平成22年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況
平成23年度 交通安全施策に関する計画
(概要)

トピック

自転車交通に関する欧州現地調査及び国民アンケート結果について

<1>調査概要

内閣府では,平成22年度,自動車交通の総合的な安全性向上策に関する調査検討委員会を開催し,欧州諸国における自転車の交通安全に係る先進的な取組み事例,国民の自転車利用実態及びルール遵守状況等に係るウェブアンケートを実施した。実施結果は以下の通り。


<2>欧州諸国における自転車の交通安全に係る先進的な取り組み事例調査

自転車交通の安全性が高い又は先進的な取組みを行っているオランダ,デンマーク,ドイツ,フィンランド,フランスの5ヶ国において国,地方自治体,関係団体等を訪問し,各国の取組み等に関するヒアリングを実施。

〈欧州における主な取組みの例〉

欧州調査において把握した主な取組みの例として,以下の事項が挙げられる。

・生涯にわたる交通安全教育プログラム

親からの教育が基本という認識のもと,未就学期において,親と子供の両方に対して交通安全教育を実施している。さらに,専門家や教会などからのアドバイス・教材支援が得られることもある。

また,理解力と従順さをあわせもつ小学校3・4年生に重点的に教育プログラムを実施していることが多い。


・明確な走行方法の指定


明確な走行方法の指定

デンマークでは,自転車は基本的に自転車専用道を通行することとなっている。また,車道においては,自動車と同一のルールに従うこととなっている。ただ,一方通行道の路面を塗装等を行い,自転車が逆走することを許可している場所もある。


・安全性に配慮した自転車利用空間整備


安全性に配慮した自転車利用空間整備

交差点での巻き込み事故防止のため効果が高い取組みとして,自転車の停止線を自動車よりも数m前に設定することが各地で積極的に行われている。(写真はデンマークにおける例)


<3>国民の自転車利用実態及びルール遵守状況等に係るウェブアンケート

インターネットアンケートにより,地域別年齢区分別人口分布に応じ,全国の18歳以上の男女2,000人(自転車利用者:1,500人,歩行者又は自動車利用者:500人)の回答を得た。

〈国民アンケートの主な結果の例〉


図表 自転車利用のルール(原則として「自転車歩道通行可」の標識のない歩道を通行してはいけない)の認知度及び遵守状況

※本アンケート調査は我が国における大まかな傾向を把握することを目的として実施したものであり、サンプル数や収集方法の観点で、必ずしも我が国の実態の代表値として統計的な信頼性が確保されているとは限らない。

<4>我が国における自転車交通の安全性向上策について

<2>及び<3>の調査結果を踏まえ,我が国における自転車交通の安全性向上策として考えられる事項は以下の通り。

・保護者に対して,子どもの交通安全教育への参画機会の提供,子どもへの教え方の普及を図ることにより,保護者等による未就学児,児童等への反復指導を促進することが有効である。

・交通ルール・マナーの遵守を促すため,自転車乗用時の事故リスクを認識させるスケアード・ストレイト等の教育技法の活用が有効であり,自転車安全利用五則等について更に普及啓発を行うことも必要である。

・地域住民が主体的に参画し,まちづくりの観点や地域毎の事故,自転車利用実態を踏まえて,リスクの低い通行方法の検討や,自転車通行空間の確保を進めることが重要である。