トピックス
高齢者の交通安全対策について
「交通安全フォーラム」について
内閣府では,昭和56年から交通安全に対する国民の意識の高揚を図ることを目的に全国各地で「交通安全フォーラム」(平成21年までは「交通安全シンポジウム」)を開催している。
平成25年11月,香川県高松市で開催した交通安全フォーラムでは,第9次交通安全基本計画の策定の際に専門委員であった帝塚山大学副学長・心理学部教授の蓮花一己氏より,高齢者の行動特性について基調講演が行われ,運転免許を持っていない高齢者は歩行時・自転車乗車時に左右の確認不足などの危ない行動を取る傾向が強いこと,運転免許を所持していても自動車等の運転時に潜在的な危険の予測に弱点が見られ運転能力の低下も正しく把握できていないこと等が事故の一因となっていることから自動車等を運転する者は50~60歳代のうちに教習所のリフレッシュ教習を受け,自分の運転の悪い癖などに気づいて改善するとともに,歩行者や自転車利用者も安全講習を受講することが大切であるとの指摘がなされた。
引き続きの有識者等を交えたパネルディスカッションでは,香川県における高齢者の交通事故抑止への取組として,ドライブレコーダーを活用した高齢者対象交通教室,高齢者世帯訪問事業など交通事故を防ぐ様々な活動が紹介されたほか,高齢者の交通行動に配慮することや夜間歩行中の事故を抑止するためにも歩行者等の反射材の活用及び効果的な普及方策の必要性が提言され,交通安全について社会全体での取組が必要であることが改めて確認された。
【政府ホームページ掲載先】
「平成25年度交通安全フォーラムの開催結果」については,下記ホームページに掲載している。
https://www8.cao.go.jp/koutu/keihatsu/forum/h25/result.html
高齢者に対する交通安全対策について
警察においては,高齢者等の通行の安全と円滑を図るとともに,高齢運転者の増加に対応するため,信号灯器のLED化,道路標識の高輝度化等を推進している。また,高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成する道路においては,道路横断時の安全を確保する機能を付加したバリアフリー対応型信号機等の整備を推進している(1編1部2章1節2)。
高齢運転者に対しては,更新時講習における高齢者学級や高齢者講習等において,高齢運転者の運転特性や交通事故の特徴等に応じた講習を行っている(1編1部2章3節2)。
また,関係団体等と連携し,交通安全教育を受ける機会のなかった高齢者を中心に家庭訪問による個別指導等を行うとともに,高齢者に対する参加・体験・実践型の交通安全教育を積極的に推進している(1編1部2章2節1)。
(事例)
歩行者用・自転車乗車用シミュレーターを用い,高齢者から高齢者に対して安全教育を行うことで,相互啓発により,危険行動等について高齢者の理解を促す効果的な交通安全教育を実施するため,高齢者指導員(シニア・リーダー)に認定された者が交通安全教育を行い,受講者から新たなシニア・リーダーを育成する自立的な交通安全教育サイクルの構築を目指し,「歩行者・自転車乗用者の交通安全教育のためのシニア・リーダー育成モデル事業」を実施した。(実施都県:福島県・東京都・埼玉県・千葉県・岐阜県・岡山県・愛媛県・福岡県)