中央交通安全対策会議専門委員会議(第4回)議事録
【中央交通安全対策会議専門委員会議(第4回)議事次第】
日時:平成22年9月22日(水)15:00~16:50
場所:内閣府共用第2特別会議室
- 開会挨拶
- 内閣府大臣官房審議官
- 議事
- (1)第9次交通安全基本計画(中間案)について(自由討議)
- (2)その他
【議事内容】
○安部内閣府参事官 それでは、定刻でございますので、ただいまから「第4回中央交通安全対策会議専門委員会議」を開催させていただきます。
本日は、皆様、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、初めに内閣府大臣官房審議官の太田よりあいさつ申し上げます。
○太田内閣府大臣官房審議官 皆さん、こんにちは。ただいま御紹介をいただきました内閣府大臣官房審議官交通担当の太田でございます。
委員の皆様におかれましては御多用中にもかかわらず、また猛暑の中をお集まりいただきまして心より御礼を申し上げます。会議の開催に当たりまして、一言ごあいさつ申し上げます。
御案内のとおり、昨日から今月末まで10日間にわたりまして、秋の全国交通安全運動が始まっております。全国的な交通安全思想の普及のために、本運動に政府を挙げて取り組んでいるところでございまして、委員の皆様方にも御支援、御協力をお願い申し上げたいと思います。特に今回は、高齢者の方々の歩行中の事故を防ぐということで、反射材の着用ということをひとつ大きなテーマとして掲げておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
さて、第9次の交通安全基本計画の策定に向け、本年2月19日の第1回の専門委員会議以降、これまで3回にわたりまして、委員の皆様方に御検討を重ねていただいたところでございます。本日は、これまでの本会議での検討の結果を踏まえまして、第9次交通安全基本計画の中間案、ちょっと厚いものでございますけれども、お示ししております。委員の皆様におかれましては、忌憚のない御意見をいただければと考えております。
交通事故のない社会の実現に向け、引き続き交通安全対策に取り組んでまいる所存でございますので、これまでと変わらぬお力添えをお願い申し上げ、簡単ではございますが、ごあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございます。
○安部内閣府参事官 続きまして、資料の確認をさせていただきます。配布資料を3つ用意させていただいております。
資料1といたしまして、前回、「第3回専門委員会議」の議事録です。
資料2としまして、今回のメイン資料であります第9次「交通安全基本計画(中間案)」。
資料3としまして、委員の皆様方から出た意見を一覧表にしたものでございます。皆様、よろしいでしょうか。
資料1につきましては、既に各委員に照会させていただき御意見を反映させておりますので、御了承いただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
(委員 異議なし)
○安部内閣府参事官 では、これにて内閣府のホームページにおいて公表したいと思っております。
では、以降の司会進行を太田座長、よろしくお願いいたします。
○太田座長 それでは、これから私の方で司会をさせていただきたいと思います。
今、御案内にありましたように、今日は第4回ということで中間案についての御意見をいただきたいということでございます。
そう言えば、今ちょっと思い出したのですが、9月22日と言えばヨーロッパではモビリティウィークとか、車のない日のメインイベントの日なんですね。ヨーロッパ中心ですが、世界各地の数百の都市が車の使い方をもう一度考えましょうというようなキャンペーンをやっている時期でもあります。ちょっと余計なことかもしれませんが、思い出しましたので付け加えておきます。
それでは早速ですけれども、議事の1ということになりますが、「第9次交通安全基本計画(中間案)」ということで、この説明を事務局の方からお願いいたします。
○安部内閣府参事官 では、事務局から資料2につきまして御説明申し上げます。資料3は、適宜御参照いただければと思います。
まず、表題ですが、「交通安全基本計画」、副題としまして「交通事故のない社会を目指して」と、これは前回の計画と同じでございます。
1枚めくりましてまえがきでございます。昭和46年以降、8次にわたる交通安全基本計画を作成して、これまで着実に成果を挙げてきた。しかしながら、まだまだ交通事故の被害者は多く、国、地方公共団体、民間団体だけでなくて、国民一人一人が全力を挙げて取り組まなければならない緊急かつ重要な課題である。そういうことで、交通安全対策全般にわたる総合的かつ長期的な施策の大綱を定め、これに基づいて施策を強力に推進しなければならないという、この基本計画の趣旨を書いております。
下から2つ目の段落といたしまして、この計画は平成23年度から27年度までの5年間に構ずべき交通安全に関する施策の大綱を定めたものであるということで、この計画の位置づけを明確にしております。
もう一枚めくりまして、目次でございます。現行の8次計画との違いについて御説明申し上げますと、「第1部 第1章道路交通の安全」の第3節のIの視点というところでございまして、1としまして「高齢者及び子どもの安全確保」、これは現行ですと「少子高齢社会への対応」となっております。
2番としまして「歩行者及び自転車の安全確保」、これは現行ですと「歩行者の安全確保」ということでございますので、今回自転車というものに強く焦点を当てたということでございます。
3の部分が今回の新規の部分でございまして、「生活道路及び幹線道路における安全確保」、これは前回幹線道路の取扱いについて御議論があったところでございますが、幹線道路の死亡事故者数というのが圧倒的に多いわけでございますので、これを無視するわけにはいかないということで、生活道路と並んで幹線道路についても書きました。この生活道路に焦点を当てたというのが、今回の一つの計画のポイントだと思っております。
また、現行の視点におきましてはこの3つ以外に「国民自らの意識改革」、それから「ITの活用」という2項目があったのですが、これは道路交通の安全だけの視点ではなくて交通全般の視点だろうということで計画の基本理念に中身を移しております。
また、「第2章 鉄道交通の安全」におきましては、第2節の2のII、「鉄道交通の安全に関する知識の普及」というものを新しく加えております。
また、次のページにまいりまして、7の「鉄道事故等の原因究明と再発防止」、これも新規項目でございます。
それから、第2部の「海上交通の安全」につきましても、第2節のIIの9、「船舶事故等の原因究明と再発防止」、また第3部の「航空交通の安全」につきましても次のページの第2節のIIの1の「総合的な安全マネジメントへの転換」、それから7の「航空事故等の原因究明と再発防止」、これらが新しく項目立てされた部分でございます。
1枚めくりまして1ページ、ここからが本文でございますけれども、「計画の基本理念」、これにつきましては究極の目標とすると交通事故のない社会を目指すということをうたっております。この1.の最後の段落を見ていただきますと、「究極的には交通事故のない社会を目指すべきである。言うまでもなく、交通事故のない社会は一朝一夕に実現できるものではないが、交通事故被害者の存在に思いをいたし、交通事故を起こさないという意識の下、悲惨な交通事故の根絶に向けて、今、新たな一歩を踏み出さなければならない。」、こういうことを書いております。
それから、「2.人優先の交通安全思想」、これは現行どおりでございます。
それから3.以下、現行の計画ですと「施策推進に当たっての基本的な考え方」ということで雑多なものを盛り込んでおりましたけれども、今回中身を整理しまして3.から7.までいろいろと書き分けました。
その中で3.「(1)人間に係る安全対策」、2ページの方を見ていただきまして、2ページ目の4行目から、先ほども言いました国民の意識改革の部分ですが、交通社会に参加する国民一人一人が自ら安全で安心な交通社会を構築していこうとする前向きな意識を持つことが重要であること。それから、交通事故の被害者やその遺族の声を直接国民が聞く機会を増やすことが大事であること。それから、国民自らの意識改革のためには住民が身近な地域や団体において地域の課題を認識し、自ら具体的な目標や方針を設定したり、交通安全に関する各種活動に直接関わったりしていくなどが必要だということをここに記載しております。
それから下の方にいきまして、4.の「ITの活用」というところでございますが、ここで高度道路交通システム(ITS)の取組みや、船舶自動識別装置(AIS)の活用等を積極的に進めるということ等を書いております。
次のページにいきまして3ページ、「7.効果的・効率的な対策の実施」のところの第1段落が今回新しく書き加えた部分ですけれども、現在、国及び地方公共団体では厳しい財政事情にあるが、こうした財政事情を踏まえつつも交通安全対策の施策を進めることが必要だ。地域の交通実態に応じて、少ない予算で最大限の効果を挙げることができるような対策に集中して取り組むとともに、ライフサイクルコストを見通した信号機等の整備を図るなど、効率的な予算執行に配慮するものとするとしております。
また、「8.公共交通における一層の安全の確保」の中では、「運輸安全マネジメント評価を充実・強化」という表現を加えております。
4ページ以下が各論の部分で、まず「第1部 陸上交通の安全」という部分でございますが、「2.道路交通の安全についての目標」を見ていただきますと、①としまして「24時間死者数を3,000人以下とし、世界一安全な道路交通を実現する」。括弧としまして、「(この3,000人に平成21年中の24時間死者数と30日以内死者数の比率を乗ずるとおおむね3,500人)」、②としまして「死傷者数を70万人以下にする。」というところでございます。
前回の議論で、この30日以内死者数の取扱いについて御議論があったと聞いております。これまでの計画は、24時間死者数で取ってきたということ、その連続性を図るということ、それから一般的に多く使われているのは24時間死者数であるということから、この目標に掲げる数字は24時間死者数の3,000人という形にしましたけれども、30日以内死者数というものが世界標準になってきているということと、交通被害に遭われた方の心情もおもんぱかる必要があるということから考えますと、この30日以内死者数のことにつきましてもやはり明示的に示す必要があるかなということで、こういう形で括弧ではございますけれども、30日以内の死者数につきましても一つの指数として明示させていただいたところでございます。
先にいきますと、5ページ以下で「道路交通事故のない社会を目指して」ということで第1節に総論部分がありますが、これはほとんど前回の計画と同じでございます。
6ページの「参考1 道路上における死に至る危険性」ということで、骨子の段階で道路上の危険が3.5倍だというところで、何の3.5倍かわかりにくいという話がありましたけれども、これは道路以外の危険に比べて道路上の危険が3.5倍だということを少し丁寧に記載しております。これは現行の5年前の計画でも似たようなことを書いているんですけれども、前回はこの3.5倍というのは4.2倍でございました。相対的に道路上の危険の比率は低くなったと言えるわけですけれども、まだまだ3.5倍ということで、交通安全施策の必要性を少し書き加えようかと思っております。
次のページの参考2としまして、「道路交通事故による経済的損失」と書いておりまして、この表の中にありますもろもろを合計しますと6兆7,500億円と書いてあります。実は5年前の現行の計画ですと、この数字は4兆2,850億円となっております。大分違っておりますけれども、この違っている要因としますと、前回はここに書いてあります医療費、慰謝料、逸失利益等のような経済的損失だけ挙げまして、心理的な損失等については今後の課題とされたわけですけれども、死亡部分について死亡損失とありますが、その死亡についての心理的な損失、非金銭的な損失を計算いたしまして、これが2兆3,000億円ほど、これを加えまして今回6兆7,500億円ということで算定しております。
ただし、これにつきましてはまだ死亡だけでありまして、負傷に伴う非金銭的な損失ということはまだ算定できておりませんので、これは今後の課題としてちゃんと指摘しておきたいと思っております。
8ページにまいりまして「道路交通の状況」でございます。これはごらんのとおり、昭和45年に死者数のピーク1万6,765人がありまして、その後、第2のピークとして平成4年に1万1,451人と、その第2のピークから死者数につきましては減少に転じまして、平成20年の死者数は5,155人ということで現行計画の5,500人という計画の2年前倒しで達成できたという状況でございます。
また、直近の21年死者数は4,914人でございますので、何と57年ぶりに5,000人を下回ったという状況でございます。また、死傷者数と交通事故件数につきましては、死者数が減っているにもかかわらず増加傾向であったわけでございますが、それも平成16年をピークにいたしまして、以後下がってきまして、平成20年には死傷者数が95万人ということでございまして、現行計画の死傷者数100万人というのを、これも同じく2年前倒して実現できたということでございます。
10ページにまいりまして、先ほど目標を3,000人以下、これは30日以内死者数で換算しますと3,500人という話を御説明しましたけれども、11ページの方を見ていただきますとこの30日以内死者数3,500人というのは人口10万人当たりに換算しますと2.8人でございます。下の方にグラフがありますが、現在日本は世界各国と比べて人口当たりの死者数が少ない方から数えて6番目という形でございます。現在2008年段階では4.7人ですけれども、この2.8人を実現すると、世界各国で大きな変動がなければでございますけれども、世界一死者数が少ない国になる。道路交通事故死者数で見た上で、世界一安全な道路交通の実現ができる。今回の基本計画は、世界一安全な道路交通の実現をするための計画だということを打ち出していきたいと思っております。
飛びまして13ページでございますが、「2.歩行者及び自転車の安全確保」のところでございまして、歩行者につきましては平成21年死者数の割合は34.9%ございまして、平成20年から自動車乗車中の死亡者の割合を超えまして、第一位は歩行者となっております。そこら辺の記載も加えた方がいいかなと思っておりますが、今回そのポイントは「また」以下の段落、自転車のことについて記載を加えております。自転車乗用中の死者数の構成率が欧米と比べて高い。加害者、被害者両面の対策が必要だということで、自転車の走行空間の確保というもののほか、ルールやマナー違反に関する行動が多いことを踏まえての交通安全教育等の充実を図る必要があるということをここで強調して書いております。
それから14ページ、「3.生活道路及び幹線道路における安全確保」とございまして、最初の段落は生活道路絡みでございますが、車道幅員5.5メートル未満の道路における死亡事故の割合というのは年々増加傾向にあるということで、今後は生活道路における自動車の速度抑制を図るための道路交通環境の整備等々、もろもろの総合的な対策を講じる必要がある。
次の段落でございますけれども、また、その幹線道路の事故データを分析、活用いたしまして成果を挙げるマネジメントを推進する必要があるということを書いております。
15ページ以下が、具体的に「講じようとする施策」でございまして、8つの柱が書いておりますが、この8つの柱は前回の計画と同じでございます。
1つの目の柱は「道路交通環境の整備」ということでございまして、例えば16ページの方を見ていただきますと、(1)のアとしまして「生活道路における交通安全対策の推進」ということで、「あんしん歩行エリア」を中心とする歩行者・自転車に係る死傷事故発生割合が大きい生活道路において、面的かつ総合的な事故抑制対策を地域住民の主体的参加の下で実施するとしております。
17ページに、具体的には都道府県公安委員会においては、速度の規制が必要な道路において最高速度を原則として時速30キロメートルとするほか、歩行者感応信号機等のバリアフリー対応型信号機の整備を行う。
また、「道路管理者においては」という段落におきましては、歩行空間ネットワークの整備ですとか、車両速度を抑制するとか、通過車両の抑制対策ということを道路構造面で実施するとしております。
続きまして、飛びまして24ページ、(5)として「自転車利用環境の総合的整備」というところでございまして、今回のポイントの自転車でございますが、クリーンかつエネルギー効率の高い持続可能な都市内交通体系の実現に向け、乗用車から自転車への転換を促進する。それから、増加している歩行者と自転車の事故等への対策を講じる必要があることから、自転車走行空間ネットワークの整備を推進することと合わせて、次のページになりますが、そのルール、マナーの啓発活動などのソフト対策を積極的に推進するとしております。
それから、ずっと飛びまして33ページになりますが、2つ目の柱としまして「交通安全思想の普及徹底」というものがございます。この中で現行との違いのところを説明いたしますと、33ページの中ほどに「学校においては」という段落がございますが、「学校保健安全法に基づき学校安全計画を策定し、児童生徒等に対する通学を含めた学校生活その他の日常生活における安全に関する指導を実施する。」としております。
それから、34ページにおきまして、今回の「第9次計画における重点施策及び新規施策」を四角の中で書いておりますが、この中で新規項目というのは下から3つ目の「飲酒運転の根絶に向けた規範意識の確立」という部分でございます。
36ページにまいりまして、中ほどの「高等学校における交通安全教育」の段落でございますが、「自転車の安全な利用等も含め、安全な通学のための教育教材等を作成・配布する」ということを言っております。
また、38ページにおきまして「交通事犯被収容者に対する教育活動等の充実」ということでは、刑事施設においてはアルコール依存の問題を持つ受刑者に対しては指導内容の一層の充実を図るとか、少年院におきましては人命尊重の精神とか、遵法精神のかん養に重点を置いた交通問題指導プログラムの充実を図るということを今回書き加えております。
39ページにおきましては、下の方で「イ.自転車の安全利用の推進」としまして、これは継続的な記載ですけれども、自転車乗用中の交通事故や自転車による迷惑行為を防止するため、歩道通行時におけるルールについての周知・徹底を図るということですとか、次の2つ下の段落は新規のところですが、自転車に同乗する幼児の問題ということで参加・実践型の教育の話ですとか、幼児二人同乗用自転車の普及の促進の話ですとか、幼児・児童の自転車用ヘルメットの着用の徹底について書いております。
それから、41ページの「カ.飲酒運転根絶に向けた規範意識の確立」ということを、今回、新規に項目立てして書き加えた部分でございます。
それから44ページ、「安全運転の確保」、3つ目の柱でございますが、この四角の中を見ていただきますと「安全運転の確保に資する機器の普及及び活用策の充実」、それから次の「自動車運送事業者に係る事故の要因分析の実施」、「国際海上コンテナの陸上輸送に係る安全対策」というものが前回から比べて書き加えられた部分でございます。
45ページを見ていただきますと、エの「高齢者運転対策の充実」の中では「臨時適性検査の確実な実施」の中で認知機能検査の話ですとか「運転経歴証明書の充実」というようなことにつきまして、今回記載を加えているところでございます。
それから、48ページにまいりまして新規の部分でございますが、イとしまして映像記録型ドライブレコーダー、デジタル式運行記録計等の普及促進に努めることですとか、これらの活用方法について検討をして活用法の充実に努めるということを書き加えております。
それから、49ページの(6)の「イ.国際海上コンテナの陸上輸送に係る安全対策」ということも、受荷主等にコンテナ情報の伝達を義務付ける等の法施行に向けて必要な措置を実施するとしております。
それから、50ページ以降の4つ目の柱、「車両の安全性の確保」のところにつきましては、52ページのイを見ていただきますと「ASVの開発・普及の促進」とありますが、衝突被害軽減ブレーキ等の実用化段階にあるASV技術について、補助制度を創設する等により普及・促進を引き続き進めるとしております。
それから54ページにまいりますと、リコール制度につきましてはユーザーの目線に立ったリコール制度の強化を図るということを書いているところでございます。
それから56ページにまいりますと、次の5番目の柱の「道路交通秩序の維持」ということでございまして、57ページのところで上の方の(ウ)としまして「自転車利用者に対する指導取締りの推進」、これは8次計画からの継続的な記載ですけれども、こういうことを推進するということのほか、このページの下の(3)から「暴走族対策の強化」ということを延べ3ページにわたって記載しておりますが、59ページの「車両の不正改造の防止」の最後の「その他」の段落が今回書き加えたところでございまして、違法行為を敢行する旧車曾に対する実態把握の徹底等について記載をしております。
次に飛びまして65ページ以降、被害者支援の推進の話を書いておりますが、この中の新しい点として67ページを見ていただきますと、真ん中辺の「さらに」の段落がありますが、各都道府県警察本部の交通捜査担当課に被害者連絡調整官を置きまして、そこに被害者連絡に対する指導を行うほか、自ら被害者連絡を実施するなどして組織的な対応を図るとしたほか、次の「検察庁」の段落ですが、刑事施設、保護観察所などが連携しまして、加害者の処遇状況に関する情報も提供するということ。
それから、次の段落の全国の保護観察所におきましても被害者担当官、被害者担当保護司を配置して、最後の行でございますが、更生保護官署職員に対しても、各種研修においていろいろな講義を実施することによりまして、被害者等のおかれている現状や心情などについて理解を深めるよう努めると、こういう記載を充実しているところでございます。
73ページにまいりまして、第1部の第2章は「鉄道交通の安全」としております。目標としましては、「乗客の死者数ゼロを目指す」、これは、現行の計画の継続でございます。「運転事故全体の死者数減少を目指す」。これは、現行の計画の件数を死者数に変更しております。
「2つの視点」のところ、現行におきましては①としまして「事故個別の問題解決」、②としまして「過去に起きた事故等の教訓の活用」としたわけですけれども、今回は「①重大な列車事故の未然防止」、「②利用者等の関係する事故の防止」としております。
「8つの柱」とありますが、現行は6つの柱でございまして、②の「鉄道交通の安全に関する知識の普及」、⑦の「鉄道事故等の原因究明と再発防止」、これが新規に加わった部分でございます。
74ページにいきまして、列車の乗客の死亡事故におきましては平成17年のJR西日本の福知山線とかJR東日本の羽越線の事故以来、18年以降発生していないところでございますけれども、ホーム上での、またホームから転落しての人身障害事故が増加しているということを踏まえまして75ページにありますとおり、「近年の運転事故等の特徴を踏まえ、ホームでの事故等を含む運転事故全体の死者数を減少させる」ということを目標にしているわけでございます。
少し飛びまして、80ページにおきまして「第3章 踏切道における交通の安全」とありまして、2としまして目標がありますが、現行は平成22年までに踏切事故件数を平成17年と比較して約1割削減することを目指すという数値目標がありましたが、今回はもろもろの対策を積極的に推進し、踏切事故の発生を極力防止するという定性的な目標にしております。
「視点」の4つの柱は現在と同じでございます。
84ページの「海上交通の安全についての目標」でございます。2としまして目標がございますが、①の目標、現行の目標は、平成22年までに年間の海難及び船舶からの海中転落による死者、行方不明者数を220人以下にすると、死者、行方不明者数の目標を掲げておりましたが、今回の計画ですと海難隻数を第8次計画期間の年平均と比較して1割削減という海難隻数での目標にしております。
それから、②としまして「ふくそう海域」における大規模海難の発生数をゼロとすると、目標は継続の目標でございます。
それから「2つの視点」は現在と同じでございます。
それで、「10の柱」とあります。現行は9の柱でございまして、⑨としまして「船舶事故等の原因究明と再発防止」というものが新しい柱として立ったというところでございます。
92ページを見ていただきますと、(6)の「最新の航海機器の導入等」ということでございますが、「現在、外国貨物船では300トン以上、内航船では500トン以上に義務付けされている船舶自動識別装置(AIS)の、設置義務のない船舶への普及促進のための検討を行う。」こと等がここに新たに書いているところでございます。
それから、96ページでは「救助・救急活動の充実」ということで、個別の数値目標といたしまして「要救助海難に対する全体の救助率は今後も95%以上に維持確保する」とありますが、特に救助率が低いことが問題になっております20トン未満船舶からの海中転落の救助率を過去5年平均比5%増とするという目標を掲げているところでございます。
100ページで「第3部 航空交通の安全」ということでございますが、2の目標、「昭和61年以降継続している特定本邦航空運送事業者における乗客の死亡事故ゼロの記録を継続する。」ということは、現在と同様でございます。
次の101ページにいきますと、昭和60年の御巣鷹山墜落事故以降、このような乗客の死亡事故ゼロというのが続いている状況でございます。
また、100ページに戻っていただきますと「3つの視点」がございまして、特に3番目の「国家安全計画の導入」というのが今回新しく加わったところでございます。
それから「8つの柱」とありますが、①の「総合的な安全マネジメントへの転換」、それから⑦としまして「航空事故等の原因究明と再発防止」というのが新しく柱として加わったところでございます。
103ページにおきまして「国家安全計画の導入」でございますが、104ページの方の頭から見ていただきますと、従来の規則遵守ベースの安全監督から、安全性能重視型の安全監督に移行していくことが世界的に求められることから、我が国においても国が航空活動を行うサービス提供者と個々の安全目標等について合意した上で、安全管理活動を継続的に監視、監督、監査を行う。こういう国家安全プログラムを段階的に導入するというものでございます。
それから、110ページを見ていただきますと、6の「被害者支援の推進」ということでございまして、これは鉄道、海上共通のところであるのでございますけれども、被害者団体等の参画を得ながら支援の内容、役割分担の在り方、一元的な窓口機能の在り方、そういうものについて検討して必要な取組みを行うということを鉄道、海上共通してこういう項目を書いております。
それから、7に飛びまして「航空事故等の原因究明と再発防止」と書いておりますが、これも鉄道、海上にもそれぞれ同様の記載がございまして、「さらに」以降の段落は新しいところでございますが、事故等調査で得られた結果に基づきまして、必要に応じて大臣や原因関係者へ勧告等を行う。それから、これまでの知見に基づきまして過去の分析を行ってその結果を公表することですとか、その調査結果をわかりやすい形で定期情報誌を刊行することによって伝えていく。こういうことが、鉄道、海上共通に今回書き加えている部分でございます。
以上、事務局からの説明を終わります。
○太田座長 ありがとうございました。前回、第8次から比べて特にどんなところが変更になったか、新規施策ということを明確に仕分けして説明していただいたように思います。
それでは、これから後の時間は自由に御意見を伺いたいと思いますが、この後、実はスケジュール的なことが出ると思いますが、パブコメにかかることになりますので、その前の御意見ということで、できるだけ皆さんにいろいろ御注意すべき点等がございましたらお願いしたいと思います。
それでは、どこからでも結構ですからお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
では、杉山先生どうぞ。
○杉山委員 時間の制約がありますので、細かいところは省略させていただいて、必要とあらばまたメールで連絡させていただくということも考えたいと思います。お送りいただいたものと若干ページ数が違うんですけれども、お送りいただいたページ数で言わせていただきます。
できるだけ長い文章にしないようにという御苦心は、ここから伺えました。分量的には、道路交通のウエートが大体6割で、これが高いのは仕方ないと思うんですけれども、私の印象では鉄道交通、海上交通、航空交通についてもかなりのスペースが割かれているというのが今回の特徴かと思いました。
さはさりながら、一般市民との関わり具合ということから考えてみますと、海上交通、航空交通のところは読みやすいとは決して言えない、やはり、行政が主体の文章になっているなという印象を持ちました。
ただ、この報告書が一般市民の方を対象にしているということであれば、そうではなく行政を対象にしているということであれば結構ですけれども、もしたくさんの一般市民の方に読んでもらうというようなことをねらっているのであれば、道路交通の部分をもう少し親しみやすく書けないでしょうか。
一例を申し上げますと、47ページに貨物自動車運送事業安全性評価事業というものがあります。これは長い言葉ですけれども、実は一般市民の人にはトラックの後ろにGマーク、これはGマーク制度なんだと言えばよくわかります。例えば、そんな点でございます。
加えて、若干の意見を言わせていただければ、陸上交通、鉄道交通、海上交通、航空交通にわたりまして、第9次計画における重点施策及び新規施策というものが示されております中で、特に、道路交通では8つの柱すべてにわたって示されておりまして、ここは大変好ましいと思いました。
ただ、もし可能であれば、先ほど御説明にあったんですけれども、どれが重点施策でどれが新規施策なのかということを表示していただくことはできないでしょうか。難しいのはわかります。それを強調してしまいますと、それ以外はいいのかという印象を与えてしまう、それはまずいという御判断があれば、私はそれを尊重したいと思うんですけれども、もし可能であればどこが新しいのかということを、今日御説明いただいたようなことを示していただければ大変ありがたいと思います。
それから費用対効果、これは基本理念のところでも強調されております。ただ、これを読ませていただきますと、道路整備に関してはあちこちにその言葉が見られるんですけれども、そのほかについてはほとんど見られません。道路整備はもちろんのこと、鉄道、航空、海運においてもやはり費用対効果は重要なんだということが必要なのかなと思われます。
ただ、基本理念でうたってありますから、それは必要ないということもあり得るかと思います。
海上交通に関して言いますと、我が国は海の使い方が特殊なんですね。端的に言いますとトンキロベースで約4割を海が担当しているということはまず外国にはあり得ません。したがって、それだけ交通量も多い。だからこそ、安全性をより考えていかなければいけないというところを書かなくていいのかなと、こんな感想を持ちました。
それから、個別意見を若干述べさせていただきます。是非、検討いただきたいのは「障害者」という表現で、「害」が漢字で書かれております。私が拾ったところですと、基本理念のところの1ページ、それから道路交通で5ページ、18ページ、33ページ、38ページ、55ページ、66ページ、70ページです。
ただ、その中で37ページと45ページは平仮名になっています。それから、鉄道では76ぺージ、海上では90ページ、航空では106ページに漢字が使われておりますけれども、ハンディキャップを負った方々から、漢字は避けてくれという要請が出ております。その扱いが未定だということではあっても、私は政府の報告書とすれば平仮名にしておいた方がよろしいのではないかと思いました。
2点目は19ページから20ページのところで、高規格幹線道路と高速自動車国道、これは専門家にはよくわかるんですけれども、一般の人には多分この区別がわからない。ただ、そのほかのところを見せていただきますと、81ページで踏み切りのところでは第1種踏切道、海上交通では95ページでミニポート、航空では101ページで特定本邦航空運送事業者、これは括弧で説明してあるんですね。ですから、そことの対比からいたしますと、ここも説明しておいていただく必要があるのかなと思います。
航空交通に関してはいわゆる英文の略語、これはほかのところでは※印をしてきちんとフルネームが書いてあるんですけれども、ここだけ扱いが違っているので、やはり整合性をつけた方いいのかなと思います。
それから、2つだけ質問をさせていただきたいと思います。質問のところを教えていただければありがたくて、前の意見のところは時間の都合でお答えいただかなくても結構です。これには、私の理解が不足しているのかもしれません。10ページの表の中で、年齢階層別人口の大きさに着目した分析の中の数字で、死者数だけが1点数字、ほかは全部幅数字になっているんですけれども、これは1点数字でよかったのかどうなのか、これをお教えいただきたい。
それから、61ページで本四道路なんですが、実は本四は御承知のように3本あるんですけれども、そのうちの2本しか書いていなくて、瀬戸内自動車道に関してはここに記載がないんです。ここは対象になっていなければ仕方ないと思うんですけれども、なっていないのかどうなのか。そこがわからなかったものですから、お教えいただければと思います。
それ以外のところは、時間の関係がありますのでお答えいただかなくても結構です。
○太田座長 ということですが、どうしましょうか。とりあえず質問関係のものと、それから全体にわたるコメントはほかの方にも共通のものがあるかと思いますが、この文章そのものがそういう意味でわかりにくいということが最初にありまして、一応ターゲットとして国民ということでは皆さん入っているはずなのですが、実際問題として皆さん全部読むことはほとんどないということで、前のお話でも似た趣旨の御発言がどなたかからかあったと思いますが、ある程度要約版をつくるということでしたね。
ですから、要約版は完全に国民目線と言いますか、皆さんが見る形でしなければいけないし、この本文についてもできるだけそういう方向でということが趣旨だと思いますので、この辺は全体の各部門に分けて書かれているので、ちょっとその辺はばらばらの印象は多少あるかなということで御注意いただければいいと思います。
それから、重点施策と新規施策の区別ですが、私は口頭で説明された方が確かにいいと思いましたので、何らかの形で少なくとも前の柱に比べて、今度は前の柱がどこまでできたので今回こうしましたとか、新しいものを付け加えましたというつなぎの文章が必ずしも入っていなくて出ているような感じがしましたので、杉山先生もそういう趣旨でおっしゃられたと思います。
あとは、費用対効果の話であるとか、「障害者」については記載上の方針なのですが、よろしければ平仮名というのは一般化しつつあると、必ずしもそれで固まっているわけではないということは承知しておりますけれども、そういうことでよければ全体をそうしていただきたいと思います。
それから、質問について今の段階で2点ございました。10ページのこれからのトレンドの予測値と言いますか、それで死者数について1つの方は幅ではなくて出している。事故件数は幅でちゃんと出ているんですが、死者だけはというのは本当にこれでいいのか。これは確認していただくということでよろしいですね。
それから、64ページの表現で瀬戸大橋ですか、その部分の記述が正しいかどうかという話を入れなくていいのかという話です。これは、事務的に確認していただいた上で適正に処理していただくということで、今の段階で何かもしございましたら事務局サイドからどうぞ。
○安部内閣府参事官 1点目の御質問ですけれども、10ページの今後の見通しでございますが、この年齢階級別人口の大きさに着目した分析というのは1974年から2008年までの長期的なデータに基づきましてトレンドを出したものでございます。死者数につきましては、この長期的なトレンドに基づきまして分析したものが非常に相関関係の高いものが出ましたので1本だけにしております。
しかし、事故件数と死者数については平成16年まで増えていてその後下がったという、ここ数年で反転したという特殊事情がございますので、その長期的なトレンドのほかに1984年から2008年までの短期的なデータを見たものも出して、事故件数と死者数だけはその2つの資料を出したということで、死者数については1本しかないということは間違っておりません。
○三国委員 「交通安全思想の普及徹底」というところで、私の理解が及んでいるかどうか、ちょっと確認したいんですけれども、33ページの下から10行目、「交通安全教育普及啓発活動については、国、地方公共団体、警察、学校、関係民間団体、地域社会及び家庭がそれぞれの特性を生かし、互いに連携をとりながら地域ぐるみの活動が推進されるように促す。」と書いてあります。
私が今これはどうかと思うのは、例えば携帯電話のことについてなんですが、結構電車やバスに乗っていても携帯電話のマナーはいろいろと言われるんですが、例えば自転車に乗りながらメールをしている高校生などがよく事故を起こす。大人の方でもそういう方はいらっしゃるんですけれども、そういうことになると例えば学校でもいろいろ言っているけれども守られない。警察は、言ってもなかなか権威的には無理なので守られない。
例えば、企業というのはこの中ではどういうところに入るのか。たばこなどだとJTがテレビでマナーを守るような宣伝をしますと、一般的にたばこのマナーというのは国民全員がこういうふうにしなければいけないというのがわかりますね。そういうふうに、例えば携帯電話の会社が宣伝の中でマナーということで、自転車に乗りながらメールをするとこういう事故が起きるとかということをテレビで宣伝すれば、一般的に皆がそういう意識を持つので注意もしやすいと思うんです。
普通の人が言っても、あれはマナー違反だなとわかるので、そういう場合、企業の協力を求めてやるというのは、この中で言ったら民間団体とかになるんでしょうか。そういうことをしていただけると、もう少し国民全体に交通ルール、マナーとしての普及徹底が図られるのではないかと思うんですけれども。
○太田座長 では、質問という形を取っていますが、御意見ということで、是非盛り込む形での表現を工夫していただくということでお願いしておくことにしましょうか。趣旨はもちろんわかりますね。よろしくお願いいたします。大変、同感するところです。
そのほか、いかがでしょうか。
それでは、渡邉委員からお願いします。
○渡邉委員 2点ほどお願いと言いますか、あります。
1点は、7ページの先ほど御説明にありました参考2で、御説明にあったんですけれども、死亡損失のところです。この中で、2兆3,300億円の説明がここにはないですね。多分、これを見たときに一番金額が多いのに説明がないというのは不思議に思うと思いますので、先ほどの御説明にあったような形で、もともとの報告書にはたしか書かれていたと思いますので、それはやはり書いていただいた方がいいのではないかと思いました。
それからもう一点です。33ページからの「交通安全思想の普及徹底」のところで、33ページの真ん中の「学校においては」といところの真ん中ぐらいだと思うんですが、自立活動のこととか、その下のところで「障害のある児童生徒に対しては」というようなことが書かれているんですが、34ページからの「段階的かつ体系的な交通安全教育の推進」の中には特別支援学校のことは一言も書いていないんです。もしかしたら37ページのところに入るのかもしれませんが、それにしても最初の項に自立活動のことは書いてあるけれども、特別支援学校のことはちょっと足りないかなという感じがしますので、特別支援学校ではどういう指導をするのかというようなことは書き加えていただいた方がいいいと思いましたので、その2点をできればお願いしたいと思います。
○太田座長 ありがとうございます。それでは、説明の追加ということで検討いただくということでよろしいでしょうか。
7ページのことにつきまして、先ほど口頭の説明では、前回のときはこういうふうになっていたけれどもというので、その変化を是非入れておいていただくと、確かにこの辺は非常に世界的に注目されているところでもありますから、きちんと中身がわかるようにしていただくといいと思います。よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。そのほか、いかがでしょうか。それでは、大久保さんどうぞ。
○大久保委員 4点ほど、お願いいたします。
まず、先ほどから教育ということで、ほかの委員の皆さんからも意見として出ておりましたが、34ページの(1)の「段階的かつ体系的な交通安全教育の推進」です。幼児から交通犯罪を犯した収容者に対してまで書かれていますが、収容者に対する教育の中には被害者の視点、あるいはゲストスピーカーとして被害者の声を聞くという辺りが入っていますけれども、一番重要だと思います幼児から高校生、成人に対する「ア」から「オ」ですね、その中には「被害者の視点等」という言葉が入っておりませんので、それを入れていただいた方がよろしいのではないかと思いました。
被害者支援の現場での、ある実例としまして小学生の子どもさん2人が交通事故に遭って、1人が亡くなって1人が重傷を負ったという被害者の方で、命が助かった子どもが学校へ行ったとき、学校の中で、おまえも死んでしまえばよかったのにということを言われて学校へ行けなくなってしまったということもあります。あるいは、交通事故によって障害者になったことをからかわれて暴力犯罪に遭ってしまったということも実際の支援の現場ではよく経験することですので、その辺りのところも入れていただきたいと思いました。
ただ、個別に入れるということが難しいということであれば、先ほどの御意見と反対になってしまいますけれども、33ページの大枠の普及の徹底の中に被害者の支援とか、あるいは視点とか、被害者の実態を理解する、あるいは被害者への二次被害を与えないというような文言をこちらの初めの方に書いていただくということも一つの方法なのではないかと思いました。
それから、1つは細かいことになってしまいますが、67ページの下から14行目です。こちらの方には、さまざまな形で被害者の心情に配慮した対策の推進ということで入れていただいていますけれども、是非、公判期日の連絡の前に公判前手続期日の連絡もいれてください。被害者にとりましては公判前手続で何が行われたのかがわからなければ、その後、刑事裁判におきまして自分がどういう立場でどのようなことを伝えればいいのかということもなかなか理解し難くて間に合わないという結果にもなりがちですので、その言葉を1つ入れていただければと思いました。
3点目ですけれども、文言の統一性ということで、例えば先ほど2ページの基本理念のところの上から6行目には「被害者やその遺族」となっていますけれども、ほかのところでは「被害者・家族」とか、場所によってその表現の方法が違っていますので、この表現方法につきましては犯罪被害者等基本法の2条の2項において「被害者とは被害を被った人及び家族または遺族を言う」というようにしっかりと明示されていますので、その辺りで文言の統一性を図るというのはいかがでしょうか。
それから、同じく110ページの「被害者支援の推進」というところです。先ほど御説明もありましたけれども、ここの部分だけ被害者支援の推進がととても薄く感じますので、ほかの海上ですとかその他のところに準じるような形での内容も盛り込んでいただけた方がよろしいのではないかと思いました。以上です。
○太田座長 ありがとうございました。表現上、専門的な言葉と言いますか、使い方もあろうかと思いますので、これも確認していただいて趣旨が伝わるようにということでよろしいでしょうか。
○安部内閣府参事官 検討させていただきます。
○太田座長 よろしくお願いいたします。
それでは、そのほかの点ではいかがでしょうか。
○佐々木委員 33ページの「交通安全思想の普及徹底」ですが、前回いただいた資料の中で、交通安全運動の実施に当たっては悲惨な交通事故が真に防止できる効果的なものとなるよう、交通事故被害者等の視点も踏まえてとあったんですが、運動の中で交通事故の被害者の視点に立ったものが今までなかったと思うんですけれども、これは新しく今回加えられたものなんですか。今までは被害者のこういうものはなかったと思うんです。
○太田座長 それでは、今の段階でもしございましたらお願いいたします。
○内閣府事務局 事務局でございますけれども、39ページに交通安全運動の関係につきましての記述がございます。「交通事故被害者のニーズ等を踏まえた実施に努める。」という形で、「ア.交通安全運動の推進」のところで2パラですが、「交通安全運動の運動重点としては」ということでずっと書いてあって、その後、「交通安全運動の実施に当たっては」という文言がございます。そこのところに、「交通事故被害者のニーズ等を踏まえた実施に努める。」ということで、まさに交通事故被害者の視点云々ということを反映した形の文言ということで、こちらの方には記載をしております。
○佐々木委員 今までなかったですよね。
○内閣府事務局 これは、従前からございました。
○太田座長 よろしいでしょうか。
○佐々木委員 はい。
○太田座長 そのほかの点でお気づきの点がございましたら。
それでは、益子先生どうぞ。
○益子委員 1点確認で、1点お願いです。
まず確認の方ですが、11ページの人口10万人当たりの死者数のグラフで、スイスのところが黒バーになっているんですが、これは日本のところが黒バーではないんですか。
○安部内閣府参事官 日本が黒です。
○益子委員 そうですね。これは間違いですね。
それから、60ページの「救助・救急体制の充実」というところですが、「(1)救助・救急体制の整備」の「イ」の「救助・集団救急事故体制の整備」というところに「DMAT」というものを是非入れてほしいんです。
実は63ページの「救急関係機関の協力関係の確保等」というところにDMATというのは入っているんですが、このDMATというのは災害時に救出して現場に行って活動するチームのことであって、医療機関の連携というよりは現場での連携なんですね。ですから、これは絶対(1)の「救助・救急体制の整備」のところに入れていただきたい。
同じように、78ページのこの鉄道の「救助・救急活動の充実」でもDMATというのは全く触れられていませんので、ここも入れていただきたいのと、引き続き航空の飛行機事故のときもDMATというのは絶対必要になってきますので、109ページの「救助・救急活動の充実」のところにもこのDMATというのを盛り込んでいただきたいと思います。以上です。
○太田座長 よろしいですか。検討していただきたいと思います。
そのほか、お気づきの点いかがでしょうか。
それでは、蓮花先生どうぞ。
○蓮花委員 13ページで自転車のことなんですけれども、真ん中辺ぐらいで「歩行者と衝突した場合には加害者となるため、それぞれの対策を講じる必要がある。」という、これが今年というか、今回入ったことは非常に大きなことだと思うんですけれども、それが具体的なところ、例えば35ページの中学生、高校生とか、それから39ページの「自転車の安全利用の促進」のところに「加害者」という言葉が出てこないので、今までどおりの表現になってしまって少し弱いかなという感じがしました。自転車対策は非常に難しいのでなかなか書きにくい部分はありますけれども、書ける範囲でそういうことをお願いしたいと思います。
それから、それとも関連するんですけれども、55ページの最後に、自転車利用者のところで3行目に「各種保険の普及に努める。」とあります。私が前に調べたところによると、今年で多分民間の保険会社は自転車保険というのをすべて撤退したはずなんです。今はほとんどTSマークぐらいしかなくて、各種保険の普及と言ってもどんどん状況は悪くなっている。だからこそ加害者になったとき、被害者も大変ですけれども、加害者となった中学生とか高校生とかは一生非常に大きな負担を抱えてしまうということにもつながっているので、その辺をうまく周知徹底と言うか、教育に含めていただきたいというのが意見です。
もう1点は全然違うことですけれども、46ページの「運転免許制度の改善」です。これも難しいことは重々承知ですけれども、諸外国ではブース式の映像とかを用いた免許試験というのが非常に多くなってきております。かなり昔からされてきていますが、例えば危険予測の試験などは動画を用いてハザード知覚と言うんですけれども、そういうものをオーストラリアなどでも導入していますし、日本だけがかなり旧態依然のままにペーパーアンドペンシルテストのものを行っています。研究開発とか検討はされているんですけれども、そこのところを是非部分的にでもまず導入していけないか、検討いただきたい。そういうことも少し書き込んでいただければ、将来につながるんじゃないかと思います。以上です。
○太田座長 ありがとうございました。最後の方は、私も具体的な手法等は余り知りませんが、そういう言葉がある程度あって、そういうやり方の名称は何と言うんですか。何か特別な名称があるというよりは……。
○蓮花委員 普通のブースでやるような形式ですね。
○太田座長 その辺は、研究開発の実態に合わせた形での表現が具体的にあった方がいいと思いますので、御検討いただければと思います。
そのほか、いかがでしょうか。
それでは、赤羽先生お願いします。
○赤羽委員 15ページの「道路交通環境の整備」の中段に白抜きの丸2つで、生活道路における交通安全対策をどういう戦略に基づいて実施するかが記述されています。基本的に科学的なデータ分析に基づくことが中心になっていて、これでよろしいと思います。ちょっと飛びますが、69ページの「8.研究開発及び調査研究の充実」の四角囲みのすぐ上のところに、大雑把に言いますと交通安全対策がどのぐらい効果的であったか、あるいはそうでなかったかということに関して経験の蓄積をして、それを民間に対しても技術導入すると記載されています。
これは、こういう世の中ですから、交通安全対策に関わる業務を民間委託するということも現実的ですし、重要なことです。ところで、この生活道路対策の主体は、誰なのでしょうか。全部を安心歩行エリアとして指定したところで、国とか県レベルの地方公共団体とかが関わってやるわけではないですね。市町村レベルの自治体が主体的に関わる必要がある生活道路も多いわけです。
そのときに、先ほど冒頭で触れました15ページの白丸のような施策パフォーマンスの追求という方針に沿って情報をそろえました。これに従って分析して対策を立ててくださいと言っても、今までそういう環境で安全対策を実施してきた経験がない地方自治体にそれを投げられても消化不良になってしまわないか、非常に心配です。ですから、そういう市町村レベルの地方自治体でもそれなりの専門家を養成することも、この中でうたうべきではないかと考えます。以上です。
○太田座長 ありがとうございました。そう言えば、人材育成とか、その辺ですね。結局こういった交通事故の物理的対策も含めた形の人材育成というのはどこかにまとまってありましたか。私は本文の構成でよくその辺は理解できていないのですが。
○安部内閣府参事官 特にはありません。
○太田座長 ないとすれば、研究開発と合わせて、その研究開発を実際に移すための人材等ですね。それを踏まえた記述がどこかにあるといいという趣旨かと思いますので、御検討いただければと思いますが、今の段階でもし何かございましたらどうぞ。
○安部内閣府参事官 検討させていただきます。
○太田座長 それでは、そのほかにお願いします。
○尾形委員 赤羽先生とほとんど同じ意見で、生活道路とか市民参加ということが15、16、17のところに非常にきちんと書かれていて、具体的なものまでずっと出ていて、私は前の前の会で主張したことが実現しているのでありがたいんですが、さっき赤羽先生が言われたことと同じことが言えて、やはり市民中心にやるので、我々はそれに対して協力しますよということが書かれていないと消化不良になってしまう。
ここにあるいろいろな施策も一遍にはできませんので、例えばハンプをつくるということになっても重大な意思決定ですから、そういうことを協力してやる。実は、自治体や国や警察がやってくれるのを待っている時代ではないんだというようなことを、どういう表現かわかりませんけれども、主体というのは責任を持たなければいけませんから、そういう表現をしていただくとありがたいと思います。
実は、同じことなんですけれども、防犯パトロールというのは警察の方でやっていますが、あれは意外と効果があると私は思っています。それと、どうして交通安全パトロールが一緒にならないのかと、警察関係に知り合いがいるものですからよく聞きますと、部署が違う。一緒に交通なんかとやれるかと、こういうようなことがあるようなので、その上に立つ警察庁が交通安全パトロールと防犯パトロールを一緒にやりましょうと言っていただく。
かつ、それは警察だけがやるんじゃない。地域の住民の人たち、あるいは地方自治体の人たちも一緒になってやるんだというようなキャンペーンをしていただくといいんじゃないか。はっきり言って、うちの学生もそうですけれども、幾ら啓蒙しても現場で捕まえないと、携帯はやりますし、無灯火はやります。
ただ、だれかがそういうパトロールや、一言言うような人がいますとてきめんに変わりますし、流すだけでも随分違うんじゃないかと私は思いますので、是非とも防犯パトロールと交通安全パトロールを一緒にするような施策というのを繰り広げていただいたらいいんじゃないかと思います。
あとは、飲酒運転ですけれども、随分減ってきて効果があったと思いますが、これがはっきり言って田舎に行きますと居酒屋などは火が消えたようになってしまう。これは、飲酒はいけないんですからそうなんですけれども、そういうところに対するインセンティブとしていろいろなことをやっています。100円引きとか、そういうインセンティブを紹介するということもここに書くかどうかはわかりませんけれども。
それと同時に1つだけお願いしたいのは、代行タクシーですね。これのまともな業者の育成ということを、これは警察関係の方はおわかりと思いますが、非常にしっかりした代行タクシーをやっているところもあれば、うっかり頼んだらえらいことになるところもありますので、これの監視と言いますか、育成ということはこれに書くべきかどうかわかりませんけれども、一言言いたかったのは取締り厳罰化だけではなかなかうまくいかないので、代行タクシーのインセンティブということをちらっとでも入れていただければありがたいと思います。
○太田座長 ありがとうございました。2点ということで、1つは市民の関わり方とか、この辺の表現は16ページの下の方にも入っているように思いますが、具体的な事例を少しいろいろなところにちりばめてもらったり、今、具体的にパトロールについて一緒にできないかとか、そういう同種のものをうまく巻き込むような、そのようなものを例えばというようなことで入れておいていただくといいのかなと思いました。
それから、2番目の話はそういう問題があるということであれば、確かに飲酒運転を避けるための一つの手法でもありますけれども、合わせてそういうことも一緒にやっていくという話で、代行運転者の資格と言いますか、その辺のチェックもきちんとしたらどうかという種類の話を記載していただければと思います。よろしいでしょうか。
それでは、そのほかいかがでしょうか。
○河内委員 航空に関して2点ほどお願いがあります。
1つは、「航空事故の状況」というところに、外国航空会社による航空事故が発生しているとせっかく書いてありながら、目標はあくまでも特定本邦航空運送事業者だけなので、それでいいのか。特定本邦航空運送事業者以外の目標は何もないのかというところが少し気になります。
それからもう一つ、現在の航空関係で一番変わっているところは、皆さん御承知のようにいろんなエアラインが出てきて多様化しているというところです。今までにないタイプの航空会社がたくさん出てきたので、それに十分対応した体制を整備するとか、そういうところに留意して対策を考えるとか、そういう意気込みをできればどこかに書いておいていただきたいという気がいたします。
○太田座長 よろしいでしょうか。航空関係ということですね。
そのほかに、もし御意見等がございましたらお願いします。
○藤森委員 45ページにあります「高齢者に対する教育の充実」というところで、高齢者の方が講習時に講習予備検査ですね。認知機能検査というものがここに書かれているんですが、これは全国統一のものなんでしょうか。
○太田座長 いかがでしょうか。
○警察庁(入谷課長) 統一のものです。
○藤森委員 そうだとすると、多分こういうものがインターネットとかで流布されて練習をしてくる人が必ず出てくると思うんです。正確なスクリーニングの能力を発揮できないということが十分に出てきてしまうということで、年ごとに変えるとか、シーズンごとに変えるとかという形にしないと、すぐにそういう検査のものというのはそこだけ覚えていけば何とかなるんだという形になってしまうので、非常に危険かなと感じています。
○太田座長 この辺の具体的な試験の内容を私はよく知らないのであれなんですが、その種のことがもし起こり得るとすれば、表現上工夫していただくということでしょうか。
○藤森委員 そうですね。方法も含めて検討していただかないと、同じものを延々とやっていると必ず皆、学習してきます。学習効果が出てきてしまいますので。
○太田座長 問題の範囲はかなり決まっていて、その中の幾つかのパターンで質問が出るという状況ですか。
○藤森委員 そうですね。
○太田座長 その辺は具体的な試験の内容を私は知りませんので、そういうことに合わせた形で、そういうことがないような表現を是非入れておいてほしいということですね。よろしくお願いいたします。
そのほかいかがでしょうか。
それでは、山崎さんどうぞ。
○山崎委員 交通教育の立場で3点ほど意見というか、お願いです。
「チャイルドシートの正しい使用の徹底」ということで40ページに載せていただいていますが、この記載どおり、やはり年齢が高くなってくるお子さんに対しては着用率が低下していくというのは実態だと思っております。交通教育というか、交通安全教室を親子さん、特にお母さん方にやらせていただいた中で、取締りというところでは大変お母さん方が反応するところだと思います。
そこで警察庁さんの方にお願いなのですが、警察さんにチャイルドシートの着用の取締りを徹底していただければとは思います。1つだけ問題がありまして、6歳児とか、だんだん大きくなるに従って、大人のシートベルトをすると違反が取られないというか、後部座席にお子さんが座っていると見極めがすごく大変だとは思っておりますが、身長135センチないとお子さんの体がかえって危険だということは交通安全教室で各指導員がいろいろ教育をさせていただいているところですけれども、その辺は取締りの方で十分計らっていただきたい点かと思います。違反を取られないという意味で、大人のシートベルトを首からかけている大変たくさんのお子さんがいらっしゃるような気がします。その辺をちょっと検討していただきたいとは思っています。
それと、中学生、高校生の自転車の安全利用については、先日高校生の交通安全教室を展開しましたところ、やはり中学生よりも年齢が上がる高校生の方がなかなかその教室に集中してくれないという実態があることがわかりました。それで、自転車の交通違反というか、その取締りを中学生、高校生、特に高校生には強化していただきたいと思っております。
それと、先ほど保険の問題でお話がありましたが、できれば保険で中学生、高校生の自転車を通学されている生徒には半強制的に加入できるようなものがあったらどうかと思っております。
あとは、先ほど渡邉委員でしたか、特別支援のお子さんの方ですが、学校自体、自主通学というのが現状かなり特別支援の生徒さんに多いということはすごくわかっています。養護学校の先生方にお伺いすると、交通教育というのがすごく難しいところにあるのではないかということで、割とガードを張ってしまうところがあるような実態があります。是非警察さん、あるいは私たちのような交通指導員に是非検討をさせていただいて、わかりやすい交通教育を特別支援のお子さんにも本当に徹底していただくように警察庁さん、文部科学省さんにお願いしたいところだと思っています。以上です。
○太田座長 ありがとうございました。何点か御提案と言いますか、御希望ということがございましたので、検討していただければと思います。
それから、蓮花先生の方からもありました自転車の保険については今どうなっているというか、実態としてもう既に撤退してしまったということが新聞でこの間ちょっと出ていたように思いますし、その意見の中ではやはり行政もどこか考えたらどうかと。
その辺のことを含めて、書きっぷりですね。保険というのはやはり必要だということは書いていただいた方がいいと思いますし、ただ、それを実際に経済的に保険会社としてやりにくいということであればどうするかという議論ですね。いずれにしましても、保険というものをもう少し自転車についても展開する余地、あるいはそういうことを検討すべきかというか、あるいはもっと具体的な内容がありましたら是非加えてほしいということかと思います。
あとの点はまた少し御検討いただければと思いますが、そのほかに更にございますでしょうか。
では、小浦委員お願いします。
○小浦委員 ずっと出席できていないので、ついていっていない部分もたくさんあるんですけれども、今回の議論の中で先ほど出ていますように、自転車と生活道路といった非常に一般の人たちの生活に近いところの安全性ということがテーマになっているのは新しいということで、お聞きしておりましてすごく重要なことだと思っています。
そのときに、例えば16ページで道路交通環境の整備の中でそういったことへの対策が示されているんですけれども、ほとんどが何かいっぱい物をつくっていくような、空間をつくっていくような対策になっているんです。なかなかそれは難しい問題じゃないかと思うんですけれども、これはやるという趣旨で書かれているんですか。
歩道をつくると簡単に言われてもそう簡単に、特に生活道路などであれば幹線道路と違いまして歩道空間を確保するというよりも、いかに自動車交通と人の交通が折り合うような道の使い方、あるいは空間の使い方をしていかなければならないのかといったような計画が求められてくるところが多いと思うんですけれども、何かすごく物をつくっていくようなことが多いような気がするんですが、これはこれでよろしいんですか、大体こんなものなんですか。
○太田座長 どう理解するかということでありますが、物をつくるだけではない書き方にかなりなっているように私は思っているんですが。
○小浦委員 確かに中身はそうですが、重点整理になってくるとどうしてもつくる、整備というようなことが直接的対応として出ているような気がしたので、その辺はいかがですか。
○国土交通省(加藤室長) 国土交通省の道路局でございます。
例えば16ページのところですと、これは「道路交通環境の整備」というテーマのところですので、歩道の整備といったこともできるところは当然やっていきます。また、この中でハンプ、クランク等を設けて、同じ車線の中で車の速度が上がらないような工夫などもしていきますし、やはりそれは場所、場所に応じていろいろな手練手管を下して安全性を高めていこうということです。
私たちも、網羅的にいろいろなできることをやっていこうということで書いていますので、ひとえに歩道だけつくるんだというようなことではないつもりでおります。
○小浦委員 ということは、これはある種のメニューというか、こういうようなことを組み合わせて、それぞれの地域ごとの安全を高めてくださいと、そういうことですね。
○国土交通省(加藤室長) はい。
○小浦委員 そういうことがわかる方がいいと思うんです。これがメニューであって、さっきそれぞれの自治体のだれがするんだという御指摘もあったかと思うんですけれども、やはり自治体あるいは地域、ひょっとすると町の人たちがまちづくりの中で考えていくこともあるかと思うのですが、そういった地域の実情に応じた組立てをしていくマネジメントの在り方みたいなものがどこかでもうちょっと明確に書かれていることによって、これは重点と書いてあるので余計に思ったんですけれども、ここで示されている施策がある種のメニューであって、こういうものが地域ごとの選択の中で効果を上げていく。そういう趣旨があるといいかと思いました。それが1つです。
それから、ずっと気になっていることですけれども、1つの道路の空間の中に障害者の方、目の悪いとか足の悪い方とか、あるいは自転車、人がかなり混ざって入っている状態が今すごく危険を起こしているんですけれども、ここではそのような状況に対する安全性というものはどういうふうな議論があったのでしょうか。ざっと見ている感じではわからなかったんです。
つまり、点字ブロックを付けることによって車いすの人が歩きにくくなったりとか、かなりコンフリクトのあるような状況というのが今、道路の中にすごく起こってきているように思うんですけれども、そのような議論はどこかにあったのでしょうか。
○太田座長 いかがでしょうか。2つの大きなテーマで、最初の方はこのセクションだということで多少そういう整理が中心になって書かれているということでは御理解願えたかと思いますが、それにしてもまちづくりとの関係という言葉は余り入っていないように思いましたから、一応住民その他が入ってきてやったらどうでしょうかという提案になっていますね。その後、具体的にそれは交通だけではなくていろいろな地域の問題をやっているときには、結局同じような方が実際に参加してやってくださるし、その辺の連携を考えるような趣旨ですね。
それから、財政的な問題は市町村道路整備ということになるのでしょうか、地方分権との関係で私はよくわかりませんが、多少、今そういうのはどういう方向で動いていて、これからは9次交基の中ではこんなふうにしますというようなことがもし言えるようであればですね。
ただ、これは政策マターであってちょっと書きにくいということであれば、従来はこういう形でやっていてこれを充実したいとか、そういう形では委員会として、あるいはこの会として提案できるかと思いますので御検討いただければと思います。
それから2番目のお話ですが、その辺のプライオリティの話は必ずしも書いていないように思いました。狭い道路空間をどういう優先順位で考えたらいいか。そのときに、ここではとにかく歩行者とか自転車を考えましょうということは言ってあるけれども、それ以上のことは余り言わずにやっていますから、基本理念その他で道路空間というのは公共スペースで走行機能と、それからやはり公共空間としての交流空間とか、国交省の方でもいろいろな言い方をしていましたね。
そういう種類のことで、特にイギリスでは弱い立場の利用者というような言い方で、障害者を始め歩行者、自転車ということを入れて、ちゃんとその空間を確保しましょうとか、そういう種類の非常に基本的なことをきちんと書いておいて、今回の生活道路とか、そういうことを言った場合には、例の自転車の問題はやはり言わざるを得ないと思うんですけれども、自転車は緊急避難的に歩道を利用したとしても、できるだけきちんとした空間を国交省の方で整備していただいて、そういう形にしていきますというような最初の理念的なものが、そう言えば余りはっきりとは書いていない。
だから、その辺をできれば加えたらという御意見のように私は受け取ったというところですけれども、いかがでしょうか。
○赤羽委員 関連してよろしいでしょうか。特に今の御指摘の前半を、私ももっともだと思います。先ほど御指摘のような部分だけを読むと、何かハンプをつけることだけが生活道路の交通安全対策のように今まではなりかねなかったのですね。
そういうことがないように、先ほど私が触れさせていただいた15ページの白丸のように、きちんとした科学的データに基づいてどんな要因に対して対策を選択すべきです。ただし、その対策を選ぶときにも、例えば道路の空間的な制約だとか予算上の制約で、本来だったら歩車分離だとか、あるいは歩道に自転車も上げるような対策が望ましいのですけれども、そこまでの余裕がないので、とりあえず歩行者だけを分離する。その代わり、車の速度が上がらないように、例えばセンターラインを取り除いてしまう。実際、この方策で速度を抑制できたとの報告事例もあるようです。あるいは、路側にカラー舗装をして、そこが歩行者スペースだということを強調するだけでも車と人との関係が変わるとか、そういうメニューがあるわけです。諸状況に応じて選ぶということが基本です。
そのときに行政の中だけで選ぶのではなくて、住民だとか、あるいはそこを利用している人たちにもどういうメリット、デメリットがあるかということをよく理解してもらったうえで選択してもらう。そういうことがこれから求められていて、それがこの辺りにも書かれているということだと思います。
○太田座長 ありがとうございます。
同趣旨と言いますか、私も同感ですけれども、そうすると今のような趣旨を書くとすれば15ページとか、最初の方ですね。基本的なこういう問題を考えるときの前提条件として、特に生活道路というのはそういうことが特に要請されるということの中で触れておいていただけないかということかと思います。
それから、具体的な対応策で整備と言っても、要するに道路管理者ではなくて交通管理者のやられる整備もたくさんありまして、私としてはここにもし入れるんだったら交通規制の話はきちんと書いて、30キロということを言っていますから、30キロを徹底させるためのごく簡単な標識とか路面表示等を含めた形での整備が当然ありますから、コスト的にもかなり安い費用で皆さんに意識してもらうということは大変重要だと思っていますので、何かそういうことを含めた新しさと言いますか、この9次としては生活道路を重視しました。その具体的内容としてはこういうことを考えていますということがもっとストレートにわかるような、そういう記述をもう少し加えていただいた方がいいかなと思ったところです。
○小浦委員 赤羽先生がおっしゃられたことの中の後半の部分ですけれども、データの話はきちんと書いてあるし、それによる効果の評価の問題も書かれているんですが、結局いろいろな条件の中で選択的にやっていかなければいけない。その意思決定が一つのマネジメントになっていく。そういう辺りで、この交通の安全性を高めていく上において地域での意思決定、地域でのマネジメントといった辺りが出ると、ここに書いてあるメニューの、意味がわかりやすくなってくるんじゃないかと思います。
○太田座長 ありがとうございます。今、そういう意味では主体的なちゃんとしたものがないんですね。ですから、それぞれ地域の中で考えてほしい。そのときの例として、例えばこういうことでやったらどうか。それから、実際の事例で鎌ヶ谷でしたか、ああいうところでやったときはこういうことでこういう反省点があったとか、あるいはこういうことをしたらどうかと、そういう種類の事例があると内容がもっと豊かになってくるかと思いますし、読む方も読みやすい形になろうかと思います。少しこれは内容的に検討していただくということにしておきましょうか。
そのほか、どうぞ。
○三国委員 39ページの「自転車の安全利用の推進」のところですけれども、今回は子どもと高齢者の安全ということで取り上げられていると思うんですけれども、自転車の安全利用の推進のところで、実は私は石川県なんですが、今回交通死亡事故多発警報が出るぐらい高齢者の死亡事故が増えたんです。そして、自転車で事故に遭っている高齢者が多くて、若い人と違って高齢者は事故に遭うとすぐ亡くなる。自転車の安全というところでも、幼児や子どもにはヘルメットと書いてあるんですけれども、高齢者だからお金もかかるヘルメットはつけさせないんじゃなくて、やはり高齢者にも安全を守るためにヘルメットということを入れることはできないでしょうか。
それからもう一つは、反射材の普及とかと書いてありまして、反射材というのは確かに効果はあるんですけれども、もしできれば点滅のテールライトというものがあるんですが、あれだともっと遠くから確認できますので、ちょっと高額と言ってもいろいろあるんですが、もっと安全を図るためにそういうものも利用推進でメニューとして入れることはできないものでしょうか。
○太田座長 これは、技術的な検討がある程度終わって、コスト的にも問題ないということであれば是非きちんと入れておいていただきたいし、そうでなければ検討材料という形で研究開発ということになるのでしょうか。その辺の入れ方もあると思いますが、何か今の段階でいかがですか。
○安部内閣府参事官 前向きに考えたいと思いますので、検討させていただきます。
○三国委員 よろしくお願いします。
○太田座長 ありがとうございます。
そのほか、お気づきの点がありましたらどうぞ。
○三好委員 基本計画ということなので、かちっとしたものでなければいけないとは思うんですけれども、どうしても私は難しい文字が並ぶとなかなかすすっと読めないところがありまして、最初の方は割と表とか、そういったものが多いんですが、後半の方ももし何か入れようかな、どうしようかなと迷っているようないい表やマークがあるとしたら入れてもらった方がすっと流れていくような気もします。余計なものは入れない方がいいんでしょうけれども、そういうものがあれば更に見やすいかなという気がします。
あとは、言葉は私はそんなになかったんですけれども、ただ、やはり専門用語的で、さっきのハンプにしても高校生が読んだらわからないような気はするし、一つひとつの言葉というのをいろいろな立場の人に読んでいただいたりはしているんですか。高齢者が読むとか、年少者が読むとか、そういうことで気がついていかれた方がいいのかなという気はするんですけれども、多分、皆さんわかっている方ばかりだと思うので、更に検証した方がいいかなと思いました。
○太田座長 わかりやすさという点で、全体についての構成の話はもちろんございますし、最初にもありました概要版みたいなときには特に図表等をきちんと入れておいていただくということでしょうか。
それから、やはり読み手にその立場に立って読んでいただいておくというのは確かに重要な視点かと思いますので、御検討いただければと思います。
それでは、蓮花先生お願いします。
○蓮花委員 さっき1点忘れていたというか、45ページの「高齢運転者対策の充実」というところです。高齢者講習の効果的実施というのがもちろんありますけれども、実際のところ、これからどんどん高齢者が増えてくると、今のような制度というか、形はなかなかやりにくくてパンクしてしまう可能性もある。そうすると、簡易講習みたいな形になってしまうと逆に効果が薄れていくので、いかに効果を維持させるかということで、この表現自体はもちろんこれで結構だと思うんですけれども、これからの高齢者対策というのはなかなか大変だと思うんですね。
免許返納制度というのがありますけれども、自主返納したところで運転経歴証明書を出すというのはその後の身分証明の一つとしていいのですが、免許を返納した後のモビリティをどう確保するのか。そこのところについては諸外国でも苦労されていますし、日本でも幾つか試みはありますけれども、運転免許を返納して歩行者事故に遭ってしまったら元も子もないわけですが、では移動をどう確保していくのか。あるいは、その移動を確保するためには免許の返納を求めるんだけれども、できるだけ運転レベル、運転技能の維持に努めるための教育を推進するとか、そういう幾つかの施策を組み合わせて、高齢者の生活の質を維持する。
そういう観点を少しここに書き込んでいただくと、恐らく第9次計ではなかなかこれは解決できないものだろうと思いますけれども、将来にはもっともっと大きな問題になると思います。以上です。
○太田座長 ありがとうございました。そういう課題を含めた形で返納の問題と言いますか、高齢者のモビリティの問題があるということで、この段階ではそういう点も今後やはりいい事例をいろいろなところでつくってほしい。これは交通基本法の流れとも私は関連していると思いますが、やはり単に返すだけでは終わらない大問題ということになりますので、ここでの書きぶりですね。安全という観点ではそうですが、モビリティという観点では大問題ということなので、いい事例があればそういう事例を紹介するというようなこともいいかと思いますので、よろしくお願いします。
そのほか、何か更にお気づきの点はございますでしょうか。
では、私の方で小さいことも含めてお話ししておきますと、いろいろなデータでまとめていただいたのですが、例えば14ページの「生活道路及び幹線道路における安全確保」で、5.5メートル未満の交通事故死亡件数の推移を見ると、ということなのですが、この推移の図が入っていないですね。これは、どうなっているかということは重要なデータだと思いますので、是非入れておいていただきたいと思います。
それから、26ページの辺りで、高度道路交通システム、ITSのいろいろな話が出ていますね。交通安全ということで、ここで余り触れられていないのがISA、インテリジェント・スピード・アダプテーションですか、そういうことの研究開発はかなり進んでいますし、国によってはそれによって速度を出し過ぎですよということの警告は少なくとも出そうと。
それから、更にイギリスなどで今、実験中ですが、実際にそれ以上速度を出そうとしてもアクセルが効かないという状況までやっている。これはまだ実験段階ですけれども、そういうものもありますし、車種によっては既に大型車はISAをやっていますね。だから、ISAという言葉とか、その普及ということを是非どこかに記述していただけないか。今後の問題ということで、特にそれが低速の問題、30キロというような場合、そういう問題についてもやはり言葉としてはどこかに入れておいていただけないかということが1つです。
それから、そのためにはそういう交通規制の情報をやはりきちんと電子情報として確保するという話ですね。そして、それをデジタルマップに一応乗せたい。これは、実はイギリスで話を聞いてきたのですが、交通規制速度の情報は相当苦労してようやくロンドンは集めた。だけど、それが毎年数百件、やはり速度の変更がありまして、それをちゃんとフォローするのは非常に難しいという話を聞いております。
だけど、やはりそういった情報は当然交通規制ですから市民全体にわかっていただいて、一方通行その他を含めてそれに合わせて走っていただくということで、やはり電子情報化をするというのは絶対必要なことだろうと思っています。
それと合わせてISAという話も当然出てきますし、それからそういう情報を集めるためには、現在の交通規制をもう一度見直したり、それが本当に適切に表示されているかどうかの確認ということは、いろいろな速度規制の標識等をもう一度確認する。実際に走ってみますと一部で壊れていたりとか、そういういろいろなこともございますので、やはりそういった基本的なものを足元からもう一度固めて、新しい電子の時代と言いますか、そういう時代に合わせた環境整備をしていくということを今から始めないと、この後、事故防止とか何かのときに規制との関係でどういうふうに車載器に啓発するかとか、そういう趣旨のことは必ず起こってまいりますので、少なくともそういう準備段階を始めるというようなことを入れておく。それが安全に非常に直結しているということかと思いますし、表現の仕方はいろいろあろうかと思いますので御検討いただければと思います。
そうなりますと、関連してITS関係のナンバープレートの電子化の話がどうなったか、最近は知りませんが、それと標識の電子化の話ですよね。走っていて標識を自動認識して、それでやるというのも一つですが、それは気象条件その他で必ずしも100%いかないということで、やはり両方やらないといけないような雰囲気のようでしたから、その辺も含めて新しいそういう基礎的なデータをきちんと把握し、電子化して利用者に伝える、運転者に伝える。是非、そんな趣旨のことを盛り込んでいただければと思います。
それから、28ページのところで一番下に新しく駐車関係をちゃんと入れていただいたのはいいと思っていますが、「イ」の「新違法駐車対策法制」の中身がぱっと読んでどこが新しいのかよくわからないんです。というのは、かなり細かい点でいろいろ書かれているんだろうと思うのですが、ちょっと私にも十分理解できないので、こういうところはやはり新しい法律で強化したいとか、そういうふうにちゃんと書いておいていただければいいかと思いますので、よろしくお願いします。
あとは、この駐車関係で付け加えるとすれば、例のパーキングメーター、パーキングチケットの料金制度というのはやはり手数料だけでいっているということなのですが、もう少し需給管理と言いますか、違法性の高いところについては高くすることはもちろんですが、駐車需要の大きいところで値段を高くするとか、少し管理の仕方も変えたらどうかということは各国で今やられておりますし、少なくとも新しい機材がどんどん開発されています。アメリカはスマートパーキングというような言い方で今、各地で導入が始まっていますね。だから、ロードプライシングに代わるある種の新しい料金価格メカニズムを使った交通の適正化という形で今、始まりつつありますので、そういう動き等も踏まえて、駐車を一律の料金にするということだけではなく、その高度化に向けて検討するようなことも是非組み入れること、これはまた安全にも当然つながることかと思いますので、よろしく検討していただければと思います。
以上、私の方で道路関係は多少気になりましたし、かなり関連しておりますので見させていただいたときの感想です。そのほか、何か更にございますでしょうか。
それでは、実はこれが皆さんのところのお手元に届いたのは1週間前ぐらいということですね。電子的に行っていますので必ずしも十分ごらんになっていなくて、今日気がついたところはその一部であるという可能性がありますので、1週間ぐらいの間に追加的なコメントがあればお寄せいただくという形で、これまでもそうでしたけれども、もし足りないところや、今日の発言の中でもう少し具体的な中身について表現の仕方等について御意見等がありましたら追加して事務局の方に出していただくということでよろしいでしょうか。
その辺を含めて、後の取扱いについてお願いします。
○安部内閣府参事官 お手元に「第9次交通安全基本計画作成スケジュール(案)」というものをお配りしております。
今後の話としますと、今日の22日の専門委員会議の後、10月22日に公聴会というものを予定しておりまして、今回の基本計画の案を載せた上で、これについて御意見のある方は手を挙げてくださいということで、ホームページ上で公募したいと思っております。
それから、広く国民の意見を聞くということで、その公聴会以外にどなたでもどんどん意見を出してくださいということでパブリックコメントというものを実施したいと思っておりまして、これは実は10月に入り次第やろうかと思っております。
それで、今後の話としましては、1月にこのような公聴会ですとか、パブリックコメントですとか、そういうもろもろの御意見を踏まえた上で意見を再整理した形で基本計画をつくり直して、もう一回この場で御議論いただきたいと思っております。それで、案を固めて2月または3月で最終的に中央交通安全対策会議決定という形にしたいと思っております。
また、1月の第5回専門委員会議の前にもう一回、事前に皆さん方にも案を提示してまた御意見をいただくというプロセスを、パブリックコメントと並行しまして各委員の方々の御意見をもう一回聴取するという形をとりたいと思っております。
一応、今日の御意見の範囲でできる限りの修正をして一回パブリックコメントに出させていただいて、その後また委員の皆さん方の御意見を伺う機会を絶対に設けますので、そのときにまたいろいろと出していただければと思っております。
そういうことで、いつまでというわけではなくて、今日のところの御意見は今回すぐにやりますけれども、今後1月に向けてまたもう一度皆さん方の御意見を聞きたいと思っておりますので、じっくりと考えていただいて改めて意見を出していただければと思っております。以上です。
○太田座長 ありがとうございました。ということで、今日ここでいただいた御意見をベースにして、ただ、どうしてもパブコメにかける前にこのことはとか、あるいは間違っている点とか、そういうことがあればいただくということで、それに限定してということですね。今日の意見は、できるだけその中で対応できるものについては修正した上でパブリックコメントにかけるという形ですね。
○安部内閣府参事官 パブコメに間に合わなかったものにつきましても、1月までにもう一度皆さん方の御意見を踏まえてもう一回直しますので。
○太田座長 それで、公聴会、パブコメで出てきたものについてもまた加えた形で事前の案があって、そこに対して御意見をいただくというタイミングがあると思いますので、よろしくお願いたします。それでは進め方についてよろしいでしょうか。
御質問等がなければ、今日の進行でその他というのは今のことでしたでしょうか。
○安部内閣府参事官 はい。
○太田座長 そのほか、何か特に委員の方からございますでしょうか。
それでは、今後そういう形で進めますので、よろしくお願いしたいと思います。
では、私の司会の方はそこまでということにさせていただきます。
○安部内閣府参事官 では、今日の会議はこれで終了させていただきます。
どうもありがとうございました。