平成9年版 交通安全白書
交通安全白書は、交通安全対策基本法第13条の規定に基づき、政府が毎年国会に提出している年次報告で、今回の「平成9年版交通安全白書」は、去る6月6日の閣議決定を経て、国会へ提出されました。これは、昭和46年の第1回報告以来27回目の報告になります。
この白書の内容は、陸上(道路及び鉄軌道)、海上及び航空の各交通分野ごとに、近年の交通事故の状況、平成8年度に国が行った交通安全施策及び平成9年度において実施すべき各般の交通安全施策の計画について記述しています。
また、近年の道路交通事故の状況に鑑み、年齢層別事故死者数が平成5年以降連続して最多となっている高齢者に焦点を当て、「高齢者の交通事故の状況とその対策」として重点的に記述しています。
- 道路交通における平成8年中の交通事故死者数は9,942人と前年より737人減少し、9年振りに1万人を下回り、平成9年までに1万人以下とする第6次交通安全基本計画(平成8年度~12年度)の第一段階の目標を1年早く達成できました。
しかし、事故発生件数(771,084件)は4年連続で過去最悪の記録を更新し、負傷者数(942,203人)は2年連続で90万人台となるなど、依然として厳しい状況にあります。 - 道路交通における平成8年中の交通事故死者数の内訳をみると、
- 年齢層別では、すべての年齢層で前年より減少し、特に若者(16歳~24歳)が2,125人と大幅に減少(291人減)した。また、高齢者(65歳以上)も3,145人で9年振りに減少(95人減)したが、4年連続最多の年齢層であり、若者(21.4%)及び高齢者(31.6%)で全死者数の過半数を占めている。
- 状態別でも、すべての状態で前年より減少し、特に自動車乗車中が前年より大きく減少(261人減)したが、依然として4,289人と最も多く、全死者数の43.1%を占めている。
- 高齢者の状態別では、自動車乗車中が増加を続けており、2年連続で自転車乗用中を上回り、歩行中に次ぎ二番目の多さとなっている。
- 自動車乗車中の死者のうち、シートベルト非着用の死者数が、前年より大幅に減少(267人減)し、特に若者の減少(140人減)が大きい。
政府は、平成8年度を初年度とする第6次交通安全基本計画に基づき、道路交通においては、年間の死者数を9千人以下とする次の目標達成に向けて、高齢者の交通安全対策の推進、シートベルトの着用の徹底、安全かつ円滑な道路交通環境の整備などの各種施策を、国民の理解と協力を得ながら、国・地方公共団体・関係民間団体等が一体となって、一層強力に推進していきます。
また、一度事故が起きると多数の死傷者を出すおそれのある鉄軌道、海上及び航空の各交通分野においても、道路交通と同様に人命尊重の理念の下、適切かつ効果的な交通安全の諸施策を官民一体となって強力に推進していきます。
交通安全白書の概要
- 定価:2,900円(税別)
- 7月中旬刊行
(目次)
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英語版については、WHITE PAPER ON TRAFFIC SEAFETY'97 IN JAPANをご覧ください。