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交通事故被害者の支援 第6章 交通事故被害者および家族・遺族の会の役割

X.(社)被害者支援都民センターの自助グループ参加者の声

◇ 清沢郁子さん

 1) 自助グループへの思い
 かけがいのない息子を失った悲しみだけでなく、司法の不条理や世間の遺族に対する誤解や偏見、これらを個人の問題として受けとめるのはあまりにも過酷で悲惨なものでした。
 自助グループの存在は癒しだけでなく、活動を通して私に生きる喜びや自信を取り戻してくださいました。
 2) 被害者支援センターへの希望
 都民センターのキャンペーンに参加している55名の犠牲者たちの無言の訴えには、その命に流れていた多くの先人たちの幸福な未来への願いや祈りも含まれているはずです。私たち一人ひとりが痛みを共有することで、加害者も被害者も生まれない"安全で、信頼できる豊かな人間関係と社会"が一日も早く構築されることを心から願っています。

イラスト


◇ 石杜朝子さん

 1) 自助グループへの思い
 ある日突然、被害者遺族となり、その悲しみや辛さ、悔しさを嫌というほど味わいつつも「助けて」と叫んでいました。センターを知り「助けてもらえる」と思えました。もっと早く知っていたら、あんなに辛い思いをしなくてすんだかもしれません。感謝しています。
 2) 被害者支援センターへの希望
 これからの社会で犯罪が減ること、被害者が減ることを祈りたいです。最愛の人を亡くしたというだけでこれ以上辛いことはないのに、周囲から受ける二次被害は想像以上に被害者遺族を苦しめるということを、皆さんに理解してほしいです。

◇ 久保田由枝子さん

 1) 自助グループへの思い
 大事な息子は、飲酒運転者に命を奪われた。23歳だった。苛立ち、悔しさ、寂しさを背負いながら、人前では気合いを入れて生きている。ストレスを蓄積する。同じ思いの遺族との交流では、安心して言葉を発することができる。そのとき私は癒され、生きる力を与えられている。
 2) 被害者支援センターへの希望
 被害直後は大変なパニックに陥り、何をどうしたらいいのか全く検討もつきませんでした。私の心は揺れ動き、いつ爆発してもおかしくない状態になっていました。そのようなときに、支援者の方々に出会えました。心温まる言葉や刑事裁判についてのアドバイスをいただき、落ち着いてきたのを覚えています。「飲酒運転をなくしましょう」と強く言いたいです。もう誰にもこんな悲しい、辛い思いはさせたくありません。

◇ 鈴木共子さん

 1) 自助グループへの思い
 自助グループに参加することは、不条理な体験を共有できるというだけで、大いなる慰めであった。それだけにとどまらず、それぞれの痛みは痛みとして抱えながら、愛する家族の死を無駄にしないために、できることを手探りで行動しようとする自助グループの仲間にエールを送りたい。
 2) 被害者支援センターへの希望
 事故や事件に巻き込まれる可能性は、誰にでもあります。他人ごとではありません。でも、身近に起きなければ実感できないことでもあります。
 被害者になって、この世の不条理にはじめて気づきます。行政、司法、立法でも加害者ばかりが保護されて、被害者はあまりに冷たい現実を知ることになります。最近になってこうした支援組織が次々に作られていますが、もっと皆さんに知られる存在になってほしいと思います。

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