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交通事故被害者の支援 第5章 交通事故被害者支援関係者の対応

II.危機介入

 交通犯罪によって傷を負ったり、あるいは大切な人を亡くすという体験をすると、人は大きな衝撃を受け、うつろな状態となり、判断力もなく心身ともに危機状態に陥る。
 このような危機状態を、個人の力だけで乗り越えることは困難である。そのため、できるだけ早く周囲からの支援を得られることが望まれる。警察での事情聴取や保険会社との交渉をはじめとする関係機関などとの対応、病院での付き添い、遺族であれば通夜・葬儀など、次々に対応を迫られる。
 そのうえ、自分だけでなく家族の生活を支えるために、仕事や家事全般も今までのように行っていかなければならない。
 被害直後は、家族、親類、近所の人、親しい友人などが日常生活を手伝うなどして被害者を支える場合が多いが、刑事司法や精神面での専門的な知識を持った支援者が必要とされることも多い。そのため、被害直後から犯罪被害相談員による適切な支援が必要とされる。早い段階から適切な支援を受けた被害者は、被害回復も早いといわれている。


1.被害直後の支援

 被害直後の支援としては、自宅や病院へ訪問し、被害者の気持ちを受け止めつつ情報提供を行うことが中心となる。
 犯罪被害相談員は複数名の派遣を原則とし、役割を分担し、協力し合いながら対応する。さまざまな情報提供をしながら、被害者が安心感や安全感を持てるような対応をすることで、被害者自身が少しずつ感情や行動をコントロールする力を取り戻していけるような関わりを目指す。

(1) 最初に会うときの心構え
 最初に会うときは、混乱の中にいる被害者に対して、犯罪被害相談員の存在自体を認識してもらうことを考える。そして、被害者のおかれている状況や問題点の把握に重点を置く。
 具体的には、被害者の心身の状況(ケガ、睡眠、食事など)、心理状態、生活状況、周囲からの支援状況、被害者が希望していることなどを把握する。その後、被害者が回復するためには、支援のどこに視点を当てたらよいかを考える。
 被害者自身、今自分に何が必要なのか理解できない状態におかれている場合が多いため、その後は積極的に、それでいて押しつけにならないような形で、被害者への働きかけを行い、信頼関係を築けるよう配慮することが大切である。


イラスト


(2) その後の接触での心構え
 複数回の接触のなかで、被害者が自分の感じる怒りや悲しみ、自責の念などを表出してくるときは、それを当然のことと受け止め支持することで、安心して気持ちを出せるようにする。
 それと同時に、被害者の状況に応じて、被害者を支援するために必要な関係機関、関係者などと連絡をとり、適切な支援が提供できるよう調整することも支援者の大きな役割である。必要なときに多方面から円滑に協力が得られ、適切な支援が提供できるように、日頃から関係機関・団体や専門家、既存の被害者支援連絡協議会との連携を密にしておくことが重要である。
 支援に当たっては、必要以上のことを背負い込んだり、できるかどうか分からない約束をしたり、支援者個人の価値観を植えつけたり、評価をしたりということがないように気をつける。
 被害者と適切な距離を保ちつつ支援を行うためには、「被害者の意思の尊重」と「支援者の判断による積極的介入」との間で、微妙なバランスを保つことが要求される。また、被害直後の被害者に関わることは、支援者にとっても衝撃が大きいため、事例検討や支援者自身のメンタルケアも十分に行われなければならない。


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