ、自転車の利用環境の中で、多様な自転車の開発・普及というのはどういうものが想定されるのかということでございました。委員から御指摘がありましたように、まさに電動自転車みたいなものも入りますし、最近は身体障害者の方が利用できるような自転車の開発といったことも行われておりまして、そういったものを念頭に記載しております。現在、政府のほうで新たな自転車活用推進計画というものも別途策定中でございまして、そういった中での議論も踏まえまして、こちらのほうに反映させていただきました。
     私のほうからは以上でございます。
  • 中土委員 ありがとうございます。
  • 石田課長 続きまして、国道交通省の自動車局でございます。
     58ページ目のキ、運転者の健康起因事故防止対策の推進について御意見をいただきました。まず健康起因事故の防止につきましては、法律上で運送事業者はドライバーの健康をちゃんと管理し、安全な状態で運転させてくださいという規定があって、一方で、ただ単にそういう責任だけを事業者の方に求めても実効性は上がらないということで、健康管理マニュアルというものを国で作成して、これを参考に健康管理を進めてくださいというところでございます。ただ、この健康管理マニュアルにつきましては、一般的な健康問題を全部扱っているところでございますが、御質問いただいた対策ガイドラインというのは、3行目にございますが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、脳疾患、心疾患の疾病の3つが事業用自動車の事故で非常にウエートが高いということで、個別にガイドラインをつくってございます。対策マニュアルとそれぞれ3つのガイドラインを併せて、運送事業者が参考に健康管理に努めていただきたいということで進めているところでございます。
     「周知・徹底」の件に関しましては、平仄がそろっていなかったことは大変申し訳ありませんでした。きっちりそろえたいと思います。
     それから、同じページのオ、軽井沢事故の関係で御意見をいただきました。軽井沢事故につきましては、28年1月に事故が起きて、今年で5年がたったわけでございますが、これはまだ引き続き国交省としては重要な事故で、この対策をしっかりやらなければいけないということで毎年フォローアップをしながら進めているところでございます。当時85項目の施策をつくって、それをしっかり推進しているところでございますが、御指摘のところは死亡事故の低減、これはおっしゃるとおり、我々、防止の対策を当時85項目立てて、これを着実に実施するということでございまして、可能であれば「防止」というような表現に修正できればと思ってございます。
     私のほうからは以上でございます。
  • 中土委員 ありがとうございました。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     ほかにはいかがでしょうか。
     あとの文言の修正だとか、あるいは表記の統一という箇所に関しては、私のほうで引き取って見届けますので、そういうことでよろしいでしょうか。
  • 中土委員 大丈夫です。ありがとうございました。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     それでは、三国委員、よろしくお願いいたします。
  • 三国委員 よろしくお願いいたします。
     私のほうからは、オンライン公聴会及びパブリックコメントを読ませていただいて感じたことをお話しさせていただきます。
     日本の交通事故死者数の構成率の半数を占める歩行中、自転車乗用中を減らすことに実効性のある対策をより強く打ち出すことが必要だと思います。人優先の交通安全思想を第8次から掲げているにもかかわらず、第11次でも同様に日本の歩行中や自転車乗用中交通事故死者数が構成率の半数を占める状態は問題になると思います。例えばビジョン・ゼロの思想では、交通事故は起きてしまうものから、交通事故は防げるものとして個人が注意することから、道路管理者や警察を含めた関係機関が具体的防止策を取ることとしています。
     例えばですが、私の住んでいる石川県内の自転車の事故の6割は金沢市内で起きています。自転車事故全体は減っているにもかかわらず、自転車事故の重傷者は減る傾向にありません。この金沢市内での自転車事故の重傷者数に絞って事故現場の状況などを分析し、そして、対策を取るなど、実効性のあることをこれから5年間積み上げていくのはいかがでしょうか。全国できめ細かく各都市の効果的対策を取ることを進めていただきたいです。
     私はこの会議に第9次から参加させていただいておりますが、国際的にもこのままでは恥ずかしいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     関係省庁から何かコメントはあるでしょうか。どうぞ。
  • 寺本参事官 内閣府の寺本でございます。
     歩行者と自転車の事故は私どもも非常に重要な点だと認識しております。目標にもこちらを全体の減少割合以上の割合で減少させるときちんと明記したところでございますし、今回の計画にも記載している対策をもってこちらの目標が達成できるよう、施策に取り組んでまいります。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     三国委員、よろしいでしょうか。
  • 三国委員 私どものほうも金沢市内に住んでおりますので、警察と連携して、具体的に重傷事故の現場などで対策ができるかどうか、それなりに考えていきたいと思っていますので、皆様またよろしくお願いいたします。
     以上です。ありがとうございました。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     それでは、久保田委員、お願いいたします。
  • 久保田委員 久保田です。よろしくお願いします。
     全体として非常によい計画になっていると思います。特に生活道路について見て、今までと見比べて格段に具体的にいろいろな施策を打ち出していただいているので、非常にいいと思っております。
     その上で1つ申し上げたいことがありまして、お伝えいたします。今回の3回の会議の資料や議事録などを全部見直しまして、あるいは今回のパブリックコメントを見て気づいたことです。
     9月の第2回のときに警察庁から資料の御説明がありまして、資料2というものなのですけれども、生活道路について、ゾーン30と生活道路対策エリアを組み合わせたゾーン・エリア対策云々と書いてあります。つまり、ゾーン30と国土交通省の生活道路対策を組み合わせる、連携して進めるということを警察庁がおっしゃっていただいたわけです。私、そのときも申し上げましたけれども、これは非常に画期的なことで、かつ必要なことであると思います。
     今回のパブコメの資料を見ますと、資料7のいろいろなところにあるのですけれども、例えば12ページの一番上の欄、整理番号55に関する警察庁のお答えを見ても、ゾーン30に加えて車両の通行を禁止する交通規制等の実施や物理的デバイス設置云々となっていまして、つまり、この12ページの整理番号55を見ると、ゾーン30という最高速度区域規制だけでなく、一方通行とか通行止めなどの様々な交通規制、さらに物理的デバイスの設置を進めるとはっきり書いていただいています。これが生活道路対策において一番重要なことで、ヨーロッパのいわゆるZone 30というのはまさにこれなのです。これをやることで日本のゾーン30も真のZone 30という物理的デバイスとかいろいろな交通規制も併せたものになると思います。
     その観点で今回の計画を改めて見てみると、資料4の22~23ページあたりがそこに該当すると思うのですが、22ページのア、最初の5行ぐらいの後で公安委員会対策ということで説明があってゾーン30などが書いてあるのですけれども、そこには物理的対策の話は出てきません。次の23ページを見ると、「道路管理者対策においては」と書いてあって、実はここでは4行目で「公安委員会により実施される交通規制及び交通管制との連携を強化し」となっていまして、読みようによってはここで読むということになろうかとは思うのですが、もう一度言いますけれども、せっかく警察庁のほうでゾーン30とそのほかの交通規制と物理的デバイスを連携した対策を進めるとかなり具体的におっしゃっていただいているので、ここにもその具体的な内容を記載していただいたほうがいいのではないかと思います。アのすぐ直下なのか、あるいは公安委員会対策、道路管理者対策の次なのか、場所はいろいろあると思いますけれども、何度も言いますが、その連携対策を具体的に書いていただいたほうがいいのではないかと思った次第です。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     それでは、関係省庁のほうからコメントをお願いできるでしょうか。
  • 佐野課長 久保田先生から御指摘いただきましたように、警察といたしましては、ゾーン30と道路管理者の取組である生活道路対策エリア等の連携の強化ということに非常に重きを置いているところでもございまして、まさに単に速度30キロ以下に落とすというだけの話ではなく、地域の実情に応じてゾーン30の整備を推進するとともに、車両の通行を禁止する交通規制の実施だとか物理的デバイスの設置について、今、全国的に進めているところでもございます。実際にエリアとして3,864か所あるうち、生活道路対策エリアと重複している場所もどんどん増えているところでもございまして、今後とも国交省さんまたはほかの関係機関と連携して、ターゲットを定めてどのような形で取組をしていくかということ、各地域に指導もしながら進めていきたいと考えているところでございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     既に両省庁で統合的に対策を進めるという機運が高まっていて、その方向だということなので、それが表現によく反映されるように、私としても最後まで確認したいと思います。
    そういうことでよろしいでしょうか。
  • 久保田委員 はい。よろしくお願いいたします。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     それでは、古笛委員、お願いいたします。
  • 古笛委員 今回もまた会議に参加させていただき、ありがとうございました。
     いろいろな委員の御意見を伺って、私たち、どうしても弁護士として民事や刑事などの法的責任にばかり着目しがちですが、もっと大事なことがあるのではないかと改めて意識させていただきました。それを踏まえて、やはり被害者にならないとともに、加害者になってはいけないということで、交通安全教育の大切さについて追記していただき、ありがとうございました。
     1点だけ、43ページで高校生に対する記載がありますが、時々原付とか二輪の場合には保険に入っていないという加害者が多くて、十分な被害者救済ができないという場面に遭遇することがありますので、高校生の免許取得前の教育について記載がありますが、そこではぜひ自賠責保険はもとより、任意保険にもきちんと入って、加害者としての責任を尽くすよう、高校生ぐらいであれば交通安全教育のなかに保険教育についても一言加えていただけたらなと思いました。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     いかがでしょうか。お願いします。
  • 粟井室長 文部科学省でございます。
     交通ルールや自転車、バイクの走行の安全というのは、小学生の時点から系統的に指導を重ねているところでございまして、その中で危険予測とか危機回避に加えて、交通社会の一員としての行動についての教育を行っているところでございます。その中で、やはり事故の加害者となる場合の責任とか民事、刑事上の責任、法の適用、自転車も含めた保険、それから、高校生として責任のある行動についての教育もよく行ってまいりたいと思っておりますし、貴重な御意見をいただいたと思っております。どうもありがとうございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     古笛委員、よろしいでしょうか。
  • 古笛委員 ありがとうございました。
  • 赤羽座長 続きまして、李家委員、よろしくお願いします。
  • 李家委員 李家です。
     私のほうは航空交通等を担当しておりますけれども、今回の基本計画に関しておまとめいただきまして、ありがとうございました。
     特にこれに関しての意見はないのですが、今後のことを考えて1つだけ申し上げさせていただきます。今回の資料にも書いていただいておりますけれども、無人航空機が今後ますます利用されるだろうということに関してです。有人地帯上空での飛行も起こり得るでしょうし、それから、無人航空機に加えて、この報告書にも書いていただいた空飛ぶクルマというものも社会実装がなされていくと思われます。今後こういった人が乗っている機体、これは現在飛んでいる普通の飛行機もそうですが、それと無人航空機との遭遇といいますか接触といったことの危険性もかなり考えていかなければいけなくなるかなと思っております。無人機の性能がかなり向上しておりますので、そういった面で、今後安全対策ということで無人航空機に関してしっかりとウオッチしていく必要があるかと思っております。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     関係省庁のほうからございますでしょうか。よろしいでしょうか。
     御提案のとおり承ったということだと思います。ありがとうございました。
     続きまして、古関委員、お願いいたします。
  • 古関委員 古関でございます。
     私は鉄道のところを中心に読ませていただきましたが、まず報告書全体としてここまでの大変なお取りまとめの作業、関係者の皆様に心から御礼を申し上げます。
     また、私が申し上げたコメントに対する対応、あと、鉄道に関しますとパブリックコメント125番から134番に対して具体的な御対応をいただきました。パブリックコメントの中では、ホームのベンチの配置のことだとか、踏切事故の調査の必要性、あるいは一部の踏切設備のアップグレードの重要性というようなことについてかなり具体的なコメントをいただいていまして、非常に興味深い御提案も含めて、大事な教えをいただいたと思う一方、全体計画の中ではあまり個別の具体的な技術論を書き込むというよりは、文章として政策的方向性を示すという形で織り込んでいただいたことは大変適切な対応であったと思います。
     あと、多少余計なことを申しますと、この検討の期間に、昨年の統計で交通事故死者数について3,000人を下回るような実績を得られたという点は非常にすばらしいことだなと思いつつ、一方で、我々みんなが感じているように、現在感染症対策の中で移動の総量が大きく減っていたり、働くスタイルも含めていろいろな考え方が大きく変化している中で、そういうことのインパクトもあるのだろうなと思いつつ、誰もその影響を現時点では正しく分析できないということだと思います。そういうことに関しては、次の計画の議論の中でまた評価が行われていくことを期待したいと思いますし、将来事実ということで、鉄道に関しては現在自動運転の技術の普及に関わるいろいろな検討が現在進行形で進んでいる中ですので、そういうことも含めて、また次回のこういう話合いの場でそういうものに対する評価が行われていくことを期待しつつ、今後数年間の経緯を個人としてもさらに注意深く見守りたいと考えております。
     以上です。ありがとうございました。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     関係省庁からコメントはございますでしょうか。
     ありがとうございました。
     続きまして、森本委員、お願いいたします。
  • 森本委員 多岐にわたる項目を丁寧に修正していただきまして、また、私の申し上げました意見も反映していただきまして、誠にありがとうございました。
     一方で、今年の本専門委員会の検討中に新型コロナが交通安全に与える影響も徐々に分かってまいりました。先週から開催されておりましたアメリカの交通学会TRBでは、交通量が減少し、事故における致死率が上昇したとか、歩行環境が不十分で歩行者の交通事故が減っていないですとか、あるいはシートベルトの着用率や飲酒運転の違反が増えたなど、感染症と交通事故の関係が少しずつ報告されております。
     あるいは、現在、ワールドバンクの交通の国際会議が開催されておりまして、昨夜出たのですけれども、ある国の方から、コロナの感染の拡大前から病床の半分は道路交通事故の関係者だったですとか、集中治療室の3割は常に交通事故の関係で利用されているなどというような報告があり、今回のコロナで病床の逼迫が日本でも問題になっておりますが、交通事故に遭われた方が適切な医療を受けられているのかどうか大変心配しているところでございます。
     今回の報告書の中では、4ページに新型コロナウイルス感染症の影響の注視とありまして、「必要な対策に臨機に着手する」と記載されております。今後も海外の機関とも連携しながら、こういった新たな課題については臨機応変に対応していただきたいと思っております。
     以上でございます。ありがとうございました。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     関係省庁からコメントはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
     ありがとうございました。
     それでは、川端委員、お願いいたします。川端委員、いかがでしょうか。
    (接続確認)
  • 赤羽座長 ちょっと順番を変えましょうか。それでは、川端委員の前に水野委員、お願いいたします。
  • 水野委員 水野です。
     自動車の情報化でどのように車の安全が向上できるかについて、考え方とか施策がきちんと織り込まれていると思います。それから、特にEDRとかドライブレコーダーによるデータ収集や運転支援、衝突被害軽減ブレーキ、事故の通報といったことによる安全の向上がきちんと書かれていると思います。
     それでまず1点、83ページの下の(2)道路交通事故原因の総合的な調査研究の充実強化に交通事故分析センターによるミクロ調査の実施等の充実強化とあるのですけれども、こちらに「国際動向も考慮したミクロ調査の実施等」と入れていただくと、ドイツとかそういった国では詳細な事故調査データがあって、その項目に従ってデータを入力して運転支援システムをつくるといった流れがありますので、こういったところも考慮していただけたらいいのではないかと思いました。
     それからもう一点、最近、脱炭素化の議論がさらに出てきて、恐らく交通の分野では電気自動車の普及になってくると思うのですけれども、この中でも新しいタイプのモビリティーの中で一部組み込まれているとは思うのですが、電気自動車がどのように使われていって、どのような特有の事故があるかというのは現段階では分からない状況ではあるのですけれども、もし可能でしたら電気自動車の事故状況も今後調べていくといった一言があるといいかなと思いました。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     関係省庁からコメントはございますでしょうか。それでは、自動車局からお願いいたします。
  • 是則室長 水野委員、御意見ありがとうございました。
     国土交通省自動車局の是則でございます。
     今御意見いただいた自動車事故の分析に関するところですが、いただいた御意見を踏まえまして、自動車事故分析センターとも調整の上で記載について検討させていただきたいと思います。どうもありがとうございます。
  • 水野委員 よろしくお願いします。
  • 赤羽座長 水野委員、ありがとうございました。
     川端委員はまだ再接続中ですか。
     そうしましたら、伊藤委員、お願いいたします。
  • 伊藤委員 ありがとうございます。伊藤でございます。
     主に海事の分野に関して見させていただくことが多かったのですけれども、全体として見ても大変ボリュームがあって、いろいろなところまで気配りのできているよいものが出来上がったなと見させていただいております。
     海事の分野につきましては、大目標の「1.海難のない社会を目指して」にありました目標について見直していただき、経済や自然環境への甚大な悪影響を防ぐといったことまで記載いただいてよかったと思います。関空連絡橋の事故のように社会に大きな影響を与える事故も、頻繁にではないですけれども発生しておりますので、こういったところにも目をやれるようになることはいいことと感じました。
     以下はこの会議に参加させていただいての感想です。まず海難では全体として漁業者やプレジャーボートといった小型船舶の事故による人命喪失が非常に多いということが特徴的だと思います。そういったところでは、安全は重要だとは分かっていてもお金をかけづらいといったことで、資金的な支援が必要になるのかなということ、それからプレジャーボートのようにシーズンのみ使用するような方だとどうしても知識の不足があり、先ほど道路交通のほうでもありましたけれども、教育機会をどう確保していくかということ、つまり、急にシーズンになって小型船舶、プレジャーボート、その他免許すら要らないような乗り物に乗るようなときに知識がないというのが非常に危険で、命の危険につながるので、これからますます重要と思います。限られた予算や人的資源の中でこういった対策を十分やっていくために、ICTやIoTといったIT技術を駆使して資金あるいは人的資源の再配分をして、強く推進していっていただけるといいなと感じました。
     また、GHG対策といった意味でも、海洋の利用は非常に効果的で、今後は物流上でも、旅客輸送でも海の利用は非常に重要となっていくと考えています。したがって、安全の重要性も高いです。近年は技術の進歩に伴って、海上でも例えば自動運航船といったように安全に役立つことを目指した技術開発が非常に多く行われています。ただし、それらが今後また新たな問題を引き起こしていくことも考えられますし、ますますウオッチしていく必要があるのかなと考えました。
     どうもありがとうございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     関係省庁からコメントはあるでしょうか。
     ありがとうございました。
     それでは、川端委員、よろしくお願いします。
  • 川端委員 先ほどはすみませんでした。
     まず、おまとめいただいてありがとうございました。特にゼロベースのところで、いろいろなコロナなどの影響はあるとは思うのですけれども、それでも統計上最も交通事故死亡者数が減ったという数字自体に関しては、こういった努力の継続かなと思いました。
     幾つか意見があります。5ページの「国際的な連携や協力の推進」という文言について、「我が国の知見を世界と共有し」という前文がありますので、国際的な連携や協力を推進というところが我が国の知見を共有するという一方的な言い方に感じてしまうのがよろしくないかなと思いまして、「互いに」という文言を「国際的な」の前に入れていただくと、日本としての知見、我が国の知見を共有するだけではなくて、各国の知見共有を私どもも受けるという意味になるかと思うので、「互いに」という言葉を入れるか、あるいは「我が国の知見と各国の知見」と入れるか、どちらかにしていただくと、相互に連携ができる印象になるかと思います。
     もう一つ、19ページで自動運転などに言及していただいたことは、私もここは再三お伝えしていたので、入れていただいてありがとうございます。そこに関連して、最後に「そのためにも、安全な自動運転を実用化するための交通ルールの在り方や」というくだりがあるのですが、安全な自動運転というのが非常にふんわりした概念的な表現になっているかなと思います。あと、自動運転というと少し先のことというか完全自動運転と思う方がいたり、セミ自動運転と言われるL2なのか、いわゆるL4、L5の完全自動運転なのかということが非常に曖昧なので、例えばですけれども、「交通安全の視点を伴って、高度ドライバー支援や自動運転の機能を車載で実用化する」といった少し明確な言い方にしたほうが、ADASであったりL2であったり、L4、L5まで交通安全の視点を伴うという考え方のほうがよろしいのではないかと。実用化に向けて、私ども、こういった宣言の中に実用化するところまで考えていくということが表現できるのではないかなと思いました。
     あと、57ページに「自動車総合安全情報」ホームページという表記がありまして、拝見すると非常に現代的ではないホームページで、つくっていただいている方の内容に文句を言っているわけではなくて、UI上少し古かったり、使いにくい印象を受けました。ただ、ここのホームページとメーリングリストというものが、5年に一遍こういった白書などを出す以外だとかなり頻繁に更新はされているようですので、こういったところをもう少し分かりやすくつくったり、こういったところの広報活動というのが、この文言に表せというわけではないのですけれども、ここにこういったものを表記するということは、皆さんここを引用したりすると思うので、もう少し分かりやすくつくっていただけるといいのかなと。拝見すると結構いいことを書いてあるのです。なので、せっかくここに書くのであればもう少し分かりやすくつくっていただくというのが今後の継続的な作業で必要だと思いました。
     ほかに関しては、特に39ページのSNSの活用であったり、57ページにIT技術といったところを入れていただいたというのは、限られた人的資源での周知徹底ができると思いますし、継続的な発信もできると思いますので、ありがたいなと思いました。
     あと、31ページの自転車であったり、43ページの自転車も加害者になり得るという文言であったり、40ページ以降の交通弱者の中に老人だけではなくて年限によった子供をきちんと入れていただいたというのはよろしいかと思いました。
     全体を通しての感想は、要するに、生活に欠かせない移動、そのための手段である交通ということに関しては、誰もが加害者、被害者両方になり得るのが交通事故という認識を世代を超えて共通に持つこと、その一助となることが本計画を発行する意義だと思いますので、そういった包括的な部分にまんべんなく触れていただいたことに感謝しています。
     以上です。ありがとうございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございます。
     それでは、関係省庁から。
  • 寺本参事官 内閣府の寺本です。
     国際的な連携や協力のところに「互いに」というような文言を入れるという点につきまして、検討させていただければと思います。
  • 赤羽座長 ほかにはいかがでしょうか。
     自動運転に関しては、レベルが今5段階になっているのですか。そのどれを指しているのか曖昧になっているなということはよく感じます。たしかレベル3までは安全運転支援と呼称することになったのでしたか。そういう適切な表現もあるようですから、うまく使い分けていただけると川端委員からの御指摘にかなうのではないかと思います。
     川端委員、よろしいでしょうか。
  • 川端委員 おっしゃるところだと思います。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     続きまして、藤森委員、いかがでしょうか。
  • 藤森委員 書面のほう、拝見しました。大変丁寧にまとめていただき、ありがとうございました。
     私としては、90ページにありました「情報提供を行うに当たっては、訪日及び定住外国人にも対応するため」というところで、ここだけ外国人のところがとても丁寧に書かれているのですが、この交通安全に関わることは全て、日本人で言えば幼い子供たち、乳幼児から高齢者までですし、外国人の方たちも、旅行者であろうが留学生であろうが定住外国人であろうが、全ての人を網羅できるようなという意味で、どこかそこの辺を全体として発信できるような形で、それはもちろん加害者になる可能性もあるでしょうし、被害者または遺族等になる可能性もあるということを考えたときの情報発信のありようというところで、どこか全体の中で一文押さえておいていただけたほうがいいのかなと感じました。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     関係省庁からコメントはございますでしょうか。
     ありがとうございました。
     続きまして、三好委員、お願いいたします。
  • 三好委員 毎回、皆さん専門家の方々の意見を聞いて本当に感動しておりました。それが非常に細かく全部が訂正されていくのを本当にすばらしいなと思いながら、最終のものを見ておりました。
     またここからちょっと加わったりするのかと思いますけれども、私が気になったところは1か所あるのですが、訂正ということではないのですけれども、パブリックコメントの9番にもありました、資料4でいうところの8ページです。道路交通事故にある経済的損失の表のところで、こういうのはいかがなものかなというのがあって、それにお答えしてあって、もちろんこれを取るとか訂正ということではないのですけれども、ただ、自分もこの間の会議から去年1か月の間にオートバイの仲間が2人亡くなりまして、ヒューマンエラーによる四輪車との接触で被害者となって亡くなってしまったのですけれども、この2,839人のうちの2人が身近でぽんぽんと亡くなって、前も言ったのですが、コロナ禍で私の周りも入院してしまったり、亡くなってしまった方が結構多くて、事故をされる方も多くて、大変心が痛むことが続いていました。
     身近な方だったものですから、本当に心の動揺といいましょうか、これが経済的にというと考えられないくらい大きくて、この言葉はもちろんいいと思うし、被害者支援のところでも訂正されていて、すごくいい言葉に直っていたのですけれども、例えば「深い悲しみやつらい経験をされて」と「見舞われて」というのが変わったり、それでも十分なのですが、ただ、この中に何かどこかで、金銭には代えられないけれどもという感じが自分はとてもして、すごくそういう強い思いを持ちました。先ほど言われていたように、自分ももちろん加害者になることもあるかもしれないし、被害者になるかもしれない。今回は被害者の家族ではないのですけれども、いろいろな裁判を調べてみたり、いろいろなところまでいくと被害者支援の会にぶつかりまして、だから、どんなに大事なことをなさっているかなということを改めて思った次第です。
     ニュースを見れば、今はホワイトアウトの事故が出ていたり、この辺りですと大雪で高速道路に閉じ込められてみたいなことがどんどん続きますけれども、自然の中ですからそういうことがいっぱい起きるのですが、私たちがこういうものをやっていればかなりのものを防げていくのだなということがバイクの事故のことでよく分かりましたし、こういうことに気をつけてくれれば起こらなかったのになということが改めて分かったりしました。
     自動運転もすごく期待しているのですけれども、例えばそういうホワイトアウトになったらどうなるのかなとか、そういう情報もどんどん新しくなっていくと思うし、一般市民としてそういうものをどんどん取り入れて、事故のない社会をつくっていきたいなと改めて思いました。だから、皆さんのやっていることのすばらしさが改めて分かります。自分も頑張っていきます。
     ありがとうございました。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     関係省庁からコメントはあるでしょうか。よろしいですか。
     ありがとうございました。
     それでは、守谷委員、お願いします。
  • 守谷委員 自治医大の守谷です。
     74ページの救急通報システム・事故自動通報システムの整備のところです。最後に御検討いただき、どうもありがとうございました。新たに示していただきました事故自動通報システム(ACN)というものの格段の普及が今後必要なのですが、最近ではこのシステムの進化版である先進事故自動通報システム(AACN)というものがあります。それは自動車に衝突などの大きな荷重がかかった場合に、どの方向からどういった荷重が加わったかを瞬時に認識して、乗車していた場所ごとに生存率がその場で計算されるシステムです。例えば生存率が50%以下のような重症外傷が2人予想されるときには、救急車を2台現場に出場させようといったことが可能です。現在のところ、全ての自動車にAACNは整備されていませんが、大変画期的で外傷患者の死亡数減少に寄与する可能性がありそうです。そうしたことから、ACNの格段の普及に加えてAACNの普及という文言を新たに追加していただければと思います。ありがとうございました。
     最後に今回の会議の感想を述べさせていただきます。私は、今回自動車事故により重傷の脳の損傷によって不幸にも意識障害が継続してしまった患者さん及びその御家族に必要な社会的支援についてかなり多く意見させていただきました。そうした内容をたくさん盛り込んでいただいたのが非常によかったと思っています。
     最後になりますが、やはり交通事故に関する情報を世界に発信していくということを忘れてはならないなと思います。実際にそうしている国々もあります。いくら国内で事故が減少しているといっても世界の国々との比較が今後は重要かと考えます。そのためには、日本の交通事故に関する正確で詳細なデータを蓄積していく必要性があります。医師の場合は学会ベースでいろいろ動いているので、様々な働きかけを行い、私としては外傷に関する現存するレジストレーションシステムを使って、今後日本からの情報が発信できるように活動していきたいと思います。
     感想も含めて、以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     関係省庁からコメントはあるでしょうか。よろしいでしょうか。
     ありがとうございました。
     これで今日御出席の方全員に、ご発言していただけましたね。
     最後に、蓮花委員からコメントを寄せていただいているようですので、事務局から御紹介いただきたいと思います。
  • 寺本参事官 蓮花委員からメールで御意見を頂戴しておりますので、全部は紹介できないのですけれども、一部概要的なことで紹介したいと思います。
     基本計画の81ページに下記の記述がありますということで、「道路交通の安全に関する研究開発の推進を図るとともに、死亡事故のみならず重傷事故等も含め交通事故の分析を充実させるなど、引き続き、道路交通事故要因の総合的な調査研究の推進を図る」という記述につきまして、蓮花委員から、「11次の計画で取り上げられる「重傷事故」について、奈良県での分析をしようと取りかかりましたが、公表されている「交通統計」、「交通事故年表」、奈良県の交通統計において重傷事故に関する統計表がほとんどありません。私自身はITARDAのプラチナ会員であり、直接集計できますが、多くの国民にとっては極めて不利益となります。ぜひ来年度からは、少なくとも全国版の事故統計資料である「交通統計」や「交通事故年表」では重傷事故に関する資料を設けていただければと希望いたします。また、ITARDAの情報資料でも御提供をお願いする次第です」という意見をいただいているところでございます。
     この点、もしコメントがありましたらお願いいたします。
  • 佐野課長 蓮花委員から御指摘いただきました重傷事故に関する事故統計につきましては、令和2年中の交通重傷事故の発生状況ということで警察庁ウェブサイトにおいて令和3年2月18日に公開される予定となっております。なお、例年公開されている交通事故の発生状況と同様の項目となる予定でございます。
     以上です。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     どうぞ。
  • 寺本参事官 内閣府でございます。
     先ほど藤森委員から外国人の方に対するコメントがございました。全体的なというお話だったかと思います。こちら、交通安全思想の普及徹底という項目の41ページの真ん中のほう、四角囲みのちょっと上のところでございますけれども、「定住外国人や訪日外国人の増加等を踏まえ、多様な文化的背景への寛容さを基本としつつ、世界一安全な交通社会を目指す我が国の交通ルールを的確に伝えるよう努める」というところでも記述しているところでございます。
     以上でございます。
  • 赤羽座長 ありがとうございました。
     皆様の御協力で、本日もちょうど時間が参りました。全員の方に御意見を承ることができました。
     これで本日予定されました議事は全て終了いたしましたので、進行を事務局にお返しいたします。
  • 寺本参事官 赤羽座長、ありがとうございました。
     今回の皆様からの御意見を踏まえまして、第11次交通安全基本計画案は適宜修正などを行い、また、内部手続を経まして、3月に予定しております内閣総理大臣を会長といたします中央交通安全対策会議にかけまして、基本計画が決定される運びとなります。
     なお、本日の御意見を踏まえました計画案の修正部分の確認につきましては、座長に御確認という形を取らせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
    (首肯する委員あり)
  • 寺本参事官 それでは、計画案の修正部分の確認につきましては、座長に一任とさせていただきます。
     本日の議事につきましては、速やかに議事要旨を作成し、座長に御確認いただいた後、会議資料とともに内閣府のホームページにおいて公開させていただきます。
     また、議事録につきましては、作成後、各専門委員の皆様に御確認いただいた上で、内閣府ホームページに公開させていただきます。
     なお、本日が最後の会議となりますので、座長から一言お願いいたします。
  • 赤羽座長 赤羽です。
     今年度の専門委員会議は、新型コロナウイルス感染症に対応しまして、事務局の非常にきめ細やかな配慮の下で、ウェブ会議システムの導入度合いをだんだんと高めていただきまして、今回に至っております。そういう状況下で、かつ、私のつたない司会進行も甘受いただきまして、実のある検討ができましたことは専門委員の皆さんの御協力の賜物だと感謝しております。
     今後はこの検討結果が、専門委員の皆さんのそれぞれの分野で実効を上げるべく、引き続き御尽力をいただくことをお願いしまして、検討完了の私の挨拶といたします。どうもありがとうございました。
  • 寺本参事官 赤羽座長、ありがとうございました。
     それでは、以上をもちまして、第4回の「中央交通安全対策会議専門委員会議」を終了したいと思います。
     本日は、御多忙中にもかかわらず、長時間にわたりスカイプでの御議論に御参加いただき、誠にありがとうございました。
     委員の皆様におかれましては、御多忙にもかかわらず、長期にわたりまして交通安全基本計画の策定に御協力いただきまして、誠にありがとうございます。引き続きそれぞれにまたアドバイス、御指導を賜れればと思っております。
     これをもちまして閉会とさせていただきます。ありがとうございました。