I 現況の概要 第2編 海上交通
第1章 海難等の動向
第2編 海上交通
第1章 海難等の動向
1 近年の海難等の状況
我が国の周辺海域において,交通安全基本計画の対象となる船舶事故隻数の推移をみると,第2次交通安全基本計画期間(昭和51~55年度)の年平均では3,232隻であったものが,平成28年では2,007隻となっており,約4割減少した。
海難による死者・行方不明者の数は,第2次交通安全基本計画期間の年平均で426人であったものが,平成28年では62人となっており,約8割以上の減少となった。
2 平成28年中の海難等及び海難救助の状況
- <1> 平成28年は,海難船舶2,007隻の中で自力入港した623隻を除いた1,384隻のうち,1,238隻が救助され,救助率(自力入港を除く海難船舶隻数に対する救助された隻数の割合)は89%であった。海上保安庁は,巡視船艇延べ1,898隻,航空機延べ314機及び特殊救難隊員延べ228人を出動させ,海難船舶512隻を救助した。
- <2> 船舶事故による死者・行方不明者数,船舶からの海中転落による死者・行方不明者数ともに漁船によるものが最も多く,それぞれ全体の63%,48%を占めている。
- <3> 小型船舶の事故隻数は,1,569隻であり,前年より59隻減少した。これに伴う死者・行方不明者数は43人であり,前年より4人減少した。
- <4> プレジャーボート※等の海難船舶943隻の中で自力入港した150隻を除いた793隻のうち737隻が救助され,救助率は93%であった。