参考-2 欧米諸国の交通事故発生状況

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国際道路交通事故データベース(IRTAD)がデータを有する30か国について,人口10万人当たりの死者数を比較すると,我が国は3.8人(2015年)であり,第10位に位置している。(第1図)

第1図 人口10万人当たりの交通事故死者数(2015年)

第1表 人口10万人当たりの交通事故死者数上位国(2015年)
国名 10万人当たりの死者数 人口
(千人)
死者数 過去5カ年の推移
2015 2014 2013 2012 2011
ノルウェー 2.3 5,166 117 2.3 2.9 3.7 2.9 3.4
スウェーデン 2.7 9,747 259 2.7 2.8 2.7 3 3.4
イギリス 2.8 65,110 1,804 2.8 2.9 2.8 2.8 3.1
スイス 3.1 8,238 253 3.1 3 3.3 4.3 4.1
オランダ 3.1 16,901 531 3.1 2.8 2.8 3.4 3.3
デンマーク 3.1 5,660 178 3.1 3.2 3.4 3 4
アイルランド 3.5 4,629 162 3.5 4.2 4.1 3.5 4.2
スペイン 3.6 46,450 1,689 3.6 3.6 3.6 4.1 4.5
イスラエル 3.8 8,463 322 3.8 3.4 3.4 4.4 4.4
日本 3.8 127,095 4,859 3.8 3.8 4 4.1 4.3

注 1 IRTAD資料による。
2 数値は全て30日以内死者(事故発生から30日以内に亡くなった人)のデータを基に算出されている。

1 概況

主な欧米諸国(アメリカ,ドイツ,イギリス,フランス)の交通事故死者の推移をみると,ドイツ,イギリス及びフランスは,ドイツの統一前後の一時的増加を除き,おおむね減少傾向にある。アメリカは,2006年より減少傾向が続いていたが,2015年は増加している。(第2図)

第2図 主な欧米諸国の交通事故死者数の推移

2 自動車の普及の状況

我が国と欧米諸国の自動車の普及状況を見ると,人口1人当たりの自動車保有台数は,アメリカが最も多く,オーストラリアが続いている。(第2表)


第2表 欧米諸国の交通事故の状況(2015年)
事項 アメリカ カナダ オーストラリア ドイツ イギリス
調査年 2015 2015 2015 2015 2015
人身事故件数 1,747,560 (14)115,491 305,659 146,203
死者数 35,092 (14)1,876 1,206 3,459 1,804
負傷者数 2,443,369 (14)155,312 393,432 194,122
状態別 死者数 歩行中 5,376 (14)310 162 537 427
自転車 818 (14)39 30 383 100
二輪車 4,976 (14)194 202 701 369
乗用車 12,628 (14)948 607 1,620 802
その他 11,228 (14)381 203 218 106
不 明 66 (14)4 2 0 0
年齢層別 死者数  ~14 1,132 (14)47 42 84 52
15~24 6,726 (14)356 224 545 357
25~64 20,976 (14)1,038 670 1,804 951
65~  6,165 (14)418 269 1,024 444
不 明 93 (14)17 1 2 0
年齢層別 負傷者数  ~14 (11)171,007 (13)8,796 (12)29,248 (12)16,388
15~24 (11)549,145 (13)35,523 (12)90,429 (12)50,102
25~64 (11)1,311,695 (13)99,970 (12)220,298 (12)116,493
65~  (11)185,115 (13)16,082 (12)43,887 (12)16,721
不 明 (11)0 (13)4,122 (12)516 (12)3,227
人口(千人) 321,419 (14)35,540 23,786 81,198 65,110
自動車保有台数(4輪車・千台) 272,711 (14)22,850 17,119 48,741 35,493
道路延長(km) 6,686,385 (13)1,304,100 873,573 (09)688,243 421,588
自動車走行キロ(億キロ) 49,500 (08)3,273 2,437 7,309 (97)4,607
運転免許保有者数(千人) 218,084 (14)24,914 16,881 46,969
人口1人当たり自動車保有台数(台) 0.85 (14)0.64 0.72 0.60 0.55
人口千人当たり道路延長(km) 20.80 (13)37.10 36.73 (09)8.39 6.48
人口10万人当たり死者数(人) 10.92 (14)5.28 5.07 4.26 2.77
自動車1万台当たり死者数(人) 1.29 (14)0.82 0.70 0.71 0.51
自動車走行1億キロメートル当たり死者数(人) 0.70 (14)0.52 0.49 0.46 (14)0.36
事項 フランス スウェーデン イタリア オランダ 日本
調査年 2015 2015 2015 2015 2015
人身事故件数 56,603 14,667 174,539 18,529 536,899
死者数 3,461 259 3,428 531 4,859
負傷者数 70,802 19,643 246,920 (09)22,221 665,281
状態別 死者数 歩行中 468 28 602 60 1,812
自転車 149 17 251 107 760
二輪車 769 49 878 80 775
乗用車 1,796 144 1,468 216 1,038
その他 279 21 229 63 474
不 明 0 0 0 5 0
年齢層別 死者数  ~14 101 7 39 20 86
15~24 744 44 436 85 375
25~64 1,785 138 1,814 250 1,677
65~  831 70 1,088 176 2,721
不 明 0 0 51 0 0
年齢層別 負傷者数  ~14 (12)5,661 (12)1,345 (12)12,023 (09)1,616 (13)48,882
15~24 (12)20,204 (12)6,078 (12)53,941 (09)6,773 (13)123,385
25~64 (12)42,978 (12)13,037 (12)165,123 (09)11,295 (13)497,598
65~  (12)7,003 (12)2,196 (12)27,902 (09)2,422 (13)110,850
不 明 (12)5 (12)169 (12)7,875 (09)115 (13)0
人口(千人) 64,277 9,747 60,796 16,901 127,095
自動車保有台数(4輪車・千台) 38,563 5,279 42,242 8,938 75,682
道路延長(km) 1,088,747 (14)140,700 (92)305,388 138,912 (14)1,218,772
自動車走行キロ(億キロ) 5,710 801 1,269 (14)5,083
運転免許保有者数(千人) (08)40,300 6,379 38,576 (12)10,991 82,150
人口1人当たり自動車保有台数(台) 0.60 0.54 0.69 0.53 0.60
人口千人当たり道路延長(km) 16.94 (14)14.59 (92)5.38 8.22 (14)9.59
人口10万人当たり死者数(人) 5.38 2.66 5.64 3.14 3.83
自動車1万台当たり死者数(人) 0.90 0.49 0.81 0.59 0.64
自動車走行1億キロメートル当たり死者数(人) 0.59 0.32 - 0.42 0.66

注 1 IRTAD資料による。
2 ( )は調査年次を表し,「…」は1985年まで遡ってもデータのないものを表す。
3 状態別死者数中「乗用車」にはバス,ミニバスを含み,「その他」には貨物,特殊,路面電車,軽車両を含む。 4 死者数の定義は事故発生後30日以内の死者である。

3 自動車1万台当たりの交通事故死者数及び自動車走行キロメートル当たり交通事故死者数の状況

我が国と欧米諸国の自動車1万台当たりの交通事故死者数の状況を見ると,アメリカが1.29人と最も多く,我が国はアメリカの半分程度(0.64人)となっている。また,自動車走行1億キロメートル当たりの交通事故死者数についてみると,アメリカが0.70人と最も多く,日本,フランス,カナダの順となっている。(第2表)


4 状態別交通事故死者数の状況

我が国と主な欧米諸国(アメリカ,ドイツ,イギリス,フランス及びスウェーデン)の状態別交通事故死者数の状況を見ると,我が国は乗用車乗車中の死者数の構成率が低く,歩行中及び自転車乗車中の死者数の構成率が高い。イギリスは,歩行中死者数の構成率が我が国に次いで高い。一方,スウェーデン,フランス及びドイツは,乗用車乗車中の死者数の構成率が高い。また,アメリカは,欧州各国と比較して,乗用車乗車中の死者数の構成率が低い。(第3図)


第3図 主な欧米諸国の状態別交通事故死者数の構成率(2015年)

5 年齢層別交通事故死者数の状況

我が国と主な欧米諸国(アメリカ,ドイツ,イギリス,フランス及びスウェーデン)の年齢層別交通事故死者数の状況を見ると,主な欧米諸国では,15~24歳の年齢層の死者数の構成率が我が国よりも高く,人口構成率を5~10ポイント程度上回っている。我が国は,65歳以上の年齢層の死者数の構成率が際立って高い。(第4図)


第4図 主な欧米諸国の年齢層別交通事故死者数の構成率と人口構成率(2015年)

6 状態別・年齢層別交通事故死者数の状況

我が国と主な欧米諸国(アメリカ,ドイツ,イギリス,フランス及びスウェーデン)の状態別・年齢層別交通事故死者数の状況を見ると,我が国は,歩行中については25歳以上の構成率が主な欧米諸国に比べて高く,自転車については14歳以下の構成率が主な欧米諸国に比べて高い。(第5図)

第5図 主な欧米諸国の状態別・年齢層別交通事故死者数の構成率(2015年)

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