平成26年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況

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第2編 海上交通

第2章 海上交通安全施策の現況

第9節 船舶事故等の原因究明と再発防止

1 事故等の原因究明と再発防止

船舶事故及び船舶事故の兆候(インシデント)に関し,当該事故等が発生した原因や,事故による被害の原因を究明するための調査を行い,調査で得られた知見に基づき,国土交通大臣又は原因関係者に対して勧告等を実施するとともに,事故等調査の過程においても,海上交通の安全に有益な情報については,タイムリーかつ積極的な情報発信を行い,船舶事故等の防止や事故による被害の軽減に努めた。

また,事故等調査を迅速かつ的確に行うため,各種調査用機器の活用による分析能力の向上に努めるとともに,過去に公表した事故等調査報告書のデータベース化や各種専門研修への参加等により,調査・分析手法の蓄積・向上を図った。

さらに,公表した事故等調査報告書の概要や分析結果の解説等を掲載した定期情報誌を発行し,船舶関係者等に広く提供した。

事故情報等を電子地図から検索できる「船舶事故ハザードマップ」に,国際的な船舶の安全航行に資するよう,世界7ヵ国(オーストラリア,フランス,オランダ,イギリス,アメリカ,ニュージーランド及びカナダ)の事故情報等を加えて,平成26年4月にグローバル版の運用を開始し,27年2月にはさらに4ヵ国(インドネシア,ドイツ,ノルウェー及びバハマ)の事故情報等を加えた。

また,アジア船舶事故調査官会議(MAIFA),国際船舶事故調査官会議(MAIIF)等への積極的な参加を通じて,国際協力体制の構築を推進したほか,国際海事機関(IMO)における各国の船舶事故調査報告書の分析に係る会合に参画し,事故の再発防止に役立つ教訓を導き出す作業に貢献した。


2 海難事故の解析等の推進

独立行政法人海上技術安全研究所に設置されている「海難事故解析センター」において,国土交通省海事局,運輸安全委員会等における再発防止対策の立案等への支援を行うため,事故解析に関して高度な専門的分析を行うとともに,重大海難事故発生時の迅速な情報分析・情報発信を行っている。


3 海難審判による懲戒処分等の状況

平成26年中に行われた海難審判の裁決は計339件であり,海技士若しくは小型船舶操縦士又は水先人の職務上の故意又は過失により海難が発生したとして,業務停止254人,戒告170人の計424人を懲戒処分とした。

懲戒を受けた者を免許種類別にみると,一級小型船舶操縦士免許受有者が238人と最も多く,次いで二級小型船舶操縦士免許受有者が60人,四級海技士(航海)免許受有者が49人,五級海技士(航海)免許受有者が36人,三級海技士(航海)免許受有者が12人である(第2-1表)。


第2-1表 免許種類別処分の状況 (単位:人)(平成26年)
  処分 免許取消 業務停止 戒告 懲戒処分計 不懲戒 懲戒免除 合計
免許種類  
海技士(航海) 一級 0 1 1 2 0 0 2
二級 0 0 3 3 0 0 3
三級 0 7 5 12 3 0 15
四級 0 35 14 49 4 0 53
五級 0 23 13 36 2 0 38
六級 0 4 4 8 0 0 8
海技士(機関) 一級 0 0 1 1 0 0 1
二級 0 0 0 0 0 0 0
三級 0 1 0 1 0 0 1
四級 0 0 2 2 1 0 3
五級 0 0 0 0 1 0 1
六級 0 0 0 0 0 0 0
小型船舶操縦士 一級 0 143 95 238 10 0 248
二級 0 33 27 60 1 0 61
特殊 0 5 2 7 1 0 8
水先人 一級 0 2 3 5 0 0 5
二級 0 0 0 0 0 0 0
三級 0 0 0 0 0 0 0
0 254 170 424 23 0 447

注 1 国土交通省海難審判所資料による。
2 「懲戒免除」とは,懲戒すべきところを本人の経歴等考慮して免除したものである。


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