中央交通安全対策会議専門委員会議(第5回)議事録

【中央交通安全対策会議専門委員会議(第5回)議事次第】

日時:平成23年1月31日(月)13:00~14:30

場所:内閣府共用第2特別会議室

  1. 挨拶
  2. 議事
    • (1)第9次交通安全基本計画(案)について(自由討議)
    • (2)その他

【議事内容】

安部内閣府参事官 それでは定刻でございますので、一部委員は到着が遅れているようでございますけれども、「第5回中央交通安全対策会議専門委員会議」を開催させていただきます。
 本日は、大久保委員、三好委員、芳仲委員の3委員は所用等により欠席という御連絡をいただいております。
 それでは、資料の御確認をいたしたいと思います。資料1から5、それから参考資料の1から2というものを本日お手元に配らせていただいております。資料等について抜けている方があればおっしゃっていただければと思います。
 それでは、冒頭に内閣府の末松副大臣よりごあいさつ申し上げます。

末松内閣府副大臣 皆様、こんにちは。内閣府副大臣の末松でございます。会議の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。座ってお許しいただきたいと思います。
 太田座長を始めとする中央交通安全対策会議専門委員の皆様には、昨年の2月からこの会議に出席していただき、基本計画案の作成にご尽力を賜りまして、ありがとうございます。
 特に陸上交通におきましては、道路交通事故から24時間以内に亡くなられる方の数が10年間連続して減少しております。このような状況の中、2015年にはこの死者数を3,000人以下として世界一安全な道路交通を実現するという目標を立てるなど、皆様の助言等を踏まえ、基本計画案が形作られてきたものであります。
 今後につきましては、本日、皆様から御意見を賜りまして、3月に菅内閣総理大臣を会長とする中央交通安全対策会議において第9次交通安全基本計画として決定する運びとなります。政府としましては、今後、本計画に基づいて、陸上、海上、航空交通の各分野におきまして強力に施策を推進していきたいと思っております。
 本専門委員会の会議は本日が最後となりますけれども、委員の皆様方にはこの専門委員のお立場を離れた後もそれぞれにまたアドバイス、または御指導を賜われればと思っております。
 皆様にお力添えを賜りましたことに改めて心から感謝を申し上げ、副大臣としてのあいさつとさせていただきます。

安部内閣府参事官 それでは、副大臣は所用がありますので、ここで退席させていただきます。

(末松内閣府副大臣 退室)

安部内閣府参事官 それでは、お手元の資料の4でございますけれども、前回の議事録の関係でございます。既に各委員に紹介させていただき、御意見を反映させていただいておりますので、これにて御了承いただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

(委員 異議なし)

安部内閣府参事官 それでは、以下の進行を太田座長によろしくお願いいたします。

太田座長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。先ほどお話がありましたように、今日は専門委員会としては最後の会議ということで皆様に御意見をいただきたいと思います。
 それでは、早速ですが、議事の(1)第9次交通安全基本計画(案)について事務局の方から説明をお願いします。

安部内閣府参事官 では、資料1の第9次交通安全基本計画(案)を御用意いただきたいと思います。9月22日の前回の専門委員会議で中間案を示しておりまして、その後、専門委員の方々の御意見、それからパブコメ、公聴会を開いたところでございますので、国民の皆様からいただいた御意見等を踏まえて最終案を今回作成いたしました。それでは、前回との変更点を御説明することにしたいと思います。
 また、各個別の詳しい意見、それからその意見に対してどう対応したかにつきましては資料2、資料3というものがございます。資料2は専門委員の皆様方からの御意見、それからそれに対する対応、資料3につきましてはパブコメ、公聴会等で出された国民の皆様からの御意見の内容、それに対する対応をまとめたものでございます。詳しくは、こちらの方を御参照していただきたいと思います。
 では、資料1に基づきまして説明したいと思います。
 まず、2ページ目をお開きください。ページ番号2と書いたところでございます。上から6行目のところで「交通事故被害者等」とあります。前回は交通事故被害者につきまして表現がばらばらであるということがございましたので、ここで「交通事故被害者等(交通事故の被害者及びその家族又は遺族。以下同じ。)」という定義を置きまして、この表現ぶりを統一しております。
 次に、5ページをお開きください。5ページの一番下の行の「交通安全に関しては」の段落のところでございますけれども、従前、地方公共団体の果たす役割には大きなものがあるという表現でございましたが、委員の皆様の御意見を集約いたしまして「交通安全に関しては、様々な施策メニューがあるところであるが、それぞれの地域の実情を踏まえた上で」、6ページにいきますけれども、「その地域に最も効果的な施策の組合せを地域が主体となって行うべきである。また、交通安全は総合的なまちづくりの中で実現されていくものであるが、このようなまちづくりの視点に立った交通安全対策の推進に当たっては、住民に一番身近な地方公共団体である市町村の役割が極めて大きい。」という表現を新たに付け加えました。
 また、その3つ下の段落、「さらに」のところでございますけれども、防犯との一体的な取組みも必要だというような御指摘もありましたので、「地域の安全性を総合的に高めていくためには、交通安全対策を防犯や防災と併せて一体的に推進していくことが有効かつ重要である。」としております。
 また、その下の参考1でございますが、「道路上における死に至る危険性」につきましてはデータを新しいものに加えるとともに、前回、5年前の計画と比べて「道路上の危険は相対的に低下しているものの、その危険性は相変わらず高いものとなっている。」という表現を加えています。
 次に7ページへいきまして、参考2の「道路交通事故による経済的損失」です。今回、道路交通事故による経済的損失は年間で6兆7,500億円と算定されたところでございます。このうち、非金銭的損失というものを加えたのが今回のポイントでございますが、この非金銭的損失の解説を加えました。7、8行目ですが、「交通事故による痛み、苦しみ、生活の喜びを享受できなくなることなどの非金銭的損失を交通事故による損失と捉え、このうち死亡損失について算定したものである。」という記述を加えた。
 それから、この四角の下のところでございますが、交通事故死亡による1名当たりの損失額は約2.6億円であること、うち非金銭的損失は約2.3億円であることを明記したほか、今回できなかった非金銭的損失のうち負傷に伴う部分につきましては今後の課題ということでございまして、5年後の基本計画の際にはこの部分を含めて数字を出したいと思っているところでございます。
 次に8ページにまいりまして、警察の方で平成22年の交通事故死者数等を出したところでございますので、その数字を入れ込んでおります。平成22年中の24時間死者数は4,863人である。それから、「また」としておりますけれども、死傷者につきましては平成16年をピークに減少が続いておりますが、22年中は90万1,071人となったところであり、絶対数としては依然として高い状態で推移しているというところでございます。
 10ページにいきますが、「交通安全基本計画における目標」というものを真ん中辺に書いております。前回の案では、。①の部分が24時間死者数を3,000人以下という部分で止まっておりましたけれども、冒頭の4ページの1枚紙の表現と全部平仄を取りまして、「24時間死者数を3,000人以下とし、世界一安全な道路交通を実現する。」と書きました。これは、道路以外につきましてもすべてこの1枚紙とその目標に関する表現は語尾も含めまして平仄を取ることとしております。
 次に13ページにいきまして、歩行者及び自転車の安全確保でございます。我が国の状態別の死者数は平成20年から自動車乗車中を歩行中が上回りまして、歩行中が一番多いということでございますので、その部分の比率を書きまして明確にいたしました。
 それから、次の14ページにまいりまして、生活道路と幹線道路の関係でございます。まず最初の生活道路の部分の最後の方に「このためには」というところがあるんですけれども、「地域住民の主体的な参加と取組が不可欠であり、対策の検討や関係者間での合意形成において中心的な役割を果たす人材の育成も重要な課題となる。」ということを明記しました。
 続きまして、「また」としまして幹線道路の段落が始まりますが、ここは従前「成果を上げるマネジメント」を推進するとありましたけれども、成果を上げるマネジメントは手法として導入するということでありまして、施策としてはこの数行後に出てきます「事故ゼロプラン(事故危険区間重点解消作戦)」というものに新たに取り組むんだという形で、今回その施策名を新たに書いているところでございます。
 また、下の部分、生活道路に関するグラフをここにきちんとデータとして盛り込んでおります。生活道路における交通事故の割合が年々高まってきているということがわかるグラフとなっております。
 続きまして、16ページを御参照していただきたいと思います。今の「事故ゼロプラン」というものを新規施策として盛り込んだ関係で、この四角の枠囲みの中の重点施策及び新規施策の中で「事故ゼロプラン(事故危険区間重点解消作戦)の推進」ということを今回新たに盛り込んでいるところでございます。
 次に、16ページの最後の行のところでございますけれども、生活道路における対策ですが、「関係者間での合意形成の下」、17ページにいきまして、「様々な対策メニューの中から地域の実情を踏まえた適切な対策を選択して、その実施に取り込む。」という辺りを入れております。
 18ページにまいりまして下から3行目、「幹線道路における交通安全対策の推進」の中に、その最後の行から先ほど言いました「成果を上げるマネジメント」を導入して、事故ゼロプランというものを推進するという文章となっております。
 また、19ページの上から3行目におきまして「高規格幹線道路」というのは何かわかりにくいところがございましたので、括弧をしまして「(自動車の高速交通の確保を図るために必要な道路で、全国的な自動車交通網を構成する自動車専用道路であり、高速自動車国道及び一般国道の自動車専用道路で構成。)」という解説を加えました。
 21ページをごらんいただきまして、上から6行目ぐらいのところでございますが、高速道路の死亡事故防止のためには野生動物の進入防止を図ることが大事だというパブコメで出た御意見もありまして、「野生動物の進入防止」という文言が入っております。
 次に30ページに飛びまして、(10)の「道路交通情報の充実」の「ア 情報収集・提供体制の充実」の最後の行でございますが、全国の交通規制情報をきちんとデータベース化して国民に伝えることが大事だという御指摘がありましたので、データベース化の推進という表現をここに加えているところでございます。
 次に、33ページにいっていただきたいと思います。中ほどの「学校においては」の段落のところでございますが、障害のある児童生徒等に対しては、特別支援学校等において教育することが大事だとありましたので、「特別支援学校等において」という表現を加えております。
 また、その下2つの段落のところでございますけれども、交通安全教育・普及啓発活動の主体としましては、企業の役割が大事だという御指摘がありましたので、この2行目に「企業」という文言を加えているところでございます。
 39ページにいきたいと思います。39ページの下の方のイとしまして「自転車の安全利用の推進」がございます。この委員会の場でもありましたが、国民の方々からも特に自転車のルールの徹底ということがよく言われたところでございます。そこで最後の2行のところでございますけれども、「自転車安全利用五則」、これは平成19年7月10日に決定されたものでございまして、自転車は車道が原則、歩道は例外から始まる五則でございます。この自転車安全利用五則を活用するなどにより、ルールの周知・徹底を図るということを明記したところでございます。
 40ページの第2段落のところでございますけれども、自転車の加害者となる側面というものをきちんと言わなければいかぬとありましたので、「自転車は、歩行者と衝突した場合には加害者となる側面も有しており、交通に参加する者としての十分な自覚・責任が求められることから、そうした意識の啓発を図る。」という表現を加えております。
 次の41ページにおきまして、オの「反射材用品の普及促進」の中でございますが、反射材用品に加えまして夜間における視認性を高めるためには、自発光式ライト等の普及も合わせて図るということを入れました。それから、2つ目の段落ですけれども、従前はこのような反射材用品等は「特定の年齢層に偏ることなく」、という表現だったのですが、「全年齢層を対象として普及を図ることとするが、歩行中の交通事故死者数の中で占める割合が高い高齢者に対しては、特にその普及の促進を図る。」という表現を入れたところでございます。
 次に46ページにいきまして、(2)の「運営免許制度の改善」でございます。その第1段落の最後に「特に、聴覚障害者が運転できる車種の拡大に向けた検討を行う。」とあります。それから、1つ飛びまして2つ下の段落で「さらに」というところですが、その中で後ろに「特に、講習予備検査(認知機能検査)導入後の状況を踏まえ、受講者の負担軽減の観点から、高齢者講習の内容の簡素化に向けた検討を行う。」という表現を入れております。
 あとは、(2)におきましては、運転免許証の偽造を防止する等の観点からICカード運転免許証の導入を推進するという表現が従前の案にはあったのですけれども、このICカードの導入につきましては既に終了済みということで、今回の計画ではその推進するという表現を落としております。
 次に、48ページにいきたいと思います。中ほどの「オ 貨物自動車運送事業安全性評価事業の促進等」の項でございますけれども、国民にわかりやすくするということから括弧をしまして「(通称Gマーク事業)」と、よりわかりやすくするための文言を加えました。
 次に49ページでございますが、イの「国際海上コンテナの陸上輸送にかかる安全対策」といたしまして、国会への提出を検討している「国際海陸一貫運送コンテナの自動車運送の安全確保に関する法律案」の中身をより明確にするため、受荷主に対し、コンテナに詰められた貨物の品目等に関する情報をトラック事業者等に伝達することを義務付けるほか、当該コンテナの運送についてトラック事業者等が遵守すべき事項等について定めた」ものであるということを非常にわかりやすく表現を工夫しております。
 次に52ページにまいりまして、上のイの先進安全自動車(ASV)の関係でございますが、このASVについては一層の開発・普及が重要だという御指摘がありましたので、最初の段落の最後に「一層」という文言を加えたということのほか、その技術への過信は禁物だということもございますので1つ段落を加えまして、「安全運転の責任は一義的にはドライバーにあるが、今後、技術の親展にともないドライバーの新技術に対する過信などが原因で事故が発生する恐れがあるため、安全運転を支援するシステムについて、ドライバーの過信対策等について検討を進める。」という段落を追加しているところでございます。
 55ページに飛んでいただきたいと思います。自転車の保険の問題について、この委員会の場でも、また国民の場からもいろいろ問題提起されたところでございます。従前、各種保険の普及に努めるという表現があるのですが、より丁寧に「醸成するとともに」の次の、「近年、対歩行者との事故等自転車の利用者が加害者となる事故が増加傾向にある」という状況をきちんと書いた上で、そういう状況にかんがみ、「こうした賠償責任を負った際の支払い原資を担保し、被害者の救済の十全を図るため、損害賠償責任保険等への加入を促進する。」と、保険等への加入を促進することを強調した表現にしております。
 次に、60ページをごらんいただきたいと思います。60ページの(1)の「救助・救急体制の整備」のところでございますが、従前、災害医療チーム、DMATにつきましては後ほど64ページの「救急関係機関の協力関係の確保等」のところには記載があったのですが、これは救助・救急体制の整備の話でもあるのでここにも加えるべきだということがありまして、ここにも「及び災害医療チーム(DMAT)の活用等」という表現が加わっているところでございます。
 ちなみに、64ページの下を見ていただきたいのですが、64ページの最後に「なお、これらは道路交通に限らず、すべての交通分野における大規模な事故についても同様である」。「これらは」というのは救助・救急活動の充実という全体のことを指すんですけれども、特に鉄道、航空等についてはDMATの話は出てきませんが、すべてこのことは他分野においても共通のことだということをここで明記しているところでございます。
 次に、67ページをごらんいただきたいと思います。被害者支援の関係で下から3つ目の段落のところでございますが、1つ段落を追加しております。「平成20年12月に施行された」というところでございますが、この「「被害者参加制度」により、自動車運転過失致死傷を含む一定の犯罪について、被害者やその遺族等から参加の申出がなされ、裁判所が許可したときには、「被害者参加人」として、刑事裁判の公判期日への出席等ができることとされており、検察庁においては、同制度の適切な運用に努める。」という4行が追加でございます。
 69ページにいっていただきまして、8の「研究開発及び調査研究の充実」ですが、下から3行目、地方自治体への支援も大事だということの意見がありましたので、「地方自治体に対する技術支援や」という表現をここに加えています。
 次に、71ページを見ていただきます。中ほどの「ウ 安全運転の確保に関する研究の推進」という項目がございます。これは、前回の案の中では、この中でナンバープレート・封印のIC化に関する研究開発の推進という事項があったのですが、これにつきましては次年度の予算がつかなかったということですので、今回この表現はここから落としております。
 89ページに飛びます。「(2)海上交通に関する情報提供の充実」に「イ 気象情報等の充実」として、「海上交通に影響を及ぼす自然現象を的確に把握し、海上警報・予報及び津波警報・注意報並びに台風予報図、波浪の実況・予想図等の質的向上と適時・適切な発表及び迅速な伝達に努める。
 また、気象、津波等に関する観測施設を適切に整備・配置し、維持するとともに、防災関係機関等との間の情報の共有やITを活用した観測・監視・通報体制の強化を図るものとする。これらの情報のより有効な活用が図られるよう広報や講習会等を通じて気象知識の普及に努める」との項目を追加しております。
 次に105ページに飛んでいただきまして航空の関係でございますが、上から3行目のところで羽田空港につきましては早くて平成25年度中に年間発着容量44.7万回、成田空港につきましては早くて平成26年度中には年間発着容量30万回を実現するということの指摘を加えた上で、その下数行のところでございますけれども、「今後は羽田44.7万回化、成田30万回化に向けて、新たなセクター構成における運用の慣熟等を進める。」という文言を今回加えたところでございます。
 また、106ページにまいりまして、2つ項目が加わっております。このカとキのところでございまして、カの「飛行検査体制の充実」としまして、「羽田空港の更なる需要の増大を見据え、発着枠に規制にある羽後空港に設置されている飛行検査機拠点を他空港へ移転し、飛行検査体制の充実を図る。」という部分。それから、キの「将来の航空交通システムの構築に向けた取組」としまして、「欧米等において、国際民間航空機関(ICAO)の指針に基づく航空交通システムの長期的な計画が定められており、我が国においても、国際的な相互運用性を確保しつつ、長期的な航空交通需要の増加や地球環境問題等に対応するとともに、安全性の向上を図るため、将来の航空交通システムに関する長期ビジョン(CARATS)の推進を図る。」という文言を新たに2項目ほど加えたという点でございます。
 前回からの主な変更点は、以上でございます。

太田座長 ありがとうございました。事前にお送りさせていただいているようですけれども、今日改めて特に変更のあった点を今、説明していただいたわけです。
 それでは、これから質疑ということにさせていただきたいと思います。今日は最終回ということもございますので、できるだけ皆さんの御意見をお願いしたいと考えておりますが、とりあえずどなたからでも結構ですので発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 それでは、杉山先生お願いします。

杉山委員 あらかじめ送っていただいたもののページ数で言わせていただきます。今日のものに対応できていないかもしれません。
 今回は9次計の重点施策とか新規施策というものが括弧で明示されているものですから非常にわかりやすくて、そしてまたこれまで各委員の皆様方の御意見を最大限反映した原案になっているのではないかと思います。
 コンパクトにまとめようという工夫の後、十分苦労をなさったと思うのですけれども、それでも私はこれを通読いたしましたらやはり2時間では読めないんです。したがって、一般の方が全部読んでくれるというのはほとんど期待できませんので、是非概要版で趣旨が最大限に伝わるようなことをもう一度工夫いただければと思います。
 それでは、幾つか気が付いたところで主な点だけにします。
 まず、まえがきの表現で5段落の「しかしながら」のところの2行目の「今や事故そのものを減少させる」というのは「今や」ではなくてずっとのことなはずなので、ここだけ「今や」という表現を使われるとちょっと違和感を持つなと思いました。
 それから、道路交通に関して言いますと、今までの5か年計画と今回のもので大きく違ったのは、道路特定財源が一般財源になったということです。したがって、財政当局は必要のあるところに予算を付けるというのが建て前になっております。この計画案の中で重点施策の中に、自転車道の整備とか歩道の整備というものがいっぱい出てくるんです。ですから、そういうところに対してやはり国の予算を重点的に配分すべきだというようなことが述べられなくていいだろうかという感じがいたしました。
 それから、細かい点ですけれども、UTMS、ユニバサール・トラフィック・マネジメント・システム、これは何か所かに出てくるんですけれども、ここだけフルネームの解説がないんです。ですから、1か所であればいいと思うんですけれども、数か所に出てきましたので、ここも解説されたらどうかと思いました。
 それから、送られた62ページの7で「高速自動車国道等」と「等」が入っているんですけれども、「における救急業務実施体制の整備」ということで、ネクスコ各社と、それから本四会社が入っているんですけれども、首都高と阪高会社が入っていないんです。除いてしまっていいのだろうか。「高速自動車国道等」で、しかも本四が入っていますので、ここはちゃんと書いておいた方がいいのかなという感じがいたします。
 それから、これは私だけがこだわっているのかもしれませんけれども、「障害者」という表記の点です。実は、46ページには「障がい者」としたものをわざわざ「障害者」に戻している。これはハンディキャップを負った人たちがもう漢字でいいというように御判断いただいているのであればそれで結構だと思うんですけれども、あえて全部漢字で書いているということに対して何か理由があれば、それをお教えいただきたいという点でございます。
 ほかのところはコメントでございますので結構ですけれども、その障害者の点だけお教えいただければ大変ありがたいと思います。

太田座長 ありがとうございました。今6つくらいあったと思いますが、まず障害者の方はどうでしょうか。

安部内閣府参事官 それでは、答えなくてもいいという部分も含めてお答えさせていただきたいと思います。
 概要版につきましては、やはり国民にわかりやすいことが大事だと思っておりますので、正式決定する際には概要版も世の中に公表したいと思っております。
 また、まえがきの表現につきましては工夫したいと思います。
 それから、UTMSの注意書きについてもつくりたいと思っております。
 それから、救急体制については首都高、阪神高が入っていないことには理由があると思うんですけれども、それを確認した上で、もしもこれも含まれているのならば入れるようにしたいと思います。
 それから、「障害者」の表記ですけれども、これにつきましては前回もちょっと御指摘があって内部で検討しました。それで調べたところ、「障害者」と書くのが現状の政府としては統一方針ということですので、政府の方針に従ってきたところでございます。
 また、特定財源に絡みまして歩道の整備につきましては国交省さんから御説明いただけますでしょうか。

太田座長 財源等の関係で、新しい状況で何かコメントを入れた方がいいという御意見ですが、いかがでしょうか。

国土交通省(加藤室長) 国土交通省でございますけれども、今回の交通安全基本計画の性格を踏まえれば、余り具体的な予算にまで踏み込まなくてもいいのかなと、この中でそういったものの重要性等々を位置付けていただければ、こういったものも踏まえてそれぞれの各年度の予算が検討され、また事業が検討されていくのだろうと考えてございます。

太田座長 よろしいでしょうか。一応、全体についてお答えいただいたように思います。
 財源等の関係は、かなり一般財源化という話と、ここの全体がかなり地方自治体でいろいろ自主的にやってくださいという基調ですから、財源についてもそういう中で検討してほしいという趣旨が伝わっていればいいかと思います。そのほか、いかがでしょうか。
 それでは、佐々木委員どうぞ。

佐々木委員 前回いただいた基本計画の案の18ページの真ん中辺ですけれども、「また、交差点等に設置する通信装置と高齢者、障害者等が所持する携帯端末等」とあるのですが、高齢者というのは私などは65歳以上と思っているのですけれども、私の周りで結構年配の人は携帯を持っていないんです。それで、こういうものはどういうことなのかなと思ったんです。

太田座長 ちょっと実態に合わないという御指摘でしょうか。

佐々木委員 私の周りの人はほとんど携帯を持っていないので、今のところこれはぴんとこなかったんですけれども。

太田座長 これは状況でかなり増えているようにも思いますが、何か特別に書いた方がいいとか、消した方がいいという御意見はございますでしょうか。
 これは、消してもいいのではないかという御意見ですか。

佐々木委員 そうです。

太田座長 それでは、どうぞ。

警察庁(石田課長) 御指摘のような意見もあろうかと思いますが、障害者の方々が安心して歩道と信号のある横断歩道を渡れるように、限られた地域ではあるんですけれども、こういった信号機の整備も推進しておりまして、そういった信号機がある場所についてはできるだけそういった装置を活用していただけるように周辺の障害者の方、あるいは高齢者の方に携帯端末が使いやすいような努力は今後とも継続していきたいと思います。

佐々木委員 ありがとうございました。
 それから、27ページの「交通需要マネジメントの推進」というところで車の「相乗り」という言葉が使われているんです。いろいろなことがあってのことだと思うんですけれども、私も毎日車に乗るのですが、人を乗せるというのはなかなか難しいんじゃないかと思うんです。例えば、事故があった場合には「乗せていって」と言われるのと「乗せてください」と言われるのとでは重さが違ってくるとか、いろいろとそういうことも聞いているんです。
 それから、後部座席に人を乗せた場合に「シートベルトをしてください」と言っても「はい」と言ってしなかったりする人もいるので、この「相乗り」というものが私はすごく難しいんじゃないかと思うんです。

太田座長 私がお答えするのはあれなのですが、「相乗り」自身は既に一般的にやはりこういうことはいいということになっていまして、あとはむしろ運転するときにちゃんとルールを守りなさいというのと同じ話です。ですから、「相乗り」という言葉自体を載せることは全然問題ないと思います。
 ただ、それが実際にどの程度実効あるかというと別の話かと思いますが、何かございますか。
 そのほかもしありましたら一緒にと思いますが、よろしいですか。

佐々木委員 はい。

太田座長 今のことは、御意見を伺っておくということでよろしいでしょうか。
 それでは、そのほかにいかがでしょうか。では、どうぞ。

松岡委員 松岡です。今回の基本計画の基本理念の中に、まず究極的には交通事故のない社会を目指すべきだと書いていただいて大変よろしいのではないかと思っております。
 それから、2ページ目の方でも分業を図るということで混合交通を分離することが基本的には大事だと、これは私も常々思っていたのですが、そのことをここに明記していただいたこと。
 それから、「生活道路」という用語が各所に出てきて、そういう概念をかなり入れていただいたことを感謝しております。
 それから、ITの活用についても強調されていることは評価します。
 そのほかに少し細かいことも含んでおりますが、コメントさせていただきたいと思います。
 まず15ページです。上の方で、「死者数は諸外国と比較して約2~3倍となっており」という文章があるのですが、これは死者数の割合が2~3倍ですね。だから、誤解のないようにということです。
 それから、97ページの表記法ですが、数値目標の案がここに出ておりまして、5%増の35%というのと5%増の80%とありますが、これは30%を35%にし、74%を80%にするということで、5ポイントとかを増加させるという意味合いだと思います。ですから、誤解のないようにと思います。
 それから、76ページの一番下から3行目に「転落防止設備等の」とありますが、これはいわゆるホームにありますホームドアのことかどうか。そうしますと、近年非常にホームドアというのは普及もされてきておりますし、非常に大事な設備だと思いますので、こういうようなバリアフリー化の一貫でどうこうというような書き方ではちょっと弱いのではないかという気がしますので工夫をお願いしたいと思います。
 それから、81ページ、82ページで踏切事故のことが書いてありますが、この目標のところで踏切事故だけが数値的な目標にはなっていません。これは数値目標的にできるものなのかどうかということで、ゼロになっているところはゼロを目指すということでほかのところはある程度数値が入っているので、その辺を工夫していただきたいと思います。
 それから、その踏切事故の記述の中には事故の原因究明と分析ということが言及されていない、記述がないので、それは必要ないのかなということです。ですから、これも単純な事故なので分析の必要はないのかなという意味合いで書かなかったのかなと思っていますが、これをいろいろと分析してみると踏切事故でも見通しが悪いとか、警報器の警報の長さが不適切であったとか、いろいろあるらしいので、その辺のことも記述願えればと思っています。以上でございます。

太田座長 ありがとうございました。幾つか御意見が出ましたが、表現のわかりにくさといいますか、誤解を招くような表現については修正していただくということで、ホームドアの話、それから踏切についての数値目標あるいはその他に関する原因についてはいかがでしょうか。
 私もホームドアのことはやはり今の時代にこれを書いている言葉がないというのは非常に違和感を覚えたので、目標でホームドアを何%というのは難しいと思いますけれども、少なくともこういうものについて前向きにやっているんだということと、やる方向にあるということは記述しておいて、その上に更に転落防止と両方入っていてもいいと思います。それはそういうふうに思いました。その辺を含めていかがでしょう。

宮本委員 関連してよろしいですか。宮本ですが、前回欠席したのですけれども、今のホームドアのところを見させていただいてやはり同じ思いを持っていました。鉄道というのは専用軌道を走っているから安全なんですけれども、そういう例外のところがホームと、それから踏切なわけですね。
 それで、ホームの方もここに挙げてある非常停止押しボタンだとか転落検知マットというものは二次的な落ちた人への対策だけれども、究極の施策としてはホームドアということで、これは最近もいろいろ取り上げられていますが、やはりこれに向かって進むべきだということで、まずホームドアという言葉を明記してほしいという思いは一緒です。
 ただ、今度は事業者さんにとってはいろいろな制約があります。それをつくるのにはホームが非常に脆弱であって荷重を支えられないとか、あるいはいろいろなとびらのものが入ってくるとかということなので、ある部分は技術的なことで賄えるというか、援助できるというか、後押しできる面があると思うので、技術的な支援というか、そういうものを検討するような場をつくるとか、どこまで踏み込んで書けるかは別ですけれども、そういう技術支援、それから場合によっては補助的、資金的なものも含めてもう少し踏み込んで書いてもらえないか。
 要するに、5年の間にこの辺はかなり進展すると思いますので、5年後ということではなくて、この中に相当なものを盛り込んでいただければいろいろな後押しのモチベーションにはなるのではないかと思うのですけれども、いかがでございましょうか。

安部内閣府参事官 ホームドアに関しましては今日的な重要課題だと思っておりますので、より強調すべく国土交通省とも相談して踏み込んだ表現を検討していきたいと思っております。
 それから踏切道についてですが、国土交通省の方におきまして踏切については数値目標を示しにくいというような御意見がございました。国土交通省さんの方でもし補足の説明があるならばしていただきたいと思います。

国土交通省(七宮係長) まずホームドアの方からお話をさせていただくと、ホームドアにつきましてはこの中でどのような記載ができるのか、先ほど前向きな検討のために検討会の設置等も含めてどのような記載ができるのかを検討したらどうかというお話もありましたので、本文中にどのように記載するか、持ち帰って検討させていただきたいと思っております。
 また、踏切の部分につきましては単純な数値目標として今回はなかなか記載しづらいという点がありましてこのような表現にさせていただいたというところがございますけれども、委員の御指摘もあったところですので、今日持ち帰って検討させていただいて反映できるかどうかを調整させていただきたいと思います。

太田座長 ありがとうございます。そういうことで、いろいろと難しい点もわかりますが、まさに何年か前にバリアフリーでエレベータを付けるかどうかということと全く同じような議論だろうと思います。空間がないとか、いろいろなことがありましたけれども、やはりそれなりの数値目標をやりましたので、前向きに検討していただきたいというのが1点です。
 それから、踏切につきましては開かずの踏切ということで今、時間のうち何%ということしか考えていないんです。問題は、一番長く渡れない時間があって、同じ50%でも細切れに50%なのと、30分止まって30分開いているのとでは全然意味が違うわけですね。そういう種類の話がありまして、まだまだ検討すべき内容もありますので、その辺の表現もできましたら検討していただければと思います。

太田座長 ありがとうございました。そのほか、いかがでしょうか。どうぞ。

益子委員 益子ですけれども、63ページの一番上の行で救急医療体制の整備というところの一環で「24時間体制の救命救急センターの整備を進め」というふうに書いてあるのですが、今、我が国では全国で200か所以上の救命救急センターが配備されておりまして、この数を単に増やしただけでは問題は解決しなくて、今、一番問題なのは救命救急センター間での外傷診療能力に非常に差があるということでございます。
 したがいまして、ここは救命救急センターの整備を単に進めるということではなくて、救命救急センターの外傷診療能力を強化し、評価事業によりその質の向上を図るというふうに変えていただくことを御検討いただきたいと思っています。

安部内閣府参事官 関係省と相談して検討してみます。

太田座長 そのほかいかがでしょうか。それでは、久保田委員どうぞ。

久保田委員 久保田と言います。5ページの下から6ページの頭にかけて記述を追加していただいたということで、先ほど御説明いただいたところですけれども、私は前回欠席しましてこの経緯がわからないまま、この結果だけを見て気付いたところを申し上げます。
 まず、この5ページの一番下の行から始まる文章を読むと、基本的にまちづくりというか、人優先の道路とか、例えば生活道路のようなイメージを強く受けるわけですけれども、「市町村の役割が極めて大きい」というのは恐らくそういう道路のことですね。だから、例えば自専道とか幹線道路の交差点の話ではないと思うんです。
 ただ、5ページの一番下の冒頭は「交通安全に関しては」というかなり一般的な言い方で始まっているので、ちょっと読んでいて違和感がある。だから、5ページの一番下から2つ目の段落の「特に、我が国では」云々となって、歩行者、人優先の話が3行書いてあって、恐らく特にこういう事故に関する交通安全に関してはというふうにつなぐおつもりだったと思うので、この5ページの一番下の行の冒頭にちょっとつなぎの文言が要るのではないかというのが1つです。
 それから、同じところで「市町村の役割が極めて大きい」というのは全く大賛成で、書いていただくのは大変私は賛成なのですが、同時にちょっと感じるのは、同じぐらい身近で、現にいろいろな活動をされている警察署の方々のことがここに表現されていないので、それは御検討の余地があるのではなかろうかと思うのです。だから、ここに市町村と警察署と並べて書くのがいいのか。それとも、その次の行の「その上で、行政、学校、家庭」と書いてあるところに列挙していただくのもいいかもしれないけれども、現地、現場で頑張っておられる警察署の方々の役割についてもここで言及していただくといいのではないかと思いました。
 最後に、国の役割です。ここだけではなくて後で出てくる特に生活道路の関係で、国の役割というものが私は非常に大事だと思っております。ただ、こういう時代になってきてなかなか直接的な関与が、特に市町村道は難しくなっているというふうに私は認識した上で申し上げているのですけれども、今までもやってきたような、例えばノウハウの提供とか、いろいろな形の支援ですね。そういうものについての役割は決して小さくならないと思っているので、少なくともこの6ページの辺りにも国の役割の重要性について言及していただけると、私はありがたいと思っています。
 別の箇所で1か所だけ、もう一つ気付いたところがあります。14ページに2つのグラフが載っております。それで、両方とも死者数に関して、恐らく生活道路の問題を提起されている図だと思うんですけれども、どこかに書いてありましたが、死亡事故で言うと幹線道路の率が非常に高いわけで、恐らく生活道路の事故の対策の重要性を言うとすれば、やはり死亡事故だけではなくて事故件数とか死傷者まで含めた表現の方が生活道路の事故の重要性というか、深刻さをアピールしやすいと思います。ですから、この図のどちらかでいいので、事故件数とか死傷者数に変えていただく方がよいのではないかと思いました。以上です。

太田座長 ありがとうございました。5ページ、6ページの表現でもう少し工夫の余地がないかという話と、それから国の役割あるいは警察署みたいな形の役割分担ですね。
 それから、対象としているのが幹線的な道路についてと市町村の役割みたいな、その辺の記述がわかるような明確化ということなのでしょうか。
 それから、14ページについては死傷者数あるいは事故件数というようなデータがもしあれば、そちらの方に一部変えた方がいいんじゃないかということです。これは少しデータを見ていただくということでよろしいでしょうか。

安部内閣府参事官 御指摘の方向で検討したいと思います。

太田座長 ありがとうございました。そのほか、いかがでしょうか。
 それでは、蓮花委員どうぞ。

蓮花委員 46ページの(2)の「運転免許制度の改善」の高齢者講習のところの下から3行目に「受講者の負担軽減の観点から、高齢者講習の内容の簡素化に向けた検討を行う」ということなのですけれども、このまま読むと受講者の負担軽減で高齢者講習を縮小するような感じを受けてしまうのですが、そもそも高齢者講習を導入して全員に対して講習するとものすごい国民負担を課して、それは非常に高齢ドライバーの事故というものは危機的な状況だという認識で実施されたと思うんです。ですから、こういう教育というのはどんどん負担軽減で減らすことは可能なんですけれども、そういう誤解というか、イメージを受けてしまうので、高齢者講習は改善しないといけないことは幾つかあるかなとは思うのです。
 それで、全員に対して同じ教育をすべきかという議論もあります。特に高齢者も個人差は大きいので、病的加齢の場合と正常に健康な高齢者の場合の違いというものはあります。そういうものを踏まえて、特に必要な人の場合には必要な教育なり対策を立てないといけないと思いますので、そういう高齢者講習の再構築とは言い過ぎですけれども、見直しみたいなものは必要だと思うのですが、内容の簡素化だけをここで出してしまうと本当の改善につながるのかなという気が1点しました。
 高齢者講習が今は2回、3回くらいだと思うんですけれども、これからむしろ増えてくると、継続して3年置きに受講というか、受けた場合の診断結果みたいなものの流れを見ていって、落ちましたねとか、そういう議論をして、そのような教育とか指導みたいなものを行える場として活用するようなことが必要なのではないかと思います。1点だけです。以上です。

太田座長 ありがとうございました。確かに簡素化という言葉だけだと、安全との関係がちょっと疑われる可能性もありますね。大きくいろいろとそういうことを含めて全体的な見直しということでしょうね。

蓮花委員 背景は私も理解しているので、高齢者が増えていって一方で教習所はちょっとずつ縮小していく中で、どうやって今の教育をずっと維持するかというと、かなり不安というか、難しいところは当然あるという背景は理解しているつもりです。

太田座長 よろしいでしょうか。表現について、もしあれでしたらどうぞ。

警察庁(入谷課長) 今、蓮花先生がおっしゃられたように、ここで念頭に置いているのはまさに個人差が高齢者によってもありますので、能力のある方は必要な能力を補う。それで、足りない方はもっと深く講習するというような形のことを考えております。
 ただ、それを今、対外的な言い方としてはこういうような言い方で言っておると思いますので、御指摘を受けてどういう表現が可能かどうか、もうちょっと検討させていただきたいと思いますが、そういうことでよろしゅうございますでしょうか。

太田座長 よろしいでしょうか。御趣旨はよくわかりますので、検討いただければと思います。そのほかいかがでしょうか。
 それでは、渡邉委員お願いします。

渡邉委員 毎回見ていながら、気が付かなかったことが1つあります。大きなことで、用語の使い方です。ITが何度も出てきますね。それで、ITのところの日本語を当てているのが「情報通信技術」なのですけれども、「情報通信技術」と言うとICTの方が使われやしないかと思うのです。国でも、例えば総務省ではICT政策大綱などをやっていますので、その辺の用語の当て方というものがちょっと気になりました。
 それで、この計画の中でも「情報通信技術」と言っているところと「情報技術」でITを当てているところがあって不統一なんです。ですから、ちょっとその辺のところが読んでいて、どちらかに統一すればいいということかもしれませんけれども、言葉の使い方で表に出る言葉なので気になりましたので、ちょっとその辺のところを見ていただければと思います。

太田座長 ありがとうございました。そのほか、いかがでしょうか。

岡野委員 岡野でございます。3点ほどございます。
 まず、先ほど久保田先生が言われた14ページです。生活道路における合意形成において、1段落目の最後の行ですが、「中心的な役割を果たす人材の育成も」と、これは大変結構なことなのですけれども、これだけだとまだ漠然としている感じがするので、どういうふうにだれが育成するのかというようなことがもしできれば欲しいという気がするんです。
 例えば、これは私の思い付きのイメージですけれども、民間のウェザーニュースという天気予報の会社がございますね。あそこにサポーターがたくさんいるわけです。天気予報はいろいろレポートをしてインターネット上にぽんと載るわけですけれども、なるべく皆が参加できるような形式にした方がいいのかなというようなイメージですが、そんな気がします。
 それからもう一つは教育の件なのですが、36ページ辺りの交通安全思想の普及の徹底というところです。36ページの2段落目の「高等学校においては」というところです。これはこのとおりで大変結構で、こういう記述をしていただいたということは非常にうれしい限りなのでございますが、では実際はどうなのか。例えば高等学校の学習指導要領を見ますと、保健の中に一応交通安全というものが入っているんです。それで、2単位で数項目入っているものですから、実際には交通安全のことができるのはせいぜい2時間くらいかなと思うんです。
 それで、私立の特に進学校ですと、それだけで多分終わっちゃうんです。ここに書いてあるような記述のことは多分実現はできないだろうと思うんです。ですから、それをもう少し踏み込んで文科省さんから何か御指導をいただけるとよろしいのではないかという気がいたします。
 それから、次は52ページで車両の安全性でございます。ASVが発達していくのは大変結構なことです。ところが、一方、ここにも記述がございますけれども、人間がそれについていかないというところがございます。それで、現に今ABS装着車がほとんど義務化されて100%に近いことなのですけれども、ではABSを果たして本当に100%の人が使いこなせているのかというと、これははなはだ非常に疑問なわけです。聞くところによると、横滑り防止装置も何年か先に義務化されるというようなことも聞いております。そうすると、もっとよくわからない。私みたいな専門家ですと、横滑り防止装置は必要だなということは認識するんですけれども、一般の方々はなかなかそこまで認識できないんじゃないかと思うんです。
 そこで、下に書いてある自動車アセスメントの中でそういったことを、衝突安全だけではなくてもっとどんどん広報していただいて周知徹底するような方向に持っていくような、そういったこともこの中にちょっと盛り込んでいただけると大変ありがたいという気がいたします。以上です。

太田座長 ありがとうございました。3点ということですが、基本的には内容をもう少し具体化してほしいという趣旨だったと思います。もしございましたらお願いします。

安部内閣府参事官 1点目の人材育成の関係と3点目のASVの関係につきましては表現の工夫を考えたいと思います。
 高校生の関係でございますが、36ページのところですね。今、御指摘いただいた部分でございますが、その次の段落の「高等学校における交通安全教育を計画的に実施し、効果的なものとするため」というところです。これは新年度の予算措置として計上したものでございますけれども、「自転車の安全な利用等も含め、安全な通学のための教育教材等を作成・配布するとともに、交通安全教室の推進、教員等を対象とした心肺そ生法の実技講習会等を実施する。」ということで、新年度にこういう予算を立てて実効的なものにするためにこういうことも文科省として努力しているところでございます。
 文科省さんから何か補足説明があればお願いいたします。

文部科学省(石田補佐) 文部科学省です。今お話がありましたように、新年度に向けていろいろ考えておりますので、内容等についてはここに記載しているものを実際にどのように進めていくかについては各学校の方で計画を立てて進めることになっておりますが、そういった計画に基づいて進めるに当たって文科省としてもさまざまな施策を打ちながら充実を図るような形で進めていきたいと思っております。

太田座長 よろしいでしょうか。そのほか、いかがでしょうか。

藤森委員 藤森です。34ページの(1)番の「段階的かつ体系的な交通安全教育の推進」の2段落目の「幼稚園・保育所においては」というところで、現在政府の方が幼稚園と保育園を一体化しようとかというところの中で、こども園というものがもう一つできるかもしれないということになると、少し現在進行形で確定的なことは言えないのかもしれないですが、もう一つ何か違う幼児とかが入る施設ができるとすれば、「など」にするのか、そういうところを今後5年の間に変わる可能性があるとすれば入れていただきたいと思います。

太田座長 これはよろしいですね。

安部内閣府参事官 はい。

太田座長 ありがとうございます。そのほか、お気付きの点がございますでしょうか。では、お願いいたします。

三国委員 三国です。36ページの先ほどちょっと文部科学省の方がおっしゃったことで、「高等学校における交通安全教育を計画的に実施し」というところです。今、私どもは高校生と関わっているんですけれども、実際にルールとかは結構わかっているんです。それで、高校生は実際に私たちの地元ではこの道をどう走ればいいかという指導が大事で、そのときに高校生が自分たちで例えばそういう教材をつくるとか、そういうことの取組みを高校でもやりたいという動きもあるので、そういうことを支援する。文部科学省の方で何かをつくって渡すのではなく、自主的にその地域に合った自転車の走り方とか、この交差点ではこうするべきだというような自主的教材づくりみたいなものを支援するということは入れられないものでしょうか。

太田座長 かなり具体的な御意見ですね。

三国委員 そういう教材だけではなくて、そういう活動支援的なことも入れられないものでしょうか。

文部科学省(長岡調査官) 今のお話を聞いて、高校生にとっていわゆる効果的な手法の一つであるとは感じました。
 ただ、やはり国と地方の役割とか、文部科学省の立場とか、いわゆる役割分担などを含めて具体的に財源的な措置をしてそういった手法を進める形とか、例示的にモデル的にやっていくかとか、そういった情報を文科省例で集めて広く周知するとか、さまざまな方法が出てくると思いますけれども、結論から言うと役割がいろいろ出てくると思います。それも考えながら、先ほど言ったようにさまざまな施策の中で高等学校の教育の充実を考えていきたいと思いますので、まだここに盛り込むということよりも、今後こういった具体的に進めていく中での考えていく視点として受け止めさせていただきたいと思います。

三国委員 ありがとうございます。

太田座長 よろしいでしょうか。本文の中には、実技指導等を含む実践的な交通安全教育の充実を図ると、一般論で書かれていますから、そういうところに入れるとすると今度はほかのことも入れなければいけないかと思いますので、バランスの問題があろうかと思いますから御検討いただくということでよろしくお願いいたしたいと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。では、小浦委員どうぞ。

小浦委員 全般的には中間のときにいろいろ御説明いただいて理解したと思うのですが、今日見せていただいて幾つか気になったことがあります。
 1つは、最初の基本理念のところの「交通事故のない社会を目指して」というときの前提が、人口減少と超高齢化社会ということが主に挙げられているんですけれども、恐らく環境の問題は大きくて、多分環境に対して自動車の利用を減らしていくとあったり、自転車の利用であったり、あるいは歩行者、歩いて暮らせるような町にしていこうとか、そういった環境からの交通移動の手段の変更みたいなことが結構その前提としてあるような気がします。それは、この5年という意味では大きく変わらないかもしれませんが、前提として自転車の問題などというものもこれから大きくなっていく中の一つとして、なぜ自転車を使っていくのかということを考えると、少し環境的な視点というものは社会的動向の前提として入ってもいいのかなというふうに感じました。それが1点目です。
 それから2点目は、先ほど久保田先生もおっしゃられた5ページ、6ページ辺りの地方自治体とまちづくりの議論のところです。唐突に入っている感じで、先ほど出ているような役割分担論的なこともあるかとは思うのですが、ここで言っているまちづくりというのは一体何なんだろうというのがその後の文章の中で余りうまくつながっていないようなところもあるかと思います。
 久保田先生が御指摘されたつながりもそうなんですけれども、同時にまちづくりという言葉を使うのであれば交通対策が単なる施設対応だけではなくて、やはり使い方であったり、あるいはまち全体の構造を変えていくという中でまちづくりと連携していくというようなニュアンスが出ると、先ほど歩道整備のときに財源の話が出ていましたが、15ページのところで施策パフォーマンスの話が書かれておりますけれども、恐らく単体の事業でパフォーマンスをこれから見ていくのはまちづくりには難しいというか、余りそういうものがいいとは思いません。
 むしろ全体のまちづくりだったり、地域整備の中で、あるところではまちづくり交付金のような割と交付金型の全体整備の中で環境を整えていくことによって安全性が高まるというパフォーマンスの図り方ではないかというような気もしますので、もしここでこれまでのような歩道整備であったり、道路整備であったりという事業単位の安全対策あるいは技術開発というだけではなくて、地域整備をどうしていくのかとか、どういうような移動の体系をつくっていくのか。その中に自転車はどういう役割を担うのかとか、そういった計画論的な、これは長期的なので今回5年でどうということはないと思うんですが、動向としてはそういう動きがあるわけでして、何かマイナス的な「施策パフォーマンスの追求」ではなくて、もう少し積極的にまちづくりの中での安全対策というものとして総合的な施策の中でパフォーマンスを図るというような視点が出る方が前向きでいいし、将来的な個別事業対策でない計画的な環境整備というようなことにもつながっていくんじゃないかと思います。

太田座長 ありがとうございました。2つ、重要な指摘かと思います。
 最初の環境の視点というのはすべての施策になっていると思いますし、特にこういう問題は交通事故はいわゆる持続可能な発展の中のやはり一つの大きなテーマが安全ということで入っていますから、そういうものを含めて多少説明をそのバックグラウンドに示した方がいいということと、5ページ、6ページのまちづくりがやや唐突というのはそう言われてみると確かにおっしゃるとおりかなと。
 ここで今まで我々が議論した中では、やはり交通安全を通してコミュニティを育てるとか、それが防犯にもつながるとか、多様な視点を持ちながら地域とその人との関わりを深めていく。そういうことを通して、やはり生活道路の安全もいくのではないかという意識が皆さんにあったかと思うんです。だから、多少その辺の説明を加えていただくことでいいのかなという感じがしました。何かもしございましたらどうぞ。

安部内閣府参事官 まず1点目の環境の関係につきましては、24ページのところです。これは自転車の部分なのでございますけれども、24ページの「(5)自転車利用環境の総合的整備」の中の最初の出だしですが、「クリーンかつエネルギー効率の高い持続可能な都市内交通体系の実現に向けて、乗用車から自転車への転換を促進する。」という記述があります。基本理念にもこの辺のところの趣旨が入るような表現を工夫したいと思います。
 それから、総合的な施策全体の中でこの交通安全を実現していくんだという委員の御指摘の気持ちでさっきの文章を入れたんですけれども、それがパーツ、パーツでうまく反映されていないということがありますので、そこら辺の思想がもっと随所ににじみ出るように直せる範囲で直したいと思います。

太田座長 では、お願いいたします。

小浦委員 生活道路というのは、単体で安全性というものを確保する空間ではないと思うんです。つまり、歩道整備ができるような幅員を持っているようなものが生活道路ではなくて、そこにどういうような暮らし方があって、先ほどコミュニティという議論もありましたけれども、どういう目が届いてとか、どういう施設配置の中でその道路が使われるかといったようなかなり計画論的な対応というものが求められる安全性だと思いますので、そういった趣旨が少し出て、それでこの5年間ではこういうふうなことをしたいというようなつなぎがあればいいのではないかと思います。

太田座長 趣旨は非常にわかりますので、またアドバイスもいただきながら修正といいますか、検討させていただければと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。では、赤羽委員どうぞ。

赤羽委員 関連してよろしいでしょうか。今のまちづくりによる交通安全なるご提案は、たとえて言うならば今までの交通安全対策が対症療法だったのを、体質を改善して病気にかからないようにするということだと思います。
 ただ、今ある安全に関する基準だとか指針をすべて満たしていれば、安全な道路ができるかというと必ずしもそうではない。わかっていないことがあるから事故多発地点が再生産されているという側面があるわけです。今までの、あるいはこれからの個別の対症療法的な安全対策の経験を積み重ね、まちづくりの考え方に活かしていくという側面もあってしかるべきだと思います。以上です。

太田座長 ありがとうございました。御意見ということでよろしいでしょうか。では、どうぞ。

宮本委員 今の総合的にといいますか、環境問題も引っくるめてというふうなお話があったのですけれども、今のこの報告書というのは道路があって、鉄道があって、船があって、飛行機があって、それぞれ頑張りましょうというトーンですが、私などのような鉄道をやってきた人間としては、これは環境問題でも安全問題でもモーダルシフトである部分は動かした方がトータルの安全性は増すのではないかとよく思っているんです。
 そういう視点を今回のこういう最終段階になって入れてくれと言ってもちょっと無理だと思うので言いませんけれども、長期的にはそういう視点というものは是非必要だと思うんです。この辺は、日本全体の交通の安全を増していくという観点でそういうモーダルシフト的なことというのはどうお考えなんでしょうか。

太田座長 その辺の表現が、これには必ずしも明示的にはなっていないという御意見でしょうか。何かございますか。

安部内閣府参事官 今のお話の最後ですが、交通安全対策という施策だけではなくて広く交通全般にかかるお話かなと思っております。国土交通省の方においても、交通基本法というような法律を今この国会に出そうということで検討していると聞いておりますけれども、やはりその交通基本法の中、または新しい基本計画の中で交通全体の体系はどうあるべきか。その持続可能な我が国にするために交通はどういうふうにあるべきかという議論がなされるものだと思っております。

宮本委員 では、上のフェーズでそういう議論がされたものを、こういう場ではそれを基に議論をするということなのでしょうか。こういう下から上げていくというふうなこともあり得るのではないかと思うのですけれども。

太田座長 この辺はむしろ計画の基本理念とか、まえがきの中で、我々はこういう認識をしているということでもし合意ができればある程度そういう大きな方向はあるけれども、一応あるということにして、ここに持続可能性の話もいろいろ出てくるかと思うんです。その中で、現在の仕組みの中でやるとすればこういうことになるというのが今回議論したことだろうと思います。
 ですから、委員のおっしゃることは非常に根本的なことでもありますし、一つの大きな現在の使い方について考えるというような言葉が最初に入っているということだろうと思います。これは一般論かと思います。

赤羽委員 関連してよろしいでしょうか。行政が体系としてどう方向付けるかかということも、重要です。けれども、これから安全に関しては、国民一人ひとりの意識の向上が不可欠だという側面も考慮すべきでしょう。つまり、各交通手段はいろいろな特徴があり、また一つの手段では人々のいろいろな要求を満たせないわけです。一人ひとりが、どういう状況でどのような移動手段が必要かということを、安全性との関係でもよく考えて選択するという意識も必要だと思うのです。そういう視点があってもいいでしょう。

太田座長 赤羽委員の御指摘も、やはり一番基本的な考え方のスタンスの置き方ですね。その辺は、表現の最初の計画の理念辺りにその種のことが盛られている。答えがある問題ではないと思いますが、方向性としてそういうことはやはり認識した上で我々は毎日の生活といいますか、行動すべきだということを含めて記述するということで、少し検討させてくださいというようなことでよろしいでしょうか。そのほか、御意見はございますでしょうか。
 それでは、私の方から質問を兼ねてということですが、先ほど要旨要約の件は杉山先生と私も全く同意見で、やはり概要版といいますか、それをどうつくるかというのはかなり重要だと思いますが、今日までうまく準備できなかったということもありますので、私としましては是非それを出していただくということで、わかりやすくてメリハリのついたものを出していただいて、それを確認していただくというよう形でこの後、進めさせていただければと思います。
 それから、多少細かいことになりますが、先ほど来年度予算が付かなかったからとりやめたという趣旨のことがちょっと気になったのですが、これは5か年の計画であって来年は予算が付かなくてもその後、復活の努力はしていただくという意味で、ナンバープレートの電子化みたいな話ですね。少なくとも外での説明に対して、来年度の予算だけでウェートを付けたといいますか、これから付けようという記述を残した、残さないというのはちょっとおかしな話になろうと思うんです。いろいろとこれから5年間やる中には当然来年度予算の付いたものもあるし、付かないものがあってもいいと思うので、その説明の仕方をどうするかということが1つです。
 それから、内容的に今、出てきたプレートナンバーの電子化みたいな話についての記述も、やはりその種のことで検討が必要だというものは残しておいてほしいというのが私の個人的な考えです。
 それからもう一点、気になりましたのが、私はやはり生活道路の問題というのは非常に大きいと思っていまして、今回かなり大きく取り上げていただいてよかったと思うのですが、記述でその具体的な施策の中で時速30キロというようなことを一応書いていただいております。それはいいのですが、それを受けた具体的な整備の施策の中に、交通速度制限等についての記載が必ずしも明確に出ていないというような感じがしました。
 具体的には、17ページに一般論としてあるわけです。それを受けて、それぞれ22、23、前の古い方の原稿なのですが、それに効果的な交通規制の推進とか、そういう一般論としてありますけれども、速度規制の中でやはり生活道路的なものについての低速のもの、あるいはちょっと古い方で見ているのですが、22ページの交通安全施設等整備事業の推進という中で、例えば「あんしん歩行エリア」というようなことが書いてありますね。
 これは非常にいいと思うのですが、その中の施策にやはり速度制限みたいなものをきちんとやろうとか、何かそういう言葉なり、面的には速度規制について区域規制というものは非常に効果があるかと思いますが、そういうことで多少最初にこういうことが必要だといったことと、それを具体策に下ろすところのつなぎで、具体策の方に下りてしまっているものが幾つかあるかなと。そういうものにつきましては、最初の来年度の予算どうこうということとは別に、5年間の中でやはり検討を進める種類のことがほしいというのが私の感じたところです。
 それから、ホームドアのお話は先ほど出ましたので御検討いただければと思います。
 そのほか、今日特にまだ発言していらっしゃらない方はいかがでしょうか。尾形委員、どうでしょうか。何か御意見はございますか。

尾形委員 いろいろなことを入れていただいて感激しています。
 1つあるとしたら、大学生の記述が甘過ぎるかなと。蓮花先生のやった調査でも大学生たちは自転車ですが、少し大学生のところが甘いかなと思いました。もう少し厳しく、あとは自分たちでちゃんと考えてやれと、自主的にやることを求めるくらいのところが必要ではないかと思います。
 あとは、いろいろなことを入れていただきましたので。

太田座長 ありがとうございました。あとは、松岡委員からは御発言ありましたか。

松岡委員 先ほど冒頭に質問しましたけれども、それではもう1点ついでに、17ページのところです。
 今、委員長からも速度制限のお話があって、17ページの段落の3つ目になるのでしょうか。「道路管理者においては」ということで、ハンプとかクランク等で速度制限というような具体的な記述があります。前にもちょっと申しましたけれども、要するにIT技術を使って強制的に最高速度を抑えてしまうという技術がありまして、それはいろいろと問題があって導入はなかなか技術的にはできてもできないという状況にあるのですが、その辺も少し目指すとか何とかということで、具体的な記述を入れていただけると方向性としてはうれしいと感じております。

太田座長 ISA技術等のことだと思いますが、そういったこともどこかに記述ができないかということですね。ありがとうございます。そのほか、いかがですか。

宮本委員 すみません。ちょっと気になったのですが、104ページの下3分の1くらいに2番として「航空交通環境の整備」というものがあって、その中に(1)で「予防的安全対策の推進」、これはちゃんと「安全」という言葉が入っているんです。それで、(2)番が「航空交通サービスの充実」と、タイトルに「サービス」というものが前面に出てきて、その次のページを読むと発着容量を増やしても心は安全なものをつくるよと、いろいろそういう安全のことについて列記されているんだろうとは思いますけれども、タイトルだけ見るとサービスの充実と思ってしまうのですが、これは安全を確保したとか、何か修飾語でも入らないですか。

安部内閣府参事官 御指摘はごもっともだと思いますので、航空局と相談したいと思います。

太田座長 ありがとうございました。そのほかございましたらよろしくお願いします。
 それでは、蓮花委員どうぞ。

蓮花委員 今、思い出して1点だけ、文章等のことではないのですけれども、71、72ページに研究調査の充実強化ということで、高齢者に関する安全性の研究プロジェクトで、EUのプロジェクトの準備におまえも参加しないかということで今、準備に関わって、うまくいくかどうかはわからないんですけれども、そこでEUの人たちから言われたのが、3つデータを用意してくれ。1つは事故データ、1つは行動とかのデータ、もう一つがモビリティデータというもので、このモビリティ、高齢者のモビリティのデータベースというのは日本が余りないんです。余りないというか、ほとんどないと言ってもいい。
 それで、アメリカとかヨーロッパは2年に1回、かなりの量でちゃんとして、それをデータベースとしてオープンにしているんです。そういう制度があると高齢者の安全などの研究にも非常に役に立つと思いますので、どう書くかとか、あるいはここの問題なのかという問題はありますけれども、一度また御検討いただければと思います。
 私ども、必要性は感じているのですが、なかなか個人の研究者では遺憾ともし難いレベルですのでよろしくお願いします。

太田座長 ありがとうございました。非常に基本的なもので、海外ではナショナル・パーソン・トラベルデータとか、そういうような言い方でやっているものですね。日本では都市についてだけ多少やっていますけれども、農村とか今、問題になっているところでのモビリティの問題、特に交通基本法が問題になっていくとそういう種類のデータを全体としてバランスよく取っておかないとちょっと難しいんでしょうね。是非御検討いただければと思います。そういったことも、いろいろなこれからの研究の中に入れておいていただければと思いますが。
 そのほか、お気付きの点はございますでしょうか。
 それでは、一応いろいろな御意見をいただいたということですが、今後の取扱いですね。今日さまざまな御意見をいただいて、表現上の工夫だけではない話がちょっとございますので、その辺をどういうふうに進めるかですね。
 それからもう一つ、要約、概要版についてどういうお考えかということだけ確認させていただければと思います。

安部内閣府参事官 参考資料の1と参考資料の2というものがございます。
 参考資料1というのは、中間案を御審議していただいた後、10月に公聴会を開きましたが、その公聴会の際に配布したものでございます。その中間案の時点のものを要約したものでございますけれども、ひとつ最終的にこの基本計画ができ上がった際に国民にわかりやすく提示するものとしましてこのような中間案、もう少しめり張りを付けて強調すべきところは強調するとか、そこら辺の作業は必要かと思っておりますけれども、イメージ的にはこんな感じのものを最終的な基本計画としてつくってそれを公表したいと思っているところでございます。
 それから、参考資料の2を見ていただきますと、まずこれまでの経緯としまして22回まで4回にわたる会議を開催していただいたこと、今日は5回目です。それから、パブリックコメントを10月5日から11月4日にかけまして22人の方から意見が出てきたこと。また、公聴会としてこれを公募したところ、6人の方から申込みが会って6人の口述人に意見陳述していただいたという過去の経緯です。
 それから、今後の予定でございますけれども、今日の御意見を踏まえまして再度事務方で調整しまして、また各省と協議して最終の案を固めたいと思います。それで、最終的に決定する前に民主党の方の与党手続というものが必要でありまして、内閣部門会議等で御審議していただくことになりまして、今のところ2月の中旬ぐらいのタイミングで考えているところでございます。そこで、今の御意見を踏まえまして3月の中ごろの閣議の前後になろうかと思いますけれども、総理大臣を座長といたします中央交通安全対策会議というものでこの基本計画を最終的に決定となっておりますので、総理をヘッドとする関係閣僚会議で3月の中ごろには正式決定、その際には内閣府としましては国民にわかりやすい概要版も合わせて公表するという形で進めていきたいと思っております。
 今日御欠席の委員もいらっしゃいますので、その方々には一両日中に御意見があれば出してくださいというお願いをするつもりであります。
 あとは、意見の集約は事務局の方と、できれば座長の方に御一任という形でさせていただければと思うのですけれども、座長、そういう形でいかがでしょうか。

太田座長 ありがとうございます。そういうことで、概要版についてはイメージですが、この中間案の概要をまとめましたので、大体こんなイメージで、10ページ以内で図表を含めた形でまとめるということで考えていらっしゃるということですが、それに対してもし御意見がございましたらということです。
 それから、今後のまとめ方です。今日の結果を踏まえて案をつくっていただきまして、更にまた今日欠席の方を含めて多少御意見があるとすれば、今週中にやはりいただいてということでないと間に合わないですね。

安部内閣府参事官 できれば、一両日中にお願いしたいと思います。

太田座長 一両日中にそれをいただいて、今週中に一応全体のまとめ案をつくって相談させていただく。そして、特に今日の御指摘の中でお気付きの点があったら代替案といいますか、もしありましたらいただければそれも検討させていただくということで案をつくって、多少やり取りをさせていただくかもしれませんが、全体のまとめの方は座長に一任ということでよろしいのかどうかということを確認させていただきたいと思います。
 最初に概要案といいますか、こういうものはこういう種類のイメージで何かこういう工夫をしてほしいとか、その辺がございましたらお願いいたします。これは、でき上がって発表するのは3月中旬の計画が決定された後ということですね。その予定でいらっしゃるということですか。

安部内閣府参事官 同時か、閣議決定後、速やかにということです。

太田座長 そういうことで、できれば概要案も進めてこういうことでどうですかということをメールでちょっと回す程度でしょうか。それは、やるとしても今週末から来週ということになってしまいますね。

安部内閣府参事官 この場で御意見があれば出していただければ助かりますし、また、何かありましたら近日中に、概要版の方はまだ少し余裕がありますので。

太田座長 もし今の段階で概要案について御意見等がございましたらお願いします。
 それでは、これを含めまして今後のまとめ方ということで、やはり今日、更に御意見等がありましたら一両日中という御要請がありましたので、それでいただいて、それを含めて案をつくっていただいて、座長として私が確認する。そして、こんなふうになりましたということをお配りして、特にこれはおかしいよとか、根本的なことがありますと困りますので、それは確認するという形で進めさせていただくということでよろしいでしょうか。

(委員 異議なし)

太田座長 ありがとうございます。それでは、一応そんな形で進めさせていただくことでお願いいたします。
 それでは、事務局の方で何か更にございますでしょうか。よろしいでしょうか。

安部内閣府参事官 本日をもちまして専門委員会議は最後でございますので、最後に座長の方からごあいさつがあればいただきたいと思います。

太田座長 それでは、まだ多少修正等がどうしても残りますけれども、専門委員の皆様には誠にありがとうございました。
 大変重要な課題を、ある意味ではインテンシブですが、膨大な資料を、しかもいろいろな分野にわたっておりますので、必ずしも全体に目を通すというのは難しいということで私の不慣れな点もございましたけれども、これから新しい計画案があるだけということではしようがないので、これをやはり実際に実効あるものにするということは一番大事なことかと思いますので、皆さんにおかれましてもこの案が決まった後、進行状況をやはり是非見守っていただいてまた御意見をいただければと思います。どうも本当にありがとうございました。

安部内閣府参事官 それでは、本日はこれで散会させていただきます。どうもありがとうございました。お世話になりました。