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東日本大震災の被災地における交通安全啓発活動の状況について

震災等緊急雇用対応事業費による活動

東日本大震災及び原子力発電所事故の被災地では,従来と異なる環境での生活や復興事業に伴う交通事情の変化等のために,住民が交通事故に遭う危険性がこれまでよりも高まっていることが危惧されている。

このため,被災各県では,震災等緊急雇用対応事業費で「交通安全指導スタッフ」を雇用し,仮設住宅居住や高齢者を中心とした交通安全指導・広報啓発事業を実施している。

自治体間で協力して交通安全啓発活動

また,国道等主要道の交通量が復旧・復興・支援活動に伴い例年を上回る状況であることから,岩手県と宮城県の県境において,両県の交通安全関係者が通行車両に対し啓発物品等を配布する「三陸ボーダレス作戦」を実施するなど,自治体間で協力して交通安全啓発活動に取り組む例も見られている。

国道45号の宮城、岩手両県の県境付近での「三陸ボータレス作戦」

高齢者安全運転推進協力者養成事業

内閣府では,高齢者の安全運転の普及を促進するために参加・体験・実践型の交通安全教育を行う「高齢者安全運転推進協力者養成事業」を実施しているが,平成25年には福島県と岩手県の自動車教習所で同事業による交通安全教育を実施し,仮設住宅に避難されている高齢者交通安全ボランティアなどの参加も得て実施した。

高齢者の行動特性等の学習 教習車を使用しての実地研修

福島県等における仮設住宅入居者等への交通安全啓発活動

依然として約13万8千人(平成26年2月末現在)の被災者が避難を余儀なくされている福島県では,仮設住宅入居者等への交通安全啓発事業として,福島県交通安全母の会連絡協議会の協力も得て,子どもや高齢者等を対象とした交通安全教室を開催するとともに,交通安全母の会会員による避難者世帯への戸別訪問活動を行い,夜光反射材やチラシを配付しながら仮設住宅周辺での交通事故防止を呼び掛ける事業を実施している。

交通安全教室の様子 仮設住宅への訪問活動

この事業は平成24年度から実施されており,これまでに交通安全教室が8箇所の仮設住宅で実施されたほか,戸別訪問活動については延べ58箇所の仮設住宅において実施され,地域コミュニティが希薄になっている仮設住宅等における交通安全啓発活動に成果を上げている。

また,他の被災地である岩手県及び宮城県においても同様に,交通安全母の会等による交通安全啓発活動が行われている。

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