平成22年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況
トピック
ITSスポットサービスの全国展開
トピック
ITSスポットサービスの全国展開
ITSスポットは、平成23年1月末の首都高湾岸線全線でのサービス開始を皮切りに、同年1月から3月にかけて全国の高速道路を中心に約1,600箇所でサービスが受けられるようになった。(なお、東日本大震災の発生により、東北、関東(NEXCO東日本管内)及び新潟についてはサービス開始を延期。)都市間高速道路については、約90箇所のジャンクションの手前も含め、おおむね10~15kmおきにITSスポットが設置され、都市内高速道路については、約4kmおきに設置されている。また、21年秋より、民間各社から対応カーナビが販売されており、これにより、全国で様々なサービスが受けられるようになった。ITSスポットでは以下の3つの基本サービスを実現している。
- <1>
- ダイナミックルートガイダンス
- <2>
- 安全運転支援
- <3>
- ETC
<1> ダイナミックルートガイダンスとは、県境を越える広域な高速道路や様々なルートが考えられる都市圏内の高速道路の道路交通情報をリアルタイムに配信することで、カーナビが最速のルートを検索し、その時々の最新情報に従った最速ルートが賢く選択されるサービスのことである。
ITSスポットでは、道路延長で最大約1,000kmの道路を対象に、区間ごとの所要時間のデータがカーナビに提供されている。このデータを用いて、カーナビが随時最速ルートを計算して案内することが可能となった。
<2> ITSスポットでは、各道路の交通安全上の課題に合わせて、安全運転支援の情報も提供することができる。例えば、首都高速では、落下物等が年間約5万件(10分に約1件)も発生しているが、交通管制センターで収集した情報をITSスポットで一斉通報し、障害物の手前の適切なタイミングで事前に提供することで、ドライブ中のヒヤリを減らすことができるものと期待されている。
また、事故多発地点でカーブ先等の見えない渋滞などを注意喚起することで、追突事故を削減することが期待される。なお、首都高速で最も事故が多発している参宮橋カーブにおいて、カーナビだけでなく道路情報板等でこれらの情報を提供するなどの対策をとったところ、約6割の事故削減効果があった。この外、雪や霧等の天候及びトンネル内の渋滞を画像で知らせることも可能となった。
<3> ITSスポットサービスは、ETCと同じ通信技術を活用しており、対応カーナビを用いることで、従来のETCのサービスも受けることができる。
なお、ITSスポット対応カーナビの通信は国際標準によるものであり、アジアを始めとする国際展開も可能であるため、我が国の産業の成長への貢献も期待されている。