交通事故被害者の支援 第6章 交通事故被害者および家族・遺族の会の役割
(社)被害者支援都民センターでは、被害者遺族の求める支援を把握するために、平成13年1月に犯罪被害者遺族73名を対象にアンケート調査を行った。その結果は以下のとおりである。
1) | 被害からの年数の経過とともに希望する支援内容にも変化が出てくる。事件直後には、日常生活全般にわたる支援、捜査、司法に関する情報提供や精神的支援など多くの支援を必要としている。 |
2) | 被害後1年くらい経過した頃から、同じような被害者と話しをしたいと考えるようになり、仲間を求める人が増えてくる。 |
3) | 精神的な支援や経済的支援、家事手伝いなどは長期的に必要とされ何年経っても被害者の心の傷は癒(いや)されることはないから、長期にわたる継続的支援が必要とされている。 |
1) | 被害直後の遺族に対しては、支援者側が積極的に介入し、適切な時期に適切な支援を提供できるようにする必要がある。 |
2) | 精神的支援として、身近なところで安心して電話相談・面接相談を受けることができる体制づくりと、必要に応じ専門家の治療が受けられるシステムづくりが必要である。 |
3) | 多くの遺族は、同じ仲間との交流を求めているので、身近なところで参加できる自助グループを各地に設立するための支援と、その自助グループを効果的に運営するための支援が必要とされている。 |
4) | 現在不足している家事手伝いなどの日常生活支援や、経済的支援については、既存の福祉関係機関との連携を密にし、サービスを提供するシステムをつくる必要がある。 |
5) | 希望する支援内容は、被害から1年以内と1年以上経ってからではやや異なる傾向があるから、支援機関は事件直後の短期支援サービスおよび長期支援サービスのプログラムを用意する必要がある。 |