II 計画の概要

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第2部 海上交通の安全についての施策

1 海上交通環境の整備

船舶の大型化,高速化,海域利用の多様化,海上交通の複雑化等を踏まえ,船舶の安全かつ円滑な航行,港湾における安全性を確保するため,航路,港湾,漁港,航路標識等の整備を推進するとともに,海図,水路誌,リアルタイム海潮流データ等の安全に関する情報の充実及びITを活用した情報提供体制の整備を図る。

海上交通に影響を及ぼす自然現象について,的確な実況監視を行い,適時・適切に予報・警報等を発表・伝達して,事故の防止及び被害の軽減に努めるとともに,これらの情報の内容の充実と効果的利用を図るため,第1部第1章第3節で述べた施策を講じる。また,波浪や高潮の予測モデルの運用及び改善を行うとともに,海上における遭難及び安全に関する世界的な制度(GMDSS)において最大限有効に利用できるよう海上予報・警報の精度向上及び内容の改善を図る。

高齢者,障害者等すべての利用者が安全かつ身体的負担の少ない方法で利用できるよう配慮した旅客船ターミナルの施設の整備を推進する。

国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律(平16法31)に基づく国際港湾施設の保安措置が適確に行われるように実施状況の確認や人材育成等の施策を行うとともに,港湾施設の出入管理の高度化等を進め,港湾における保安対策を強化する。

  1. <1> 海上交通環境の整備
  2. <2> 海上交通に関する情報提供の充実
  3. <3> 高齢者,障害者等に対応した旅客船ターミナル等の整備
  4. <4> 港湾の保安対策の推進

2 船舶の安全な運航の確保

海事関係者の知識・技能の維持向上や安全な運航に係る体制を確立することにより,船舶の運航面からの安全の確保を図る。

そのため,船員,水先人,旅客船事業者及び内航海運業者の資質の向上,船舶の運航管理等の充実に関する運航労務監査の強化,外国船舶の監督の推進,重大事故発生時の再発防止対策等を実施するとともに,事業者の経営トップの主体的な関与の下,現場を含む組織が一丸となって安全管理体制を構築し,国がその実施状況を確認する「運輸安全マネジメント制度」の充実を図る。また,船舶所有者が自主的に船員災害に係るリスクアセスメントとPDCAサイクルという一連の過程を定めて継続的な改善を行うことにより安全衛生水準の継続的かつ段階的な向上を図る「船内労働安全衛生マネジメントシステム」のガイドラインの普及促進等を図る等,船員災害防止に向けた計画的な取組を行う。

また,海難の再発防止や被害の軽減に資するよう,引き続き的確な原因究明を行う。

  1. <1> 船舶の運航管理等の充実
  2. <2> 船員の資質の確保
  3. <3> 船員災害防止対策の推進
  4. <4> 水先制度による安全の確保
  5. <5> 外国船舶の監督の推進
  6. <6> 最新の航海機器の導入等

3 小型船舶等の安全対策の充実

漁船,プレジャーボートなどの小型船舶等による海難が海難全体の7割を占めることから,マリンレジャー愛好者,漁業関係者が自ら安全意識を高めることに加え,安全に運航できる環境の整備及び救助体制の強化が不可欠である。

このため,ボートパーク等の整備,ミニボートの安全対策,水域の秩序ある利用,ライフジャケットの着用及び発航前点検等小型船舶操縦者の遵守事項の周知・啓発,ヘリコプターを活用した機動救難体制の充実等を推進する。

さらに,船員災害防止基本計画及び船員災害防止実施計画に基づき,高年齢船員や漁船等の死傷災害防止対策を推進する。

  1. <1> 小型船舶等の安全対策の推進
  2. <2> ライフジャケット着用率の向上
  3. <3> プレジャーボート等の安全対策の推進
  4. <4> ボートパーク,フィッシャリーナ等の整備
  5. <5> 漁船等の安全対策の推進
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