中央交通安全対策会議専門委員会議(第1回)議事録
令和7年3月6日(木)15:00~17:00
中央合同庁舎8号館 特別大会議室
中央合同庁舎8号館 特別大会議室
- 児玉参事官 それでは定刻でございますので、ただ今から、第1回中央交通安全対策会議専門委員会議を開催させていただきます。
本日は、皆様御多忙中にもかかわらず、御出席をいただきまして誠にありがとうございます。オンライン会議システムにより御出席されている委員の方々もおられます。
私は、内閣府の交通安全対策担当参事官の児玉と申します。
今回は第1回の会議でございますので、議事に入るまでの間、事務局で進行役を務めさせていただきます。
それでは、まず初めに、内閣府副大臣の辻󠄀から御挨拶を申し上げます。 - 辻󠄀内閣府副大臣 改めて委員の皆さん、こんにちは。
交通安全対策を担当する内閣府副大臣の辻󠄀でございます。
中央交通安全対策会議専門委員会議の開催にあたり、一言御挨拶申し上げます。
昭和45年に交通安全対策基本法が制定されてから55年、11次にわたり交通安全基本計画が作成されてきましたが、現行の計画期間も残すところあと1年となりました。
本日は令和8年度以降を計画期間とする第12次計画を検討するための初回の会議です。
皆様におかれましては、御多忙の中、本会議の専門委員に御就任いただき、誠にありがとうございます。これから1年余りの間、どうかよろしくお願いいたします。
交通事故死者数のうち、道路交通については、令和6年の死者数が2,663人と過去最悪であった昭和45年の16,765人の6分の1以下となりました。しかし、今なお多くの尊い命が失われていることに変わりはございません。死者数を2,000人以下とする第11次計画の目標を達成するには厳しい状況です。
鉄道、海上、航空に関する交通についても、令和4年の知床遊覧船事故、令和6年の羽田空港航空機衝突事故など、ひとたび事故が発生すれば、多くの尊い命が失われる危険は否めません。
交通安全は国民の日々の暮らしに直結しており、安全で安心して暮らせる社会を実現することは全ての国民の願いです。
政府においては、交通事故のない社会の実現を目指し、事故の実態や交通を取り巻く社会の状況等を踏まえたなお1層の取り組みが必要であると考えています。
本会議では、道路、鉄道、海上及び航空の分野に渡る交通の安全に関する総合的な計画として、これからの社会のニーズや課題に的確に応える第12次交通安全基本計画を作成してまいります。
委員の皆様には、幅広い観点から忌憚のない御意見を賜りたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。 - 児玉参事官
辻󠄀副大臣、御挨拶ありがとうございました。
辻󠄀副大臣は御公務のためここで退席とさせていただきます。ありがとうございました。(辻󠄀内閣副大臣 退室)
- 児玉参事官 続きまして、議事に入らせていただく前に、委員の方々及び本日出席の関係省庁の皆様を紹介させていただきます。
お手元の資料1の委員名簿をお配りしてございます。
まず、会場にお越しいただいている委員を役職名も含めて私から御紹介させていただきます。
千葉工業大学 創造工学部 都市環境工学科教授の赤羽委員でございます。
国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所 海洋リスク評価系副系長の伊藤委員でございます。
モータージャーナリストの岩貞委員でございます。
自動車ジャーナリストの川端委員も本日いらっしゃる予定でございますが、所用のため遅れて参加されます。
弁護士の古笛委員でございます。
高島交通安全協会会長の竹脇委員でございます。
一般社団法人 スクールセーフティネット・リサーチセンター代表理事の田村委員でございます。
一般社団法人 山形県安全運転管理者協会副会長の田村委員でございます。
公益社団法人 被害者支援都民センター 犯罪被害相談員の中土委員でございます。
サイクルライフナビゲーターの畑中委員でございます。
東京女子大学 現代教養学部 国際社会学科 経済学専攻教授の二村委員でございます。
日本テレビ放送網株式会社 報道局 解説委員の宮島委員でございます。
自治医科大学 医学部 総合医学第1講座教授の守谷委員でございます。
会場にいらっしゃる方は以上の皆様です。
次に、オンライン会議システムで御出席の委員を御紹介申し上げます。オンライン会議で御出席の委員におかれましては、システムの都合上、一言発していただかないとカメラに映りませんので、一言御発声をお願いいたします。
まず、東北工業大学 総合教育センター教授の小川委員でございます。
遅れての参加になりますが、東京大学大学院 工学系研究科 電気系工学専攻教授の古関委員にも御参加いただいております。
続きまして、東京科学大学 工学院 機械系教授の小竹委員でございます。
大阪大学 大学院 人間科学研究科准教授の中井委員も遅れての御参加と伺っております。
早稲田大学 理工学術院 社会環境工学科教授の森本委員でございます。
なお、御欠席の委員でございますが、名古屋大学 大学院 環境学研究科 都市環境学専攻准教授の井料委員、東京大学 大学院 工学系研究科 航空宇宙工学専攻教授の土屋委員でございます。
続きまして、関係省庁の出席者を紹介させていただきます。
まず初めに、内閣府政策統括官(共生・共助担当)の黒瀬でございます。
同じく内閣府大臣官房審議官(共生・共助担当)の松林でございます。
また、オンライン会議システムで、警察庁、総務省、消防庁、文部科学省、厚生労働省、国土交通省等の皆様に御出席いただいております。
本来一人ずつ御紹介すべきところでございますが、席上の資料束の一番後ろに各省庁の名前が入っている紙があるかと思います。こちらの方々が御出席でございますが、新幹線の関係で鉄道局が御欠席と先ほど連絡ございました。まさにこういう仕事をしている皆様ですので、一朝ことがあると御欠席になってしまうということで御容赦くださいませ。
続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。オンライン会議システムで御出席の皆様には、先日送付させていただきましたものをご確認ください。
資料番号で申し上げますと、1から6までございます。そのうちの資料4-2という分冊がございます。
会場にいらっしゃる方々は、ピンク色の紙ファイルと緑色の紙ファイルでございます。資料1から6までおそろいであることをご確認いただければと思います。
資料に漏れ等ありましたらお知らせいただければと思います。よろしいでしょうか。
それでは議事に移らせていただきたいと思います。
本会議の座長につきましては事務局から、前回、第11次交通安全基本計画作成のために、専門家会議においても座長を務めていただきました赤羽先生にお願いしたいと考えておりますが、よろしゅうございますでしょうか。(「異議なし」と声あり)
- 児玉参事官 ありがとうございます。それでは、以降の議事進行は赤羽座長にお願い申し上げます。
赤羽座長は、大変恐縮ですが座長席が真ん中辺にございますので、お移りいただければと思います。
それでは、よろしければ赤羽座長からご挨拶いただけますでしょうか。(赤羽座長、座長席へ移動)
- 赤羽座長 皆さん、こんにちは。改めましてよろしくお願いいたします。
私は、第8次の専門委員会議から参加しています。私が知る範囲では、概ねそれなりのペースで交通事故死者数が減少してきていました。
ところが、新型コロナの後の足かけ3年間は足踏み状態で、これが新型コロナの影響なのか、それ以外の何か構造的変化が起こっているのか、はっきりとはわからないところです。今後の見通しを立てるには分析できる期間が短く、なかなか難しい局面で皆さんに議論していただくことになると思います。
それから、航空や船舶の方でも、第11次計画の間に非常に重大な事象が起こりました。皆さんご存じだと思います。
そういうことを考えますと、今まで以上に新しい発想で皆さんに知恵を出していただき、議論して行く必要があるのではないかと考えております。
皆さんの御協力のもとで、充実した議論を進めていきたいと思います。よろしくお願いします。
それでは、早速本日の議題に入ります。
まず議事1として、本日は第1回会議でございますので、中央交通安全対策会議専門委員会議の進め方につきまして、事務局よりご説明をお願いいたします。 - 児玉参事官 それでは、まず資料2をご覧ください。
交通安全基本計画は、交通安全対策基本法の中で作成することが定められております。最終的には、内閣総理大臣を会長とする中央交通安全対策会議で決定いたします。
昭和45年に交通安全対策基本法が制定され、翌46年から第1次の交通安全対策基本計画が作成されました。この後、現行の第11次まで、いずれも5カ年による計画が続いてきております。
現行計画は、令和7年度が最終年度となっておりますので、この令和8年度以降の第12次交通安全基本計画をこれから作成する必要がございます。
次に、資料3をご覧ください。
中央交通安全対策会議におきましては、専門の事項を調査させるため、必要があるときには専門委員を置くことができるとされております。計画の作成に当たり、第1次交通安全基本計画以来、専門委員の皆様にお集まりいただき、会議を開催し、御意見を伺いながら計画を策定しております。
今般、第12次交通安全基本計画の作成に当たりましても、本日はお集まりの皆様をはじめ、20名の皆様に3月1日付で専門委員にご就任いただいております。
次に、会議の基本的な事項について確認させていただきます。
まず、この専門委員会議は従来から非公開で行っております。
一方、議事の透明化のために、会議終了後、速やかに議事要旨を作成いたしまして、資料とともに内閣府ホームページに掲載したいと考えております。
また、詳細な議事録、御発言者のお名前も入った議事録につきましては、各専門委員にご確認をいただいた上で、後日、内閣府のホームページに掲載していきたいと考えております。
次のページの今後のスケジュールをご覧ください。
本日3月6日の第1回会議に続きまして、第2回会議は5月19日を予定しております。そして第3回会議は、7月の中旬あたりを目途に開催いたしまして、骨子案を御議論いただきます。
秋口、9月下旬ごろに開催予定しております第4回専門会議では、中間案をお示ししたいと考えております。中間案につきましては、公聴会及び、パブリック・コメントの手続を行います。
これを踏まえまして、年明けの令和8年1月下旬ごろに予定しております第5回会議で交通安全基本計画案を御議論いただきます。
この計画案を令和7年度末に開催予定の中央交通安全対策会議に提出し、第12次交通安全基本計画を決定する流れとなります。以上でございます。 - 赤羽座長 ただ今の事務局からの説明につきまして、御質問、御意見等がございましたら、御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
オンラインの方はどんなふうにしてご発言していただくでしょうか。 - 児玉参事官 アクションで手挙げ機能をご使用いただきます。
- 赤羽座長 アクションで手挙げ機能を使っていただくということだそうですので、オンラインの方もよろしくお願いします。
いかがでしょうか。大丈夫ですね。ありがとうございました。
それではご説明のとおりに進めていただくということでお願いいたします。
続きまして、議事2第11次交通安全基本計画の評価につきまして、それから議事3、第12次交通安全基本計画作成のための主な議論事項につきまして、2つ続けまして一括してポイントを絞った説明をお願いいたします。 - 児玉参事官 ご説明いたします。
資料4から資料6まで一括してご説明いたします。ポイントを絞ったつもりでございますが、約10分から15分程度を予定しております。
最初に資料4-1をご覧ください。
第11次交通安全基本計画に関する評価書案の概要を説明いたします。
本評価書案は、詳細なデータが入手可能な令和5年までのデータを基本として作成しております。ところどころ令和6年の数値が記載されておりますが、ピンポイントで入手できたところの記載となっております。ベースが令和5年でありますことをご理解いただけますようお願いいたします。
また、資料4-1は概要版でありまして、本編資料4-2、会場にいらっしゃる方はピンクと緑の紙ファイルの約600ページのものになります。それが本編となってございます。本日は概要版で説明させていただきます。
それでは、おめくりいただきまして、1ページ目をご覧ください。
上から理念、目標、対策といった計画の体系を示しております。右側の道路交通の評価をご覧ください。(1)の高齢者の安全対策から(8)の地域一体の対策までの観点で評価を行っております。
2ページ目をご覧ください。2行目の後ろの方に、令和7年までに2,000人以下、その下のパラグラフの2行目後半、令和7年までに22,000人以下にするとの記載がございます。これは11次計画の目標です。
中程の表、道路交通事故の推移をご覧ください。死者数につきましては、令和5年が2,678人、令和6年が2,663人。重傷者数につきましては、令和5年が27,636人と、それぞれ目標を達成できない見込みでございます。
下段の円グラフ、左側をご覧ください。令和5年の年齢層別死者数は65歳以上が半数以上の54.7%を占めております。中程の円グラフ、状態別死者数では、歩行者の4割弱、36.3%を占めております。
以降、視点ごとに分析を行っております。
11次計画期間中の特段の動きの一つをご紹介いたします。
4ページ目の一番下をご覧ください。令和3年6月に千葉県八街市で発生いたしました、下校中の小学生の列にトラックが衝突した痛ましい事故を受けまして、通学路の合同点検を実施いたしました。対策必要箇所を全国で76,404箇所抽出いたしまして、歩道や信号機の設置、見守り員の配置などの対策を行いましたが、事故から3年経過しない令和6年3月末時点で、暫定的な安全対策を含めますと、76,404箇所全てで安全対策を措置済みとなっております。
同じページの中程の子どもの10万人あたりの交通事故死者数の表をご覧ください。今申し上げました通学路対策だけでなく、さまざまな対策を行った結果でございますが、表の最も右側の欄、平均の増減率が-32%になっております。これは日本全体の増減率よりも大きな減少となっております。
もう一つ、先端技術について事例を挙げてご紹介させていただきます。
8ページ目をご覧ください。下から2つ目の表は、衝突被害軽減ブレーキの新車への搭載率でございます。最も左側、平成28年に販売された新車は66.2%に対し、最も右側、令和5年の新車は99%となっています。
一つ上の表、初年度登録年別10万台当たり交通事故件数をご覧ください。これは2022年、令和4年に発生した交通事故を起こした自動車について、初年度登録年別に集計したものですけれども、新しい車ほど事故率が低くなっております。軽々に結論は出せませんが、衝突被害ブレーキなどの安全運転を支援する機能が影響しているのではないかと考えられます。
続きまして、鉄道についてです。
11ページ目をご覧ください。道路交通同様、理念、目標、対策といった計画の体系をお示ししております。右側の鉄道交通の評価のとおり、重視すべき視点である2つの視点ごとに評価を行っております。この後説明いたします、踏切道、海上、航空に関する評価書案も同様の体系と評価となっております。
12ページ目をご覧ください。1行目の目標「①乗客の死者数ゼロを目指す。」を11次計画の目標としておりますが、現時点で乗客の死者数はゼロでございますので、達成できる見込みでございます。なお、11次計画期間の前、平成17年12月の羽越線事故以来、乗客の事故はゼロが続いております。目標「②ホーム上での人身障害などの運転事故について、全体の死者数半減を目指す。」については、事故死者数が増加していることから、目標を達成できない見込みでございます。
次に踏切道です。
17ページ目をご覧ください。踏切事故件数を約1割削減することを目指す目標としておりますが、長期的には減少傾向であるものの、近年は横這いでございますので、計画の目標を達成できない見込みでございます。
続きまして、海上交通です。
21ページ目をご覧ください。1行目でございます。我が国周辺で発生する船舶事故隻数について、1,500隻未満を目標としておりますが、11次計画期間の年平均で1,866隻となっておりまして、目標を達成できない見込みでございます。「(2)ふくそう海域」をご覧ください。大規模海難の発生数についてゼロを目標としておりますが、平成22年からゼロを継続しており、目標を達成できる見込みでございます。
資料4の最後となりますが、27ページ、航空をご覧ください。1行目でございますが、我が国の航空運送事業者が運航する定期便について、死亡事故発生率、及び全損事故発生率ゼロを目標としておりますが、昨年1月2日に羽田で事故が発生したことから、目標達成できておりません。
28ページを御覧ください。航空事故発生率は目標を達成できませんでしたが、重大インシデント、事故の一歩手前の重大インシデントにつきましては、目標を達成できる見込みでございます。
続きまして、資料5、道路交通発生状況について説明いたします。
おめくりいただきまして、2ページ目が推移のグラフとなってございます。
3ページ目、死者数の推移をご覧ください。上段が年齢階層、下段が状態別のグラフとなっております。上段の年齢階層別では65歳以上が多いこと、下段の状態別では歩行中に亡くなる方が多いことが見てとれます。
5ページ目は各国比較でございます。グラフよりも下の方、小さいですが10万人当たりの死者数の表をご覧ください。2022年令和4年にイギリスが2.61に対して、我が国が2.57とイギリスを抜いていますが、2023年、令和5年は再度抜かれております。
10ページ目をご覧ください。先程のグラフは事故全体の話ですが、このグラフは歩行中の事故だけに関する情報に特化した分析となっております。上段の棒グラフでお示ししている推移では、65歳以上の割合が、先ほど3ページの全体でご覧いただいたものよりも多く大きくなってございます。
下段右側の円グラフをご覧ください。65歳以上では横断中、中でも横断歩道以外の割合が半分近い48.0%となってございます。
続きまして、14ページでございます。今度は縦にご覧いただければと思います。11次計画策定時にデータが揃っておりました平成30年、2018年時点で比較しますと、我が国は8位でございました。令和4年、2022年時点では4位まで上がってきております。先程申し上げましたとおり、令和5年、2023年はイギリスに抜かれております。
15ページ下段の横棒グラフをご覧ください。このグラフにお示しした国と比較いたしますと、我が国は青でお示ししている歩行中の割合が多くなってございます。
16ページをご覧ください。内側が人口構成、外側が交通事故死者数の円グラフとなっております。例えば、右下のアメリカに注目いたしますと、事故死者数がほぼ人口構成と同じでございます。数字で申し上げますと、緑色で示した65歳の人口の割合16.8に対しまして、事故死者の割合は17.4。これは16.8に対し17.4は1.04倍となっており、ほぼ人口構成と同じになっております。我が国は高齢者の人口割合、左上が我が国ですけども、人口割合29.0に対し、事故死者割合が59.9と2倍を超えております。
続きまして17ページの横棒グラフをご覧ください。65歳に特化して見ますと、65歳以上で歩行中に亡くなる方が多いことが、各国比較として多いことが見て取れます。
続きまして、資料6、第12次交通安全基本計画の作成のための主な議論事項試案についてご説明いたします。試案という名のとおり、これが計画になりますというものではございませんので、御議論いただくための御参考になればと思い、事務局で作成したものでございます。1ページ目に体系図が載ってございます。
その次の2ページ目をご覧ください。計画の基本理念といたしましては、交通事故のない社会を目指す、人優先の交通安全思想、高齢化が進展しても安全に移動できる社会の構築というものを引き続き挙げてはどうかと考えております。前2つは意識や行動の原理に近いものと考えておりますけれども、高齢化が進展しても安全に移動できる社会の構築については、団塊の世代が全員後期高齢者になるなどと形容されることのある高齢化の進展が、社会をどう維持していくかという課題にも関連しているものと考えております。
そういう問題意識の中で、例えば10ページ目をご覧ください。下の方に(9)高齢者等の移動手段の確保充実という論点をお示ししております。高齢者に関しましては、啓発、教育、免許返納、高輝度標識など、後期高齢者を念頭に置いた安全対策というのを全体的に論点として散りばめて挙げさせていただいておりますけれども、単に交通安全の問題だけではなく、人の移動に関する課題まで広げて検討しないと適切な対応ができないのではないかと思いまして、(9)を論点として挙げさせていただいております。
さらに、17ページ中程の(2)安全な自動運転車の開発実用化普及のための環境整備をご覧ください。単に自動運転としておりますが、手を離して運転できるようなフルセットの自動運転だけでなく、衝突被害軽減ブレーキなどの運転支援機能や、高齢化による人手不足に対応するデバイスなど、広い意味での自動運転にも考慮する必要があるのではないかと考えております。
これに関連いたしまして、2ページに戻りまして、15ページをご覧ください。(10)でございますけども、先進安全技術の正しい利用をご覧ください。自動車の技術への関心が比較的低い高齢者などの方に、運転支援機能が安全運転に役立つことや、運転支援機能というものがフルセットの自動運転ではないということを、過信、誤解せずに正しく理解してもらう必要があるのではないかと考えてございます。
話題を変えまして、さらに戻りますが、14ページをご覧ください。(9)新たなモビリティの安全運転、安全な利用を挙げさせていただいております。いわゆる電動キックボードなど、11次計画策定時にはなかった交通手段が登場したので、論点として挙げさせていただいております。
ご覧のページの上の段、自転車の罰則の整備についても、11次計画策定時にはなかったものでございます。鉄道、海上、航空の安全対策については、事業者が講じるものが多く、論点のほとんどがそのようなものとなってございます。人手不足に関連する論点につきましては、それぞれ共通のものとなっております。
中でも、一般の人との接点として、例えば21ページ、上から2行目ぐらいに、ホームの安全対策としてのAIカメラの活用が取り上げられております。
24ページでございますが、ここでは踏切の安全対策としてAIカメラが取り上げられています。
新たな技術の観点では、31ページ中程でございますけれども、(4)新たな航空モビリティの安全対策を御覧ください。無人航空機自体は11次計画でも取り上げてきておりますけれども、当時よりもより身近になってきた論点となっているのではないかと考えてございます。
以上で資料の説明を終わります。
委員の皆様の御議論の参考になりましたら幸いです。 - 赤羽座長 ただいま御説明いただきました2つの議題につきまして、事務局から説明がありました評価を踏まえつつ、第12次交通安全基本計画につきまして議論事項試案も参考にしながら、本日は最初の会議でもあり、これから数年間、陸海空を通じて交通安全を進める上で重要と考えられます事項、各々の分野で重要と考えられます変化や取り組みについて、自由に御発言をお願いしたいと思います。
なお、この御発言の時間を全部で60分と予定しております。仮にお一人3分ずつ御発言いただくと大体時間に収まるということですので、その辺を踏まえて御発言をいただきたいと思います。
繰り返しになりますけれども、第12次交通安全基本計画作成のための主な議論事項試案についても御参照いただきまして、大きな方向付けに関わります点を中心に御発言をお願いしたいと思います。
最初のうちは、御発言のある方は手を挙げていただいて、その方からお願いしたいと思います。そのうちに手が挙がらなくなりましたら、私の方から指名してまいりたいと思いますので、準備をお願いしたいと思います。
それでは、まず手を挙げてくださる方はいらっしゃるでしょうか。
岩貞委員どうぞ。 - 岩貞委員 モータージャーナリスト岩貞です。御説明どうもありがとうございました。
大きく2つあります。一つは、第11次の評価の4ページにある子どもの安全対策で、確かに死者数は減ってきていますが、細かい内容をピンクのファイルの方で見ても、車内なのか、歩行者なのか、自転車なのかがざっと見た限り読み取れなかったので、そこはちゃんと明記していただいた方がいいかなというふうに感じています。
同じく警察庁の評価のところで、今後の話になりますが、警察庁の資料の中でチャイルドシートの着用率というのが5というところで書いてあります。今の車というのは、国連の基準により身長150センチ以下の安全については確認がされていない状況になっています。つまり、ものすごく不安定で不安全であるだろうということが予想できます。
そんな中でこの5を見ると、身長が150センチよりもはるかに低い、110センチ、120センチぐらいであろう6歳、7歳、8歳、このあたりがシートベルトをさせられています。何が起こるかというと、皆さんのご記憶にもあるかもしれませんが、昨年8月、福岡で母親の運転する車が対向車線にはみ出し、バスとぶつかって、後部座席でシートベルトを着用していた7歳と5歳の姉妹が二人とも亡くなったと。即死に近いということなので、救急の先生にお聞きしたら、シートベルトで首の骨が折れているか、内臓損傷だろうと言う話でした。なので、必ずチャイルドシート、特にジュニアシートをいかに着用させて行くか、シートベルトが適切に使えない人に対していかにさせていくかということが今後すごく問われていることだと思っています。
最後、資料6のところの10ページ、追加ということで、(9)高齢者の移動の足ということを盛り込んでいただいたんですけれども、実際問題としてバスはどんどん減っています。さらに、コロナを通じてタクシーもどんどん減っています。公共交通機関と言われても、何も頼るものがないエリアが本当に増えているので、今お示しいただいたこれが本当に実現できるのかどうか、可能性も含めて1度検討していただきたいと思います。
以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。次の方いかがでしょうか。
田村委員お願いします。 - 田村道雄委員 私は交通安全団体から来ているんですけれども、その中で、かつ田舎の方というか、雪の降るところで暮らしております。
外国人に対する交通安全教育の推進というのが挙げられていますが、一方でEBPMという記載もありますので、外国人が免許を切り替える場合、どのような手続があってというのが結構言われていたりするのですが、母国とするところの、国でのいわゆる交通事故率であるとか、どの程度の交通安全意識があって運転していただいているのか。日本に来てから教育をして足りるのかどうか、免許の切り替えに対する障壁というものがあまりない状態なのかなというふうに感じておりまして、それらについて一旦整理する必要があるのかなと感じております。
まずはエビデンスとして各国の交通安全教育の状況、それから受講率、そういったものを揃えていただいて、その上で少し再整理が必要かなというふうに感じておりますので、その点よろしくお願いいたします。
以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。次の方いかがでしょうか。
このあと、関係省庁から時間がありましたら、あるいはお答えいただける状況でしたら、まとめて回答いただくということになっていると思います。
竹脇委員どうぞ。 - 竹脇委員 この度は、交通安全協会の方からボランティア団体として参加をさせていただきましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
前提といたしまして、2,000人以下とか、令和7年までに重傷者を22,000人以下にするという目標を立てておりましたけども、それは残念ながら達成されていないということで、引き続き12次もそういうふうな目標を立てるのかわかりませんけども、なぜ大幅に達成ができていないのかということを、もう少し掘り下げた検証をしてみたらどうかなと思っております。
そして、全国47都道府県ありますけども、これ地域格差というのが非常に大きくなっております。私たちの滋賀県でも、やはり高齢化率が60何%とか、限界集落に近い集落がだんだん増えておりますし、私の近くでも90歳以上の方がまだバリバリと車を運転していて、こちらから返納せいと言っているんですけども、返納すれば痴呆症にかかったり、認知症にかかったという事例もありますので、なかなかこちらから進めにくいという状況もあります。
皆さんの貴重な意見をお聞かせ願いたいと思います。
以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。川端委員どうぞ。
- 川端委員 いくつかありまして、高齢者の移動に関しては、2035年には就労人口が公務員の人数に満たないというような予測も出ていまして、外国から人を入れない限りこれは当然減っていくということです。そういった場合に、救急車や消防車の運転手さんを優先して就労を当てていくとなると、一般的なタクシーやバスの運転手さんにどれくらい人が回せるのかということがあって、自動運転のような技術っていうのを多少なりとも検討していかないといけない。それを都心の真ん中で入れようと思うと、当然かなりの技術対策が必要になります。丸の内の駅前でやろうと思ったら大変ですけれども、地方の高齢者が行く先は、やはり病院と買い物なんです。私は今、山形の人口6,000人程の町の大学に行っていますが、信号が1個しかなかったりするんです。そういったところで、高齢者の方の移動に自動運転のレベル3、4みたいなことを入れていくということ自体が、多分検討せざるを得ないんじゃないかなというふうに現実問題として思っていて、それがここ10年くらいの間に来るんだろうと思います。
同時に、高齢者に免許を返納させるというふうになると、先ほどおっしゃったように、フレイル予防の観点でやはり外出した方が良かったりするんですね。運転していると、動かすのでボケないみたいな話も当然少しずつデータが出てきていて、そういったデータの利用もまだ日本はできていません。保険会社さんが持っているデータは、年齢もあったり、車に乗ってらっしゃることが分かったりしますけど、それを他セクターで利用できるかというとそうではなかったりします。そういった高齢者に対してどのように運転させないかではなくて、移動させるか。それが運転ではないならどうするのか。でも運転させるのなら、今度はサポートカーのようなものをあてがっていくのか。あるいは、自動運転というのをどういう風に地域ごとに導入していくかみたいなことを考えないといけないフェーズに来ていて、それは交通安全と非常にリンクしてくることだと思います。言い方はよろしくないですけど、高齢者の方がその若い方の事故につながる原因になるというのが多分最大の課題になってくると思うんですね。なので、そこのところというのを技術の支援を入れながら考えていくというのは、人が減るので仕方がないことかと思います。
あと、船のところで、日本は島嶼で有人離島が結構ありますが、そういうところの交通は結構基礎自治体がやっていて、いわゆる市バスみたいな扱いを受けています。そういったところの船の更新のところに、まずお金がなくて更新できないという課題が一つあるのと、何といっても船舶の免許持ってらっしゃる方が、そういった公共のところになかなか従事してくださらないという問題もあって、海上の自動運転というのも今後ぜひ課題として考えていただきたいなと思っています。今大学の方でも取り組もうと思っていて、船舶自動運転というのを開発しようとしていますが、調べてみると課題の多いところだな、島嶼の移動ということで課題が多いなと思います。特に、有人離島に1,000人単位で住んでいらっしゃるとかって日本は結構ありまして、防衛上の理由で島に住むのをやめていただくのは良くないと思います。なので、そういったことも交通安全、交通というか移動の担保にかかるかなと思います。
小児の事故に関してはいくつかあります。先ほど岩貞委員のご発言にあった部分はすごく大きくて、適正に補助具を付けるっていうことが日本はすごく遅れています。私がこの業界に来た時、30年前くらいから実はそれを言っていて、意外にその装着率というのは、一定上がった後そのまま上がっていないというのがありまして、これは完全に啓蒙の部分です。
それと同時に交通をインフラ側の方で、自動車と歩行者を分離するということも、これは国の国策でやっていかざるを得ないのではないかなというふうに思います。外国人の教育に関して、車検の委員にさせていた時に、車検切れも外国の方が知識不足であるということがあって、そういった自動車周りの知識というのをレクチャーする機会は設けていくべきなのではないかと。故意ではなくて重大な事故で、しかもそれに保険が支払えないみたいなことが当然入ってくるので、これは交通安全と交通に係る人の民事的な補償も含めて必要な観点かと思います。
そういった技術と、どうしても人間のリソースが足りなくなるということを交通安全として盛り込むべきかというのは、5年前くらいだとどうかなと思いましたが、ここから先、この5年でもうそこら辺は喫緊の課題になってきそうな人口減少というか、就労人口の減少というのがあるので、少しそういった検討をしていただけるといいかなと思います。
国際協調の、例えばFMVSS-127の夜間の事故を減らすみたいなところで、赤外線のセンサー入れていくという話も出てきているので、それは多分、夜に徘徊されたりする方の事故なども結構誘発されている可能性があると思います。夜見えなくて、年齢の高い方が一人で歩かれて事故というのは多分統計上かなりあるので、そういった国際基準をどう入れていくかというのも議論として重要かなと思いました。
散漫になりましたが、よろしくお願いします。 - 赤羽座長 ありがとうございました。それでは中土委員お願いします。
- 中土委員 被害者支援都民センターで相談員と、NPO法人でいのちのミュージアムというところで理事をさせていただいています、中土です。
私自身は21年前になりますけれども、当時4歳であった息子を交通犯罪で奪われたという、そういう経験を持っていまして、それを踏まえて発言させていただこうと思っています。
そもそも人優先というのは本当に続けていただきたい、そういった目標なんですけれども、私としては命ということを考えてしまうので、人を優先、人命優先、命という言葉が入った方が何かしっくりくるなと感じています。
今こうしてみると、日本は交通の死者数が少なくて、世界で4番目に少ないという状態にあるのは本当に誇らしいことだと思いますが、やはり当事者としてはこれをゼロにしてほしいという強い思いがあります。
前回の計画策定の際、究極的には交通事故のない社会を目指すという文言を冒頭に入れていただいて、そこは本当に感謝を申し上げます。ただ、目指すというのではなくて、そして究極的にではなくて、交通事故のない社会にすると言っていただきたいというのが正直な思いです。
検討材料にご用意いただいた資料6の中の4ページにある特定の対象についてゼロを目指す考え方についてです。子どもは本当に国の宝だと思うので、こういった登下校中の小学生というところに絞ってゼロにするという発想は大切であると思いますし、子を持つ親としては本当にありがたいところではあるのですが、他方で被害者支援センターであるとか、当事者の団体におりますと、別に子どもだけが被害者ではないというのもありまして、それであるのならば、今年は4月10日が「交通事故死ゼロを目指す日」になっていますがその日についてさらに周知をしてゼロを達成させていってほしいと思います。どれほど達成できているのかを後ほど教えていただけたらと思います。
次の5ページの対策を考える視点については、6項目挙げてくださって、どれも本当に重要だと思っています。ただ、啓発だけでは足りないのがいつまでもなくならない飲酒運転と、最近問題になっているながらスマホだと思います。ながらスマホは自動車でも自転車でもあるいは歩行者でも起きてくることです。スマートフォンというツールに依存してやめられなくてずっと見ているのだと思うんですね。なので、依存症への特別な対策というのも今後は必要になってくるのではないかと感じています。
7ページの先端技術ですが、アルコールのインターロックのような、検査だけではなくて、アルコールを検知して動かない自動車というのは某企業さんでもつくっていらっしゃるので、その辺の導入というのを国としてはどう考えてらっしゃるのかお聞かせいただけたらと思います。
私はソフト面、いわゆる啓発活動というのは絶対不可欠だと思います。それでもやはり構造的な問題で人命を奪う交通事故、交通事件というのが起きてしまうということは肌で感じておりますので、環境整備も大切だというふうに思っています。歩車分離式信号も23年ぶりに、警察庁さんが設置条件を緩和していただいたのは本当に大きな一歩です。私は、歩行者用信号で渡れる時間の目盛りが出ている信号機というのも待ち時間の大体の目途が立つので、有効だと感じていますので、そういった技術の高いものもどんどん取り入れていっていただきたいと思います。
当被害者支援センターが昨年移転をしまして、新宿から半蔵門に拠点が移ったのですが、割とその半蔵門とか麹町のあたりは、短い間に信号のない横断歩道がありまして、比較的自動車が止まってくれるんですね。スピードが出せないというところもあると思いますが、やはり横断歩道があるというだけで結構ドライバーには意識づけになっているのかなというのを感じています。
他にもたくさんありますが、お時間が限られていますので以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。畑中委員お願いします。
- 畑中委員 畑中です。私は今自転車関係の仕事をしておりまして、今回自転車という切り口でお話をさせていただきます。
自転車は今回の資料にもありましたが、やはり自転車に関連する事故は割合が減らず、事故をゼロにしていこう、減らしていこうと思ったら非常に重要な切り口になるのではないかと思います。
自転車を語る中で、おそらく今重要なキーワードは2つあるのかなと。一つが高齢者の皆さん、もう一つが子供たちです。なぜかというと、高齢者の皆さん、免許返納の話題が今も出ましたが、これから順次、人口の3割が今、高齢者と言われておりますが、車に乗っている方々が恐らく自転車などにシフトしていくという中で、どうやって高齢者の方々が事故を起こさず、安全に自転車を活用できるのかという部分。プラス子供たち。なぜかというと、この自転車は子供たちが人生で初めて1主体として交通社会に関わっていく乗り物です。欧米ではそういった位置づけを非常に重要視しておりまして、子供が車道に降りるところまでに、子供たちが交通関係のルールをしっかりと習得して、1主体として運転をする者としての誇りというか、そういった認識を持った上で社会に出ていくというので、自転車教育を非常に重要視しています。今の日本では、子供たちにしっかりとした交通ルール、自転車を中心とした交通ルールの教育がまだできていない状態です。警察庁の官民連携協議会で、その辺はガイドラインを作っているところではあるんですが、今回この中にもまとめていただいた保護者の皆さん、成人がルールを伝えられるようになる、子供たちがルールを学べるようになる、子供たちがしっかりとルールを学ぶ基礎になる部分の自転車のルールを学んだ上で、交通社会に出ていく基盤のようなものをつくることができるという状況を目指すことが非常に重要なのではないかなというふうに思っています。
そういった中で、今、自転車を中心としたルールがちょっとわかりにくい、守りにくいものがあるのも確かです。ですので、今後ルールを守れるもの、理解できるものにしていただくことが非常に重要だと思います。
プラス、電動キックボードやペダル付き電動バイクのトピックスもありましたが、こういったものが出てきて歩道上を走ってしまったり、改造して変な走り方をしていくとどうしても不公平感が出て、皆さんがルールを守ろうという意識が薄くなってしまいます。ですので、しっかりとこういったところはルールを明示していただくこと、またルールを破っているものに関してはしっかりと取り締まりをしていただくこと、こういったところが非常に重要かなと思います。
私自身が今切にお願いしたいのは、歩行者優先というのをどうか徹底していただきたいです。ドライバーに対する歩行者優先というのは資料の中にあったのですが、車に限らず自転車に乗る人に対しても歩行者優先という意識をしっかりと根付かせていただきたいです。ここの部分がしっかりしないと、電動キックボードで歩道に乗り上げてしまうとか、そういったことが出てきますので、ぜひ歩行者優先を徹底していただきたい。国として一番弱い方々が歩く歩道を守っていただけるようにお願いしたいと考えております。
また、今、高齢者、子供という話をしましたが、これから高齢者の方々が自転車にもし乗り換えていくとすると、今販売されている種類の自転車ではちょっと足りない可能性も出てくると思います。この委員会がどこまでカバーするかわかりませんが、日本では普通自転車という定義がありまして、恐らく高齢者の皆さんが車から乗り換えて、転ばない、ふらつかない、荷物を運べるような乗り物にという形で自転車というエリアにシフトしてくると、もう少し荷物が詰めたり、もう少し安定していたりといった新しい乗り物を考える必要があるのではないかと考えています。
子供乗せ自転車に関しても、普通自転車の枠の中で作ろうとすると荷物が積めず、結局フックをつけたりして余計不安定な乗り物になってしまうところがあります。また、今双子も増えておりますので、こういったところも考え、もう一度自転車という枠組みの中でも、より今のニーズに即したものが販売される可能性、販売できる可能性みたいなものを国として模索していただけたら、また、障害のある方の自転車も同様です。少し変わったものになってきますが、やはり障害のある方も自分の力で国内を移動する権利があると思います。こういった方が乗れる自転車に関しても販売できるよう、開発できるような枠組みを考えていただけたらというふうに思います。
あと、私自身がこの今回の資料を拝見していて思ったのが、スクールゾーン、スクールエリアの合同点検をされたという話がありましたが、この合同点検の結果はどのくらいシェアされているのかなというのを疑問に感じました。PTAなどでスクールゾーンの見守り、危険地域のチェックはしますが、紙ベースで終わっていることがほとんどなんですね。今この現代において、できればもう少しGoogleに落とし込むとか、みんなでデータで共有できて、次の学年にも共有できる。願わくば地域で共有できて、今回地域一体となった交通安全対策の推進というのがあるんですが、子供たちといっても、学童に限らず幼児もそうですし、高齢者の方も危険エリアは一緒に認識していた方がいいと思いますので、みんなで認識できるような形で危険箇所をデータに落として国として管理していくようなことはできないでしょうか。
もう一つ、チャイルドシートの話がありましたが、自転車につけるチャイルドシートは現状ほとんどスルーされている状況です。ですが、自転車のチャイルドシートもきちんと締めていないと、子供たちが投げ出されて頭から放り出されるようなこともありますし、できれば自転車のチャイルドシートに関しても、大切な乳幼児を守るための道具ですので、国として何か基準を提示するとか、安全を守るとか、そういった一歩踏み込んだ安全を提案していただけないかなというふうに思いました。
いろいろ話が行ったり来たりしましたが、私からは以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。二村委員お願いいたします。
- 二村委員 まず、海上交通から参ります。海上交通は事故件数が減らないということでありますけれども、いわゆるプロフェッショナルの方はかなり安全対策は徹底されているところがあります。では誰が事故を起こしているのかといいますと、プレジャーボートなどですよね。まず、一般の皆さんが海上レジャーを楽しまれるというのはいいことだと思います。プラスの要因だと思いますけれども、そこに対する安全対策の徹底というのは、これには啓発が必要ですよね。そういうような部分から行っていかなければいけないと思う次第です。ではどうすればよいのか、ということはなかなか難しいところではありますけれども、遊漁船なども含めて省庁横断で連携して行っていく必要があるのではないかなと思います。例えばライフジャケットの適切な着用などが必要かなと思います。
次に、分野を問わず一般論として、今労働力不足でもございますので、いわゆる新技術の活用、さまざまな新技術を活用したモビリティが待たれるところでございます。自動運転車しかり、自動運転船しかりでございますが、そういうようなものに対して、適切なコントロールを前提として社会実装できるような道筋を開いていただきたいと思います。もちろん安全を十分に考えていくというのはもちろんですけれども、そこに実際の活用への道筋を開くことが大事で、そのための適切な規制が必要なのではないかというふうに思った次第です。
また、今日は踏切の話がかなり多かったわけですが、踏切の安全対策は鉄道事業者にその対応が任されている状態になっていたかと思います。踏切だけではなく、この会議で含むかどうかわからないですが、ホーム上の安全対策としてのホームドア、それから車内安全としての監視カメラの設置等、事業者は諸々、安全の確保のために相当の費用をかけております。もちろんそれは料金に上乗せをして回収できるというようなルールはございますけれども、それだけでは必ずしも十分ではないかもしれません。まず民間の事業者が負担しなければいけない安全対策というものがどれだけ大変かということの確認、それに対する国の適切な支援というものが必要かなと思いました。
また、高齢者対策ということでは、コロナ期間にかなりやはり体力的に弱られた層がいらっしゃるようです。ですから、私たちがコロナ前に考えていた、いわゆるアクティブシニアというような方たちと、今の高齢者層は、ことによると体力面から見た場合に大きく変わっているのではないかというふうに思います。つまり、家から出られなくなっている高齢者が以前よりも増えているのではないかということです。諸先生方もおっしゃっていましたけれど、彼らをいかに外に出してあげるか、それから安全に動けるような環境作りをする、そこら辺のことも入れ込んだ、高齢者の健康を先に見据えた形での安全対策であってほしいと思った次第です。
以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。それでは、小川委員お願いいたします。
- 小川委員 焦点を絞ってもいいのかなと、シンプルに考えたいと思っていまして、やはり生活道路の安全対策を優先的に組んでいくというところにもっと焦点を絞って、まだまだできることがいっぱいあるのではないかと思っています。
車はどんどん進化しているし、最先端の技術を取り入れて安全になってきていると思うし、幹線道路も歩車分離が進んできているし、かなり改善が進んでいると思うのですが、環境整備という観点から考えると、生活道路ってほとんど何も変わってないなというのが正直な印象です。私が暮らしている住宅内の生活道路も、朝夕、抜け道利用として猛スピードで入ってくる車が後を絶たないですね。これも全然変わらないし、こういった状況は日本全国どこでもあるように思うので、生活道路の安全性をどう確保するかが大きな課題かなと思います。生活道路の安全を確保することは子供たちにとっても安全だし、通学路の大半は生活道路だろうし、自転車もそうだし、高齢者の歩行、高齢者の事故を防ぐという面でも重要かと思います。もう少し生活道路はどうあるべきかという議論をしていただいて、車と人が錯綜しないような状況をどうつくるかということをもっと徹底した方がいいかなと思います。歩車分離ができるのであればすればいいし、できないのであれば車を入らせないようにする。どうしてもぶつかることは避けられないというのであれば、ぶつかったときの被害を軽減する対策、要するに速度を落とす、スピードを落とすという対策を、ハード面、ソフト面の両方を含めて対策を組む必要があるかなと思います。
生活道路に少し着眼点を置いてシンプルに考えて進めていかないと、これ以上の事故の軽減は図れないのではないかと思いました。
以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
先ほど海上交通の話が出たので、伊藤委員いかがでしょうか。 - 伊藤委員 海上技術安全研究所の伊藤でございます。
海上交通の話が出たということで、海上交通関係の21ページ等に掲載されていたところに関連して発言させていただきます。
まず、先程来話が出ておりますように、船舶の方でも、離島、有人離島の維持などを含めて、自動運航の活用といったお話がありました。実際、商船を中心に、自動車の後を追うような形で、船舶の方でも自動運航機能の開発が盛んに行われております。国内でも各社行われているのに加えて、海外、特に欧米でも行われており、自動化機能の中には、かなり個性的なものも開発されており、今後は、そういった船舶が当然日本の海域も航行するようなことが将来的にはあろうかと思います。そのときに、どのように安全を担保していくのかといったところは、国際的にも国際海事機関の議論やルール策定などされてはいますけれども、日本の海についても、個別の事情を考慮して、そのような技術を安全にうまく活用していくには何をしなければいけないかというのはやはり今後考えていく必要があるかと思います。これらの技術は、離島等に対して、小型の船舶や渡し船などにも、うまく展開ができていくと非常に有効と考えております。
もう一つが、救命率が95%以上とするというところについて、非常にすばらしいと思っておりまして、自動車の方も軽減用の機能が開発されたことによって効果が現れているというお話が先ほどありましたが、軽減対策を充実させることは本当に重要だと思っております。昨年起きてしまいました知床沖の事故などを拝見しましても、何らかの軽減策があれば、もう少し緩和できたのではないかと思えるところが多々あります。
船舶の場合ですと、船の位置情報を例えば通報するような装置が大型の船舶を中心に義務化されておりますけれども、人命を運ぶような船に関しては、そういうものの応用を含めて技術をさらに活用するとかいったことも含め、軽減策の充実は今後考えていくといいかと思います。
ライフジャケットのお話もありましたが、ライフジャケットも一般的には軽減措置として非常に重要だと思います。ですが、それぞれの地域に応じて何が必要なのかということを、事故は起きてほしくないですが、起きたときにやはり軽減策が本当に重要なので、あらかじめきちんと丁寧に押さえていくというようなことができるといいと思います。 - 赤羽座長 ありがとうございました。それでは宮島委員、お願いいたします。
- 宮島委員 皆さん初めまして。
私自身は毎日ニュースを放送している立場でありまして、皆さんのように個々交通にかなり特化したその専門性を持っているのではなく、最近だけでも高齢者の車が子供のところに突っ込んだ、車内で抱っこしていた赤ちゃんが亡くなったというニュースを扱ったり、日常の市民としてもここの信号はいろんなところの方向に青になるのはいいけれど、余りにも遅くてみんな無視して渡ってしまっていて、これは意味があるのかなと思ったりと、そういう一般的な目線でおります。なので、皆さんのそれぞれのお立場の詳しいお話を伺いながら、いろいろ考えていきたいと思っております。その上で、立場としていろいろな政策についてその議論をして報告書をまとめるというようなことをいろんなところで参加させていただいているんですけれども、今回の報告書がどのくらいのターゲットを見据えて、どういう人に対してどう投げるかということは非常に大事だと思います。もちろんずっと長く続いているものなので、その前の延長で作るということも普通にできると思いますが、私の感覚からすると、ここのところのいろいろな分野の非連続的な変化というのは非常に激しいと思います。つまり、これがこの先5年続くのであれば、今の私たちは5年後の状況を想像するのも難しいくらい変化の時代が来ているのだと思います。もちろん5年後だから簡単には想像はできませんが、少なくとも今ある目の中では最先端がどういう状況なのか、どちらの方向を向いているのかということに関しては、目を凝らして極力それを想像しながら埋め込む形でないと、報告書が1年ぐらいで陳腐なものになってしまってはもったいないです。これは事務方の方々に大変御苦労かもしれませんが、その最先端の情報ということをできるだけ意識して、材料として入れていただければありがたいと思います。
特に大きな変化を感じていますのは、もう皆さんも御承知のとおり2点あって、人口減とAIや技術化です。人口減に関しては、いよいよここにきて労働、いわゆる労働人口が減りますので、ここに人を配置してこういうふうにやるというような、どの理想も、そして何か働く環境をよくして人を雇用ってあらゆる産業が言っていますけど、そもそも同じ人たちの取り合いをしているので、もう現実的にはどんなに魅力を上げたって全部は無理だと思っています。どの産業も希望するだけの人をとることはできない。そうすると、例えば交通安全で、もうたった今だったら、うちの近くの小学校でも朝晩、高齢の方やボランティアの方がこうやって旗を持って立っていてくださって、安全を守ってくださっているなというのを見ているとしても、この先同じようにそこに人が立っていてくれるということはないということを前提に進めないといけないと思います。
それから、財政的にも人口が減るのもそうですし、お金もなくなっているので、ここに大量にお金を使えばうまくいくよというのは対策としてはあり得るのですが、それは現実性がとても乏しいと思います。別に財政のためにお金をケチろうと言っているわけではないですが、お金さえ投入すれば何とかなるというような策はあまり意味がないというふうに思っているので、やはり今あるもの、あるいは今後減っていくものの中でいかにどうやっていくかというような視点がないと、それは本当に絵に描いた餅になってしまうのではないかと思います。特にこの「人」や「お金」というもののここから先の厳しさは、日本の国は相当うまく何かやらない限り、企業などが相当付加価値をつけられない限りそう簡単ではないと思いますので、ただ単なる目標に終わらないために、そういったことを考えたいと思います。
あと、AI化に関しては、今申し上げたように多分あらゆる芽が出てきている、いろんなところがいろんなことを考えてくると思うので、その中でできるだけ実現性がありそうなものに関しては取り入れて考えていただきたいですし、まさに新しく出来てきたビーグルなんていうのは、5年前は多分なかったと思います。街中をすごく低い車に外国人が乗っていて、すごく危ないなって思いますよね。だけどこれどうなっているの?と思うんですけど、多分想像の外だったのではないかと思うので、新しいもの全部ではないとしても、高齢者対応や子供対応の新しい乗り物は、一旦視野に入れる必要があると思います。
さらに言うと、私はメディアにいるので、その啓発やデータ活用の必要性がものすごく重要に感じていて、かつものすごく難しいということを思っています。ありとあらゆる政策が国民の理解を得て進めようというふうに言って啓発しようとしていますが、本当に啓発するのは難しくて、私たちもみんなに見てもらうのは難しくて、さらに言うと、納得してもらうのはすごく難しいということを毎日感じています。なんとなくこうキャンペーンをすればいい、あるいは説明会をすればいい、それをすれば中に入ると思うのではなくて、もう一歩踏み込んで、どんな工夫をすれば本当に芯に入っていくのか、今のありとあらゆる情報ツールや届く形を使って努力をするということがないと、なかなか10年言っても100年言っても守られないルールみたいなところが変わらないのではないかなと思います。
以上です。 - 赤羽座長 ありがとうございました。守谷委員お願いいたします。
- 守谷委員 私は、救命救急センターの現場で働く医師として意見を述べたいと思います。
たくさんの交通事故の傷病者の方を診察してきましたけど、例えば重症ですと、現場にドクターカーで向かい、その現場状況を見ることも多々あります。そこで思うのは、やはり先ほどから話題に出ておりますシートベルトを着用していないとか、チャイルドシートに乗っていないなどで、子供さんが車外へ飛び出してしまっているわけです。そうした状態を何とかしようとするのは、私にはどうにもなりません。シートベルトやチャイルドシートをしなくてはいけない理由についてもっと踏み込んで内容説明することが大事かなと思うわけです。たとえシートベルトをしていたとしても、実は腹部に大きな損傷が加わることが多くあります。実は使い方が間違っているわけです。その他、現場にいて思うことで、私たちにはどうにもならないことがいくつかあります。
例えば現場で外傷処置を行って救命救急センターにすぐ搬送するというような状況になったとしても、高齢化による救急車需要の高まりから救急車が使用されている状況が多く、現場にすぐに救急車が向かえないということが多々あります。119番通報しても「ただ今救急車は近くにございません。また少し経ってから通報してください。」ガチャっと切れるのです。救急車台数を増やすにも消防の予算からこれ以上増やせないというのもあるようです。もし考えるならば、重症外傷の傷病者を優先させて利用してもらうことなどが将来必要なのかもしれません。
外傷は、発生してから1時間以内に治療方針を決定することが非常に大切で、そちらをゴールデンタイムと呼んでいます。さらにその中のはじめの15分をプラチナタイムと呼んでいますけど、その状況での医療情報収集が非常に大切です。現在のところ、そうした医療情報の件ですが、重大な事故が起こったということを知らせるシステムでヘルプシステムの情報がなかなか消防本部や救命救急センター、警察などに情報提供されていません。もし医療機関に情報共有されれば、ドクターカーで現場に向かうことが可能となり、情報に基づいた効率的な行動が可能となっていくのではないかと考えます。そのシステム整備を充実させていただきたいと考えております。
さらには、最近の交通事情にともない、救急車が事故現場から救命救急センターに移動する時間が非常にかかっているので、信号を全て青にするなどのシステムをもっと増やしたほうが良いのではないかなと考えます。
ドクターヘリに関しては、広域に運用されいろんな県を跨いで運行されています。そうした中では、やはり、外傷が起きてから何分以内に現場に到着するのか。何分以内に病院に搬送を完了するのかなどの目標を数値化して行動したほうがいいのではないかなと考えます。
少し話は変わりますが、交通事故で重傷というと、自動車同士で非常に大きな事故というイメージがあると思いますけど、実は最近では、高齢者の方では本当に軽度な交通事故でも病院に搬送された後に死亡に至るというような場合があります。そうしたことが最近増えていて非常に私どもは対応に困っています。治療のために体内の血液を固まりにくくする薬の服用が関与しているのかもしれません。
色々と話しましたが、事故が起こっても症状の軽減が必要であることから、やはり国民への一歩踏み込んだ教育が必要なのかということを痛感しております。
以上になります。 - 赤羽座長 ありがとうございました。古笛委員お願いいたします。
- 古笛委員 弁護士の古笛です。
各委員の先生からいろいろ具体的なお話を伺っていて、交通弁護士とか交通村とか言われている通り、弁護士の中では交通事故を扱っている方ではありますが、弁護士は民事にしろ刑事にしろ、事故が起きた後の法的責任を問うということになってしまうので、各先生方のように、事故を起こさないための対策にストレートに繋がるものではなくて、法的責任は一般予防だ、特別予防だという意味では事故防止に繋がるのかもしれませんが、あまり役に立っていないなと思いつつ。
11次から12次の基本計画を立てるにあたって、一番気になっているのはもちろん交通事故ゼロを目指さなければならないんだけれども、11次で目標にした死亡者2,000人とか重傷者22,000人が達成できていないというところは、本当にどうしてなのかなと思っています。これまで比較的順調に目標を達成してきたところ、今回はなかなか足踏み状態になっています。座長からもお話があったとおり、コロナという特別な期間を挟んでいるので、これがどういう方向で影響したのかということを考えるというのは難しいところではありますが、結局のところ、目標達成できていないという現実を目の当たりにしたときに、この11次で立てた視点だとか目標だとかというものが本当に正しかったのか、正しくなかったのかということを検証した上で、仮に正しかったとしても何でこうなったのかということを考えていかないといけないんだろうなと感じています。
12次を考えたとき、11次の反省を踏まえた上で、各論的には先程宮島委員からもお話があったとおり、いろいろ交通事故防止のために考えられること、各専門家の先生方の御意見からいろんなものは挙げられるけれども、今すぐにできることと、今すぐにはできないこと。今すぐにはできないことというのは、これはなぜ今すぐできないのかということを考えた上で、できないと言いつつも、でもやらないといけないこともあるということで、いろんな施策を考えるときに優先順位をつけて、すぐにでもやらなければならないことから、できればやった方がいいことというようなところも意識しながら、少なくとも11次で達成できなかった目標は、12次にはよりもう少し高いハードルにして達成できるようになればいいのかなと思いながら、今回の12次には向かわせていただいているところです。 - 赤羽座長 ありがとうございました。田村節子委員お願いいたします。
- 田村節子委員 すばらしいまとめになっているところによろしいですか。
私は心理職で専門外なんですけれども、生活者として生活道路の安全にすごく関心があります。実はこの会議に出るに当たって、子育て中であったり、社会人であったり、高齢者の方であったり、少し聞き取ってきました。
まず物理的なこととして、道路の雨の日のラインが見づらいという意見がありました。水が染み込むような道路だとラインがよく見えるのですが、染み込んでなかったりする普通の道路だとそのラインが非常に見にくくて危ない感じがするという意見が出ていました。
それから、最近の車の防音がすごく良くなっているのか、先ほど緊急車両のことが出ていましたけれど、サイレンが聞き取りにくいという意見がありました。もし可能であれば、ナビに緊急車両が走っているのが出たりすると緊急車両の位置がわかるので、すごくありがたいというような意見もありました。
あとは高齢者の方、先ほどからフレイル予防などで歩いた方がいいという意見がありましたが、外出する高齢者の方々が今の横断歩道の秒数で渡りきれないところがある。大丈夫な秒数のところもあるが、かなり年齢が高い80、90歳とかの方も今は外へ出られたりしていて、渡り切れなくなったりもするので、その辺を工夫してもらえると嬉しいという意見がありました。
また、4輪の小さなシニアカーですね。それがシニア「カー」とついているからか、車道を走られる方がいて、車を運転しているとそれがすごく怖いという意見がありました。 あとは、ルールが混在していてわかりづらいという意見も複数出ていました。例えば、歩道を走る自転車(6km以下で歩道を走行することが許可されている年齢の自転車)と、車道を走る自転車が今混在していて、歩道を走る自転車の人が歩行者の信号を守ってそこで赤で止まっている。あるいは車道を走らなければいけない年齢の人たちが歩道を走っている場合もある。青になった時には、歩道を走る自転車は歩道のルールに従い赤で止まり、車道を走る自転車は車道のルールに従って走り出す。そうすると車を運転している方がすごく怖い思いをするという意見がありました。さらに、モペットとか特例特定原付自転車とかいろいろ今あるからかもしれないんですが、子育ての人達も皆さん言っていたんですけれども、自転車が歩道を走るともちろん怖いけれども、歩道を広げて(6km以下で歩道を走行することが許可されている年齢の)自転車が走れるようにしてもらえるのが理想的だという意見がありました。というのは、車道のところに自転車が走れるレーンが今できているところがあるかと思うのですが、レーンが途中で無くなっていて全部は繋がっていない。そこで自転車がどこを走ったらいいかが分からなかったりするので、結局は全部歩道を走ってしまう。もちろんすぐ改善できることではないと思うのですけれども、生活をしていてそういったところに怖さを感じているということを口々に話していましたので、ここでお伝えさせていただきました。
あとは、私自身が坂道を歩いていて、後ろから自転車が猛スピードで走ってきてぶつかって入院したことがあるのですけれども、坂道の(6km以下で歩道を走ることが認められている年齢の自転車への)注意喚起というか、そういったのも徹底できるといいと思いました。
以上です。 - 〇赤羽座長 どうもありがとうございました。
オンラインの方で小川委員はご発言いただいたので、古関委員ご発言いただけるでしょうか。 - 古関委員 東京大学古関です。私は鉄道関係ということでこの場に参加させていただいていると思いますので、鉄道に限定したお話をしたいと思います。
先ほどの二村先生から、まずこの資料の6では踏切のことを優先的に取り上げられているが、その他ホームの問題も大事だというご発言があります。それは非常に的を射たご意見だと思います。ここでの議論は、多分道路交通の安全ということが中心になって考えられているので、まず道路あるいは自動車交通とのアクセスの点ということで、踏切が最優先で取り上げられているし、現実に危険が一番大きいのも踏切だということで、そこに優先的な議論がされているというのはまず合理的だと思う一方で、鉄道の中での安全ということを考えると、やはりホームからの転落とか、人とのアクセスという点ではホームの安全というのも非常に重要性が高いというふうに思いますので、そういう意味での二村先生のご指摘、大変本質を突いていたなと思います。このホームに対しても、簡易式のいろいろなホーム柵も含めて、現在、鉄道事業者も導入の努力をされていますし、国もそれに対する補助というのも考えておられますし、技術開発も進んでいるということをここでは申し上げたいと思います。
人の危険が上がっているというのは、ここでも何度も出てきている高齢者への対応ということと、それからもう一つは、こと鉄道に関して言うと、インバウンドのお客さんが今、年間に多分3,000万ぐらいに増えているということの中で、日本人と違った行動様式をすることで、特にホーム上の安全というようなことが懸念される点が出てきている。
あと、どこかでお話がありましたけども、スマホで、それこそ地図とか翻訳とかを見ながら歩いているためにぶつかってしまうとか、そのスマホがホームから落ちたことで拾いに行こうとして事故に遭うとか、その手の新たな危険というのは近年増えているということも少し重要な点ではないかと思います。
あと、踏切に関して、いわゆる第3種、第4種の踏切は警報機だけがあるとか、そもそも警報機もないような踏切が現在日本ではあって、そういう踏切がないところから来た方々というのが、警報が鳴らなかったために事故に遭ってしまうということが報じられています。日本人あるいは地元の人なら当然分かっているような行動が取れないというようなことも実際に報道などで目にしますので、それらへの対処、鉄道システムに慣れてない方々に対してどういうアナウンスをしていくか、対策をとっていくかということも結構重要になると思います。
本日はそのくらいでお許しいただきたいと思います。
ありがとうございました。 - 赤羽座長 古関委員ありがとうございました。
続きまして、小竹委員、お願いできるでしょうか。 - 小竹委員 東京科学大学の小竹と申します。よろしくお願いします。
これまで、交通事故低減化の取り組みのため、先進技術、先端技術が開発され、社会実装されてきました。私の専門は機械工学であるため、その観点でお話します。これまで、アクティブセイフティ技術、パッシブセイフティ技術が開発され、技術のみで交通事故を防ぐ対策は貢献しており、昨今、自動運転技術が開発されてきており、更なる効果が期待されますが、技術のみではそろそろ限界にきているのではないかと思います。
これからは、社会実装した上での技術効果と効用を客観的に評価する取り組みとそこで得られた情報の共有化が大事になると思います。すなわち、施策と効果を常に評価する仕組みが必要です。昨今、ドライブレコーダ活用、DX化等、データを採取、活用する取り組みが活発化され、それを有効活用、共有化する仕組みが行われています。交通事故の大半はヒューマンエラーであると言われております。データを活用することにより、なぜヒューマンエラーが起きるのかといった要因と対策を顕在化し、それを深化させる仕組みが大事かと思う。その仕組みの結果、DXを活用した交通事故対策、交通安全教育や予防安全技術、運転支援といった対策が効果的、効率的に機能すると思います。
また、国民が受け取りやすい情報が何であるか、社会受容性の観点で情報発信、それを受け取るインターフェイスの設計が必要です。日本は地域ごとにその交通事故の特性、その要因も異なり、地域ごとの特徴と対策を考えるべきです。その対策により効果のある施策は情報共有、発信できる仕組みも必要です。このようにデータを活用し、その効果を評価可能な、データをドリブンする機能、その機能の構築は必要に感じています。
最後に、免許証を持ってない、小学生、中学生等を対象とした教育と模擬体験といった交通安全を考える教育施策が必要であると感じております。現在、VRを用いた体験教育やヒヤリハットマップ等を用いた教育が行われていますが、体系だった活動に至っていないように感じています。そのため、交通事故施策を考える上で、効果的なデータ収集・活用とそれを受け取る受容性と効果予測を行う体制が必要であり、産官学の三位一体の活動の中で、省庁連携の活動が一層活性化する必要があると思います。 - 赤羽座長 小竹委員ありがとうございました。
それでは、続きまして、中井委員お願いできるでしょうか。 - 中井委員 大阪大学の中井です。
交通事故、特に道路の交通事故の9割以上は人が原因だというふうにされていますけれども、ハード面でできる対策というのは可能な限り進めたらいいのではないかなと。例えば車両面で言うと、これまでお話も出ましたが、アルコールインターロックとか、あるいはスピードの抑制ですね。ISAって多分ヨーロッパで今義務化されていますけれども、自動車メーカーさんも多分海外で売る車を作っているので、例えば日本もそういうもので取り入れられるものというのは、例えば取り入れるということもあるかもしれないし、うっかりのヒューマンエラーではなくて、例えば無免許運転とかっていうのは、ある意味その免許証をこうインターロック的な形で使うとか、マイナンバーカードにするのかわかりませんけど、そういうようなことというのがハード的にできるものというのが可能な範囲で進めたらいいのかなと。
あと、道路環境の整備につきましても、やっぱり予算の都合はあると思うんですけれども、講じればいい、いい効果を生んでいるというようなグッドプラクティスというのは広く展開できるような、そういう形でしていただけたらいいのかなと思います。
私は専門が心理学なので、人のことをやっていますけれども、最近で言いますと、警察庁さんが交通事故のどこで起こったみたいなオープンデータ、緯度経度つきで公表されるように多分この5年ぐらいなっていますけれども、ちょっと使いにくいというか、一般の方がこれを使おうとすると、分析ツール、分析ソフトが多分去年からできたんですけど、何かもう少し、多分個人情報の保護の観点もあって、あまり完全にオープンというわけにいかないので、ただ、それでも一般の人が使えるようにしていただくというのも必要かなと思います。
試案を読ませていただくと、教育を充実させるとか、教育機会を増やすというのが、そういうのが必要ではないかと書かれていて、それはそのとおりですし、先ほど小竹先生も教育が大事だっておっしゃったんですけど、やはり我々というか、ここのメンバーは交通安全の意識がそれなりに高いですし、関心もある人で構成されているので、それはそれでいいんですけど、そもそもそういう交通安全の意識が低い方、あるいはない方へどうやって届けるか。その中で、先ほどメディアの使い方っていうのもお話がありましたが、やっぱり人の行動を変えようと思うと、何かしらのインセンティブっていうのがないとなかなか難しくて、そういう意味では交通安全教育をやりますね、来てくださいっていうところだと、やっぱりなかなか届かない、人が集まらないっていう中で、例えば健康に関するセミナーに行ったら、交通安全のことがついでに学べるとか、資産形成の情報を聞きに行ったら、結果交通安全が身につくみたいなそういう仕掛けというか、そんなことがないと、単に交通安全のことですごく充実させていきましょうというふうに力を入れても、広くターゲットにしたいところに届かないのかなと。具体的にどういうふうなイベントを作るみたいなところは、本会議でお話しするようなところではないと思いますけれども、健康や資産形成は面白半分みたいなところがありますが、例えば防災意識と何か交通安全がセットになるとか、そういうようなことを考えてもいいのではないかなと思っています。
以上です。 - 赤羽座長 中井委員ありがとうございました。
それでは、大変お待たせいたしました。
森本委員、よろしくお願いします。 - 森本委員 では、私から今後の道路交通安全対策を考える視点ということで、試案に書かれていることを少し中心に4点ばかり簡単にお話をしたいと思います。
最初は、5ページから記載されている8の政策の中で、特に先端技術の活用推進というのは本当にめまぐるしく変化をしております。ぜひ、ここの中に書かれている車両の分野だけにとどまらない、他の分野にもというところをぜひ活用していただきたいと思います。例えば自動運転社会がこれから来るのにそれに対応した交通インフラがきちんとできているかというと、まだまだ全然そういう整備ができていないといえます。そういう環境整備も先端技術の活用の中に入るでしょうし、あるいは人工知能を活用したさまざまな政策の中でも、例えば交通取り締まり活動を今までもエビデンスをもとにやられていますが、そういうところにAIを十分活用できるような可能性も残っているんじゃないかなというのが1つ目です。
それから、2つ目はですね、地域と一体となった交通安全対策という点ですが、何度も皆さんと議論しているように、車以外にもさまざまな公共交通手段がございます。こういった交通手段を上手に組み合わせて自由に選択できることが望ましいと思います。我々はこれを人中心の交通システムと呼んでいますが、これから人中心の交通システムをつくる際に、今回提示されている人優先の交通安全施策というマインドに関わる部分と、ハードに関わる人中心の交通システム、ここをきちんと連動させていただきたいと思います。
具体的には、国が進めているコンパクトプラスネットワーク政策と人口減少社会に合わせて、まちづくりの中で交通安全をどう捉えるのかという視点をもっと強く出していかないといけません。車だけで解決はできないということを、やはり我々はもう少しきちんと認識すべきかなという気がしております。
それから3点目は、上記以外の視点ということで書かれている国際連携の推進です。これまでも国際連携というのはいろんな場所でたくさんやってきたんだと思うんですね。今回の文章の中にも、「国際的な連携協力を推進していることは有用ではないか」と書いてありますが、「有用ではないか」とはちょっと弱い表現なので、ぜひ今度の改正ではもう少し積極的な記載を開示していただきたいと思います。
これまでも、例えばJICAさんが国際協力で途上国を中心にさまざまな交通安全対策を実施されてきていますし、学術団体の中では国際交通安全学会などが、研究活動を積極的にやっていると思います。こういったものをぜひ国が中心となって海外に向けてアピールをすると良いと思います。アジアあるいは世界の中での日本の立ち位置というのをきちんと確立するというのが今回重要かなと思っています。
最後はEBPMです。これももちろん重要です。皆さんからいろいろとご議論いただいた中でも、データは意外に現時点であるものが多くて、ただ、それが官民連携できていないので十分活用できないとか思います。行政間の中でも部署が違うので十分活用できていないというものが結構たくさんあってですね、まずこの積極的なデータ連携をしていただきたいと思います。ETC2.0の活用もたくさん書かれていて、これは非常に貴重な財産だと思うので、こういったものをぜひ横連携をしながら活用するということも考えていただきたいと思っております。
私からは以上でございます。 - 赤羽座長 森本委員ありがとうございました。
大体時間が来ました。私の発言時間は次回持ち越しということにします。これまで非常に多岐にわたるご意見をいただきましたので、それに関して全て回答していただくことは難しいと思います。
それでも関係省庁から各々関連する事項につきまして、もしご発言いただけるようでしたらお願いしたいと思います。
いかがでしょうか。 - 児玉参事官 内閣府でございます。本日ご議論いただきまして、どうもありがとうございました。
時間があれば他省庁にも振らせていただきますが、代表して内閣府からお答えさせていただきます。
まず、この交通安全に関しましては、ありとあらゆる行政分野にそれこそ5%ずつぐらい入っております。先程来お話がありました、地域公共交通や自動運転、地域社会をどう維持していくか、離島の関係でありますとかは、それぞれそれ専用で局を置いているところもありますので、そういうところと連携して検討してまいりたいと思います。そういう意味では、こちらで何かするというよりも、それを条件としてどう働きかけるだとか、どう受け止めるかというところが中心になってこようかと思います。
それから、1問1答にお答え申し上げますと、シートベルトに関しましては、我々も非常に問題意識を持っておりまして、特に7歳以上、150センチ未満は何とかしなければいけないと思っておりまして、協議会をつくって頑張っていきたいと思っております。
4月10日のゼロに関しましては、交通安全運動をやりますと、その前後の期間と比べまして明らかに事故は減っております。そういう意味では、交通安全運動の効果はあると考えております。4月10日がゼロかどうかに関しては、残念ながら達成してないんですが、記憶で話しますと、令和3年4月8日と令和5年1月1日、すみません、ここは後でしっかりと確認してお知らせいたしますが、ゼロを達成した日はございます。
あと、通学路の関係でございますけども、通学路の情報は内閣府のホームページに載っているんですが、通学路の点検自体は各教育委員会、市町村レベルでやっていますから、それを全国押しなべてというのはなかなか難しいのかなと思いますが、それを足し上げた結果については、内閣府のホームページに載っておりますのでご覧いただければと思います。
あとは我々の内閣府単独の事業といたしましては、安全教育や啓発を持っているんですけども、先程来、どんな工夫をすれば心に刺さるのかというところに関しては、私どもの業務として受け止めて、先ほど防災とくっつけたらどうかとか、そういうアイデアは工夫してやっていきたいと思っております。 今日は話題の中で自動車技術に関する話題が多かったものですから、国交省さんの自動車局さん、何かご発言いただけたらと思うのですが、いかがでしょうか。 - 国土交通省 塚田室長 私、国土交通省 物流・自動車局技術・環境政策課技術企画室長の塚田といいます。
皆様のまさに車両技術についていろいろコメントいただき大変ありがとうございます。
事務局さんの方から、ここ数年での新車搭載率が上がって99%というお話があり、一方で夜間歩行者の死者が多いというところのご紹介もありました。川端委員からは、高齢者に対する車両技術サポートを、他の委員からもコメントがございました。ひと口にAEBの技術といっても、日々進化しておりまして、夜間の歩行者に対応するようなAEBについても出てきているところでございまして、国交省としても、自動車アセスメントといったそういう事業で、その夜間歩行者対応のAEBを評価対象に指定するなどして普及に努めているところでございます。
あと、中土委員や中井委員から、アルコールインターロックに関してお話しいただきました。国交省はインターロック、アルコールインターロックの技術指針というものを策定しているほか、事業用自動車への導入支援というのを行うなど、普及に取り組んでいるところでございます。一方で、アルコールインターロックからのなりすましであったり、制度の課題もあったり、あとは絶対に飲酒運転しないという方が大半でありますし、そもそも飲酒をしないという方もいると。そういう中で義務化の議論を行っていくという際には、政府全体でその実効性というような観点も持ちながら、その義務付けの対象というところを検討していかないといけないのかなと思っているところでございます。
あとは、守谷委員から、事故自動緊急通報を搭載された車両というところを充実させていくべきということでおっしゃっていただきました。国交省としては、事業自動車への事故時の緊急通報の補助、その後付け整備も含め行っておりますし、自動車アセスメントでの搭載の有無というところを評価対象にするなどして、我々としても装置の普及を図っていっているところでございます。
いずれにしても、委員の皆様のコメントも含め、みなさまコメントを受け止めさせていただいて、施策というところを考えていければと思います。
以上になります。 - 赤羽座長 警察庁の今井さん、ご発言をお願いします。
- 警察庁 今井課長 警察庁の今井と申します。よろしくお願いいたします。
すべてに網羅的にお答えできているかどうかではありますけれども、まず田村委員から外国免許の切替えの話がございました。外国免許の切替えについては、外国で取得した運転免許を持っている方が、すでに運転能力を有しているということを前提に免許を切り替えるという制度です。
ただ、その際になにもなく切り替えているわけではなくて、まず書類審査をして、本当にその人が運転経歴を有しているかとか、そういったことを確認しつつ、知識の確認や技能の確認をやっているところでございます。知識については、10問中7問正解すればよいということですが、これについては知識の確認のための問題数が少ないのではないかという御意見もいただいているところでございます。
また、技能の方については、いわゆる免許センターで技能の確認をやっており、おおむね3割が合格、逆に言うと7割近くが不合格というような現状にあります。先程申し上げたように、知識問題等について、様々な御意見をいただいているところでございます。今、警察としましても、外免切替の制度について、海外の制度も調査しながら、制度運用の両面からどのような形がいいのかということについて検討を進めているところです。
次に、中土委員から飲酒とスマホの絡みで御意見をいただいたところでございます。貴重なご意見ありがとうございます。我々警察についても、実は昨年の11月1日から自転車について、これまで酒酔いはありましたが、酒気帯びはなかったので、酒気帯びについても罰則を整備したり、ながらスマホの自転車についても違反の適用を11月1日から施行させていただいているところでございます。
また、畑中委員からありましたように、今、年代ごとの自転車の交通安全教育のガイドラインというのを官民協議会のところで作らせていただいているところでございまして、その中でもやはり中高生のながらスマホの事故が多い状況などもあるので、中高生からこういったスマホを使って自転車を運転してはいけないという、将来車の運転者にもなっていくといった観点も含めながら、どのように交通安全教育をやっていくのかというのをまさに検討させていただいているところでございます。
それから、小川委員からありました生活道路の関係で、被害軽減のためにはスピードを制限することが必要なのではないかということでご意見いただいたところでございます。まさに我々としても、いわゆる生活道路におけるスピードの制限というのは非常に重要だと考えておりまして、従来はいわゆる生活道路にゾーン30という形で、30キロ規制ということをやっていたのですが、全国のいわゆる生活道路すべてに30キロの速度規制を実施するというのはなかなか難しいようなところもございますので、いわゆる生活道路の法定速度の見直しを行うことが適切だと考えて、それで道交法の施行令の中で中央線などが設置されていないいわゆる道路について法定速度は30キロにしようじゃないかという形で、いわゆる生活道路の法定速度を30キロとするような改正を行ったところでございます。これについては、周知期間等も必要ですので、令和8年9月1日から施行することを予定しているところでございます。
それから、中井委員から、様々な機会に交通安全教育を合わせてやってはどうかというようなお話もございました。我々も、例えば高齢者がよく集まる老人クラブのところとか、そういったところにこそ安全教育に出かけていったり、外国人に災害があったときにどうすることが必要なのかというようなことについて話に行く場所に、交通も出かけていって、交通安全教育も合わせて行うとか、様々なところで交通安全教育というのを進めているところでございます。 - 赤羽座長 ありがとうございました。
実は、今のお話の最後にお名前が挙がりました中井委員から、大阪からリモート参加されているので言い忘れたことが出てきたということだと思いますが、補足発言のリクエストがありましたので、中井委員限りということで発言を認めたいと思います。
どうぞ。 - 中井委員 すみません。先ほどの国交省の方で、言葉が足りなかったというか、発言を訂正させていただきたいのですが、EUの義務化されているのはアルコールインターロックそのものではなくて、それを後で付けるための機構。なので、お酒飲まない人もいるというのはもちろんそうなので、何か問題を起こした人の時に後で付けるためのものを準備しておくというふうなところなので、すみません。説明をきちっとしなかったので、そこの部分だけ訂正させてください。
以上です。 - 赤羽座長 直後に訂正することは重要ですね。ありがとうございました。
皆さんのご協力でほぼ時間通りにここまで参りました。
議論の続きは、次回の第2回会議でしていただきたいと思います。
これで本日予定されました議事は全て終了いたしましたので、進行を事務局にお返しいたします。 - 児玉参事官 ありがとうございました。
本日の議事につきましては、速やかに議事要旨を作成し、座長にご確認いただいた後、会議資料とともに内閣府のホームページで公開させていただきます。
また、議事録につきましては、作成後、各専門委員の皆様にご確認いただいた上で、これは名前も入っておりますので、ご確認をしていただければと思いますが、こちらも内閣府のホームページに公開させていただきます。
次回の第2回会議の開催日は、5月19日月曜日午前10時から、開催場所につきましては、中央合同庁舎の8号館のこの建物のどこかの会議室を予定してございます。
皆様、お忙しい中大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
以上で第1回の中央交通安全対策会議専門委員会議を終了したいと思います。
本日は、御多忙中にもかかわらず、長時間にわたりましてご議論いただきまして、誠にありがとうございました。
また、オンライン会議のシステムで御出席くださった皆様の委員の皆様もありがとうございました。
これをもちまして閉会とさせていただきます。ありがとうございました。